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公開番号2024075799
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-05
出願番号2021049446
出願日2021-03-24
発明の名称3次元像観察装置、及び方法
出願人国立研究開発法人理化学研究所,公立大学法人大阪
代理人ポレール弁理士法人
主分類H01J 37/22 20060101AFI20240529BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】試料など観察対象に対して互いにほぼ直交する3方向からの投影像、あるいは、回折パターンにおいて、高精度かつ簡便に互いの位置関係を決定し、該試料等観察対象の3次元構造を決定する3次元像観察装置及びその方法を提供する。
【解決手段】試料など観察対象に対して、互いにほぼ直交する3方位から観察された該試料の3枚の回折パターンに対して、それぞれの最大強度の点を一致させた3次元回折パターンを構築し、該最大強度の点を原点とした3次元フーリエ変換位相回復反復演算法により、該試料など観察対象の3次元位相分布及び3次元振幅分布を構築する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
3つの座標軸(X、Y、Z)が張る空間をXYZ空間とし、
前記XYZ空間に保持された観察対象である試料に対して、
前記X軸方向への前記試料の回折パターンをYZ面回折パターンとし、
前記Y軸方向への前記試料の回折パターンをZX面回折パターンとし、
前記Z軸方向への前記試料の回折パターンをXY面回折パターンとし、
前記観察対象が存する空間とは別なる3つの座標軸(X’、Y’、Z’)が張る空間をX’Y’Z’空間とするとき、
前記YZ面回折パターンが前記X’Y’Z’空間のY’Z’面に配置し、
前記ZX面回折パターンが前記X’Y’Z’空間のZ’X’面に配置し、
前記XY面回折パターンが前記X’Y’Z’空間のX’Y’面に配置している3次元回折パターンに対し、
3次元フーリエ変換に基づく反復フーリエ変換位相回復法により、前記観察対象を透過、もしくは反射、あるいは散乱を受けた波動の振幅分布と位相分布を構築する、ことを特徴とする3次元像観察装置。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の3次元像観察装置であって、
前記3次元回折パターンが、
前記YZ面回折パターンの最大強度の点を前記YZ面回折パターンの原点とし、
前記ZX面回折パターンの最大強度の点を前記ZX面回折パターンの原点とし、
前記XY面回折パターンの最大強度の点を前記XY面回折パターンの原点とし、
前記X’Y’Z’空間のY’Z’面の座標原点と前記Y’Z’面に配置した前記YZ面回折パターンの原点とが一致し、
前記X’Y’Z’空間のZ’X’面の座標原点と前記Z’X’面に配置した前記ZX面回折パターンの原点とが一致し、
前記X’Y’Z’空間のX’Y’面の座標原点と前記X’Y’面に配置した前記XY面回折パターンの原点とが一致しているものである、
ことを特徴とする3次元像観察装置。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2に記載の3次元像観察装置であって、
前記観察対象が金属、半導体、誘電体、無機物、有機物、生体からなる物質、もしくは前記金属、前記半導体、前記誘電体、前記無機物、前記有機物、前記生体が内在する電磁場、あるいは外部に発生させる磁場である、
ことを特徴とする3次元像観察装置。
【請求項4】
請求項3に記載の3次元像観察装置であって、
前記YZ面回折パターンと前記ZX面回折パターンと前記XY面回折パターンとが、前記観察対象を透過もしくは散乱を受けた荷電粒子線によって作られるものである、
ことを特徴とする3次元像観察装置。
【請求項5】
請求項3に記載の3次元像観察装置であって、
前記YZ面回折パターンと前記ZX面回折パターンと前記XY面回折パターンとが、前記観察対象を反射もしくは散乱を受けた荷電粒子線によって作られるものである、
ことを特徴とする3次元像観察装置。
【請求項6】
請求項3に記載の3次元像観察装置であって、
荷電粒子線が前記観察対象を照射した後に、
