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公開番号2024089833
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022205287
出願日2022-12-22
発明の名称埋込杭および埋込杭の施工方法
出願人大成建設株式会社
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類E02D 27/32 20060101AFI20240627BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】杭の浮力を利用することでクレーンへの負荷を軽減することを可能とし、かつ施工の手間および費用の低減化を可能とした埋込杭およびこの埋込杭の施工方法を提案する。
【解決手段】水底に形成された掘削孔に埋設される埋込杭2であって、中空の杭本体3と、杭本体3の下部を閉塞する下蓋4と、杭本体3の上部を閉塞する上蓋5と、杭本体3の内部において杭本体3の上部から下部に配管された充填管6とを備えている。杭本体3内に水を注水するための注水孔51が頭部に形成されており、充填管6は杭本体3の下部に形成された貫通孔32に連通している。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
水底に形成された掘削孔に埋設される埋込杭であって、
中空の杭本体と、
前記杭本体の下部を閉塞する下蓋と、
前記杭本体の上部を閉塞する上蓋と、
前記杭本体の内部において前記杭本体の上部から下部に配管された充填管と、を備えており、
前記杭本体内に水を注水するための注水孔が頭部に形成されており、
前記充填管は、前記杭本体の下部に形成された貫通孔に連通していることを特徴とする、埋込杭。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記上蓋には、前記注水孔および排気孔が形成されており、
前記注水孔および前記排気孔には、バルブ、逆止弁または閉塞キャップが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の埋込杭。
【請求項3】
前記充填管には、バルブ、逆止弁または閉塞キャップが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の埋込杭。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の埋込杭を水底に設ける埋込杭の施工方法であって、
前記埋込杭の上端側を吊り上げることにより、前記埋込杭を水中で建て起こす建て起こし工程と、
前記埋込杭を前記掘削孔に挿入する挿入工程と、
前記埋込杭と前記掘削孔との隙間に充填材を充填する充填工程と、を備えており、
前記建て起こし工程では、前記杭本体の内部に水を注水することを特徴とする、埋込杭の施工方法。
【請求項5】
前記水の注水量を計量して、前記埋込杭の見かけの重さを管理することを特徴とする、請求項4に記載の埋込杭の施工方法。
【請求項6】
前記埋込杭を水上に浮かせた状態で、所定の位置に曳航する杭移送工程をさらに備えていることを特徴とする、請求項4に記載の埋込杭の施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水底に施工する埋込杭および埋込杭の施工方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
水上風力発電施設の基礎として、水底に設けられた1本の杭により風車塔を支持するモノパイル式基礎がある。
モノパイル式基礎では、既成杭を水底に打ち込むことにより設ける打設杭や、水底に形成された掘削孔に既成杭を埋設する埋込杭を使用する。
既成杭の施工方法として、クレーン船のクレーンを利用して既成杭を吊り下げるとともに、クレーン船に設けられたパイルグリッパーに既成杭をセットし、パイルグリッパーにより杭の傾き等を制御した状態で施工を行う場合がある。そのため、既成杭に対して十分な揚重能力を有しているクレーン船を使用する必要がある。一方、風力発電機の規格が大きくなるにつれて、モノパイル式基礎に使用する既成杭の重量も増加しており、既成杭を揚重可能なクレーン船を確保できないおそれがある。
既成杭を水上に浮かべた状態で、杭を建て起こせば、杭に作用する浮力により杭の見かけの重量が軽減する。例えば、特許文献1では、水上に横たわる既成杭の一端部をクレーンで吊り上げることで、杭を建て起こす方法が開示されている。既成杭の下端には、杭の内径よりも小径の流入口が形成されており、この流入口から水を杭の内部に流入させることで、クレーンに伝わる荷重を制御し、杭の建て起こし作業を効率的に行うものとしている。
