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公開番号2024080403
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-13
出願番号2022193568
出願日2022-12-02
発明の名称仮締切構造体
出願人日立造船株式会社,関西設計株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類E02B 7/00 20060101AFI20240606BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】構造体要素が浮力によってまくれ上がり、上下方向にて隣接する構造体要素が前後にずれることを抑制する。
【解決手段】仮締切構造体は、複数の構造体要素であるブロックユニット23と、引張力伝達部材26とを備える。引張力伝達部材26は、複数のブロックユニット23のうち上下方向にて隣接する2つのブロックユニット23であるブロックユニット対に設けられる。引張力伝達部材26は、上段のブロックユニット23と下段のブロックユニット23との間にて前後方向に沿って延びる。引張力伝達部材26の下段のブロックユニット23との接続部261は、引張力伝達部材26の上段のブロックユニット23との接続部262よりも前側に位置する。これにより、上段のブロックユニット23が浮力によってまくれ上がり、上下方向にて隣接するブロックユニット23が前後にずれることを抑制することができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
水面よりも下方から上方へと延びる対象構造物近傍に設置され、水中の作業場所の周囲を囲んで作業空間を形成する仮締切構造体であって、
上下方向に積層される複数の構造体要素と、
前記複数の構造体要素のうち上下方向にて隣接する2つの構造体要素である構造体要素対に設けられ、前記構造体要素対のうち上段構造体要素の下面が下段構造体要素の上面に対して前記対象構造物から離れる方向である後方へと相対的にずれることを抑制する変位抑制構造と、
を備え、
前記変位抑制構造は、
前記上段構造体要素と前記下段構造体要素との間にて前後方向に沿って延びるとともに前記下段構造体要素との接続部が前記上段構造体要素との接続部よりも前側に位置する引張力伝達部材、および、
前記下段構造体要素に設けられる下係合部が前記下係合部よりも前側において前記上段構造体要素に設けられる上係合部と前後方向に係合する係合構造のうち、
少なくとも一方を備えることを特徴とする仮締切構造体。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
請求項1に記載の仮締切構造体であって、
平面視において左右方向に離間して配置されるとともに前記対象構造物において左右方向に沿って広がる設置対象面に前端部が接触する一対の腕部を備え、
前記一対の腕部の後端部同士は、前記設置対象面から後側に離間した位置にて接続され、
前記変位抑制構造は、前記一対の腕部に設けられることを特徴とする仮締切構造体。
【請求項3】
請求項2に記載の仮締切構造体であって、
前記対象構造物は、ダムの堤体であり、
前記設置対象面は、前記堤体の上流面であることを特徴とする仮締切構造体。
【請求項4】
請求項2または3に記載の仮締切構造体であって、
前記設置対象面は、上方に向かうに従って前方へと向かう傾斜面であることを特徴とする仮締切構造体。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の仮締切構造体であって、
後端面は鉛直面であることを特徴とする仮締切構造体。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の仮締切構造体であって、
水上に配置されている前記構造体要素対に前記変位抑制構造が設けられることを特徴とする仮締切構造体。
【請求項7】
請求項6に記載の仮締切構造体であって、
水中に配置される他の構造体要素対に設けられ、前記他の構造体要素対の上段構造体要素の下面が下段構造体要素の上面に対して後方へと相対的にずれることを抑制する他の変位抑制構造をさらに備え、
前記変位抑制構造は前記係合構造であり、
前記他の変位抑制構造は前記引張力伝達部材であることを特徴とする仮締切構造体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水中の作業場所の周囲を囲んで作業空間を形成する仮締切構造体に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ダムの堤体や橋脚等に対する工事の際に、水中の作業場所の周囲を囲んで作業空間を形成するために、仮締切構造体が使用されている。例えば、ダムの堤体に放流設備を増設するダム再生事業の際には、チャンネル型(すなわち、コの字型)の平面形状を有する構造体要素であるブロックユニットを、上下方向に複数段積み上げて仮締切構造体を形成し、堤体の上流側の面に当該仮締切構造体を密着させる(特許文献1参照)。そして、仮締切構造体と堤体の上流側の面との間の空間を排水することにより、気中環境での提体削孔等が可能となる。
【0003】
このような仮締切構造体では、通常、上述のように仮締切構造体の内側空間を排水した状態で仮締切構造体に作用する水平方向の静水圧による荷重に対して、主桁等の主要構造部の設計が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-113540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、大深度のダムにおける上記のような堤体工事が計画されており、当該堤体工事では、仮締切構造体に作用する浮力が大きくなる。したがって、浮力および上述の水平方向荷重の双方を同時に考慮して仮締切構造体の安定性を検討する必要があるが、現状ではこのような検討は行われていない。
【0006】
本願発明者は、鋭意検討の結果、大深度のダムに設置される仮締切構造体では、各段のブロックユニットに作用する浮力および水平方向荷重等により、ブロックユニットが側面視において傾き(すなわち、まくれ上がり)、上下方向にて隣接するブロックユニット間で前後方向(すなわち、河川の流れの方向)にずれが生じるおそれがある、という知見を得た。具体的には、ブロックユニットの上流側の部位が上方へと変位し、当該ブロックユニットが下流側の上端部(すなわち、堤体と接触する面の上端部)を支点として傾くことにより、当該ブロックユニットと、上下方向にて隣接する他のブロックユニットとの間にずれが生じ、仮締切構造体の構造的安定性が低下するおそれがある。
【0007】
一方、特許文献1のように、上下方向にて隣接するブロックユニットを多数のボルトおよびナットで強固に固定すると、浮力等によってブロックユニット間に生じるずれは防止されるが、複数段のブロックユニットの組立誤差や各ブロックユニットの製造誤差に起因して、一部のブロックユニットと堤体との間の水密性が低下するおそれがある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、構造体要素が浮力によってまくれ上がり、上下方向にて隣接する構造体要素が前後にずれることを抑制することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の態様1は、水面よりも下方から上方へと延びる対象構造物近傍に設置され、水中の作業場所の周囲を囲んで作業空間を形成する仮締切構造体であって、上下方向に積層される複数の構造体要素と、前記複数の構造体要素のうち上下方向にて隣接する2つの構造体要素である構造体要素対に設けられ、前記構造体要素対のうち上段構造体要素の下面が下段構造体要素の上面に対して前記対象構造物から離れる方向である後方へと相対的にずれることを抑制する変位抑制構造と、を備える。前記変位抑制構造は、前記上段構造体要素と前記下段構造体要素との間にて前後方向に沿って延びるとともに前記下段構造体要素との接続部が前記上段構造体要素との接続部よりも前側に位置する引張力伝達部材、および、前記下段構造体要素に設けられる下係合部が前記下係合部よりも前側において前記上段構造体要素に設けられる上係合部と前後方向に係合する係合構造のうち、少なくとも一方を備える。
【0010】
本発明の態様2は、態様1の仮締切構造体であって、平面視において左右方向に離間して配置されるとともに前記対象構造物において左右方向に沿って広がる設置対象面に前端部が接触する一対の腕部を備える。前記一対の腕部の後端部同士は、前記設置対象面から後側に離間した位置にて接続される。前記変位抑制構造は、前記一対の腕部に設けられる。
(【0011】以降は省略されています)

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