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公開番号2024066882
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-16
出願番号2022176659
出願日2022-11-02
発明の名称電池セル用スペーサ及びこれを用いた組電池
出願人NOK株式会社
代理人個人,個人
主分類H01M 50/291 20210101AFI20240509BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】組電池に用いるスペーサにおいて、スペーサがある程度まで撓んだときに電池セルに与える面圧の急激な増大を防止する。
【解決手段】二つの電池セル11A、11Bの間に配置されるスペーサ51は、山と谷とが連続する波形の断面形状を有する基体52を備えている。基体52は、波形形状53の頂部に位置し、二つの電池セル11A、11Bにそれぞれ面接触する受圧面54と、山側と谷側との受圧面54M、54Vを互い違いに連結して波形形状53を形成する緩衝部55とを備えている。緩衝部55は、座屈可能な屈曲部56を最大幅とする樽形形状を波形形状53に互い違いに与え、同一面側で隣接する屈曲部56同士の間に、座屈した屈曲部56の配置空間を確保する配置間隔を提供する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
互いに対面する二つの電池セルの間に配置される電池用スペーサであって、
山と谷とが連続する波形の断面形状を有し、前記二つの電池セルの一方に対面する面を山側面とし、別の一方に対面する面を谷側面とする基体と、
前記山側面と前記谷側面とのそれぞれに現れる前記基体の波形形状の頂部に位置し、前記二つの電池セルにそれぞれ面接触する受圧面と、
前記山側面と前記谷側面とに位置する前記受圧面を互い違いに連結して前記波形形状を形成する緩衝部と、
を備え、
前記緩衝部は、
前記受圧面の両端から幅を拡大して座屈可能な屈曲部を最大幅として幅を縮小する樽形形状を前記波形形状に互い違いに与え、
同一面側で隣接する前記屈曲部同士の間に、座屈した前記屈曲部の配置空間を確保する配置間隔を提供する、
電池用スペーサ。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記緩衝部が前記受圧面の両端から幅を拡大する方向に傾斜する角度は、15~25度である、
請求項1に記載の電池用スペーサ。
【請求項3】
前記緩衝部が前記受圧面の両端から幅を拡大する方向に傾斜する角度は、20度である、
請求項1に記載の電池用スペーサ。
【請求項4】
前記緩衝部が前記受圧面の両端から幅を拡大する方向に傾斜する角度は、前記二つの電池セルの間の間隔が狭まったとき、前記屈曲部が座屈する角度に設定されている、
請求項1に記載の電池用スペーサ。
【請求項5】
前記受圧面の幅と、前記受圧面から前記屈曲部までの長さとの比は、1対0.9~1対1.1の範囲に定められている、
請求項1ないし4のいずれか一に記載の電池用スペーサ。
【請求項6】
前記受圧面の幅と、前記受圧面から前記屈曲部までの長さとの比は、1対1に定められている、
請求項1ないし4のいずれか一に記載の電池用スペーサ。
【請求項7】
同一面側で隣接する前記屈曲部同士の間の配置間隔と、前記受圧面から前記屈曲部までの長さとの比は、1対1.5~1対2.5の範囲に定められている、
請求項1ないし4のいずれか一に記載の電池用スペーサ。
【請求項8】
同一面側で隣接する前記屈曲部同士の間の配置間隔と、前記受圧面から前記屈曲部までの長さとの比は、1対2に定められている、
請求項1ないし4のいずれか一に記載の電池用スペーサ。
【請求項9】
筐体形状のホルダに積層状態で収納された複数個の電池セルと、
互いに対面する二つの電池セルの間に配置された電池用スペーサと、
を備え、
前記電池用スペーサは、
山と谷とが連続する波形の断面形状を有し、前記二つの電池セルの一方に対面する面を山側面とし、別の一方に対面する面を谷側面とする基体と、
前記山側面と前記谷側面とのそれぞれに現れる前記基体の波形形状の頂部に位置し、前記二つの電池セルにそれぞれ面接触する受圧面と、
前記山側面と前記谷側面とに位置する前記受圧面を互い違いに連結して前記波形形状を形成する緩衝部と、
を備え、
前記緩衝部は、
前記受圧面の両端から幅を拡大して座屈可能な屈曲部を最大幅として幅を縮小する樽形形状を前記波形形状に互い違いに与え、
