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公開番号2024093440
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-09
出願番号2022209818
出願日2022-12-27
発明の名称排気管の締結構造
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F01N 13/08 20100101AFI20240702BHJP(機械または機関一般;機関設備一般;蒸気機関)
要約【課題】フランジ傾斜面とホルダ傾斜面との接触部に座面陥没が発生することを抑制しつつ、ガスケットのビードに加わる面圧のばらつきを抑えることができる、排気管の締結構造の提供。
【解決手段】(i)フランジ傾斜面22aの傾斜角度θFが、ホルダ傾斜面32aの傾斜角度θHより大とされている。そのため、両傾斜面22a、32a同士との接触位置を、フランジ20の根元側とすることができる。よって、両傾斜面22a、32a同士の接触位置がばらつくことを抑制でき、ガスケット40のビード41に加わる面圧がばらついてしまうことを抑制できる。(ii)ホルダ傾斜面32aの端部32bがR形状面とされている。そのため、ホルダ傾斜面32aとフランジ傾斜面22aとの接触面圧(ヘルツ応力)を下げることができる。よって、接触部に座面陥没が発生することを抑制できる。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
排気管のフランジと、
排気管取付面を有し、該排気管取付面に、前記フランジがビードを備えるガスケットを介在させて締結具を用いて取付けられるシリンダヘッドと、
を有し、
前記フランジは、前記排気管取付面に対して傾斜して延びる締結具挿通用孔が形成されるフランジ締結部と、前記排気管取付面に対して傾斜するフランジ傾斜面を有するフランジ保持部と、を有しており、
前記シリンダヘッドは、前記フランジ傾斜面と同方向に傾斜するホルダ傾斜面を有しており前記フランジ傾斜面が前記ホルダ傾斜面と対向する状態で前記フランジ保持部を前記排気管取付面との間に受け入れるホルダを有しており、
前記ガスケットによるシール面圧を、前記締結具を締めるときに発生する軸力における前記排気管取付面の面内方向分力で、前記フランジ傾斜面を前記ホルダ傾斜面に押し付け、発生する反力で前記ガスケットのビードを押すことで発生させる、排気管の締結構造であって、
前記フランジ傾斜面の前記排気管取付面に対する傾斜角度は、前記ホルダ傾斜面の前記排気管取付面に対する傾斜角度より大とされており、
前記ホルダ傾斜面の、前記排気管取付面と反対側の端部は、R形状面とされている、排気管の締結構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、排気管の締結構造に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、図3に示すように、排気管のフランジ2を、ガスケット4を介在させて、シリンダヘッド3の排気管取付面3aに取付ける、締結構造1を開示している。
【0003】
上記公報開示の技術では、フランジ2は、排気管取付面3aに対して傾斜して延びるボルト挿通用孔2a1が形成されるフランジ締結部2aと、排気管取付面3aに対して傾斜するフランジ傾斜面2b1を有するフランジ保持部2bと、を有している。シリンダヘッド3は、フランジ傾斜面2b1と同方向に傾斜するホルダ傾斜面3b1を有しておりフランジ傾斜面2b1がホルダ傾斜面3b1と対向する状態でフランジ保持部2bを排気管取付面3aとの間に受け入れるホルダ3bを有している。そして、フランジ2とシリンダヘッド3とのガスケット4によるシール面圧を、ナット5を締めるときに発生する軸力における排気管取付面3aの面内方向成分(面内方向分力)A1でフランジ傾斜面2b1をホルダ傾斜面3b1に押し付け、発生する反力でガスケット4のビードを押すことで発生させている。
【0004】
しかし、上記公報開示の技術には、フランジ傾斜面2b1とホルダ傾斜面3b1の制約条件が規定されていないため、つぎの問題点がある。
