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公開番号2024073996
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-30
出願番号2022185026
出願日2022-11-18
発明の名称エアバッグ装置
出願人豊田合成株式会社
代理人弁理士法人明成国際特許事務所
主分類B60R 21/239 20060101AFI20240523BHJP(車両一般)
要約【課題】迅速に内圧を下げることができるエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】エアバッグ装置(1)は、車両のインストルメントパネルの内側に収容され、乗員席に向かって開口が形成されたエアバッグケース(10)と、エアバッグケース内に配置され、ガスを噴射するインフレータ(25)と、可撓性を有するシート材により形成された周壁(105)を有し、エアバッグケース内に収納され、インフレータから噴射されるガスにより開口(21)から乗員席に向かって膨張展開するバッグ部(100)と、を備え、周壁には、膨張展開の実行状態においてバッグ部内からガスを排出するホール(40L,40R)が設けられており、ホールは、膨張展開の完了した展開完了状態において開口の近傍に位置するように、前壁に形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
車両に搭載される乗員席用のエアバッグ装置であって、
前記車両のインストルメントパネルの内側に収容され、前記乗員席に向かって開口が形成されたエアバッグケースと、
前記エアバッグケース内に配置され、ガスを噴射するインフレータと、
可撓性を有するシート材により形成された周壁を有し、前記エアバッグケース内に収納され、前記インフレータから噴射される前記ガスにより前記開口から前記乗員席に向かって膨張展開するバッグ部と、
を備え、
前記周壁には、前記膨張展開の実行状態において前記バッグ部内から前記ガスを排出するホールが設けられており、
前記ホールは、前記膨張展開の完了した展開完了状態において前記開口の近傍に位置するように、前記周壁に形成されている、
エアバッグ装置。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
請求項1に記載のエアバッグ装置において、
前記ホールは、前記展開完了状態において、前記車両の車幅方向に見て、前記バッグ部を前記車両の前後方向に二分割したうちで、前記車両の前方側に位置するように、前記周壁に設けられていることにより、前記開口の近傍に位置する、
エアバッグ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のエアバッグ装置において、
前記ホールは、前記展開完了状態において、前記車幅方向に見て、前記開口から前記ホールまでの前記前後方向に沿った距離が、前記バッグ部の前記前後方向の寸法の1/2以下の距離となるように、前記周壁に形成されていることにより、前記開口の近傍に位置する、
エアバッグ装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のエアバッグ装置において、
前記ホールは、前記展開完了状態において、前記開口の上端よりも下方に少なくとも一部が位置するように、前記周壁に形成されていることにより、前記開口の近傍に位置する、
エアバッグ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のエアバッグ装置において、
一端および他端を有し前記バッグ部内に設置されるテザーであって、前記一端が前記展開完了状態において前記バッグ部内における上方側に位置するように前記周壁の内側面に接続され、前記他端が前記バッグ部における前記ホールの周囲に接続されるテザーをさらに備え、
前記テザーは、前記展開完了状態において、前記バッグ部における前記テザーの接続部分の周囲を前記バッグ部内に引き込むことで、前記ホールを閉じる、
エアバッグ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のエアバッグ装置において、
前記テザーの前記一端は、前記展開完了状態において、前記バッグ部内における最上部に位置するように、前記内側面に接続されている、
エアバッグ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、エアバッグ装置に関する。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
