TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024071415
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-24
出願番号2024038045,2019013213
出願日2024-03-12,2019-01-29
発明の名称リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、およびリチウムイオン二次電池
出願人住友金属鉱山株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 4/525 20100101AFI20240517BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】リチウムイオン二次電池の正極に用いられた場合、高出力化、高耐久性が可能となる正極活物質を提供する。
【解決手段】リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を含有する正極活物質であって、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物は、層状の結晶構造を有し、一般式(1):LixNayNi1-a-bCoaMbO2(前記一般式(1)中、0.05≦a≦0.95、0≦b≦0.60、a+b<1、0.96≦x+y≦1.20、0<y≦0.1、元素Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La及びTaから選択される少なくとも1種の元素)で表され、かつ、リチウムサイトである3aサイトにナトリウムを含む、リチウムイオン二次電池用正極活物質。
【選択図】なし


特許請求の範囲【請求項1】
リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を含有する正極活物質であって、
前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物は、
層状の結晶構造を有し、
一般式(1):Li

Na

Ni
1-a-b
Co





(前記一般式(1)中、0.05≦a≦0.95、0≦b≦0.60、a+b<1、0.96≦x+y≦1.20、0<y≦0.1、元素Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La及びTaから選択される少なくとも1種の元素)で表され、かつ、
リチウムサイトである3aサイトにナトリウムを含む、
リチウムイオン二次電池用正極活物質。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
X線回折によるリートベルト解析から得られる3aサイトのナトリウムのサイト占有率が0%を超え10%以下である、請求項1のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項3】
前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物と、リチウムイオン伝導性酸化物とを含有し、
前記リチウムイオン伝導性酸化物は、前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物の表面の少なくとも一部を被覆し、かつ、タングステン及びリチウムを含む化合物からなる、
請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項4】
前記リチウムイオン伝導性酸化物は、Li

WO

、Li





、Li

WO

、及び、7Li

WO

・4H

Oからなる群から選択される少なくとも一つを含むタングステン酸リチウムである、請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項5】
前記リチウムイオン伝導性酸化物に含まれるタングステンの量が、前記正極活物質に含まれるニッケル、コバルト、および、元素Mの原子数の合計に対して、0.1原子%以上1.0原子%以下である、請求項3又は請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
【請求項6】
リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を含有する正極活物質の製造方法であって、
ニッケルコバルト複合酸化物と、リチウム化合物と、ナトリウム化合物と、を混合してリチウム混合物を得る工程と、
前記リチウム混合物を焼成して、リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物を得る工程と、を備え、
前記ニッケルコバルト複合酸化物は、ニッケルとコバルトと、任意に元素Mとを含み、それぞれの金属元素の原子数比が、Ni:Co:M=(1-a-b):a:b(0.05≦a≦0.95、0≦b≦0.60、a+b<1、元素Mは、Mn、W、Mo、V、Mg、Ca、Al、Ti、Cr、Zr、La及びTaから選択される少なくとも1種の元素)で表され、
前記リチウム混合物中のリチウムとナトリウムの合計量が、ニッケル、コバルト及び元素Mの合計量に対して、96原子%以上120原子%であり、かつ、ナトリウムの量が、ニッケル、コバルト及び元素Mの合計量に対して、0原子%を超え10原子%以下であり、
前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物は、層状の結晶構造を有し、かつ、リチウムサイトである3aサイトにナトリウムを含む、
リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項7】
前記焼成は、700℃以上900℃以下、5時間以上15時間以下で行う、請求項6に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項8】
前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物と、タングステンを含む化合物と、水又は水溶液とを混合して、加熱処理する工程を備え、
前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物の表面を、タングステン及びリチウムを含む化合物からなる導電性酸化物で被覆する、
請求項6又は請求項7に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項9】
前記水溶液は、前記リチウムナトリウムニッケルコバルト複合酸化物に対して、2質量%以上10質量%以下で混合する、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
【請求項10】
前記加熱処理は、50℃以上200℃以下の範囲で1時間以上加熱する、請求項8又は請求項9に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、およびリチウムイオン二次電池に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、タブレット端末、デジタルカメラ、ノート型パソコンなどの携帯電子機器の普及に伴い、高いエネルギー密度を有する小型で軽量な非水系電解質二次電池の開発が強く望まれ、また、ハイブリッド自動車をはじめとする電気自動車用の電池として高出力の二次電池の開発も強く望まれている。
【0003】
このような要求を満たす二次電池として、リチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池は、負極、正極、非水系電解質などで構成され、負極および正極の活物質に、リチウムが脱離および挿入できる材料が用いられている。
【0004】
リチウムイオン二次電池については、現在研究、開発が盛んに行われているところであるが、中でも、層状またはスピネル型の結晶構造を有するリチウム金属複合酸化物を正極活物質に用いたリチウムイオン二次電池は、4V級の高い電圧が得られるため、高いエネルギー密度を有する電池として実用化が進んでいる。
【0005】
これまでに提案されている正極活物質としては、合成が比較的容易なリチウムコバルト複合酸化物(LiCoO

