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公開番号2024083801
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022197829
出願日2022-12-12
発明の名称吹付基盤材
出願人前田工繊株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類E02D 17/20 20060101AFI20240617BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】簡易な構造により、覆工層との付着力が増大する、金属製の金網に代替可能な吹付基盤材を提供すること。
【解決手段】斜面に吹付材を吹き付けて構築する層状の覆工層32に埋設して使用する繊維製の編地からなる吹付基盤材10であって、編地を構成するストランド20は表面に樹脂が被覆されていない溶融温度の異なる複数種類の樹脂繊維の素材からなり、網目を開いた状態で前記編地が熱処理されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
複数のストランドをネット状に編成し、ストランドの間に網目を有し、吹付材を吹き付けて構築する層状の覆工層に埋設して使用する繊維製の編地からなる吹付基盤材であって、
前記ストランドは表面に樹脂が被覆されていない溶融温度の異なる複数種類の樹脂繊維からなり、
網目を開いた状態で前記編地が熱処理されていることを特徴とする、
吹付基盤材。
続きを表示(約 630 文字)【請求項2】
前記編地を構成するストランドは表面に樹脂が被覆されていない繊維素材からなるストランド本体と、前記ストランド本体に沿って編み込んだ繊維素材からなる複数のパイル糸とを具備し、前記ストランド本体に沿って前記パイル糸を編成して編地の面方向と平行に複数の横向きパイルを突設し、前記複数の横向きパイルが覆工層との付着力を高めるためのジベル機能を具備することを特徴とする、請求項1に記載の吹付基盤材。
【請求項3】
前記編地が単層構造または積層構造のラッセル編地であることを特徴とする、請求項1または2に記載の吹付基盤材。
【請求項4】
前記パイル糸の融点がストランド本体のフィラメントを構成する樹脂繊維の融点に対して同等以上の関係にあることを特徴とする、請求項2に記載の吹付基盤材。
【請求項5】
前記ストランド本体が、モノフィラメント製の芯糸と、該芯糸の周囲に配置して鎖編みをするマルチフィラメント製またはモノフィラメント製の編糸とを少なくとも具備することを特徴とする、請求項2に記載の吹付基盤材。
【請求項6】
前記芯糸が溶融温度の異なる複数種類の樹脂繊維からなり、前記編糸が熱融着性と熱収縮性を併有した樹脂繊維であることを特徴とする、請求項5に記載の吹付基盤材。
【請求項7】
前記網目が菱形または角目であることを特徴とする、請求項1に記載の吹付基盤材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はモルタルや植生基盤材の吹付を伴う法面保護工やトンネル内壁の保護工等で使用する繊維製の吹付基盤材に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
切土斜面や盛土斜面を放置すると、降雨等による表面侵食や斜面崩壊等が生じる。
これらの問題を解消する法面保護工のひとつとして、斜面全面にモルタルを吹き付けて3~30cm程度の厚さのモルタル層で斜面の表面を被覆するモルタル吹付工が知られている(特許文献1)。
モルタル層の定着性と強度を確保するために、予め斜面に金属製の網材を敷設し、金属製の網材が隠れるまでモルタルを吹き付けてモルタル層内に金属製の網材を埋設している(特許文献2)。
一般に金属製の網材には、ラス網と呼ばれる菱形金網を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平8-35232号公報
実開昭60-146544号公報
特開2017-214781号公報
特開2017-222524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の法面保護技術はつぎのいくつかの課題を内包している。
<1>金属製の網材は表面にメッキ加工を施して滑らかに仕上げられているので、モルタルとの付着性が悪いだけでなく、網材を構成する鋼線の剛性が高いため斜面の不陸に追従できずに馴染み難い。
<2>さらに金属製の網材は、重量が重たいため、現場での敷設作業がし難い。特に斜面が急勾配になるほど敷設作業性が悪くなる。
<3>網材が金属製であるため、腐食の問題も抱えている。
<4>金属製の素材に代えて、繊維製ネットの使用が考えられる。
