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公開番号2024058681
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-26
出願番号2022165929
出願日2022-10-16
発明の名称SDGs(持続可能な開発目標)に全体最適する育苗および植栽方法
出願人鈴鹿シードリング協同組合
代理人個人
主分類A01G 9/02 20180101AFI20240419BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】植栽作業後に残る苗の梱包資材から出るプラスチック・ゴミを最少化するための「全体最適」の育苗および植栽方法が存在しない点である。
【解決手段】育苗現場では、生分解性の筒状容器中で玉竜(タマリュウ)を含む地被類の株分け生産植物の苗を育成し、その筒状容器に入った苗だけをまとめて軽量大型ネット袋に入れて植栽現場へ搬送し、植栽現場ではかさばるプラスチック・トレーではなく軽量大型ネット袋を作業者が容易に移動させながら、生分解性の筒状容器に入った苗を植栽し、植栽作業後は空の軽量大型ネット袋のみを小さくまとめて回収して、その植栽現場から回収した空の軽量大型ネット袋の束を育苗現場へ返送する、SDGs(持続可能な開発目標)に全体最適する育苗および植栽方法であることを最も主要な特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
育苗現場で、プラスチック・トレーに入れた生分解性の筒状容器中で地被類の株分け生産植物の苗を育成する育苗ステップ(S1)と、
前記生分解性の筒状容器中で地被類の株分け生産植物の苗を目視検査した後に、前記プラスチック・トレーから良質苗を収納する生分解性の筒状容器のみを取出し、任意の数だけ軽量大型ネット袋へまとめて収納して出荷準備する良質苗選別ステップ(S2)と、
前記出荷準備した生分解性の筒状容器のみが入った軽量大型ネット袋を植栽現場へ搬送する搬送ステップ(S3)と、
植栽現場では前記軽量大型ネット袋を作業者が引きずって移動させながら、該軽量大型ネット袋に収納した生分解性の筒状容器に入った苗を、反転させずに生分解性の筒状容器のまま植栽する植栽ステップ(S4)と、
植栽作業後は植栽現場から空の前記軽量大型ネット袋のみを小さくまとめて回収する回収ステップ(S5)と、
植栽現場から回収した前記空の軽量大型ネット袋の束のみを植栽現場から育苗現場へ返送する返送ステップ(S6)で構成することで、育苗資材のリサイクル使用の促進と植栽現場での育苗資材ゴミの削減を図ることを特徴とするSDGs(持続可能な開発目標)に全体最適する育苗および植栽方法。
続きを表示(約 120 文字)【請求項2】
前記地被類の株分け生産植物が、玉竜(タマリュウ)や、その他、芝桜、岩垂草(イワダレソウ)、ヘデラを含む地被類の株分け生産植物であることを特徴とする請求項1記載のSDGs(持続可能な開発目標)に全体最適する育苗および植栽方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願発明は、育苗現場での育苗資材のリサイクル使用の促進と、植栽現場での育苗資材ゴミの削減を図ることで、SDGsに全体最適する育苗および植栽方法に関する。すなわち育苗から植栽の個別ステップにおける部分最適ではなく全ステップを通して、育苗資材のリサイクル使用の促進と植栽現場での育苗資材ゴミの削減を図るために全体最適する育苗および植栽方法に関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
出願人の鈴鹿シードリング協同組合は、苗木等の本場である三重県鈴鹿市で草花苗と庭木苗の育苗業、および植栽現場での植栽業を行っている。育苗現場では一般には小さなプラスチック・ポットに苗を数本ずつ植え込み、図6(A)に示すようにこのポット苗をまとめてトレーで育苗する。一方、植栽現場では、育苗現場からポット苗を入れたトレーを多数搬入し、トレーに入れた多数のポットから1ポットずつ取り出して苗の移植を行う。なお植栽現場とは例えば高層建築物周辺の都市緑化や、その屋上緑化、更には広大な公共施設の公園やゴルフ場等を指称し、これ等の植栽現場ではグランドカバー用に図6(B)に示す玉竜(タマリュウ)や、その他、芝桜、岩垂草(イワダレソウ)、ヘデラを含む地被類の株分け生産植物の苗が広く植栽されている。植栽作業は、図6(C)に示すようにプラスチック・トレーから個々のプラスチック・ポットを取り出し、更にそのプラスチック・ポットから1ポットずつ苗を取り出して植え付ける。植え付け作業は、トレーに収納されていた時と比較すると約2倍の面積に間隔を置いて植えつけられる。従って多数のトレーに収納したポット苗を、育苗現場から植栽現場へ搬入して植え付ける必要がある。
【0003】
解決しようとする問題は、従来のプラスチック・ポット苗による植栽方法では以下のような問題点を有している点にある。すなわち現状では、1)根の活着を妨げるルーピングが少ない苗を育苗する有効な方法が見当たらず、2)更にプラスチック・トレーに配列された多数のポット苗から出荷前に良質苗のみを選別せずに全てのポット苗が出荷され、更にまた3)植栽現場では多くの育苗資材ゴミが残り資源の無駄となるばかりか、それ等の育苗資材ゴミの回収返送等の無駄な作業が多く存在していた。換言すると育苗ステップから植栽ステップに至る個々のステップでは多くの改良努力が既に払われてはいるが、全ステップを通してSDGsに全体最適する効率的な育苗および植栽方法が存在しないという問題が存在した。
【0004】