特許文献1の杭を埋込杭に利用すると、杭の周囲に充填材を注入した際、杭の下端に形成された流入口から杭の内部に充填材が流入するおそれがある。杭に充填材が流入すると、充填材の注入量が増加してしまい、その結果、施工の手間および費用が増加する。また、杭内部に流入させる水は、杭の下端に形成された流入口から流入させるため、流入量の制御は流入口に設けられたバルブの操作により行う必要がある。そのため、杭の建て起こしに応じた水の流入量の調整が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-76730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、杭の浮力を利用することでクレーンへの負荷を軽減することを可能とし、かつ施工の手間および費用の低減化を可能とした埋込杭およびこの埋込杭の施工方法を提案することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の埋込杭は、水底に形成された掘削孔に埋設されるものであって、中空の杭本体と、前記杭本体の下部を閉塞する下蓋と、前記杭本体の上部を閉塞する上蓋と、前記杭本体の内部において前記杭本体の上部から下部に配管された充填管とを備えている。前記杭本体内に水を注水するための注水孔が頭部に形成されており、前記充填管は前記杭本体の下部に形成された貫通孔に連通している。
また、本発明の埋込杭の施工方法は、前記埋込杭の上端側を吊り上げることにより前記埋込杭を水中で建て起こす建て起こし工程と、前記埋込杭を前記掘削孔に挿入する挿入工程と、前記埋込杭と前記掘削孔との隙間に充填材を充填する充填工程とを備えており、前記建て起こし工程では前記杭本体の内部に水を注水する。
かかる埋込杭および埋込杭の施工方法によれば、埋込杭を建て起こす際に、内部に水が注水され、埋込杭の下端側が重くなるため、建て起こしやすくなる。また、埋込杭の下部は下蓋により閉塞されているため、掘削孔内に注入した充填材が杭本体内に流入することが防止されている。そのため、充填材の注入量を必要最小限に抑えることが可能となり、その結果、施工の効率化および費用の低減化が可能となる。
【0006】
前記上蓋には、前記注水孔および排気孔が形成されており、前記注水孔および前記排気孔には、バルブ、逆止弁または閉塞キャップが設けられていることが好ましい。このようにすると、杭の上端からの注水および排気が可能となる。また、上蓋に注水孔及び排気孔を形成することで、既成杭の加工に要する手間を最小限に抑えることが可能となる。
また、前記充填管にバルブ、逆止弁または閉塞キャップが設けられていれば、充填管内に水が流入することを抑制できる。
また、建て起こし工程において、前記水の注水量を計量して、前記埋込杭の重さを管理すれば、埋込杭を建て起こす際のバランスが保たれるため、クレーン能力の範囲内に調整できる。
さらに、前記埋込杭を水上に浮かせた状態で、所定の位置に曳航すれば、別途杭を載せて運ぶような、鋼台船を必要としない。また、所定の位置に移動させた後は、積み替え作業などを要しない。また、埋込杭は、水上に浮かした状態で保管することも可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の埋込杭およびこの埋込杭の施工方法によれば、杭の浮力を利用することでクレーンへの負荷を軽減することを可能とし、かつ施工の手間および費用の低減化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係る水上風力発電施設を示す正面図である。
埋込杭を示す断面図である。
埋込杭の施工方法を示すフローチャートである。
埋込杭の保管方法を示す側面図であって、(a)は埋込杭の水上への荷下ろし状況、(b)は埋込杭の保管状況である。
掘削工程を示す側面図であって、(a)はテンプレート設置状況、(b)はケーシング設置状況である。
図5(b)に続く掘削工程を示す側面図であって、(a)は掘削前、(b)は掘削後である。
杭移送工程を示す側面図である。
建て起こし工程を示す側面図である。
挿入工程を示す側面図であって、(a)は埋込杭挿入時、(b)は埋込杭挿入後である。
充填工程を示す側面図であって、(a)は充填状況、(b)はテンプレート撤去状況である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態では、水上風力発電施設1の基礎構造を施工する場合について説明する。図1に本実施形態の水上風力発電施設1を示す。図1に示すように、本実施形態の水上風力発電施設1は、杭基礎13に風車11の支柱12が支持されたいわゆるモノパイル基礎からなる。
水上風力発電施設1の基礎構造(杭基礎13)は、杭(埋込杭2)を水底GL(地盤G)に形成された掘削孔Hに埋め込むことにより形成する。
【0010】
図2に埋込杭2を示す。埋込杭2は、図2に示すように、杭本体3と、下蓋4と、上蓋5と、充填管6と、注水管7とを備えている。
杭本体3は、中空の円筒状の鋼管からなる。杭本体3の側面には、一対のトラニオン31,31が固定されている。一対のトラニオン31,31は、高さ方向中央よりも上側において、一対のトラニオン31,31が杭本体3を挟んで対向する位置に配置されている。杭本体3の上部は、上端に行くに従って縮径している。一方、杭本体3のその他の部分では、同一の直径を有している。杭本体3の下部側面には、複数の貫通孔32が形成されている。
(【0011】以降は省略されています)

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