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公開番号2025102483
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-08
出願番号2023219949
出願日2023-12-26
発明の名称樹脂組成物、ワニス、プリプレグ、硬化物、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置
出願人三井化学株式会社
代理人個人
主分類C08L 23/18 20250101AFI20250701BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】本発明は、低誘電特性および低熱膨張性の性能バランスが向上したプリプレグ、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置を得ることのできる樹脂組成物およびワニス、並びに、低誘電特性および低熱膨張性の性能バランスが向上したプリプレグ、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置を提供する。
【解決手段】架橋反応に用いることができる官能基(α)を有する熱硬化性環状オレフィン系共重合体(A)と、ラジカル重合開始剤(B)と、ベンゾシクロブテン構造を有する架橋剤(C)と、を含む樹脂組成物であって、過酸化物系重合開始剤の含有量が、前記ラジカル重合開始剤(B)100質量部に対して50質量部未満である樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
架橋反応に用いることができる官能基(α)を有する熱硬化性環状オレフィン系共重合体(A)と、
ラジカル重合開始剤(B)と、
ベンゾシクロブテン構造を有する架橋剤(C)と、
を含む樹脂組成物であって、
過酸化物系重合開始剤の含有量が、前記ラジカル重合開始剤(B)100質量部に対して50質量部未満である樹脂組成物。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記架橋剤(C)の含有量が前記共重合体(A)100質量部に対して1~60質量部である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂組成物中の、前記共重合体(A)、前記ラジカル重合開始剤(B)および前記架橋剤(C)の含有量の合計が、50~100質量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記架橋剤(C)が架橋反応に用いることができる官能基(β)を1つ以上有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記ベンゾシクロブテン構造中の芳香環が、前記官能基(β)を含む、請求項4に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記ラジカル重合開始剤(B)がビベンジル化合物類を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記共重合体(A)は、
下記式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位(a)と、
下記式(III)で表される1種以上の環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(b)と、
下記式(V)で表される1種以上の環状オレフィン由来の繰り返し単位(c)と、
を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
TIFF
2025102483000019.tif
31
73
(前記式(I)において、R
300
は水素原子又は炭素原子数1~29の直鎖状又は分岐状の炭化水素基を示す)
TIFF
2025102483000020.tif
58
124
(前記式(III)中、uは0又は1であり、vは0又は正の整数であり、wは0又は1であり、R
61
~R
76
並びにR
a1
およびR
b1
は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基又は炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
104
は水素原子又は炭素原子数1~10のアルキル基であり、tは0~10の正の整数であり、R
75
およびR
76
は、互いに結合して単環又は多環を形成していてもよい)
TIFF
2025102483000021.tif
62
115
(前記式(V)中、uは0又は1であり、vは0又は正の整数であり、wは0又は1であり、R
61
~R
78
並びにR
a1
およびR
b1
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基又は炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
75
~R
78
は互いに結合して単環又は多環を形成していてもよい)
【請求項8】
厚さ50μmの前記樹脂組成物の硬化物を作製したとき、10GHzの周波数における前記硬化物の誘電正接Dfが0.00100以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の樹脂組成物と、溶媒と、を含むワニス。
【請求項10】
請求項1に記載の樹脂組成物または請求項9に記載のワニスを繊維基材に含浸させてなる、プリプレグ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物、ワニス、プリプレグ、硬化物、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
昨今、高周波帯域を使用する無線通信機器等の増加に加え、通信速度の高速化によって、必然的に高い帯域の周波数帯が用いられることが多くなってきた。これに伴い、高周波における伝送ロスを極限まで軽減するために誘電正接が小さい(すなわち低誘電特性である)回路基板が求められている。
一方、近年では、このような無線通信機器等は小型化および高性能化がより一層進んでおり、そのためにプリント配線基板用の積層体およびその材料には寸法安定性(特に熱に対する寸法安定性)が求められている。この要求は、半導体パッケージ基板の領域において顕著である。
【0003】
特許文献1には、ハロゲンフリーで耐熱性の低下や誘電特性の悪化を抑制しつつ難燃性を備え、優れた耐熱性、低熱膨張性、低比誘電率及び低誘電正接を有する熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板、プリント配線板及び高速通信対応モジュールを提供することを課題として、(A)1分子中に少なくとも2個のN-置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a1)と、1分子中に少なくとも2個の1級アミノ基を有するアミン化合物(a2)との付加反応物と、(B)熱可塑性エラストマーと、(C)芳香族ビニル化合物由来の構造単位とカルボン酸無水物由来の構造単位とを含有する共重合樹脂と、(D)難燃剤としてリン系難燃剤と、を含有し、前記(C)成分の芳香族ビニル化合物由来の構造単位が、一般式(C-1)で表され、前記カルボン酸無水物由来の構造単位が、一般式(C-2)で表される無水マレイン酸由来の構造単位であって、前記(C)成分として、前記一般式(C-1)中のR
