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公開番号2024088010
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-02
出願番号2022202951
出願日2022-12-20
発明の名称帯状体の液体除去装置およびその制御方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C23G 3/02 20060101AFI20240625BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】帯状体に押し付けられるロールを支持するシリンダーの容積を大きくすることなく、ロールを支持することができる帯状体の液体除去装置およびその制御方法を提供する。
【解決手段】帯状体1の上面に上ロール4を押し付ける上アクチュエータ7と、帯状体1の下面に下ロール5を押し付ける下アクチュエータ10と、上ロール4を回転自在に支持する上ロールチョック6と、下ロール5を回転自在に支持する下ロールチョック8とを備える帯状体1の液体除去装置3であって、帯状体1に上ロール4と下ロールと5を押し付けている場合に、下ロールチョック8の下側に配置されて下側への下ロールチョック8の移動を抑制するストッパー11を更に備えている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
連続的に搬送されてくる帯状体の上面に押し付けられる上ロールと、前記帯状体の下面に押し付けられる下ロールと、前記上面に前記上ロールを押し付ける上アクチュエータと、前記下面に前記下ロールを押し付ける下アクチュエータと、前記上ロールの両端部のそれぞれを回転自在に支持すると共に、前記上ロールと一体となって上下方向に移動する上ロールチョックと、前記下ロールの両端部のそれぞれを回転自在に支持すると共に、前記下ロールと一体となって上下方向に移動する下ロールチョックとを備え、
前記上アクチュエータと前記下アクチュエータとによって前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付けることによって前記帯状体に付着している液体を除去する帯状体の液体除去装置であって、
前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付けることによって前記帯状体に付着している前記液体を除去している場合に、前記下ロールチョックの下側に配置されて下側への前記下ロールチョックの移動を抑制するストッパーを更に備えている
帯状体の液体除去装置。
続きを表示(約 870 文字)【請求項2】
前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付けることによって前記帯状体に付着している前記液体を除去している場合における上下方向での前記帯状体の通過位置よりも、前記下アクチュエータによって前記帯状体を押し上げている場合に、前記下ロールチョックの下側に前記ストッパーを配置すると共に、前記下ロールチョックの下側から前記ストッパーを退避させる退避装置を更に備えている請求項1に記載の帯状体の液体除去装置。
【請求項3】
前記退避装置は、固定部上に設けられており、前記下ロールの軸線方向に移動するスライダーと、前記軸線方向に前記スライダーを移動させるアクチュエータとを備え、前記スライダー上に前記ストッパーが一体に設けられている請求項2に記載の帯状体の液体除去装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液体除去装置の制御方法であって、
前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとが押し付けられておりかつ前記ストッパー上に前記下ロールチョックが載置している状態から前記上ロールと前記下ロールとの間の間隔を増大させる際には、前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付けることによって前記帯状体に付着している前記液体を除去している場合における上下方向での前記帯状体の通過位置よりも、前記上ロールと前記下ロールとを上昇させて前記下ロールチョックの下側から前記ストッパーを離脱させ、その後、前記通過位置よりも前記下ロールを下降させ、かつ、
前記上ロールと前記下ロールとが互いに離隔している状態から前記上ロールと前記下ロールと互いに接近させて前記帯状体に押し付ける際には、前記通過位置よりも前記下ロールを上昇させることによって前記下ロールチョックを上昇させて前記下ロールチョックの下側に前記ストッパーを配置し、その後、前記前記下ロールを下降させて前記ストッパーに載置すると共に、前記上ロールを下降させて前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付ける液体除去装置の制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状体に付着している液体を除去する装置およびその制御方法に関し、特に、帯状体を挟み付けるように配置された一対のロールを帯状体に押し付けることによって、帯状体に付着している液体を除去する装置およびその制御方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
酸洗、脱脂、水洗、化成処理等の各種表面処理工程においては、所定の容器に貯留してある酸洗液やメッキ液等に帯状の鋼材(以下、鋼帯と記す。)を浸漬して各種表面処理を行う。その後、容器から鋼帯が搬出され、鋼帯の表面に付着している酸洗液やメッキ液等を除去した後に、次工程に鋼帯が搬出される。また、鋼帯に防錆油等を塗油する工程においても、その後の次工程に搬出される前に余分な油が鋼帯から除去される。
【0003】
上述した酸洗液、メッキ液および油(以下、処理液と記す。)を鋼帯から除去する方法の一例が特許文献1に記載されている。その方法では、ほぼ水平な状態で搬送される鋼帯の上面側と下面側とのそれぞれに、リンガーロールと称されるロールが配置されている。それらのリンガーロールをエアシリンダーによって鋼帯に押し付けることによって鋼帯に付着している液体を絞って除去する。
【0004】