前記YZ面回折パターンがX軸方向に空間を伝搬することにより作られるものであり、
前記ZX面回折パターンがY軸方向に空間を伝搬することにより作られるものであり、
前記ZX面回折パターンがZ軸方向に空間を伝搬することにより作られるものである、
ことを特徴とする3次元像観察装置。
【請求項7】
請求項3に記載の3次元像観察装置であって、
荷電粒子線が前記観察対象を照射した後に、
前記YZ面回折パターンがX軸方向の前記荷電粒子線の光学系により作られるものであり、
前記ZX面回折パターンがY軸方向の前記荷電粒子線の光学系により作られるものであり、
前記ZX面回折パターンがZ軸方向の前記荷電粒子線の光学系により作られるものである、
ことを特徴とする3次元像観察装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の3次元像観察装置であって、
前記反復フーリエ変換位相回復法がスパースモデリングに基づく処理アルゴリズムを利用するものである、
ことを特徴とする3次元像観察装置。
【請求項9】
3つの座標軸(X、Y、Z)が張る空間をXYZ空間とし、
前記XYZ空間に保持された観察対象である試料に対して、
前記X軸方向への前記試料の回折パターンをYZ面回折パターンとし、かつ、前記YZ面回折パターンの最大強度の点を前記YZ面回折パターンの原点とし、
前記Y軸方向への前記試料の回折パターンをZX面回折パターンとし、かつ、前記ZX面回折パターンの最大強度の点を前記ZX面回折パターンの原点とし、
前記Z軸方向への前記試料の回折パターンをXY面回折パターンとし、かつ、前記XY面回折パターンの最大強度の点を前記XY面回折パターンの原点とし、
前記観察対象が存する空間とは別なる3つの座標軸(X’、Y’、Z’)が張る空間をX’Y’Z’空間とするとき、
前記YZ面回折パターンが前記X’Y’Z’空間のY’Z’面の座標原点と前記YZ面回折パターンの原点とが一致するよう前記Y’Z’面に配置させられ、
前記ZX面回折パターンが前記X’Y’Z’空間のZ’X’面の座標原点と前記ZX面回折パターンの原点とが一致するよう前記Z’X’面に配置させられ、
前記XY面回折パターンが前記X’Y’Z’空間のX’Y’面の座標原点と前記XY面回折パターンの原点とが一致するよう前記X’Y’面に配置させられている3次元回折パターンに対して、
3次元フーリエ変換に基づく反復フーリエ変換位相回復法により、前記観察対象を透過、もしくは反射、あるいは散乱を受けた波動の振幅分布と位相分布を構築する、ことを特徴とする3次元像観察方法。
【請求項10】
請求項9に記載の3次元像観察方法であって、
前記反復フーリエ変換位相回復法において、
実空間での3次元関数に課する拘束条件が、
前記観察対象に対して前記X軸方向へ投影された試料の実像上における前記波動の照射領域と、
前記観察対象に対して前記Y軸方向へ投影された試料の実像上における前記波動の照射領域と、
前記観察対象に対して前記Z軸方向へ投影された試料の実上における前記波動の照射領域像と、
を用いるものである、
ことを特徴とする3次元像観察方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は観察試料の3次元回折パターンを構築し、その3次元回折パターンを用いた試料の3次元像と試料とその周辺部を含む空間の電磁場等の情報を3次元構築する3次元像観察技術に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
電子線やイオンビームなどの荷電粒子線は、真空中を伝搬させなければならないこと、光学系の各種光学素子には電磁場を必要とし、その偏向角度が小さいこと、光学におけるハーフミラーの様な有効なビームスプリッターがないことなどから、試料など観察対象のために大きな空間を用意することと有効な結像光学系を構成することは難しい。さらには、中性子線や分子線・重粒子線などの電荷を伴わない粒子線ではそもそも光学素子がない。そのため、光源から検出器までの間に試料を配し、経路伝搬による試料での散乱・吸収像の投影観察か、あるいは干渉・回折効果に基づく回折パターンの観察が実施されている。すなわち、上記粒子線装置においては、1経路の光学系が用いられるのみであり、試料の3次元構造(立体構造)観察のためには、試料を回転させて複数方位からの観察を実施するしかないのが実情である。
【0003】