繊維製ネットは、素材が柔らかすぎるため定形性を保ちにくいために、現場での敷設作業がし難い。
<5>繊維製ネットは、素材が柔らかすぎるために、繊維製ネットの網目が閉じ易く、網目が閉じた状態でモルタルを吹き付けると、ネット裏側へのモルタルの回り込みが阻害される。
<6>金属製の素材に代えて、繊維製の織物、編物(ネット)に樹脂被覆したもの、またはジオグリッド等の樹脂製ネットの使用が考えられる(例えば特許文献3,4)。
これらの樹脂製のネットは、ネット素材の表面に樹脂コーテングが施されていて、その表面が平滑に仕上げられているためモルタルとの付着性が悪いうえに、斜面に不陸に対する追従性が悪い、といった課題を有する。
【0005】
本発明は以上の課題を改善できる、繊維製の吹付基盤材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数のストランドをネット状に編成し、ストランドの間に網目を有し、吹付材を吹き付けて構築する層状の覆工層に埋設して使用する繊維製の編地からなる吹付基盤材であって、前記ストランドは表面に樹脂が被覆されていない溶融温度の異なる複数種類の樹脂繊維からなり、網目を開いた状態で前記編地が熱処理されている。
本発明の他の形態において、前記網地を構成するストランドは表面に樹脂が被覆されていない熱融着性の繊維素材からなるストランド本体と、前記ストランド本体に沿って編み込んだ繊維素材からなる複数のパイル糸とを具備し、前記ストランド本体に沿って前記パイル糸を編成して編地の面方向と平行に複数の横向きパイルを突設し、前記複数の横向きパイルが覆工層との付着力を高めるためのジベル機能を具備する。
本発明の他の形態において、前記編地が単層構造または積層構造のラッセル編地である。
本発明の他の形態において、前記パイル糸の融点がストランド本体のフィラメントを構成する樹脂繊維の融点に対して同等以上の関係にある。
本発明の他の形態において、前記ストランド本体が、モノフィラメント製の芯糸と、該芯糸の周囲に配置して鎖編みをするマルチフィラメントまたはモノフィラメント製の編糸とを少なくとも具備する。
本発明の他の形態において、前記芯糸が溶融温度の異なる複数種類の樹脂繊維からなり、前記編糸が熱融着性と熱収縮性を併有した樹脂繊維である。
本発明の他の形態において、前記網目が菱形または角目である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は少なくともつぎの一つの効果を奏する。
<1>本発明に係る吹付基盤材は、表面に樹脂の被膜を形成せずに、熱融着性の繊維素材を熱処理することで、網地を構成するストランド表面の凹凸を残したまま、網地に適度の剛性(形態保持性)を付与することができる。
そのため、従来の金属製の網材と比べて敷設面の不陸に対する追従性がよくなり、表面が平滑な従来の金属製または樹脂製ネットと比べて吹付材との付着性がよくなる。
<2>ストランド本体に横向きパイルを形成するための複数のパイル糸を編み込んだ場合には、複数の横向きパイルの外周面が覆工層と付着して付着面積を増すだけでなく、ストランド本体と横向きパイルの間に形成した貫通空間内に吹付材が入り込んで編地の表裏両面の吹付材に連続性が付与されるので、ストランドと覆工層との付着力がさらに増大する。
<3>横向きパイルを吹付基盤材の表裏面に突出させずに、吹付基盤材の面方向と平行に突設したので、吹付基盤材の取扱時や敷設作業時に横向きパイルが簡単に押し潰される心配がない。
<4>編地を編成する際に、ストランド本体に沿ってパイル糸を編み込むことで、複数の横向きパイルを簡単に編み込むことができる。
<5>吹付基盤材を繊維製の編地で構成することで、金属製の金網と比べて軽量化が図れるので、吹付基盤材の敷設作業性を改善できると共に、塩害地でも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明に係る吹付基盤材の説明図
吹付基盤材を構成するストランドの説明図であって、(A)はストランドの拡大図、(B)は(A)におけるB-Bの断面図
吹付基盤材を使用した斜面の覆工方法の説明図であって、(A)は斜面に吹付基盤材を敷設する工程の説明図、(B)は斜面に覆工層を形成する工程の説明図
覆工層の横断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
<1>繊維製の吹付基盤材の概要
図1を参照して本発明に係る吹付基盤材10について説明する。
吹付基盤材10は、所定の間隔を隔てて配列した複数のストランド20をネット状に編成した繊維製の編地である。
隣り合う各ストランド20は一定間隔毎に編糸が交錯して交差部を形成することで、ストランド20の間に網目24を形成している。
(【0011】以降は省略されています)

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