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公開番号2024110356
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-15
出願番号2023014909
出願日2023-02-02
発明の名称積層体およびその用途
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類B32B 27/32 20060101AFI20240807BHJP(積層体)
要約【課題】機械物性を維持しつつ、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含有する組成物から形成された層と繊維基材層との接着性に優れる積層体を提供すること。
【解決手段】エチレン[A1]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位と、非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位と、を含み、かつ、1)~(4)の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、少なくとも2種の有機過酸化物(B)と、を含有するエチレン系共重合体組成物から形成された層(X)および繊維基材層(Y)を備え、前記層(X)と前記繊維基材層(Y)とが接している、積層体およびベルト。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
エチレン[A1]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位と、非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位と、を含み、かつ、下記(1)~(4)の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、
少なくとも2種の有機過酸化物(B)と、
を含有するエチレン系共重合体組成物から形成された層(X)および繊維基材層(Y)を備え、
前記層(X)と前記繊維基材層(Y)とが接している、積層体;
(1)エチレン[A1]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位とのモル比〔[A1]/[A2]〕が、40/60~90/10であり、
(2)非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位の含有量が、[A1]、[A2]および[A3]の構造単位の合計100モル%に対して、0.1~6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML
(1+4)
125℃が、5~100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である;
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕…(i)
[上記式(i)中、[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]および非共役ポリエン[A3]のモル分率を示し、[EX]は、エチレン[A1]-炭素数4~20のα-オレフィン[A2]のダイアッド連鎖分率を示す。]
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記炭素数4~20のα-オレフィン[A2]が、1-ブテンである請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記有機過酸化物(B)が1分子中にペルオキシド構造を1つ有する化合物と、1分子中にペルオキシド構造を2つ有する化合物と、を含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
前記1分子中にペルオキシド構造を1つ有する化合物が、ジクミルパーオキサイド(DCP)である、請求項3に記載の積層体。
【請求項5】
前記1分子中にペルオキシド構造を2つ有する化合物が、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、および、[1,3-フェニレンビス(ジメチルメチレン)]ビス(tert-ブチルペルオキシド)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項3に記載の積層体。
【請求項6】
前記エチレン系共重合体組成物が架橋物である、請求項1に記載の積層体。
【請求項7】
前記繊維基材層(Y)を構成する繊維がレゾルシンホルムアルデヒドラテックス(RFL)処理された繊維を含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項8】
前記繊維基材層(Y)の繊維基材が帆布である、請求項1に記載の積層体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の積層体を備える、ベルト。
【請求項10】
伝動ベルトまたは搬送用ベルトである請求項9に記載のベルト。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体およびその用途に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)などのエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、一般に、耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れており、自動車用工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材、土木建築用材、ゴム引き布などに用いられている。
【0003】
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含有する組成物から形成された層と、繊維基材層とを有し、これらの層の接着性に優れる積層体として、例えば、特許文献1には、エチレン[A1]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位と、非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位とを有し、特定の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、有機過酸化物(B)と、2つ以上のエチレン性二重結合を有する架橋助剤(C)とを含有する組成物から形成された層(X)と、繊維基材層(Y)とを有し、前記層(X)と前記繊維基材層(Y)とが接している、積層体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-074906号公報
特開2021-161258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1および2に記載されたエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体より形成される層を備えた積層体とした場合、従来の積層体よりも接着性により優れ、かつ、機械物性にも優れる積層体の改良が求められている。
