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公開番号2024070581
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-23
出願番号2022181170
出願日2022-11-11
発明の名称ALS検査用バイオマーカー及び検査方法
出願人株式会社 免疫生物研究所
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G01N 33/68 20060101AFI20240516BHJP(測定;試験)
要約【課題】本発明は、患者への負担が少なくかつ筋萎縮性側索硬化症(ALS)の検査に有用なバイオマーカーを提供することを課題とする。
【解決手段】タウ蛋白質を含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の血液検査用バイオマーカー。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
タウ蛋白質を含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の血液検査用バイオマーカー。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記タウ蛋白質が、配列番号1で表されるアミノ酸配列若しくはその一部と同一のアミノ酸配列、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列若しくはその一部と同一のアミノ酸配列を有する、請求項1に記載のバイオマーカー。
【請求項3】
前記検査が、ALS鑑別診断のための検査である、請求項1に記載のバイオマーカー。
【請求項4】
生体から採取された血液検体について、請求項1~3の何れかに記載のバイオマーカーを測定する工程を含む、ALSの検査方法。
【請求項5】
ALSの鑑別診断のために使用される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記血液検体が、全血、血清又は血漿である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記バイオマーカーの測定が、免疫学的方法により行われる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記免疫学的方法が、タウ蛋白質を認識する2種類の抗体の組み合わせを用いたサンドイッチELISA法であって、
前記2種類の抗体の組み合わせが、
(1)タウ蛋白質を認識する第一抗体;及び
(2)タウ蛋白質を認識する第二抗体であって、該抗体は前記第一抗体とは異なる部分を認識する抗体であり、かつ前記第一抗体と組み合わせてサンドイッチELISA法を行ったとき、非神経変性疾患患者の血液検体に対する反応性と比較して、ALS患者の血液検体に対して1.5倍以上高い反応性を示す抗体
の組み合わせである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
タウ蛋白質を認識する2種類の抗体の組み合わせを含む、ALSの血液検査用キットであって、
前記キットは、サンドイッチELISA法に用いられるものであり、
前記2種類の抗体の組み合わせが、
(1)タウ蛋白質を認識する第一抗体;及び
(2)タウ蛋白質を認識する第二抗体であって、該抗体は前記第一抗体とは異なる部分を認識する抗体であり、かつ前記第一抗体と組み合わせてサンドイッチELISA法を行ったとき、非神経変性疾患患者の血液検体に対する反応性と比較して、ALS患者の血液検体に対して1.5倍以上高い反応性を示す抗体
の組み合わせである、前記キット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ALS検査用バイオマーカーと、該バイオマーカーの定性又は定量に使用する抗体を用いた免疫的測定方法及びキットに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis:ALS)とは、筋肉を動かしている脳や脊髄の神経(運動ニューロン)が障害され、脳から筋肉に指令が伝わらなくなることで手足や喉、舌の筋肉や呼吸筋が徐々にやせていき、呼吸筋が弱まると人工呼吸器を使用しなければ発症から2~5年で死に至ることが多いといわれている進行性・致死性の神経変性疾患である。この疾患の日本における患者数は約1万人とされ、中年以降に発症することがほとんどであり、現在においても発症原因は解明されていない難病の1つである。
【0003】
現在、ALSを根治させる治療法は見つかっていないが、早期の治療が生命予後を大きく左右することから、早期の診断が極めて重要であると考えられている。一般的なALSの診断は、臨床症状(痙縮、腱反射亢進、線維束性収縮、歩行障害、言語障害、嚥下障害、呼吸障害等)の有無、進行速度、運動機能に障害をきたす他の疾患の除外等を組み合わせて行われる。例えば、神経伝導検査、筋電図検査、筋生検、髄液検査等を適宜組み合わせて行われる。
【0004】
ところが、早期のALSは、運動機能に障害をきたす他の疾患と区別することが難しく、専門医であっても、上述のように複数の検査を組み合わせた診断を試みたときに高い精度で診断を行うことは難しい。そのため、ALSの疑いがある患者がなんらかの症状を自覚してからALSが確定診断されるまでに要する時間が長くなり、これによりALSに対して早期に治療を開始することが困難となるケースがある。更に、他の病気を除外するために一般的に行われている神経伝導検査、筋電図検査、筋生検、髄液検査は、侵襲性が高く、患者への負担が非常に大きい。
