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公開番号2024084972
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-26
出願番号2022199203
出願日2022-12-14
発明の名称ファイルの創生方法、セキュアエレメントおよびICカード
出願人大日本印刷株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類G06F 16/188 20190101AFI20240619BHJP(計算;計数)
要約【課題】カウンタを格納する領域が2つのページにまたがることなく、カウンタを格納する領域を設けるファイルをセキュアエレメントのNVMに創生する。
【解決手段】セキュアエレメントが備えるファイル創生コマンドは、第1ファイル構成情報に従い内部基礎ファイルをNVMに創生すると、カウンタ領域が2つのページにまたがる場合、第2ファイル構成情報に従い内部基礎ファイルをNVMに創生することで、カウンタ領域が2つのページにまたがらないようにする機能を備えている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項１】
セキュアエレメントが、カウンタを格納するカウンタ領域を設けるファイルをＮＶＭに創生する際、前記カウンタ領域を前記ファイルの末尾側に配置する第１ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生すると、前記カウンタ領域が２つのページにまたがるか否かを判定するステップａ、前記セキュアエレメントが、前記カウンタ領域が２つのページにまたがらない場合、前記第１ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生し、前記カウンタ領域が２つのページにまたがる場合、前記カウンタ領域を前記ファイルの先頭側に配置する第２ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生するステップｂを含むことを特徴とするファイルの創生方法。
続きを表示（約 790 文字）【請求項２】
ＰＩＮを格納する内部基礎ファイルを前記ファイルとしたことを特徴とする、請求項１に記載したファイルの創生方法。
【請求項３】
カウンタを格納するカウンタ領域を設けるファイルをＮＶＭに創生する際、前記カウンタ領域を前記ファイルの末尾側に配置する第１ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生すると、前記カウンタ領域が２つのページにまたがるか否かを判定するステップａ、前記カウンタ領域が２つのページにまたがらない場合、前記第１ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生し、前記カウンタ領域が２つのページにまたがる場合、前記カウンタ領域を前記ファイルの先頭側に配置する第２ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生するステップｂを実行するファイル創生コマンドを備えたことを特徴とするセキュアエレメント。
【請求項４】
ＰＩＮを格納する内部基礎ファイルを前記ファイルとしたことを特徴とする、請求項３に記載したセキュアエレメント。
【請求項５】
請求項３または４に記載したセキュアエレメントを実装したＩＣカード。
【請求項６】
カウンタを格納するカウンタ領域を設けるファイルをＮＶＭに創生する際、前記カウンタ領域を前記ファイルの末尾側に配置する第１ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生すると、前記カウンタ領域が２つのページにまたがるか否かを判定するステップａ、前記カウンタ領域が２つのページにまたがらない場合、前記第１ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生し、前記カウンタ領域が２つのページにまたがる場合、前記カウンタ領域を前記ファイルの先頭側に配置する第２ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生するステップｂを実行するファイル創生コマンドとして、セキュアエレメントのＣＰＵを動作させるコンピュータプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本願で開示する発明は、外部からの解析攻撃に対する強固な耐タンパー性を持つ半導体製品であるセキュアエレメントにファイルを創生する技術に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
外部からの解析攻撃に対する強固な耐タンパー性を持つ半導体製品であるセキュアエレメントは、高いセキュリティが求められる用途（例えば、金融決済用途）で利用されるデバイス（例えば、ＩＣカード）に実装される。
【０００３】
デバイスに実装するセキュアエレメントは、データを記憶するメモリとして、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリを備える。これ以降、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリをＮＶＭ（Non-volatile memory）と記す。セキュアエレメントが備えるＮＶＭは、ページと呼ばれる単位で管理される。ページ単位で管理されるＮＶＭにおいて、データの書込みを行う単位はページ単位になる。ＮＶＭに格納したデータを書き換える処理では、データを書き換えるページのページデータ（ページの全体データを意味する）を消去してから、所定のアドレスのデータを更新したページデータをこのページに書込む処理が実行される。
【０００４】
ＮＶＭは、「1」と「0」いずれかの状態を保持することができる複数の記憶素子により構成される。ＮＶＭを構成する記憶素子の書き換え回数（消去回数）には上限がある。例えば、記憶素子の書き換え限度回数は１０万回である。
【０００５】
近年、セキュアエレメントに格納するデータのサイズが増加したことにより、セキュアエレメントが備えるＮＶＭの容量が増加しており、それに伴い、ＮＶＭのページサイズも増加傾向にある。ページサイズが大きくなると、サイズが大きいデータの格納に必要なページ数が少なくて済むなどの利点が生じる。しかし、サイズが小さいデータを取り扱う場合、１つのページに含まれるデータの数が多くなるため、書き換え頻度が高いデータを１つのページに格納すると、このページの書き換え回数が増え、ＮＶＭのメモリ寿命が短くなる。よって、書き換え頻度の高いデータを格納しても、ＮＶＭのメモリ寿命が短くならない工夫が必要になる。
【０００６】
セキュアエレメントが備えるＮＶＭのメモリ寿命を延ばす工夫に、ウェアレベリング処理を用いるのが一般的になっている（例えば、特許文献１）。ウェアレベリング処理とは、書き換えが行われる記憶素子が特定のものに偏らないようにすることで、特定のデータについて繰り返し書き換えが発生した場合でもＮＶＭ全体として記憶素子の寿命を平均化する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
特開２０１９－１２８９０５号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
しかし、セキュアエレメントが備えるＮＶＭのメモリ寿命を延ばす従来の技術では、ＮＶＭに格納したデータが２つのページにまたがる場合について検討されていない。照合用のＰＩＮ（Personal Identification Number）を格納するファイルなど、書き換え頻度が高いカウンタを格納するファイルの場合、ファイルサイズが小さくても、カウンタを格納する領域が２つのページにまたがると、カウンタの値を書き換える際、２つのページの書き換えを行わなければならない。２つのページの書き換えると、２つのページの寿命が短くなってしまう。
【０００９】
そこで、本発明は、カウンタを格納する領域が２つのページにまたがることなく、カウンタを格納するファイルをセキュアエレメントのＮＶＭに創生できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上述した課題を解決する第１発明は、カウンタを格納するファイルの創生方法である。第１発明に係るファイルの創生方法は、セキュアエレメントが、カウンタを格納するカウンタ領域を設けるファイルをＮＶＭに創生する際、前記カウンタ領域を前記ファイルの末尾側に配置する第１ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生すると、前記カウンタ領域が２つのページにまたがるか否かを判定するステップａ、前記セキュアエレメントが、前記カウンタ領域が２つのページにまたがらない場合、前記第１ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生し、前記カウンタ領域が２つのページにまたがる場合、前記カウンタ領域を前記ファイルの先頭側に配置する第２ファイル構成情報に従い前記ファイルを創生するステップｂを含む。
ＰＩＮを格納する内部基礎ファイルは書き換え頻度が高いため、第１発明では、ＰＩＮを格納する内部基礎ファイルを前記ファイルとすることが好適である。
（【００１１】以降は省略されています）

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