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公開番号2024087255
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-01
出願番号2022201977
出願日2022-12-19
発明の名称分析用液体試料調製装置及び分析用液体試料調製方法
出願人国立大学法人愛媛大学
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類G01N 1/12 20060101AFI20240624BHJP(測定;試験)
要約【課題】植物細胞のように微小な分析対象物に含まれる成分を該分析対象物の各々から採取した超微量溶液により分析できるようにする。
【解決手段】本発明の分析用液体試料調製方法は、溶媒と、先端部が毛細管現象により液体を吸引可能な内径を有する吸引部から成る抽出用キャピラリーと、先端部の外径が、前記抽出用キャピラリーの前記吸引部の内径よりも小さい、測定用キャピラリーとを用意し、前記抽出用キャピラリーの前記吸引部に毛細管現象により前記溶媒を吸引し、前記抽出用キャピラリーの前記吸引部に分析対象物を挿入して該分析対象物に含まれる成分を前記溶媒中に溶出させ、前記吸引部に前記測定用キャピラリーの先端部を挿入して前記溶媒を採取し、前記測定用キャピラリーが採取した前記溶媒を用いて分析用液体試料を調製するものであり、本発明の分析用液体試料調製装置は、前記抽出用キャピラリーと前記測定用キャピラリーとを備えるものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溶媒と、先端部が毛細管現象により液体を吸引可能な内径を有する吸引部から成る抽出用キャピラリーと、先端部の外径が、前記抽出用キャピラリーの前記吸引部の内径よりも小さい、測定用キャピラリーとを用意し、
前記抽出用キャピラリーの前記吸引部に毛細管現象により前記溶媒を吸引し、
前記抽出用キャピラリーの前記吸引部に分析対象物を挿入して該分析対象物に含まれる成分を前記溶媒中に溶出させ、
前記吸引部に前記測定用キャピラリーの先端部を挿入して前記溶媒を採取し、
前記測定用キャピラリーが採取した前記溶媒を用いて分析用液体試料を調製する、分析用液体試料調製方法。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記抽出用キャピラリーの前記吸引部の外径よりも、先端部の内径が大きい溶媒キャピラリーの該先端部に溶媒を保持させ、前記溶媒キャピラリーの先端部に前記吸引部を挿入して毛細管現象により前記溶媒を吸引する、請求項1に記載の分析用液体試料調製方法。
【請求項3】
前記分析用液体試料が、質量分析計で分析するための試料である、請求項1又は2に記載の分析用液体試料調製方法。
【請求項4】
先端部が、毛細管現象により液体を吸引可能な内径を有する吸引部から成る抽出用キャピラリーと、
先端部の外径が、前記抽出用キャピラリーの前記吸引部の内径よりも小さい、測定用キャピラリーと
を備える、分析用液体試料調製装置。
【請求項5】
請求項4に記載の分析用液体試料調製装置において、さらに、
支柱と、該支柱に対する取付位置及び取付姿勢の少なくとも一方を変更可能に該支柱に取り付けられた、前記抽出用キャピラリー又は前記測定用キャピラリーを把持する把持部とを有するキャピラリー支持器を備える、分析用液体試料調製装置。
【請求項6】
第4項又は第5項に記載の分析用液体試料調製装置において、
前記抽出用キャピラリーの前記吸引部の外径よりも、先端部の内径が大きい溶媒キャピラリーをさらに備える、分析用液体試料調製装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、微小な分析対象物から液体試料を採取して分析用液体試料を調製する装置及び方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
地球の温暖化の影響により世界中の各所で農作物の受精障害(不受精、不稔)が多発している。植物の受精障害は、特に種子(有胚乳種子、無胚乳種子)を食料とするイネ、麦等のイネ科作物、大豆、小豆等のマメ科作物において収穫量の不安定化を招くことから、温暖化に伴う受精障害の対策を講じる上で受精障害の要因解明は喫緊の課題となっている。
【0003】
被子植物の受精過程では、まず、雌しべの乳頭細胞の表面に多数の花粉粒が接触(受粉)し、各花粉粒と乳頭細胞との間にポレン・フット(pollen foot)が形成される。そして、乳頭細胞から各花粉粒への水供給により該花粉粒の体積が増加する花粉水和と呼ばれる現象が起き、その後、各花粉粒から花粉管が伸長して胚珠に誘導され、受精に至る。