車両に衝突が発生した際に、助手席に着座している乗員を保護するためのエアバッグ装置が種々提案されている。例えば特許文献1は、膨張展開を早期に完了させることができる助手席用エアバッグ装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-056993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1で開示されているようなエアバッグケースの開口が助手席に向いている構成のエアバッグ装置の場合、エアバッグケースの開口が上方側に向いた構成と比較して、エアバッグの膨張開始からエアバッグと助手席の乗員との接触までの時間が短いため、膨張展開後、迅速にエアバッグの内圧を下げる技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
(1)本開示の一形態によれば、車両に搭載される乗員席用のエアバッグ装置が提供される。この形態のエアバッグ装置は、前記車両のインストルメントパネルの内側に収容され、前記乗員席に向かって開口が形成されたエアバッグケースと、前記エアバッグケース内に配置され、ガスを噴射するインフレータと、可撓性を有するシート材により形成された周壁を有し、前記エアバッグケース内に収納され、前記インフレータから噴射される前記ガスにより前記開口から前記乗員席に向かって膨張展開するバッグ部と、を備え、前記周壁には、前記膨張展開の実行状態において前記バッグ部内から前記ガスを排出するホールが設けられており、前記ホールは、前記膨張展開の完了した展開完了状態において前記開口の近傍に位置するように、前記周壁に形成されている。
この形態のエアバッグ装置によれば、バッグ部の周壁には、展開完了状態において開口の近傍に位置するホールが形成されているので、ホールが開口から離れた位置に形成されている構成と比較して、膨張展開の実行状態においてより早い段階でガスをバッグ部の外部に排出でき、迅速にバッグ部の内圧を下げることができる。
(2)上記形態のエアバッグ装置において、前記ホールは、前記展開完了状態において、前記車両の車幅方向に見て、前記バッグ部を前記車両の前後方向に二分割したうちで、前記車両の前方側に位置するように、前記周壁に設けられていることにより、前記開口の近傍に位置してもよい。
この形態のエアバッグ装置によれば、ホールは、展開完了状態において、車両の車幅方向に見て、バッグ部を車両の前後方向に二分割したうちで、車両の前方側に位置するように、周壁に設けられていることにより、前記開口の近傍に位置するので、ホールが車幅方向に見てバッグ部を車両の前後方向に二分割したうちで車両の後方側に形成されている構成と比較して、開口により近い位置にてバッグ部内のガスを排出できる。これにより、インフレータから供給されたガスをより早い段階でバッグ部の外部に排出でき、膨張展開の実行状態におけるバッグ部の内圧を迅速に下げることができる。
(3)上記形態のエアバッグ装置において、前記ホールは、前記展開完了状態において、前記車幅方向に見て、前記開口から前記ホールまでの前記前後方向に沿った距離が、前記バッグ部の前記前後方向の寸法の1/2以下の距離となるように、前記周壁に形成されていることにより、前記開口の近傍に位置してもよい。
この形態のエアバッグ装置によれば、ホールは、展開完了状態において、車幅方向に見て、開口からホールまでの前後方向に沿った距離が、バッグ部の前後方向の寸法の1/2以下の距離となるように、周壁に形成されているので、ホールがバッグ部100の前後方向の寸法の1/2超の距離となるように周壁に形成されている構成と比較して、開口により近い位置にてバッグ部内のガスを排出できる。これにより、インフレータから供給されたガスをより早い段階でバッグ部の外部に排出でき、膨張展開の実行状態におけるバッグ部の内圧を迅速に下げることができる。
(4)上記形態のエアバッグ装置において、前記ホールは、前記展開完了状態において、前記開口の上端よりも下方に少なくとも一部が位置するように、前記周壁に形成されていることにより、前記開口の近傍に位置してもよい。
この形態のエアバッグ装置によれば、ホールは、展開完了状態において、開口の上端よりも下方に少なくとも一部が位置するように、周壁に形成されていることにより、開口の近傍に位置するので、ホールが開口の上端よりも上方に位置する構成と比較して、開口により近い位置にてバッグ部内のガスを排出できる。これにより、インフレータから供給されたガスをより早い段階でバッグ部の外部に排出でき、実行状態におけるバッグ部の内圧を迅速に下げることができる。