)や、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO

)、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LiNi
1/3
Co
1/3
Mn
1/3


)などが挙げられる。
【0006】
例えば、自動車用途における開発では、現状よりも高い耐久性を有し、かつ、高出力が得られる二次電池が要求されており、正極活物質においても、サイクル試験においてより高い放電容量維持率を有し、かつ、低い正極界面抵抗を有するリチウム金属複合酸化物が求められている。
【0007】
例えば、特許文献1には、正極活物質としてリチウムイオン導電性部材により被覆されたリチウム遷移金属酸化物を含む、リチウムイオン二次電池が提案されている。また、特許文献1の実施例には、ナノ粒子複合化装置を用いて、ニッケルマンガン酸リチウム(LiNi
0.5
Mn
1.5


)にリチウムイオン伝導体であるLi
1.3
Al
0.3
Ti
1.7
(PO



又はLi

PO

を被覆した正極活物質が開示されている。特許文献1によれば、このリチウムイオン二次電池において、寿命特性(サイクル特性、耐久性)が向上するとされている。
【0008】
また、特許文献2には、リチウム金属複合酸化物の一次粒子の表面にリチウムとタングステンを含む化合物が形成された正極活物が提案されている。また、特許文献2には、Li
1.03
Ni
0.82
Co
1.5
Al
0.03


で表されるリチウム金属複合酸化物粉末を水洗する際にタングステン化合物を添加して混合する正極活物質粉末が提案されている。特許文献2によれば、二次電池において、正極抵抗が低減し、高出力が得られるとされている。
【0009】
また、特許文献3には、リチウム金属複合酸化物からなる正極活物質の表面に、リチウムイオンが多方向に拡散可能な化合物の被覆層が形成された正極を有し、被覆層はリチウムイオンが多方向に拡散可能な化合物の非晶質を含む、非水系電解質二次電池用正極電極が提案され、被覆層は、タングステン酸リチウムから形成されることが記載される。特許文献3によれば、例えば、パルスレーザー堆積法(PLD法)を用いて、LiCoO

上に、Li

WO

を成膜することで、正極/電解液界面でのリチウム拡散を向上させ、界面抵抗が低下し、アモルファス状態にすることでリチウムの拡散パスが有効的に働き、抵抗低減効果が促進し出力特性が向上するとされている。
【0010】
また、特許文献4には、一般式:Li

(Ni
1-y
Co


1-z




(0.98≦x≦1.10、0.05≦y≦0.4、0.01≦z≦0.2、M=Al、Zn、TiおよびMgの1種以上)で表され、リートベルト解析による結晶中LiサイトのLi席占有率が98.5%以上を有し、かつ、メタルサイトのメタル席占有率が95%以上、98%以下である、非水系電解質二次電池用正極活物質が提案されている。特許文献4によれば、この正極活物質は、高容量化と高出力化を同時に達成できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

個人
集積回路
今日
太陽誘電株式会社
コイル部品
6日前
太陽誘電株式会社
コイル部品
6日前
東レ株式会社
ポリマー電解質および電池
7日前
TDK株式会社
アンテナ装置
今日
三菱電機株式会社
半導体装置
4日前
日亜化学工業株式会社
面状光源の製造方法
6日前
三菱電機株式会社
半導体装置
4日前
レボックス株式会社
光源装置
10日前
日亜化学工業株式会社
発光装置
6日前
日亜化学工業株式会社
発光装置
7日前
サン電子株式会社
アンテナ装置
11日前
日本特殊陶業株式会社
アレイアンテナ
10日前
三桜工業株式会社
冷却器
4日前
株式会社不二越
アクチュエータ
7日前
株式会社アイシン
加湿装置
6日前
矢崎総業株式会社
端子
今日
ナブテスコ株式会社
部品内蔵型回路基板
4日前
京セラ株式会社
積層セラミックコンデンサ
10日前
矢崎総業株式会社
防水端子台
6日前
太陽誘電株式会社
全固体電池および包装体
7日前
キオクシア株式会社
半導体装置
6日前
河村電器産業株式会社
端子装置
今日
キヤノン電子株式会社
空気電池用正極及び空気電池
6日前
株式会社東海理化電機製作所
検出装置
11日前
矢崎総業株式会社
バッテリ端子
4日前
矢崎総業株式会社
端子構造
今日
日本電気株式会社
アンテナ装置及びレドーム
10日前
矢崎総業株式会社
コネクタ
今日
矢崎総業株式会社
コネクタ
今日
キヤノン電子株式会社
空気電池用正極並びに空気電池
6日前
河村電器産業株式会社
回路遮断器
今日
矢崎総業株式会社
充電インレット
6日前
矢崎総業株式会社
コネクタ
6日前
矢崎総業株式会社
充電インレット
6日前
矢崎総業株式会社
コネクタ
6日前
続きを見る