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公開番号2024090539
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-04
出願番号2022206513
出願日2022-12-23
発明の名称岸壁架橋設備、及び岸壁架橋設備を利用した物資の移動方法
出願人大成建設株式会社
代理人個人,個人
主分類E01D 18/00 20060101AFI20240627BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】水域の状況に左右されることなく、また、物資の重量に左右されることなく、連絡橋を介して物資が移動する際の反力を安定的に取ることができる、岸壁架橋設備、及び岸壁架橋設備を利用した物資の移動方法を提供する。
【解決手段】岸壁Gと水域Wに停泊する船舶Sとの間を架橋する岸壁架橋設備100であり、岸壁Gにおいて水域Wに向かって延びる桟橋10と、桟橋10の幅方向の左右端に設けられている一対の支柱20と、桟橋10における水域側の端部11にある回動ヒンジ18に対して回動自在に取り付けられている連絡橋40と、支柱20の柱頭23に設置されている巻き取り機30と、巻き取り機30から延びて連絡橋40の一部に取り付けられているワイヤ50とを有し、巻き取り機30の駆動によるワイヤ50の巻き取りと巻き出しにより、回動ヒンジ18を介した連絡橋40の岸壁側への立設姿勢と水域側への張り出し姿勢が形成される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
岸壁と水域に停泊する船舶との間を架橋する、岸壁架橋設備であって、
前記岸壁において水域に向かって延びる桟橋と、
前記桟橋の幅方向の左右端に設けられている、一対の支柱と、
前記桟橋における水域側の端部にある回動ヒンジに対して回動自在に取り付けられている、連絡橋と、
前記支柱の柱頭に設置されている、巻き取り機と、
前記巻き取り機から延びて前記連絡橋の一部に取り付けられている、ワイヤとを有し、
前記巻き取り機の駆動による前記ワイヤの巻き取りと巻き出しにより、前記回動ヒンジを介した前記連絡橋の岸壁側への立設姿勢と水域側への張り出し姿勢が形成されることを特徴とする、岸壁架橋設備。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記支柱と、前記桟橋における該支柱よりも陸側の領域とを繋いで、前記ワイヤによる張力の反力の一部を、該桟橋の該陸側の領域に負担させるための控え材をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の岸壁架橋設備。
【請求項3】
前記巻き取り機が電動チェーンブロックであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の岸壁架橋設備。
【請求項4】
前記水域が湖であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の岸壁架橋設備。
【請求項5】
岸壁と水域に停泊する船舶との間を架橋する、岸壁架橋設備を利用して物資の移動を行う、岸壁架橋設備を利用した物資の移動方法であって、
前記岸壁において水域に向かって桟橋が延び、該桟橋の幅方向の左右端に一対の支柱が設けられ、桟橋における水域側の端部にある回動ヒンジに対して連絡橋が回動自在に取り付けられ、該支柱の柱頭に設置されている巻き取り機から延びるワイヤが該連絡橋の一部に取り付けられており、該巻き取り機を駆動して該ワイヤを巻き出し、岸壁側へ立設していた該連絡橋を水域側へ張り出させる、A工程と、
水域に停泊する前記船舶と、前記連絡橋とを連絡させ、前記桟橋と該船舶との間の物資の移動を行う、B工程とを有することを特徴とする、岸壁架橋設備を利用した物資の移動方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、岸壁架橋設備、及び岸壁架橋設備を利用した物資の移動方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
岸壁の近傍に台船を停泊させ、岸壁と台船を架橋した上で、岸壁から台船へ物資を移動させる、もしくは台船から岸壁へ物資を移動させることにより、物資の海上輸送や、水域における新規の水上構造物の施工、水上構造物のメンテナンス施工等が行われる。水上構造物のメンテナンス施工の一例としては、ダムや水門、樋門等を含む、堰を構成する堰柱の補修工事や改修工事等が挙げられる。
この堰の補修工事では、例えば、堰柱の周囲に複数の箱体(箱体の積層体を含む)を設置し、堰柱を包囲する仮締切り体を形成した後に、堰柱と仮締切り体の間にドライ区間を形成し、ドライ空間を利用して堰柱の補修工事が行われる。この箱体は、岸壁から連絡橋を介して台船に積み込んだ後、施工対象の堰柱まで台船で曳航し、例えば台船の備える揚重機や、箱体を曳航した台船とは異なる起重機船等により、堰柱の周囲に箱体が吊り下ろされる。
【0003】