【0004】
受粉後、ポレン・フット形成に先立って、花粉粒表面からピコリットルレベルのポレン・コートと呼ばれる超微量な溶液(以下「超微量溶液」という)が乳頭細胞と1個の花粉粒との間に移動すると考えられている。このような超微量溶液や、乳頭細胞及び花粉粒の細胞溶液を採取して分析し、受粉前後、あるいは受精前後の乳頭細胞、花粉粒における代謝を調べることにより、受精障害の要因を解明できる可能性がある(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Wada H. et al., “On-site single pollen metabolomics reveals varietal differences in phosphatidylinositol synthesis under heat stress conditions in rice.” Scientific Reports, (2020) 10(1) 2013, DOI: https://doi.org/10.1038/s41598-020-58869-9.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、イネ等の被子植物の花器(雌しべ、又は、雄しべ)の代謝を調べる場合、それぞれの花器組織をまとめて採取し、混合した後、その混合物から抽出した液体試料を液体クロマトグラフィ、キャピラリー電気泳動等を用いて分離分画した後、種々の質量分析計を用いて液体試料に含まれる成分を同定したり、定量したりする手法が採られている。雌しべは子房、花柱、柱頭からなり、柱頭の先端に乳頭細胞が存在する。また、雄しべは、花粉粒を形成する葯及びそれを支える花糸から構成される。上記手法では、雌しべ又は雄しべの花器組織をまとめて分析するため、同定・定量された成分が花器のどの部分に由来するものであるかが分からず、受精障害の原因を正確に解明することが難しいという問題があった。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、植物細胞のように微小な分析対象物に含まれる成分を該分析対象物の各々から採取した超微量溶液により分析できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係る分析用液体試料の調製方法は、
溶媒と、先端部が毛細管現象により液体を吸引可能な内径を有する吸引部から成る抽出用キャピラリーと、先端部の外径が、前記抽出用キャピラリーの前記吸引部の内径よりも小さい、測定用キャピラリーとを用意し、
前記抽出用キャピラリーの前記吸引部に毛細管現象により前記溶媒を吸引し、
前記抽出用キャピラリーの前記吸引部に分析対象物を挿入して該分析対象物に含まれる成分を前記溶媒中に溶出させ、
前記吸引部に前記測定用キャピラリーの先端部を挿入して前記溶媒を採取し、
前記測定用キャピラリーが採取した前記溶媒を用いて分析用液体試料を調製することを特徴とする。
【0009】
前記溶媒は、分析対象物に含まれる成分を該分析対象物から溶出可能な性質のものを用いる。抽出用キャピラリーの吸引部の内径は、毛細管現象により溶媒を吸引可能な大きさで且つ、分析対象物を挿入可能な大きさであればよい。抽出用キャピラリーの吸引部に毛細管現象により吸引された溶媒は、吸引部の先端を下にしたり、あるいは吸引部を傾けたり水平にしたりしても該吸引部から流れ出ることがない。したがって、作業者は、作業し易いように抽出用キャピラリーの吸引部を適切な傾きに維持した状態で該吸引部に分析対象物を挿入したり、吸引部から分析対象物を取り出したり、あるいは、吸引部に測定用キャピラリーの先端を挿入して溶媒を採取したりすることができる。なお、作業者が自身の手指で抽出用キャピラリーを把持して作業を行っても良いが、所定の器具に抽出用キャピラリーを把持させた状態で作業を行うと、より確実に吸引部を、作業に適切な傾きに維持することができる。また、吸引部には少量の溶媒を吸引して保持することができるため、そのように保持した溶媒に該分析対象物を浸漬して成分を溶出させることができる。
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明に係る分析用液体試料調製装置は、
先端部が、毛細管現象により液体を吸引可能な内径を有する吸引部から成る抽出用キャピラリーと、
先端部の外径が、前記抽出用キャピラリーの前記吸引部の内径よりも小さい、測定用キャピラリーと、
を備えることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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