C1
が水素原子、xが0であり、かつ前記一般式(C-1)で表される構造単位と前記一般式(C-2)で表される構造単位との含有比率[(C-1)/(C-2)](モル比)が5~10である共重合樹脂を含有する、熱硬化性樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2022-088381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、低誘電特性および低熱膨張性の性能バランスが向上したプリプレグ、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置を得ることのできる樹脂組成物、ワニスおよび硬化物、並びに、低誘電特性および低熱膨張性の性能バランスが向上したプリプレグ、硬化物、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、樹脂組成物において、架橋反応に用いることができる官能基を有する熱硬化性環状オレフィン系共重合体を用いるとともに、ラジカル重合開始剤およびベンゾシクロブテン構造を有する架橋剤を用いることにより、得られるプリプレグ、硬化物、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置の、低誘電特性および低熱膨張性の性能バランスを向上できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示す樹脂組成物、ワニス、プリプレグ、硬化物、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置が提供される。
【0007】
本発明は以下に示すとおりである。
【0008】
[1]
架橋反応に用いることができる官能基(α)を有する熱硬化性環状オレフィン系共重合体(A)と、
ラジカル重合開始剤(B)と、
ベンゾシクロブテン構造を有する架橋剤(C)と、
を含む樹脂組成物であって、
過酸化物系重合開始剤の含有量が、前記ラジカル重合開始剤(B)100質量部に対して50質量部未満である樹脂組成物。
[2]
前記架橋剤(C)の含有量が前記共重合体(A)100質量部に対して1~50質量部である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3]
前記樹脂組成物中の、前記共重合体(A)、前記ラジカル重合開始剤(B)および前記架橋剤(C)の含有量の合計が、50~100質量%である、[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]
前記架橋剤(C)が架橋反応に用いることができる官能基(β)を1つ以上有する、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]
前記ベンゾシクロブテン構造中の芳香環が、前記官能基(β)を含む、[4]に記載の樹脂組成物。
[6]
前記ラジカル重合開始剤(B)がビベンジル化合物類を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]
前記共重合体(A)は、
下記式(I)で表される1種以上のオレフィン由来の繰り返し単位(a)と、
下記式(III)で表される1種以上の環状非共役ジエン由来の繰り返し単位(b)と、
下記式(V)で表される1種以上の環状オレフィン由来の繰り返し単位(c)と、
を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
TIFF
2025102483000001.tif
31
73
(前記式(I)において、R
300
は水素原子又は炭素原子数1~29の直鎖状又は分岐状の炭化水素基を示す)
TIFF
2025102483000002.tif
58
124
(前記式(III)中、uは0又は1であり、vは0又は正の整数であり、wは0又は1であり、R
61
~R
76
並びにR
a1
およびR
b1
は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基又は炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
104
は水素原子又は炭素原子数1~10のアルキル基であり、tは0~10の正の整数であり、R
75
およびR
76
は、互いに結合して単環又は多環を形成していてもよい)
TIFF
2025102483000003.tif
62
115
(前記式(V)中、uは0又は1であり、vは0又は正の整数であり、wは0又は1であり、R
61
~R
78
並びにR
a1
およびR
b1
は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルキル基又は炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基であり、R
75
~R
78
は互いに結合して単環又は多環を形成していてもよい)
[8]
厚さ50μmの前記樹脂組成物の硬化物を作製したとき、10GHzの周波数における前記硬化物の誘電正接Dfが0.00100以下である、[1]~[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9]
[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物と、溶媒と、を含むワニス。
[10]
[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物または[9]に記載のワニスを繊維基材に含浸させてなる、プリプレグ。
[11]
架橋反応に用いることができる官能基(α)を有する熱硬化性環状オレフィン系共重合体(A)と、
ラジカル重合開始剤(B)と、
ベンゾシクロブテン構造を有する架橋剤(C)と、
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低誘電特性および低熱膨張性の性能バランスが向上したプリプレグ、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置を得ることができる樹脂組成物、ワニスおよび硬化物、並びに、低誘電特性および低熱膨張性の性能バランスが向上したプリプレグ、硬化物、フィルム、積層体、金属張積層体、プリント配線基板および電子装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。なお、本実施形態では、数値範囲を示す「A~B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。また、数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限および下限は任意に組み合わせることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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