同一面側で隣接する前記屈曲部同士の間に、座屈した前記屈曲部の配置空間を確保する配置間隔を提供する、
組電池。
【請求項10】
前記電池セルは、全固体電池である、
請求項9に記載の組電池。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電池セル用スペーサ及びこれを用いた組電池に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
化石燃料で動作する内燃機関を使わない電動車両(EV)のうち、ハイブリッド自動車(HV)、バッテリー電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)は、リチウムイオン電池などの二次電池をモータの電力源として利用している。リチウムイオン電池は、他の二次電池と比較して高いエネルギー密度を有することから、電動車両のモータを駆動する電力源に適している。
【0003】
特許文献1に示すように、電動車両に搭載される二次電池は、電池としての一単位をなす電池セルを積層したいわば組電池の形態をとるのが一般的である。特許文献1では、電池セル(セル3)を積層してケーシングC内に保持している(段落[0035]参照)。
【0004】
リチウムイオン電池は、積層された個々の電池セルを加圧することによって充電率を高めることができる。また電池セルは、充放電や温度変化によって膨張したり収縮したりするので、二つの電池セルの間のクリアランス管理が必要になる。そこで特許文献1に記載されているように、積層された個々の電池セル(セル3)の間に弾性変形可能なスペーサ5を介在させ、積層方向に圧縮力を与えた状態で個々のセル3をケーシングC内に保持するということが行なわれている(段落[0012][0035]-[0037][0040]参照)。
【0005】
特許文献1が開示するスペーサ5は、ジクザグ状に屈曲した可撓性をもつ金属材料からなり、加圧板6を介してセル3に取り付けられている(段落[0036][0038]、図4(a)-(d)、図5(a)参照)。特許文献1には、「スペーサ5が加圧板6から加圧され弾性変形する際に発生する個々の弾性力がセル3に個々に加えられ、それらの個々の弾性力が集合することで、セル3に押圧力を加える」と述べられている(段落[0036]参照)。
【0006】
特許文献2には、別の形態のスペーサ41が開示されている。このスペーサ41は、絶縁性材料である樹脂によって形成されたもので、波形の断面形状を有している(段落[0021][0023]、図2参照)。スペーサ41は、積層される電池セル21A、21Bに向けて突出して接触する突部(第1突部51と第3突部53、第2突部52と第4突部54)を有している。
【0007】
また第3突部53と第4突部54との間には、電池セル21A、21Bに向けて突出はするものの、通常時には非接触状態を保つ突部(第5突部55、第6突部56)が設けられている(段落[0028]-[0038]、図3参照)。これらの第5突部55及び第6突部56は、電池セル21の膨張時、電池セル21A、21B同士の間隔が狭まることに追従してスペーサ41が変形すると、電池セル21A、21Bにそれぞれ接触する(段落[0047]、図4参照)。
【0008】
特許文献1、2に記載されているようなリチウムイオン電池は、正負の電極間に電解液を満たしている。これに対して電解液の代わりに個体電解質を用いるようにした全固体電池(バルク型)の開発が進められている。全固体電池は、電解質が液体であるリチウムイオン電池よりも取り扱い性が良好で、電池としての性能にも優れている。電動車両に用いた場合には航続距離を延ばすことができるし、充電時間も短縮することができる。
【0009】
全固体電池を用いた組電池は、例えば特許文献3に記載されている。
【0010】
特許文献3に記載された組電池は、スペーサ(放熱部材20)を介して複数個の電池セル(電池ユニット10)を積層し、これらの電池ユニット10及び放熱部材20からなる積層物をケース40内に収納している(段落[0025]参照)。スペーサ(放熱部材20)は、ゴムやエラストマーなどの弾性材料を母材とする一対の弾性体層22で基層21を挟み込んでいる(段落[0030][0033]参照)。基層21の一例として、一対の平板状の金属薄板21a1の間に、波状の金属薄板21a2を設けた構造のものが示されている(段落[0048]、図5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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