(5)上記形態のエアバッグ装置において、一端および他端を有し前記バッグ部内に設置されるテザーであって、前記一端が前記展開完了状態において前記バッグ部内における上方側に位置するように前記周壁の内側面に接続され、前記他端が前記バッグ部における前記ホールの周囲に接続されるテザーをさらに備え、前記テザーは、前記展開完了状態において、前記バッグ部における前記テザーの接続部分の周囲を前記バッグ部内に引き込むことで、前記ホールを閉じてもよい。
この形態のエアバッグ装置によれば、テザーは、展開完了状態において、バッグ部におけるテザーの接続部分の周囲をバッグ部内に引き込むことで、ホールを閉じるので、膨張展開の実行状態においてはホールからガスを排出し、展開完了状態においてはガスの排出を抑制できる。これにより、膨張展開の実行状態におけるバッグ部の内圧を迅速に下げるとともに、展開完了状態におけるバッグ部の内圧が過剰に低下することを抑制できる。加えて、テザーの一端は、バッグ部内における上方側に位置するように周壁の内側面に接続されているので、バッグ部内における下方側に位置する構成と比較して、テザーが弛緩状態から緊張状態となるまでの時間、すなわちホールが閉じられるまでの時間を長くできる。これにより、実行状態におけるホールがガスを排出する時間を長くすることができ、実行状態におけるバッグ部の内圧をより下げることができる。一般に、バッグ部は、膨張展開の際に、下方側よりも上方側により大きく膨らむ。これは、下方側の近傍には乗員の膝があるために大きく膨らませないのに対して、乗員の膝から上方側にはバッグ部にて受け止めるべき広い領域が存在するためである。このため、バッグ部の膨張展開の完了タイミングは下方側よりも上方側が遅い。このため、上述のようにテザーの一端がバッグ部内の上方側に位置するように周壁の内側面に接続されることにより、ホールが閉じられるまでの時間を長くできる。
(6)上記形態のエアバッグ装置において、前記テザーの前記一端は、前記展開完了状態において、前記バッグ部内における最上部に位置するように、前記内側面に接続されていてもよい。
この形態のエアバッグ装置によれば、テザーの一端は、展開完了状態においてバッグ部内における最上部に位置するように内側面に接続されているので、最上部以外のバッグ内にテザーの一端が接続されている構成と比較して、テザーが弛緩状態から緊張状態となるまでの時間、すなわちホールが閉じられるまでの時間をより長くできる。これにより、実行状態におけるホールがガスを排出する時間をより長くすることができ、実行状態におけるバッグ部の内圧をより下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の一形態におけるエアバッグ装置の概略構成を示す図である。
本開示の一形態におけるエアバッグ装置の概略構成を示す図である。
本開示の一形態におけるエアバッグ装置の概略構成を示す図である。
一対の拘束面シートの平面図である。
一対の側面シートの平面図である。
実行状態におけるホールの説明図である。
展開完了状態におけるホールの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.実施形態:
図1~図3は、本開示の一形態におけるエアバッグ装置1の概略構成を示す図である。図1は、エアバッグ装置1が搭載される車両の車幅方向に見たエアバッグ装置1の概略図である。図2は、左側後方から見たエアバッグ装置1の概略図である。図3は、車両の助手席ST側から見たエアバッグ装置1の概略図である。なお、図面および以下の記載における「前後方向」は、車両の進行方向を「前方」としたときの前後方向を示し、「左右(横)」は車両の左右方向(幅方向)を示し、「上下方向」は、車両の高さ方向を示す。図1~図3では、バッグ部100の膨張展開が完了した状態(後述の展開完了状態)を示す。また、図2および図3では、助手席STは省略している。
【0009】
本実施形態におけるエアバッグ装置1は、車両の助手席ST前方に配置される。エアバッグ装置1は、車両に衝突が発生した場合、または衝突が予測された場合に、助手席STの乗員を衝撃から保護する。エアバッグ装置1は、エアバッグケース20と、インフレータ25と、バッグ部100と、を備える。
【0010】
エアバッグケース20は、車両のインストルメントパネル10(以下、インパネ10と呼ぶ)の内側に収容され、有底の箱状形状を有する。エアバッグケース20には、助手席STに向かって開口21が形成されている。換言すると、開口21は、フロントガラスFGに向かわない方向に形成されている。開口21は、バッグ部100が収納されている状態においては、不図示の扉部により塞がれている。
(【0011】以降は省略されています)

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