このような背景から、ALSの診断に有用なバイオマーカーの探索研究が幅広く行われ、数多くのバイオマーカー候補が報告(非特許文献1)されているが、患者への負担が少なく、ALSの診断に利用できる有用なバイオマーカーは見出せていないのが現状である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Molecular Neurodegeneration, 2022;17:11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、患者への負担が少なくかつALSの検査に有用なバイオマーカーを提供することを課題とする。また、本発明は、該バイオマーカーを用いたALSの検査方法を提供することを課題とする。さらに、本発明は、生体検体中に存在するタウ蛋白質を測定するための抗タウ蛋白質抗体を含む試薬を含むキットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ALS患者の血液検体中に存在するタウ蛋白質の量が、コントロール検体と比較して有意に多いことを見出し、
本発明に想到した。
【0008】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]タウ蛋白質を含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の血液検査用バイオマーカー。[2]前記タウ蛋白質が、配列番号1で表されるアミノ酸配列若しくはその一部と同一のアミノ酸配列、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列と90%以上同一のアミノ酸配列若しくはその一部と同一のアミノ酸配列を有する、[1]に記載のバイオマーカー。
[3]前記検査が、ALS鑑別診断のための検査である、[1]又は[2]に記載のバイオマーカー。
[4]生体から採取された血液検体について、[1]~[3]の何れかに記載のバイオマーカーを測定する工程を含む、ALSの検査方法。
[5]ALSの鑑別診断のために使用される、[4]に記載の方法。
[6]前記血液検体が、全血、血清又は血漿である、[4]又は[5]に記載の方法。
[7]前記バイオマーカーの測定が、免疫学的方法により行われる、[4]~[6]の何れかに記載の方法。
[8]前記免疫学的方法が、タウ蛋白質を認識する2種類の抗体の組み合わせを用いたサンドイッチELISA法であって、
前記2種類の抗体の組み合わせが、
(1)タウ蛋白質を認識する第一抗体;及び
(2)タウ蛋白質を認識する第二抗体であって、該抗体は前記第一抗体とは異なる部分を認識する抗体であり、かつ前記第一抗体と組み合わせてサンドイッチELISA法を行ったとき、非神経変性疾患患者の血液検体に対する反応性と比較して、ALS患者の血液検体に対して1.5倍以上高い反応性を示す抗体
の組み合わせである、[8]に記載の方法。
[9]タウ蛋白質を認識する2種類の抗体の組み合わせを含む、ALSの血液検査用キットであって、
前記キットは、サンドイッチELISA法に用いられるものであり、
前記2種類の抗体の組み合わせが、
(1)タウ蛋白質を認識する第一抗体;及び
(2)タウ蛋白質を認識する第二抗体であって、該抗体は前記第一抗体とは異なる部分を認識する抗体であり、かつ前記第一抗体と組み合わせてサンドイッチELISA法を行ったとき、非神経変性疾患患者の血液検体に対する反応性と比較して、ALS患者の血液検体に対して1.5倍以上高い反応性を示す抗体
の組み合わせである、前記キット。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、血液検体中のタウ蛋白質をバイオマーカーとして定性的又は定量的に測定することにより、ALSの検査が可能となる。また、本発明の方法は、全血、血清又は血漿を生体検体として免疫学的方法でタウ蛋白質の定性的又は定量的な測定を行うことから、従来の検査方法と比較して患者への負担を軽減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
抗タウ蛋白質抗体産生ハイブリドーマが産生したモノクローナル抗体であるE22A3抗体及びR103C1A5抗体を用いてタウ蛋白質を測定したときのウェスタンブロットの写真である。Mockとしては、Expi293細胞の培養上清を用いた。
サンドイッチELISA系において使用する固相抗体及び標識抗体の組み合わせを検討した図である。固相抗体(E22A3抗体)及び標識抗体(R103C1A5抗体)の組み合わせ(Method 1)、並びに固相抗体(m40A1抗体)及び標識抗体(R103C1A5抗体)の組み合わせ(Method 2)の検体との反応性を吸光度(試薬ブランク値を差し引いた値)で比較した。
疾患別(アルツハイマー病(AD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)、非神経変性疾患(コントロール))の患者血漿中のタウ蛋白質濃度を示す図である。
ELISA法によるヒトタウ蛋白質441(図中、Tau441と示す)およびヒトタウ蛋白質758(図中、Big Tauと示す)への反応性を確認した図である。Mockとしては、CHO細胞の培養上清を用いた。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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