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公開番号2024085249
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2022199676
出願日2022-12-14
発明の名称処理システム、処理装置、処理方法、処理プログラム
出願人株式会社デンソー
代理人個人,個人,個人
主分類G06N 10/60 20220101AFI20240619BHJP(計算;計数)
要約【課題】処理時間短縮と最適解高精度出力の両立。
【解決手段】最適解を構成する2値変数に対応した量子ビット毎に直交磁場関数の寄与度の最適値をアニーリング処理での最終状態に基づき逐次決定する最適化処理は、最適化前の量子ビットに関して直交磁場関数の最大値を与える強度パラメータを変動させての最終状態に対する評価指標が最適となる量子ビットを最適量子ビットとすると、強度パラメータの変動前後における各最終状態が量子ゲート回路により位相キックバックされた制御量子ビットの位相情報である評価指標に基づき、最適量子ビットを抽出することと、抽出された最適量子ビットの最適値となる強度パラメータを、当該評価指標に応じて決定することと、全ての量子ビットに関して決定された強度パラメータの集合を写像することにより、最適解を出力することと、を含む。
【選択図】図10
特許請求の範囲【請求項1】
2値変数に対応した量子ビットを処理する量子アニーリング及び量子ゲートを制御して、当該2値変数の組み合わせ最適化問題を解く処理システムであって、プロセッサ(12)を有し、
前記プロセッサは、
前記組み合わせ最適化問題において最適化するコスト関数と、前記コスト関数に対して直交する磁場成分を定義する横磁場関数と、前記コスト関数及び前記横磁場関数に対して直交する磁場成分を定義する直交磁場関数との、各寄与度を個別に時間制御するアニーリング処理と、
前記組み合わせ最適化問題の最適解を構成する前記2値変数に対応した前記量子ビット毎に、前記直交磁場関数の前記寄与度の最適値を前記アニーリング処理での最終状態に基づき逐次決定する最適化処理と、を実行するように構成され、
最適化前の前記量子ビットに関して前記直交磁場関数の最大値を与える強度パラメータを変動させた前記アニーリング処理での前記最終状態に対して、評価を与える評価指標が最適となる前記量子ビットを、最適量子ビットとすると、
前記最適化処理は、
前記強度パラメータの変動前後における各前記最終状態が量子ゲート回路(QG)により位相キックバックされた制御量子ビットの位相情報である前記評価指標に基づき、前記最適量子ビットを抽出することと、
抽出された前記最適量子ビットの前記最適値となる前記強度パラメータを、前記評価指標に応じて決定することと、
全ての前記量子ビットに関して決定された前記強度パラメータの集合を写像することにより、前記最適解を出力することと、を含む処理システム。
続きを表示(約 1,900 文字)【請求項2】
前記最適化処理は、
位相キックバックされた前記位相情報のうち、前記強度パラメータの変動前後における各前記最終状態同士の内積虚部である前記評価指標に基づき、前記最適量子ビットを抽出すること、を含む請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記最適化処理は、
位相キックバックされた前記位相情報のうち、前記強度パラメータの変動前後における各前記最終状態同士の内積虚部である前記評価指標に応じて、前記最適量子ビットの前記最適値となる前記強度パラメータを決定すること、を含む請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記最適化処理は、
最適化前の前記量子ビットに関して0値に初期化した前記強度パラメータを変動させた場合での前記評価指標が最適となる前記最適量子ビットを、抽出すること、を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項5】
前記最適化処理は、
初期化した前記強度パラメータを、基準強度パラメータとし、
前記基準強度パラメータから変動させた前記強度パラメータを、変動強度パラメータとすると、
変動前の前記基準強度パラメータに対応する前記最終状態と変動後の前記変動強度パラメータに対応する前記最終状態とが位相キックバックされた前記位相情報である前記評価指標に基づき、前記最適量子ビットを抽出すること、を含む請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
前記最適化処理は、
変動前の前記基準強度パラメータに対応する前記最終状態と変動後の前記変動強度パラメータに対応する前記最終状態とが位相キックバックされた前記位相情報である前記評価指標に応じて、前記最適量子ビットの前記最適値となる前記強度パラメータを決定すること、を含む請求項5に記載の処理システム。
【請求項7】
記憶媒体(10)を有し、
前記最適化処理は、
前記最適解を前記記憶媒体に記憶すること、をさらに含む請求項1~3のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項8】