ホルダ3b側のシール面圧は、ナット5側の締結の面内方向分力A1による押付け荷重で決まる。均一な押付け荷重を確保するには、フランジ傾斜面2b1とホルダ傾斜面3b1を平行とすることが理想であるが、実際は、形状ばらつきがあり、局所的な接触となる。その位置によって押付け荷重にばらつきがあり、ガスケット4のビードに加わる面圧がばらついてしまう。ガスケット4のビードに加わる面圧を確保するために、ナット5の締付力を高めると、フランジ傾斜面2b1とホルダ傾斜面3b1との接触部で圧縮荷重過大により圧縮耐力を超えて座面陥没が発生し、締結軸力の低下の原因となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
独国特許出願公開第102010025657号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、フランジ傾斜面とホルダ傾斜面との接触部に座面陥没が発生することを抑制しつつ、ガスケットのビードに加わる面圧のばらつきを抑えることができる、排気管の締結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 排気管のフランジと、
排気管取付面を有し、該排気管取付面に、前記フランジがビードを備えるガスケットを介在させて締結具を用いて取付けられるシリンダヘッドと、
を有し、
前記フランジは、前記排気管取付面に対して傾斜して延びる締結具挿通用孔が形成されるフランジ締結部と、前記排気管取付面に対して傾斜するフランジ傾斜面を有するフランジ保持部と、を有しており、
前記シリンダヘッドは、前記フランジ傾斜面と同方向に傾斜するホルダ傾斜面を有しており前記フランジ傾斜面が前記ホルダ傾斜面と対向する状態で前記フランジ保持部を前記排気管取付面との間に受け入れるホルダを有しており、
前記ガスケットによるシール面圧を、前記締結具を締めるときに発生する軸力における前記排気管取付面の面内方向分力で、前記フランジ傾斜面を前記ホルダ傾斜面に押し付け、発生する反力で前記ガスケットのビードを押すことで発生させる、排気管の締結構造であって、
前記フランジ傾斜面の前記排気管取付面に対する傾斜角度は、前記ホルダ傾斜面の前記排気管取付面に対する傾斜角度より大とされており、
前記ホルダ傾斜面の、前記排気管取付面と反対側の端部は、R形状面とされている、排気管の締結構造。
(2) 前記フランジ傾斜面の前記排気管取付面に対する傾斜角度の寸法設定と、前記ホルダ傾斜面の前記排気管取付面に対する傾斜角度の寸法設定は、それぞれ狙い角度を同じとした片振り公差とされており、前記フランジ傾斜面がゼロからプラス公差、前記ホルダ傾斜面がマイナス公差からゼロとされている、(1)記載の排気管の締結構造。
(3) 前記ガスケットのビードは、前記排気管取付面の面内方向で、前記フランジ締結部の締結具挿通用孔と前記フランジ保持部のフランジ傾斜面との間に配置されている、(1)記載の排気管の締結構造。
【発明の効果】
【0008】
上記(1)の排気管の締結構造によれば、フランジ傾斜面の排気管取付面に対する傾斜角度が、ホルダ傾斜面の排気管取付面に対する傾斜角度より大とされているため、フランジ傾斜面とホルダ傾斜面との接触位置を、フランジの根元側(ホルダ傾斜面の排気管取付面と反対側の端部)とすることができる。そのため、フランジ傾斜面とホルダ傾斜面との接触位置がばらつくことを抑制できる。よって、締結具の締結軸力の面内方向分力による押し付け荷重がばらついてガスケットのビードに加わる面圧がばらついてしまうことを抑制できる。
【0009】
また、ホルダ傾斜面の、排気管取付面と反対側の端部が、R形状面とされているため、フランジ傾斜面とホルダ傾斜面との接触位置をフランジの根元側(ホルダ傾斜面の排気管取付面と反対側の端部)とする場合であっても、ホルダ傾斜面とフランジ傾斜面との弾性変形したときの接触面積を増やして接触面圧(ヘルツ応力)を下げることができる。よって、フランジ傾斜面とホルダ傾斜面との接触部に座面陥没が発生することを抑制できる。
【0010】
上記(2)の排気管の締結構造によれば、フランジ傾斜面の排気管取付面に対する傾斜角度の寸法設定と、ホルダ傾斜面の排気管取付面に対する傾斜角度の寸法設定が、それぞれ狙い角度(呼び寸)を同じとした片振り公差とされており、フランジ傾斜面がゼロからプラス公差、ホルダ傾斜面がマイナス公差からゼロとされているため、フランジ傾斜面の排気管取付面に対する傾斜角度を、ホルダ傾斜面の排気管取付面に対する傾斜角度より確実に大とすることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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