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公開番号2024074782
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-31
出願番号2023193973
出願日2023-11-14
発明の名称回転杭の施工方法
出願人日鉄建材株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類E02D 7/00 20060101AFI20240524BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】汚染層を含む地盤に杭を施工するにあたり、ケーシング管を使用しないことによって工程を簡略化する。
【解決手段】地表側から順に汚染帯水層、不透水層および支持層が積層している地盤に回転杭を貫入させる施工方法であって、前記汚染帯水層の土壌を前記回転杭の先端部に形成された開口から前記回転杭の内部に取り込む工程と、前記不透水層の土壌を前記開口から前記回転杭の内部に取り込む工程と、前記回転杭の先端部を前記支持層に到達させる工程とを含む、回転杭の施工方法が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
地表側から順に汚染帯水層、不透水層および支持層が積層している地盤に回転杭を貫入させる施工方法であって、
前記汚染帯水層の土壌を前記回転杭の先端部に形成された開口から前記回転杭の内部に取り込む工程と、
前記不透水層の土壌を前記開口から前記回転杭の内部に取り込む工程と、
前記回転杭の先端部を前記支持層に到達させる工程と
を含む、回転杭の施工方法。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記汚染帯水層の土壌を前記回転杭の内部に取り込む工程の前に、前記回転杭が貫入する前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の回転杭の施工方法。
【請求項3】
前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させる工程では、オーガスクリューを用いて前記汚染帯水層の土壌を撹拌する、請求項2に記載の回転杭の施工方法。
【請求項4】
前記回転杭の内部に取り込まれた前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させる工程をさらに含む、請求項1に記載の回転杭の施工方法。
【請求項5】
前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させる工程では、オーガスクリューを用いて前記回転杭の内部に取り込まれた前記汚染帯水層の土壌を撹拌または除去する、請求項4に記載の回転杭の施工方法。
【請求項6】
前記回転杭を前記汚染帯水層に貫入させるときに、前記回転杭の正逆操作によって前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させてから前記回転杭の内部に取り込む、請求項1に記載の回転杭の施工方法。
【請求項7】
前記地盤では、前記不透水層と前記支持層との間に非汚染帯水層が積層している、請求項1に記載の回転杭の施工方法。
【請求項8】
所定の量の前記不透水層の土壌が前記回転杭の内部に取り込まれたか否かを、前記不透水層の深度および前記回転杭の先端深度、ならびに前記回転杭内における管内土高さの変化に基づいて判定する工程をさらに含む、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の回転杭の施工方法。
【請求項9】
前記所定の量の前記不透水層の土壌が前記回転杭の内部に取り込まれていないと判定された場合に、オーガスクリューを用いた前記汚染帯水層の土壌の撹拌、オーガスクリューを用いた前記回転杭の内部に取り込まれた前記汚染帯水層の土壌の撹拌または除去、または前記回転杭の正逆操作による前記汚染帯水層の土壌の軟化の少なくともいずれかを追加実施する、請求項8に記載の回転杭の施工方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、回転杭の施工方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
特定有害物質などで汚染された地盤に鋼管杭などを施工する場合、地表近くの帯水層に存在する汚染物質がより下方の層に拡散しないように、ケーシング管を用いた特殊な工法が用いられる。例えば特許文献1には、ケーシング管の先端に閉塞蓋を取り付けた状態で汚染層の下方の不透水層まで回転圧入した後に、閉塞蓋を取り外してケーシング管内に流動固化体を投入し、流動固化体が投入されたケーシング管内に既成杭を施工して支持層まで打設した後で、ケーシング管を引き抜く杭の施工方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-66634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ケーシング管を用いる場合、杭とは別にケーシング管を施工し、またケーシング管を引き抜く工程が必要になるため施工上の負担は大きくなる。また、特許文献1に記載された方法の場合は、流動固化体を投入する工程や設備も必要になる。
【0005】
