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公開番号2024067427
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-17
出願番号2022177490
出願日2022-11-04
発明の名称熱可塑性樹脂組成物、光学部材およびカメラモジュール
出願人三井化学株式会社
代理人個人
主分類C08L 101/00 20060101AFI20240510BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】センシングと撮像両方で不要な波長300~400nm及び700~800nmの領域の光を樹脂組成物に吸収させることによりカットでき、かつセンシングで利用される波長900~1000nmの領域の光と撮像で利用される波長500~600nmの領域の光とを透過できる樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と金属化合物(B)を含み、上記金属化合物(B)の極大吸収波長が700nm以上850nm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
熱可塑性樹脂(A)と金属化合物(B)を含み、
前記金属化合物(B)の極大吸収波長が700nm以上850nm以下である、熱可塑性樹脂組成物。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
前記金属化合物(B)がバナジウム原子および白金原子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項3】
前記金属化合物(B)がバナジウム原子を含む、請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項4】
前記金属化合物(B)がその構造中にフタロシアニン系骨格およびジチオール系骨格からなる群から選択される一種または二種以上を含む、請求項1~3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項5】
前記金属化合物(B)がその構造中にフタロシアニン系骨格を含む、請求項4に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項6】
前記金属化合物(B)の含有量が前記熱可塑性樹脂(A)の100質量部に対して0.001質量部以上1.000質量部以下である、請求項1~5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂(A)が環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂およびポリエステル樹脂からなる群から選択される一種または二種以上を含む、請求項1~6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂(A)が環状オレフィン樹脂を含む、請求項7に記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項9】
前記環状オレフィン樹脂が、
下記一般式(I)で表される少なくとも1種のオレフィン由来の繰り返し単位(a)と、
下記一般式(II)で表される繰り返し単位、下記一般式(III)で表される繰り返し単位、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位、下記一般式(V)で表される繰り返し単位および下記一般式(VI)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)と、
を有する、請求項8に記載の熱可塑性樹脂組成物。
TIFF
2024067427000023.tif
49
153
前記一般式(I)において、R
300
は水素原子又は炭素原子数1~29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。
TIFF
2024067427000024.tif
63
153
前記一般式(II)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R
61
~R
78
ならびにR
a1
およびR
b1
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基または炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
75
~R
78
は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
TIFF
2024067427000025.tif
65
153
前記一般式(III)において、xおよびdは0または1以上の整数であり、yおよびzは0、1または2であり、R
81
~R
99
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基若しくは炭素原子数3~15のシクロアルキル基である脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R
89
およびR
90
が結合している炭素原子と、R
93
が結合している炭素原子またはR
91
が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1~3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R
95
とR
92
またはR
95
とR
99
とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。
TIFF
2024067427000026.tif
93
153
前記一般式(IV)において、nおよびmはそれぞれ独立に0、1または2であり、qは1、2または3であり、R
18
~R
31
はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基であり、またq=1のときR
28
とR
29
、R
29
とR
30
、R
30
とR
31
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、またq=2または3のときR
28
とR
28
、R
28
とR
29
、R
29
とR
30
、R
30
とR
31
、R
31
とR
31
は互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、また前記単環または前記多環が芳香族環であってもよい。
TIFF
2024067427000027.tif
49
153
前記一般式(V)において、R
100
、R
101
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1~5の炭化水素基を示し、fは1≦f≦18の整数である。
TIFF
2024067427000028.tif
70
153
前記一般式(VI)において、qは1、2または3であり、R
32
【請求項10】
前記オレフィン由来の繰り返し単位(a)が、エチレン由来の繰り返し単位を含む、請求項9に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂組成物、光学部材およびカメラモジュールに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ等のデバイスには、しばしばセンシング用光学部材が備えられている。このようなセンシング用光学部材は近赤外領域の波長の光を取得して、これにより被写体の形の情報を取得し、被写体の形状をセンシングする。この際、近赤外光領域以外の波長の光はノイズとなるため、フィルター等によりカットしていた。
【0003】