このように、比較的規模の大きな物資を台船を利用して水域に曳航したり、あるいは、台船から岸壁へ物資を輸送する場合に、大規模な台船には上記する連絡橋もしくは架橋設備が設置され、台船が岸壁の近傍に停泊した後に台船から岸壁へ連絡橋が渡され、連絡橋を介して大規模な物資の移動が行われることが往々にしてある。
例えば、特許文献1にも、連絡橋に相当する橋桁部材が台船に搭載されている、移動式架橋が提案されている。この移動式架橋は、水上を移動可能な台船と、台船上に基部を回転自在に枢着して立設された少くとも2本の支柱と、回転ヒンジによって順次連結された複数個の橋桁部材にて構成され、一端が支柱の基部に枢着された展開橋桁と、展開橋桁を支柱から斜張状に吊り下げる長さ調節機構をもつ複数本の展開ワイヤとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平7-42113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の移動式架橋をはじめとして、台船に対して連絡橋が回動自在に備えられた架橋設備では、連絡橋の反力を水域に浮遊する台船に取っていることから、連絡橋を介して物資が移動する際の反力取りが水域の状況(水位変動等)に左右され、安定しないといった課題がある。
また、反力を台船で取っていることから、連絡橋を介した物資の移動において物資の重量に制限が生じ、例えば上記する水上での施工に利用される大規模なクレーン等の揚重機の移動ができない場合も生じ得る。
さらに、水域が例えば湖である場合に、湖には起重機船等の作業船の入港が一般に不可能であるか極めて難しいことから、水域が湖である場合に対応することが難しくなる。
【0006】
本発明は、岸壁と水域に停泊する船舶との間を架橋する岸壁架橋設備とこれを利用した物資の移動方法に関し、水域の状況に左右されることなく、また、物資の重量に左右されることなく、連絡橋を介して物資が移動する際の反力を安定的に取ることができ、水域が湖でも岸壁と台船との間の物資の移動を可能とした、岸壁架橋設備、及び岸壁架橋設備を利用した物資の移動方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、本発明による岸壁架橋設備の一態様は、
岸壁と水域に停泊する船舶との間を架橋する、岸壁架橋設備であって、
前記岸壁において水域に向かって延びる桟橋と、
前記桟橋の幅方向の左右端に設けられている、一対の支柱と、
前記桟橋における水域側の端部にある回動ヒンジに対して回動自在に取り付けられている、連絡橋と、
前記支柱の柱頭に設置されている、巻き取り機と、
前記巻き取り機から延びて前記連絡橋の一部に取り付けられている、ワイヤとを有し、
前記巻き取り機の駆動による前記ワイヤの巻き取りと巻き出しにより、前記回動ヒンジを介した前記連絡橋の岸壁側への立設姿勢と水域側への張り出し姿勢が形成されることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、岸壁に設けられている桟橋の幅方向の左右端に一対の支柱があり、桟橋の水域側の端部にある回動ヒンジに連絡橋が回動自在に取り付けられ、支柱の柱頭に設置されている巻き取り機から延びて連絡橋の一部に取り付けられているワイヤの巻き取りや巻き出しによって連絡橋の立設姿勢と張り出し姿勢が形成されることにより、水域の状況に左右されることなく、また、物資の重量に左右されることなく、連絡橋を介して物資が移動する際の反力を安定的に取ることができる。
また、連絡橋を備えた台船を利用するものでないことから、水域が湖でも岸壁と台船との間の物資の移動が可能になる。
また、岸壁に連絡橋が回動自在に設けられていることから、どのような形状及び寸法の台船に対しても、岸壁から延びる連絡橋を台船に係止させ、岸壁の備える桟橋と台船を連絡橋にて架橋することができる。
さらに、反力を桟橋で取ることにより、台船が反力を取る必要がなくなることから、台船に反力取りのための設備を設ける必要がなくなり、台船の構成の簡素化と製作コストの削減にも繋がる。
【0009】
ここで、「連絡橋の岸壁側への立設姿勢」とは、ワイヤが巻き取り機にて巻き取られることにより、一対の回動ヒンジを支点として、水平もしくは若干の勾配を有する桟橋に対して連絡橋が90度程度回動して立設している姿勢を意味する。一方、「連絡橋の張り出し姿勢」とは、ワイヤが巻き取り機にて巻き出されることにより、一対の回動ヒンジを支点として、桟橋と平行もしくは若干傾斜した程度に水域側へ連絡橋が延びている姿勢を意味する。
【0010】
岸壁に設けられる桟橋は、改良地盤や支持杭等の上に設けられてよく、陸側に向かって一定の下り勾配を有する形態であってよい。桟橋と連絡橋は、双方が同じ勾配で傾斜する形態であってもよいし、異なる勾配で傾斜する形態であってもよい。また、水面のレベル変動に応じて台船のレベルも変動することから、ワイヤの巻き出し量を都度調整することにより、台船のレベルに応じて連絡橋の勾配を変化させることができ、従って、連絡橋は勾配が自在に変化するランプウェイとなる。
(【0011】以降は省略されています)

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