そこで、本発明は、汚染層を含む地盤に杭を施工するにあたり、ケーシング管を使用しないことによって工程を簡略化することを可能にする回転杭の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]地表側から順に汚染帯水層、不透水層および支持層が積層している地盤に回転杭を貫入させる施工方法であって、前記汚染帯水層の土壌を前記回転杭の先端部に形成された開口から前記回転杭の内部に取り込む工程と、前記不透水層の土壌を前記開口から前記回転杭の内部に取り込む工程と、前記回転杭の先端部を前記支持層に到達させる工程とを含む、回転杭の施工方法。
[2]前記汚染帯水層の土壌を前記回転杭の内部に取り込む工程の前に、前記回転杭が貫入する前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させる工程をさらに含む、[1]に記載の回転杭の施工方法。
[3]前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させる工程では、オーガスクリューを用いて前記汚染帯水層の土壌を撹拌する、[2]に記載の回転杭の施工方法。
[4]前記回転杭の内部に取り込まれた前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させる工程をさらに含む、[1]に記載の回転杭の施工方法。
[5]前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させる工程では、オーガスクリューを用いて前記回転杭の内部に取り込まれた前記汚染帯水層の土壌を撹拌または除去する、[4]に記載の回転杭の施工方法。
[6]前記回転杭を前記汚染帯水層に貫入させるときに、前記回転杭の正逆操作によって前記汚染帯水層の土壌の少なくとも一部を軟化させてから前記回転杭の内部に取り込む、[1]に記載の回転杭の施工方法。
[7]前記地盤では、前記不透水層と前記支持層との間に非汚染帯水層が積層している、[1]から[6]のいずれか1項に記載の回転杭の施工方法。
[8]所定の量の前記不透水層の土壌が前記回転杭の内部に取り込まれたか否かを、前記不透水層の深度および前記回転杭の先端深度、ならびに前記回転杭内における管内土高さの変化に基づいて判定する工程をさらに含む、[1]から[7]のいずれか1項に記載の回転杭の施工方法。
[9]前記所定の量の前記不透水層の土壌が前記回転杭の内部に取り込まれていないと判定された場合に、オーガスクリューを用いた前記汚染帯水層の土壌の撹拌、オーガスクリューを用いた前記回転杭の内部に取り込まれた前記汚染帯水層の土壌の撹拌または除去、または前記回転杭の正逆操作による前記汚染帯水層の土壌の軟化の少なくともいずれかを追加実施する、[8]に記載の回転杭の施工方法。
【発明の効果】
【0007】
上記の構成によれば、回転杭の先端部の開口から取り込んだ不透水層の土壌によって、回転杭の内部に取り込まれた汚染帯水層の土壌と不透水層よりも下方に位置する地盤との間を隔て、汚染帯水層の土壌に含まれる汚染物質が混入することを防止できる。これによって、汚染帯水層を含む地盤に回転杭を施工するにあたり、ケーシング管を使用しなくても汚染物質の拡散を防止でき、杭の施工工程を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の第1の実施形態に係る回転杭の施工方法を概略的に示す図である。
第1の実施形態の効果について説明するための図である。
本発明の第2の実施形態に係る回転杭の施工方法を概略的に示す図である。
本発明の第3の実施形態に係る回転杭の施工方法を概略的に示す図である。
本発明の実施形態において管内土高さの変化から土壌の取り込みを判定する例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る回転杭の施工方法を概略的に示す図である。本実施形態では、地表側から順に汚染帯水層1、不透水層2、非汚染帯水層3および支持層4が積層している地盤に、回転杭10を貫入させる。回転杭10は、先端に螺旋状の羽根11を有し、施工機械(図示せず)を用いた回転圧入によって地盤に貫入させられる。回転杭10は開端回転杭であり、先端部には開口が形成されている。回転貫入時に1回転あたりの貫入量を羽根11の螺旋ピッチに合わせることによって、地盤を乱さずに回転杭10の先端部の開口から土壌を回転杭10の内部に取り込みながら、回転杭10を地盤に貫入させることができる。
【0010】
ここで、汚染帯水層1は、例えば特定有害物質などの汚染物質を含有する帯水層である。不透水層2は、汚染帯水層1の下方に位置し、非汚染帯水層3との間での汚染物質の移動を実質的に遮断している。なお、不透水層2は必ずしも完全に不透水性の地層でなくてもよく、例えば「厚さが1メートル以上であり、かつ、透水係数が毎秒1マイクロメートル以下である地層またはこれと同等以上の遮水の効力を有する地層」として規定される準不透水層であってもよい。非汚染帯水層3は、汚染帯水層1との間が不透水層2で遮断されているため汚染物質を含有しない帯水層である。なお、地盤は汚染帯水層1の地表側や、汚染帯水層1、不透水層2、非汚染帯水層3および支持層4のそれぞれの間に追加の層を含んでもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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