近赤外光領域以外の波長の光をフィルター等によりをカットする技術としては、特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、基材と該基材の少なくとも一方の面に誘電体多層膜とを有し、該基材が、波長600nm以上750nm未満に吸収極大を有する化合物(A)と、波長750nm以上1050nm以下に吸収極大を有する化合物(S)とを含む透明樹脂層を有し、または、前記化合物(A)を含む透明樹脂層および前記化合物(S)を含む透明樹脂層を有し、下記要件(a)を満たすことを特徴とする光学フィルターが開示されている。
(a)波長800~1000nmの領域において、光学フィルターの垂直方向から測定した場合の透過率の平均値が5%以下である。
特許文献1には、前記光学フィルターは、近赤外線カット特性に優れ、入射角依存性が少なく、可視波長域での透過率特性および近赤外波長領域の多重反射光低減効果に優れると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2016/158461号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子デバイスの小型化に伴い、センシング機能と撮像機能を兼ね備えた光学部材の需要が高まっている。これは一つの光学部材がセンシング機能と撮像機能を兼ね備えることで、センシング用レンズと撮像用レンズを別々に備え付ける必要がなくなり、省スペース化が可能になるためである。
【0006】
一つの光学部材がセンシング機能と撮像機能を兼ね備える場合、センシングと撮像両方で不要な波長300~400nm及び700~800nmの領域の光を両方ともカットする必要がある。加えて、センシングで利用される波長900~1000nmの領域の光と、撮像で利用される波長500~600nmの領域の光と、を両方とも透過させる必要がある。
【0007】
本発明者らは検討の結果、樹脂組成物に特定の金属化合物を配合することにより、センシングと撮像両方で不要な波長300~400nm及び700~800nmの領域の光を樹脂組成物に吸収させることによりカットでき、かつセンシングで利用される波長900~1000nmの領域の光と撮像で利用される波長500~600nmの領域の光とを透過できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、センシングと撮像両方で不要な波長300~400nm及び700~800nmの領域の光を樹脂組成物に吸収させることによりカットでき、かつセンシングで利用される波長900~1000nmの領域の光と撮像で利用される波長500~600nmの領域の光とを透過できる熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下に示すことができる。
[1]
熱可塑性樹脂(A)と金属化合物(B)を含み、
上記金属化合物(B)の極大吸収波長が700nm以上850nm以下である、熱可塑性樹脂組成物。
[2]
上記金属化合物(B)がバナジウム原子および白金原子からなる群から選択される一種または二種以上を含む、上記[1]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[3]
上記金属化合物(B)がバナジウム原子を含む、上記[2]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[4]
上記金属化合物(B)がその構造中にフタロシアニン系骨格およびジチオール系骨格からなる群から選択される一種または二種以上を含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[5]
上記金属化合物(B)がその構造中にフタロシアニン系骨格を含む、上記[4]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[6]
上記金属化合物(B)の含有量が上記熱可塑性樹脂(A)の100質量部に対して0.001質量部以上1.000質量部以下である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[7]
上記熱可塑性樹脂(A)が環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂およびポリエステル樹脂からなる群から選択される一種または二種以上を含む、上記[1]~[6]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
[8]
上記熱可塑性樹脂(A)が環状オレフィン樹脂を含む、上記[7]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
[9]
上記環状オレフィン樹脂が、
下記一般式(I)で表される少なくとも1種のオレフィン由来の繰り返し単位(a)と、
下記一般式(II)で表される繰り返し単位、下記一般式(III)で表される繰り返し単位、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位、下記一般式(V)で表される繰り返し単位および下記一般式(VI)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン由来の繰り返し単位(b)と、
を有する、上記[8]に記載の熱可塑性樹脂組成物。
TIFF
2024067427000001.tif
49
153
上記一般式(I)において、R
300
は水素原子又は炭素原子数1~29の直鎖状または分岐状の炭化水素基を示す。
TIFF
2024067427000002.tif
63
153
上記一般式(II)において、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1であり、R
61
~R
78
ならびにR
a1
およびR
b1
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基または炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
75
~R
78
は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよい。
TIFF
2024067427000003.tif
65
153
上記一般式(III)において、xおよびdは0または1以上の整数であり、yおよびzは0、1または2であり、R
81
~R
99
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基若しくは炭素原子数3~15のシクロアルキル基である脂肪族炭化水素基、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R
89
およびR
90
が結合している炭素原子と、R
93
が結合している炭素原子またはR
91
が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1~3のアルキレン基を介して結合していてもよく、またy=z=0のとき、R
95
とR
92
またはR
95
とR
99
とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。
TIFF
2024067427000004.tif
93
153
上記一般式(IV)において、nおよびmはそれぞれ独立に0、1または2であり、qは1、2または3であり、R
18
~R
31
はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子を除くハロゲン原子、またはフッ素原子を除くハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1~20の炭化水素基であり、またq=1のときR
28
とR
29
、R
29
【発明の効果】
【0010】
本発明の熱可塑性樹脂組成物によれば、センシングと撮像両方で不要な波長300~400nm及び700~800nmの領域の光を樹脂組成物に吸収させることによりカットでき、かつセンシングで利用される波長900~1000nmの領域の光と撮像で利用される波長500~600nmの領域の光とを両方とも透過させることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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