例えば200坪ほどの植栽現場、これは決して大きな現場ではないが、作業後に空のプラスチック・トレーとポットは、図6(D)のように極めて多数残される。この図では積み重ねられているため少なく見えるが実際は、見た目以上に大量の空のトレーとポットが広大な植栽現場には散乱して残る。通常であればこれ等の使用済トレーとポットは、再び育苗現場へ持ち帰り、再使用するものと廃棄するものに分別されることになる。ただし植栽現場が育苗現場から遠い場合には、この処理に大変困ることになる。理由は、再使用しようとして現場から持ち帰るにも手間と搬送コストがかかり、コスト的には合わないためである。また廃プラスチック素材として再利用しようとしても、これ等のトレーとポットに使われるプラスチックは、製造コストを下げるため素材レベルとしては、もともとリサイクルして再生使用が不可能な低レベルのプラスチック素材が用いられていることに起因する。そのため植栽現場近くのリサイクル業者はこれ等の育苗資材ゴミの引き取りを拒み、結果的に産業廃棄物として焼却する以外に処分方法は存在せず、これはSDGsの精神に反することとになり易い。つまり資源処理としては、「もったいない」ということになるのが現状である。
【0005】
これ等の諸問題を解決しようとする従来例をJ-PlatPat検索で検索すると多くの従来例にヒットするが、それ等の引例は単に限定された範囲、限定された育苗から植栽に至る個別ステップでの解決策を開示するのに止まり、SDGsに全体最適する全ステップにおける根本的な解決策を示すものではない。例えば実用新案登録第3228236号では、プラスチック・ポットの替わりに生分解性のポットを使用してプラスチック材の削減を図る構成を開示している。しかしながらその引例では、生分解性のポットを従来例の様にプラスチック・トレーに収納して植栽現場へ持ち込む前提である。すなわちこの引例では、植栽作業後の空のプラスチック・トレーの処理方法については何らの解決策を示さず、従って植栽現場では多くのプラスチック・トレーが残り、これ等はゴミとして処分されるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
実用新案登録第3228236号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする問題点は上述の様に育苗業界および植栽業界において、育苗ステップから植栽ステップに至る個々のステップではなく全ステップを通して、SDGsに全体最適する育苗および植栽方法が存在しないという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、1)育苗現場では、プラスチック・ポットではなく生分解性の筒状容器中で玉竜(タマリュウ)を含む地被類の株分け生産植物の苗を育成し、2)その生分解性の筒状容器中で育成した苗を目視検査後に良質の苗のみを選別し、3)生分解性の筒状容器で育成した良質の苗のみをまとめて軽量大型ネット袋に入れて植栽現場へ搬送し、4)植栽現場ではかさばるプラスチック・トレーではなく軽量大型ネット袋を作業者が容易に移動させながら、生分解性の筒状容器に入った苗を植栽し、5)植栽作業後に残った空の軽量大型ネット袋のみを小さくまとめて回収し、6)そしてその植栽現場から回収した空の軽量大型ネット袋の束を育苗現場へ返送する、各ステップで構成する育苗および植栽方法であることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願発明の育苗および植栽方法は、育苗現場では生分解性の筒状容器中で玉竜(タマリュウ)を含む地被類の株分け生産植物の苗を育成し、かつ目視確認後に良質の苗の入った生分解性の筒状容器だけを軽量大型ネット袋に入れて植栽現場へ搬送するため、従来のプラスチック・ポットのようにポット内で根がルーピングせず理想的な根鉢を形成できるだけでなく、環境に負荷が大きいプラスチックの使用を削減し、かつ搬送効率の向上に寄与することが出来る。また更に植栽現場では、軽量大型ネット袋を作業者が容易に移動させながら筒状容器に入った苗を植栽するので、作業者が楽に移植作業を行うことができ、かつ植栽作業後は空の軽量大型ネット袋のみを容易に回収して育苗現場へ返送または作業者が持ち帰ることが可能である。結果として本願発明に係る育苗および植栽方法は、育苗現場での育苗資材のリサイクル使用の促進と、植栽現場での育苗資材ゴミの削減を図ることが可能であり、今後世界が目指すSDGsの理念に合致する全体最適としての省資源社会を実現させることが可能となる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は本願発明に係る、育苗現場での育苗資材のリサイクル使用の促進と植栽現場での育苗資材ゴミの削減を図る育苗および植栽方法を示すフローチャートである。
(A)は本願発明の図1のステップ(S1)に示す生分解性の筒状容器で育苗した苗(右側)と、従来例に係るプラスチック・ポットで育苗した苗(左側)を示す写真である。(B)は生分解性の筒状容器で育苗する際に一本の苗を土壌中に挿入する際に使用するスリット付き移植ツールを示す写真と、(C)は従来例に係るプラスチック・ポットで育苗する時に問題となるルーピングした苗を示す写真である。
本願発明の図1のステップ(S3)に示す軽量大型のネット袋に、ステップ(2)の目視確認後に良質の苗をまとめて入れて植栽現場へ搬送する際の出荷準備された荷姿を示す写真である。
本願発明の図1のステップ(S4)に示す生分解性の筒状容器から苗を取出し、植栽作業を示す写真である。
(A)は本願発明において使用された後に回収され、育苗現場へ返送する空の軽量大型のネット袋の束を示す写真である。
(A)は従来例に係るプラスチック・トレーに収納したプラスチック・ポットを用いた育苗現場を示す写真である。(B)は従来例に係るプラスチック・ポットとプラスチック・トレーの写真である。(C)は従来例に係るプラスチック・トレーからプラスチック・ポットを取り出し、1ポットずつ植え付ける植栽作業の写真である。(D)は従来例に係る使用済の多量の空のプラスチック・トレーとプラスチック・ポットを積み上げた写真である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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