【0006】
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、機械物性を維持しつつ、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含有する組成物から形成された層と繊維基材層との接着性に優れる積層体および当該積層体を備えるベルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> エチレン[A1]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位と、非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位と、を含み、かつ、下記(1)~(4)の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、少なくとも2種の有機過酸化物(B)と、を含有するエチレン系共重合体組成物から形成された層(X)および繊維基材層(Y)を備え、
前記層(X)と前記繊維基材層(Y)とが接している、積層体;
(1)エチレン[A1]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位とのモル比〔[A1]/[A2]〕が、40/60~90/10であり、
(2)非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位の含有量が、[A1]、[A2]および[A3]の構造単位の合計100モル%に対して、0.1~6.0モル%であり、
(3)125℃におけるムーニー粘度ML
(1+4)
125℃が、5~100であり、
(4)下記式(i)で表されるB値が1.20以上である;
B値=([EX]+2[Y])/〔2×[E]×([X]+[Y])〕…(i)
[上記式(i)中、[E]、[X]および[Y]は、それぞれ、エチレン[A]、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]および非共役ポリエン[A3]のモル分率を示し、[EX]は、エチレン[A1]-炭素数4~20のα-オレフィン[A2]のダイアッド連鎖分率を示す。]
<2> 前記炭素数4~20のα-オレフィン[A2]が、1-ブテンである<1>に記載の積層体。
<3> 前記有機過酸化物(B)が1分子中にペルオキシド構造を1つ有する化合物と1分子中にペルオキシド構造を2つ有する化合物とを含む、<1>または<2>に記載の積層体。
<4> 前記1分子中にペルオキシド構造を1つ有する化合物が、ジクミルパーオキサイド(DCP)である、<3>に記載の積層体。
<5> 前記1分子中にペルオキシド構造を2つ有する化合物が、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1-ジ(tert-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、および、[1,3-フェニレンビス(ジメチルメチレン)]ビス(tert-ブチルペルオキシド)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、<3>に記載の積層体。
<6> 前記エチレン系共重合体組成物が架橋物である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の積層体。
<7> 前記繊維基材層(Y)を構成する繊維がレゾルシンホルムアルデヒドラテックス(RFL)処理された繊維を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の積層体。
<8> 前記繊維基材層(Y)の繊維基材が帆布である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の積層体。
<9> <1>~<8>のいずれか1つに記載の積層体を備える、ベルト。
<10> 伝動ベルトまたは搬送用ベルトである<9>に記載のベルト。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、機械物性を維持しつつ、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含有する組成物から形成された層と繊維基材層との接着性に優れる積層体および当該積層体を備えるベルトが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において、「重合体」および「(共)重合体」との語句は、特に断りのない限り、単独重合体および共重合体を包含する意味で用いられる。
本明細書において、数値範囲を示す「~」とは、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、数値範囲を示す「~」の前後いずれか一方に記載される単位は、特に断りがない限り同じ単位を示すことを意味する。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
また、本明細書において、特に限定しない限りにおいて、組成物中の各成分、または、ポリマー中の各構造単位は1種単独で含まれていてもよいし、2種以上を併用してもよいものとする。
本明細書において、組成物中の各成分、または、ポリマー中の各構造単位の量は、組成物中に各成分、または、ポリマー中の各構造単位に該当する物質または構造単位が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する物質またはポリマー中に存在する複数の各構造単位の合計量を意味する。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
<積層体>
本発明に係る積層体は、エチレン[A1]に由来する構造単位と、炭素数4~20のα-オレフィン[A2]に由来する構造単位と、非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位と、を含み、かつ、下記(1)~(4)の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、少なくとも2種の有機過酸化物(B)と、を含有するエチレン系共重合体組成物から形成された層(X)および繊維基材層(Y)を備え、前記層(X)と前記繊維基材層(Y)とが接している。
本発明の積層体は、上記構成を有することで、機械物性を維持しつつ、エチレン系共重合体組成物から形成された層と繊維基材層との接着性に優れる。この理由は明らかではないが以下のようなメカニズムが推測される。
エチレン系共重合体組成物から形成された層は、(1)~(4)の要件を満たすエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、少なくとも2種の有機過酸化物(B)と、を含むので、組成物に含まれる少なくとも2種の過酸化物がそれぞれ異なる架橋ネットワークを形成するため、繊維基材層との接着性により優れ、かつ、機械物性も維持されると推察している。したがって、本実施形態の積層体は、例えば、ベルトの構成部材として好適に用いることができる。
以下、積層体を構成する各層について説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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