前記アニーリング処理は、
前記コスト関数と前記横磁場関数と前記直交磁場関数との全ハミルトニアンに対する波動関数の前記最終状態を、前記量子アニーリングによる前記全ハミルトニアンの時間制御に基づき取得すること、を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の処理システム。
【請求項9】
前記アニーリング処理は、
前記コスト関数の前記寄与度を、時間経過に従って0値から終値へ増大させることと、
前記横磁場関数の前記寄与度を、時間経過に従って始値から0値へ減少させることと、
前記直交磁場関数の前記寄与度を、時間経過に従って0値から前記最大値へ増大させた後、時間経過に従って0値へ減少させることと、を含む請求項8に記載の処理システム。
【請求項10】
2値変数に対応した量子ビットを処理する量子アニーリング及び量子ゲートを制御して、当該2値変数の組み合わせ最適化問題を解く処理装置であって、プロセッサ(12)を有し、
前記組み合わせ最適化問題において最適化するコスト関数と、前記コスト関数に対して直交する磁場成分を定義する横磁場関数と、前記コスト関数及び前記横磁場関数に対して直交する磁場成分を定義する直交磁場関数との、各寄与度を個別に時間制御する処理を、アニーリング処理とし、
前記組み合わせ最適化問題の最適解を構成する前記2値変数に対応した前記量子ビット毎に、前記直交磁場関数の前記寄与度の最適値を前記アニーリング処理での最終状態に基づき逐次決定する処理を、最適化処理とし、
最適化前の前記量子ビットに関して前記直交磁場関数の最大値を与える強度パラメータを変動させた前記アニーリング処理での前記最終状態に対して、評価を与える評価指標が最適となる前記量子ビットを、最適量子ビットとすると、
前記プロセッサは、
前記強度パラメータの変動前後における各前記最終状態が量子ゲート回路(QG)により位相キックバックされた制御量子ビットの位相情報である前記評価指標に基づき、前記最適量子ビットを抽出することと、
抽出された前記最適量子ビットの前記最適値となる前記強度パラメータを、前記評価指標に応じて決定することと、
全ての前記量子ビットに関して決定された前記強度パラメータの集合を写像することにより、前記最適解を出力することと、を含む前記最適化処理を実行するように構成される処理装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、2値変数の組み合わせ最適化問題を解く処理技術に、関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
組み合わせ最適化問題を解くための処理技術としては、2値変数に対応した量子ビットを処理する量子アニーリングが、例えば非特許文献1に提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
Tadashi Kadowaki and Hidetoshi Nishimori, "Quantum annealing in the transverse Ising model." Phys. Rev. E 58, 5355 (1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1のように横磁場を時間変動させるに留まる量子アニーリングのみが適用される場合、量子コンピューティングシステムに期待される短い処理時間での最適解を高精度に出力するには、限界があった。
【0005】
本開示の課題は、処理時間の短縮と最適解の高精度出力とを両立させる処理システムを、提供することにある。本開示の別の課題は、処理時間の短縮と最適解の高精度出力とを両立させる処理装置を、提供することにある。本開示のまた別の課題は、処理時間の短縮と最適解の高精度出力とを両立させる処理方法を、提供することにある。本開示のさらに別の課題は、処理時間の短縮と最適解の高精度出力とを両立させる処理プログラムを、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、課題を解決するための本開示の技術的手段について、説明する。尚、特許請求の範囲及び本欄に記載された括弧内の符号は、後に詳述する実施形態に記載された具体的手段との対応関係を示すものであり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本開示の第一態様は、
2値変数に対応した量子ビットを処理する量子アニーリング及び量子ゲートを制御して、当該2値変数の組み合わせ最適化問題を解く処理システムであって、プロセッサ(12)を有し、
プロセッサは、
組み合わせ最適化問題において最適化するコスト関数と、コスト関数に対して直交する磁場成分を定義する横磁場関数と、コスト関数及び横磁場関数に対して直交する磁場成分を定義する直交磁場関数との、各寄与度を個別に時間制御するアニーリング処理と、
組み合わせ最適化問題の最適解を構成する2値変数に対応した量子ビット毎に、直交磁場関数の寄与度の最適値をアニーリング処理での最終状態に基づき逐次決定する最適化処理と、を実行するように構成され、