そのため、試料など観察対象の3次元構造の計測には、トモグラフィー、ラミノグラフィーなど、試料と照射ビーム(光、X線、電子線など)との角度関係を徐々に変化させながら多数枚の画像を記録し、それぞれの画像間の角度関係を元に3次元構造を構築する手法が用いられている。これらの3次元構造の計測法では、計測画像の枚数を増やせれば増やせるだけ試料に関する情報量が増え、精度の高い3次元構築像が得られる。そのため、試料の回転に伴う位置の変化や光学系でのフォーカスの変化などについて、補償するための仕組みがさまざまに工夫されている。
【0004】
上記粒子線装置類の中では、電子線を用いた電子顕微鏡が最も開発が進んでおり、電子レンズ、偏向器、電子線バイプリズムなど様々な光学素子が実現され、結像光学系も実用化されている。そのため、本願では荷電粒子線の代表として電子線についての構成を記載するが、本発明の原理は粒子線においてだけでなく、さらには電磁波などの波動場において共通であり、本願は電子線に限定するものではない。関連する先行技術文献には特許文献1、2、非特許文献1~4がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開番号WO2016/051588
特開2016-162532号公報
【非特許文献】
【0006】
郷原一寿、上村理, 顕微鏡, 44 (2009) 69.
上村理、郷原一寿, 顕微鏡, 48 (2013) 183.
O. Kamimura et al., Appl. Phys. Lett., 92 (2008) 024106.
H. Daimon, Rev. Sci. Instrum., 59 (1988) 545.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
観察対象の3次元像観察(立体像観察)には、トモグラフィー、ラミノグラフィーなど、試料と照射ビーム(光、X線、電子線など)との角度関係を徐々に変化させながら多数枚の画像を記録し、それぞれの画像間の角度関係を元に3次元構造を構築する手法がある。この手法では、多数枚の画像を使えれば使えるだけ、試料に関する情報量が増え、精度の高い3次元構築像が得られる。しかし、多数枚の画像データを取得するには、それだけの時間が必要となるうえ、例えば生体試料や有機材料、およびLi電池材料などでは高いエネルギーの照射線であるX線や電子線の被曝により、試料自体が変化してしまう問題があった。また、画像データ取得時間だけでなく、取得後に多数枚の画像を演算処理するための時間も処理枚数に依存することは言を俟たない。さらに、トモグラフィー、ラミノグラフィーでは、例えば、±70°の回転角度範囲から得られた情報では、情報の得られる±70°の範囲内をいかに細かく区分して情報を得ても、情報が得られなかった領域(missing cone(ミッシングコーン)と言われる)が大きなアーティファクトを生む原因となっている。以上の課題に鑑み、最小ドーズ量から最大データ量(互いに直交する3方向からなる投影像)の取得を実現し、その再生方法について提案している先行出願(特許文献1参照)がある。
【0008】
先行出願では、ほぼ直交する3方向からなる投影像を得ることは可能であったが、その3枚の画像データから3次元像を再構築する方法については、具体的に述べられてはいなかった。とりわけ、3枚の画像の空間位置の決め方については、マーカーを用いることが述べられているが具体例の開示はなかった。
【0009】
また、マーカーを利用する方法についても、従来のトモグラフィーのごとく細かな角度変化について、所定のマーカーを順を追って追跡することには困難さはなく実現されているが、互いに直交する3方向からの実像では、観察対象の形状や相対位置関係は大きく変化し、マーカーを用いるだけでは不可能なことが多く、仮に可能であっても精度が低いのが実情であった。
【0010】
そこで、最小のドーズ量で最大の情報量が得られる直交する3方向からの試料の投影像において、あるいは、回折パターンにおいて、高精度かつ簡便に互いの位置関係を決定し該試料等観察対象の3次元構造を決定すること、さらに、該試料など観察対象の3次元位相分布および3次元振幅分布を構築することに関して、その装置と方法を提供することを本発明の目的とする。
(【0011】以降は省略されています)

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