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公開番号2024073886
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022184854
出願日2022-11-18
発明の名称杭基礎構造
出願人株式会社進富,構法開発株式会社
代理人個人
主分類E02D 27/12 20060101AFI20240523BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】水平方向のみならず上下方向の杭の施工誤差を容易に吸収できる杭基礎構造を提供する。
【解決手段】地盤2に打ち込まれた杭10と、当該杭10の上に固定される基盤フレーム30とを有する杭基礎構造1であって、杭10は、杭頭部11に形成され上方に開口する凹部12を備え、基盤フレーム30は、凹部12に挿入されるアンカー部35と、当該アンカー部35から下方に向かって出没可能なレベル調整手段36とを備え、レベル調整手段36の下端は、凹部12の底部に当接し、アンカー部35は、凹部12の内周面と隙間をあけて挿入され、隙間には固定用の充填材15が充填される。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
地盤に打ち込まれた杭と、当該杭の上に固定される基盤フレームとを有する杭基礎構造であって、
前記杭は、杭頭部に形成され上方に開口する凹部を備え、
前記基盤フレームは、前記凹部に挿入されるアンカー部と、当該アンカー部から下方に向かって出没可能なレベル調整手段とを備え、
前記レベル調整手段の下端は、前記凹部の底部に当接し、
前記アンカー部は、前記凹部の内周面と隙間をあけて挿入され、前記隙間には固定用の充填材が充填される
ことを特徴とする杭基礎構造。
続きを表示(約 300 文字)【請求項2】
前記アンカー部は、前記基盤フレームの底面に固定された中空パイプと、当該中空パイプの底部に設けられたフランジとを備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の杭基礎構造。
【請求項3】
前記レベル調整手段は、ボルトとナットを備えており、
前記ナットは、前記アンカー部に固定され、
前記ボルトは、前記ナットに螺合して下向きに設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の杭基礎構造。
【請求項4】
前記杭を囲んで設置され放射状に広がる根入れ補強部材をさらに有する
ことを特徴とする請求項1に記載の杭基礎構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、杭基礎構造に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
低層住宅の基礎は、一般的に直接基礎として一体となったベタ基礎や布基礎が用いられている。地盤が軟弱な場合には、地盤改良や杭により地盤を補強している。直接基礎工事は、多くの現地工数と工期を費やすため、PC基礎やハーフPC基礎等の様々な工業化への取り組みが試みられてきたが、いずれも現地でのコンクリート打設が必要であるため基礎の重量は大きいままであった。
【0003】
二階建ての住宅の建物重量が6~8kN/m

であるのに対して、RCベタ基礎の重量が5~6kN/m

である。RCベタ基礎の重量は総重量の45%程度占めているため、基礎重量を軽減することで地盤改良を避けることが可能となることがある。重量の大きいコンクリートを用いない基礎として、地盤に打ち込んだ杭を柱にして、杭頭部に構台や基礎フレームを固定して建物を構築する構造があった(例えば特許文献1参照)。このような基礎では、構台や基礎フレームの底面に受プレートを設け、杭頭部の上面に受プレートを載置して溶接するが、受プレートの設置面を大きくすることで、杭の施工誤差を吸収するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-210708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の杭への設置構造では、杭の水平方向への施工誤差は容易に吸収できるが、上下方向の施工誤差を吸収するには、杭頭部に高さ調整プレートを設置したり、杭頭部を切断したりする必要があり、多くの施工手間と時間を要する問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、水平方向のみならず上下方向の杭の施工誤差を容易に吸収できる杭基礎構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような課題を解決するための本発明は、地盤に打ち込まれた杭と、当該杭の上に固定される基盤フレームとを有する杭基礎構造であって、前記杭は、杭頭部に形成され上方に開口する凹部を備え、前記基盤フレームは、前記凹部に挿入されるアンカー部と、当該アンカー部から下方に向かって出没可能なレベル調整手段とを備え、前記レベル調整手段の下端は、前記凹部の底部に当接し、前記アンカー部は、前記凹部の内周面と隙間をあけて挿入され、前記隙間には固定用の充填材が充填されることを特徴とする杭基礎構造である。
【0008】
本発明の杭基礎構造によれば、アンカー部と凹部の内周面との間に隙間があるので、杭の水平方向の施工誤差を吸収できる。また、レベル調整手段の下方への突出量を杭頭部の高さに応じて設定することで、杭の上下方向の施工誤差を吸収できる。そして、アンカー部を凹部に挿入して隙間に充填材を充填することで、基盤フレームを杭に固定でき、施工手間と時間を軽減できる。
【0009】
本発明の杭基礎構造においては、前記アンカー部は、前記基盤フレームの底面に固定された中空パイプと、当該中空パイプの底部に設けられたフランジとを備えているものが好ましい。このような構成によれば、フランジが広がっているので、アンカー部を上方に引き抜こうとする応力が作用した際に、充填材にコーン状の剪断力が発生する。ここでフランジから斜め上方に45°のコーン状に充填材の塊が剪断破壊したとしても、杭の内周と充填材との付着力により、アンカー部を上方に引き抜こうとする応力に対向することができ、アンカー部は引き抜けない。一方、アンカー部と杭頭部に作用する圧縮力に対しては、アンカー部とフランジに挟まれた充填材が主に対抗する。
【0010】
本発明の杭基礎構造においては、前記レベル調整手段は、ボルトとナットを備えており、前記ナットは、前記アンカー部に固定され、前記ボルトは、前記ナットに螺合して下向きに設置されているものが好ましい。このような構成によれば、ボルトをアンカー部の上方から回転させることができるので、出没量の調整作業を行い易い。また、アンカー部と杭頭部に作用する圧縮力に対して、ボルトが凹部の底板から支圧力を受けて対抗できる。
(【0011】以降は省略されています)

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