最適化前の量子ビットに関して直交磁場関数の最大値を与える強度パラメータを変動させたアニーリング処理での最終状態に対して、評価を与える評価指標が最適となる量子ビットを、最適量子ビットとすると、
最適化処理は、
強度パラメータの変動前後における各最終状態が量子ゲート回路(QG)により位相キックバックされた制御量子ビットの位相情報である評価指標に基づき、最適量子ビットを抽出することと、
抽出された最適量子ビットの最適値となる強度パラメータを、評価指標に応じて決定することと、
全ての量子ビットに関して決定された強度パラメータの集合を写像することにより、最適解を出力することと、を含む。
【0008】
本開示の第二態様は、
2値変数に対応した量子ビットを処理する量子アニーリング及び量子ゲートを制御して、当該2値変数の組み合わせ最適化問題を解く処理装置であって、プロセッサ(12)を有し、
組み合わせ最適化問題において最適化するコスト関数と、コスト関数に対して直交する磁場成分を定義する横磁場関数と、コスト関数及び横磁場関数に対して直交する磁場成分を定義する直交磁場関数との、各寄与度を個別に時間制御する処理を、アニーリング処理とし、
組み合わせ最適化問題の最適解を構成する2値変数に対応した量子ビット毎に、直交磁場関数の寄与度の最適値をアニーリング処理での最終状態に基づき逐次決定する処理を、最適化処理とし、
最適化前の量子ビットに関して直交磁場関数の最大値を与える強度パラメータを変動させたアニーリング処理での最終状態に対して、評価を与える評価指標が最適となる量子ビットを、最適量子ビットとすると、
プロセッサは、
強度パラメータの変動前後における各最終状態が量子ゲート回路(QG)により位相キックバックされた制御量子ビットの位相情報である評価指標に基づき、最適量子ビットを抽出することと、
抽出された最適量子ビットの最適値となる強度パラメータを、評価指標に応じて決定することと、
全ての量子ビットに関して決定された強度パラメータの集合を写像することにより、最適解を出力することと、を含む最適化処理を実行するように構成される。
【0009】
本開示の第三態様は、2値変数に対応した量子ビットを処理する量子アニーリング及び量子ゲートを制御して、当該2値変数の組み合わせ最適化問題を解くために、プロセッサ(12)により実行される処理方法であって、
組み合わせ最適化問題において最適化するコスト関数と、コスト関数に対して直交する磁場成分を定義する横磁場関数と、コスト関数及び横磁場関数に対して直交する磁場成分を定義する直交磁場関数との、各寄与度を個別に時間制御するアニーリング処理と、
組み合わせ最適化問題の最適解を構成する2値変数に対応した量子ビット毎に、直交磁場関数の寄与度の最適値をアニーリング処理での最終状態に基づき逐次決定する最適化処理と、を実行し、
最適化前の量子ビットに関して直交磁場関数の最大値を与える強度パラメータを変動させたアニーリング処理での最終状態に対して、評価を与える評価指標が最適となる量子ビットを、最適量子ビットとすると、
最適化処理は、
強度パラメータの変動前後における各最終状態が量子ゲート回路(QG)により位相キックバックされた制御量子ビットの位相情報である評価指標に基づき、最適量子ビットを抽出することと、
抽出された最適量子ビットの最適値となる強度パラメータを、評価指標に応じて決定することと、
全ての量子ビットに関して決定された強度パラメータの集合を写像することにより、最適解を出力することと、を含む。
【0010】
本開示の第四態様は、
2値変数に対応した量子ビットを処理する量子アニーリング及び量子ゲートを制御して、当該2値変数の組み合わせ最適化問題を解くために、プロセッサ(12)により実行される処理方法であって、
組み合わせ最適化問題において最適化するコスト関数と、コスト関数に対して直交する磁場成分を定義する横磁場関数と、コスト関数及び横磁場関数に対して直交する磁場成分を定義する直交磁場関数との、各寄与度を個別に時間制御する処理を、アニーリング処理とし、
組み合わせ最適化問題の最適解を構成する2値変数に対応した量子ビット毎に、直交磁場関数の寄与度の最適値をアニーリング処理での最終状態に基づき逐次決定する処理を、最適化処理とし、
最適化前の量子ビットに関して直交磁場関数の最大値を与える強度パラメータを変動させたアニーリング処理での最終状態に対して、評価を与える評価指標が最適となる量子ビットを、最適量子ビットとすると、
最適化処理は、
強度パラメータの変動前後における各最終状態が量子ゲート回路(QG)により位相キックバックされた制御量子ビットの位相情報である評価指標に基づき、最適量子ビットを抽出することと、
抽出された最適量子ビットの最適値となる強度パラメータを、評価指標に応じて決定することと、
全ての量子ビットに関して決定された強度パラメータの集合を写像することにより、最適解を出力することと、を含む。
(【0011】以降は省略されています)

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