また、設備の稼働率の向上や加工コストの低減のためには、一対のリンガーロール同士の間に、途切れることなく、連続して複数の鋼帯を通すことが好ましい。そのために、例えば、鋼帯の搬送方向でリンガーロールの上流側に、リンガーロールに通す鋼帯の後端部と、それに続く他の鋼帯の先端部とを接続する溶接機が設置される場合がある。一方で、搬送方向でリンガーロールの上流側に溶接機が設置されていない場合がある。その場合には、一対のリンガーロール同士の間に新たに鋼帯を通す度に、一対のリンガーロール同士の間隔を広げる。そして、一対のリンガーロール同士の間に鋼帯の先端部を通し、鋼帯をある程度通した後に一対のリンガーロール同士の間隔を狭めて鋼帯に押し付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-271191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鋼帯の搬送方向で特許文献1に記載された一対のリンガーロールの上流側に溶接機が設置されていない場合には、一対のリンガーロール同士の間に新たに鋼帯を通す度に、一対のリンガーロール同士の間隔を広げる必要がある。
【0007】
また、リンガーロールは、鋼帯と処理液とのそれぞれに接触するため、摩耗したり化学的腐食が生じたりする。そのため、リンガーロールの摩耗の状態や化学的腐食の状態に応じて、あるいは、一定の期間でリンガーロールを交換せざるを得ない。特許文献1に記載のリンガーロールを交換する場合は、エアシリンダーによるリンガーロールの支持や、鋼帯に対するリンガーロールの押し付けを解除し、その状態でリンガーロールの交換を行う。そして、リンガーロールを交換した後においては、エアシリンダーのストロークを調整する。リンガーロールの外径を変更した場合には、エアシリンダーのストローク調整に加えてエアシリンダーの設置位置の変更を行う場合がある。このように、特許文献1に記載の方法では、一対のリンガーロール同士の間に新たに鋼帯を通したり、リンガーロールを交換したりする度に、エアシリンダーのストローク調整や設置位置の変更などの作業が必要となってしまう。
【0008】
また、特許文献1に記載された各リンガーロールは、エアシリンダーによって支持されており、固定されていない。鋼帯の下側に位置する下側エアシリンダーは鋼帯の質量に応じた荷重を受ける。したがって、下側エアシリンダーによるリンガーロールの押圧力やシリンダー容積は、鋼帯の上側に位置する上側エアシリンダーよりも大きくなってしまう。それに加えて、万が一、鋼帯が振動して当該振動に伴う大きな荷重が下側エアシリンダーに作用した場合には、下側エアシリンダーによるリンガーロールの押圧力に不足が生じる可能性がある。その場合には、鋼帯に下側リンガーロールを押し付けることができず、処理液を十分に絞れない可能性がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、帯状体に押し付けられるロールを支持するシリンダーの容積を大きくすることなく、ロールを支持することができる帯状体の液体除去装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の目的を達成するために、
[1]連続的に搬送されてくる帯状体の上面に押し付けられる上ロールと、前記帯状体の下面に押し付けられる下ロールと、前記上面に前記上ロールを押し付ける上アクチュエータと、前記下面に前記下ロールを押し付ける下アクチュエータと、前記上ロールの両端部のそれぞれを回転自在に支持すると共に、前記上ロールと一体となって上下方向に移動する上ロールチョックと、前記下ロールの両端部のそれぞれを回転自在に支持すると共に、前記下ロールと一体となって上下方向に移動する下ロールチョックとを備え、前記上アクチュエータと前記下アクチュエータとによって前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付けることによって前記帯状体に付着している液体を除去する帯状体の液体除去装置であって、前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付けることによって前記帯状体に付着している前記液体を除去している場合に、前記下ロールチョックの下側に配置されて下側への前記下ロールチョックの移動を抑制するストッパーを更に備えている帯状体の液体除去装置。
[2]前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付けることによって前記帯状体に付着している前記液体を除去している場合における上下方向での前記帯状体の通過位置よりも、前記下アクチュエータによって前記帯状体を押し上げている場合に、前記下ロールチョックの下側に前記ストッパーを配置すると共に、前記下ロールチョックの下側から前記ストッパーを退避させる退避装置を更に備えている上記の[1]に記載の帯状体の液体除去装置。
[3]前記退避装置は、固定部上に設けられており、前記下ロールの軸線方向に移動するスライダーと、前記軸線方向に前記スライダーを移動させるアクチュエータとを備え、前記スライダー上に前記ストッパーが一体に設けられている上記の[2]に記載の帯状体の液体除去装置。
[4]上記の[1]に記載の帯状体の液体除去装置の制御方法であって、前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとが押し付けられておりかつ前記ストッパー上に前記下ロールチョックが載置している状態から前記上ロールと前記下ロールとの間の間隔を増大させる際には、前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付けることによって前記帯状体に付着している前記液体を除去している場合における上下方向での前記帯状体の通過位置よりも、前記上ロールと前記下ロールとを上昇させて前記下ロールチョックの下側から前記ストッパーを離脱させ、その後、前記通過位置よりも前記下ロールを下降させ、かつ、前記上ロールと前記下ロールとが互いに離隔している状態から前記上ロールと前記下ロールと互いに接近させて前記帯状体に押し付ける際には、前記通過位置よりも前記下ロールを上昇させることによって前記下ロールチョックを上昇させて前記下ロールチョックの下側に前記ストッパーを配置し、その後、前記前記下ロールを下降させて前記ストッパーに載置すると共に、前記上ロールを下降させて前記帯状体に前記上ロールと前記下ロールとを押し付ける帯状体の液体除去装置の制御方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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