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公開番号2024058390
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-25
出願番号2022165721
出願日2022-10-14
発明の名称電波吸収体、及びその製造方法
出願人大阪ガスケミカル株式会社
代理人弁理士法人R&C
主分類H05K 9/00 20060101AFI20240418BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】完成品を後から加工した場合であっても安定した吸収層を維持しつつも、高い電波吸収性能を発揮し得る電波吸収体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁性繊維10と、バインダー樹脂12と、平均繊維長が0.3mm以上2.0mm以下であるピッチ系炭素繊維11とを含む紙製の吸収層20を有し、絶縁性繊維10に対するピッチ系炭素繊維11の含有率が5質量%以上30質量%以下であり、体積抵抗率が1×109Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下であり、かつ、26.5GHz以上90GHz以下の範囲内における所定周波数領域の周波数の電波を吸収する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
絶縁性繊維と、バインダー樹脂と、平均繊維長が0.3mm以上2.0mm以下であるピッチ系炭素繊維とを含む紙製の吸収層を有し、前記ピッチ系炭素繊維と前記絶縁性繊維に対する前記ピッチ系炭素繊維の含有率が5質量%以上30質量%以下であり、体積抵抗率が1×10

Ω・cm以上1×10
12
Ω・cm以下であり、かつ、26.5GHz以上90GHz以下の範囲内における所定周波数領域の周波数の電波を吸収する電波吸収体。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
前記ピッチ系炭素繊維の炭素含有率が90質量%以上である請求項1に記載の電波吸収体。
【請求項3】
前記ピッチ系炭素繊維が等方性である請求項2に記載の電波吸収体。
【請求項4】
前記絶縁性繊維が、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維及びパルプのうち、少なくとも1つ以上から選択されるものである請求項1~3の何れか一項に記載の電波吸収体。
【請求項5】
前記バインダー樹脂が、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂及びポリアクリルアミドのうち、少なくとも1つ以上から選択されるものである請求項1~3の何れか一項に記載の電波吸収体。
【請求項6】
厚みが0.3mm以上1.0mm以下である請求項5に記載の電波吸収体。
【請求項7】
前記ピッチ系炭素繊維の比抵抗が、1.0×10

Ω・cm以下である請求項1~3の何れか一項に記載の電波吸収体。
【請求項8】
前記絶縁性繊維の比抵抗が、1.0×10

Ω・cm以上である請求項1~3の何れか一項に記載の電波吸収体。
【請求項9】
絶縁性繊維と、バインダー樹脂と、平均繊維長が0.3mm以上2.0mm以下であるピッチ系炭素繊維とを、前記ピッチ系炭素繊維と前記絶縁性繊維に対する前記ピッチ系炭素繊維の含有率が5質量%以上30質量%以下として、水に溶かして攪拌した混合液を湿式抄紙した後に乾燥させる工程を含む電波吸収体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、幅広い周波数帯において優れた吸収性能を有する電波吸収体、および、その製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
電波吸収体は、主に、1~10mm程度の波長及び30~300GHzの周波数を有するミリ波や準ミリ波領域の電波を吸収するものとして利用されている。当該電波吸収体は、例えば、電波を用いた無線通信システムにおいて、外部環境からの電波進入によるシステムの誤動作防止等の用に供される。
【0003】
従来の電波吸収体としては、特許文献1において、導電性を有するカーボンフィラーと微細繊維状セルロース又はセルロースナノファイバーを含む絶縁性フィラーと繊維とを湿式抄紙した紙製の吸収層を有する電波吸収体が、薄くても電波吸収効果を持つものとして開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/130627号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の技術では、カーボンフィラーとしてのカーボンブラック(一次粒径:36nm以上40nm以下)を絶縁性フィラーとしての微細繊維に、硫酸アルミニウム等のカチオン性定着剤を用いて定着させている。
しかしながら、カーボンブラックが微小であることから、絶縁性フィラーから脱離し易いという問題があり、特に、電波吸収体を切断等して加工する場合、カーボンブラックが脱離し易いという課題があった。このようにカーボンブラックが脱離し易い電波吸収体では、電波吸収性能を安定させることができず、改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、完成品を後から加工した場合であっても安定した吸収層を維持しつつも、高い電波吸収性能を発揮し得る電波吸収体、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための電波吸収体の特徴構成は、
絶縁性繊維と、バインダー樹脂と、平均繊維長が0.3mm以上2.0mm以下であるピッチ系炭素繊維とを含む紙製の吸収層を有し、前記ピッチ系炭素繊維と前記絶縁性繊維に対する前記ピッチ系炭素繊維の含有率が5質量%以上30質量%以下であり、体積抵抗率が1×10

Ω・cm以上1×10
12
Ω・cm以下であり、かつ、26.5GHz以上90GHz以下の範囲内における所定周波数領域の周波数の電波を吸収する点にある。
【0008】
上述の電波吸収体は、絶縁性繊維とバインダー樹脂に加え、比較的繊維径が太く、屈曲した形状を有するピッチ系炭素繊維とを含んで紙製の吸収層を構成しているから、当該ピッチ系炭素繊維が、絶縁性繊維に絡みやすく脱落し難い。これにより、電波吸収体を切断等して加工した場合であっても、安定した吸収層を維持できる。
更に、発明者らは、上記特徴構成の如く、ピッチ系炭素繊維の平均繊維長を0.3mm以上2.0mm以下とし、ピッチ系炭素繊維と絶縁性繊維に対するピッチ系炭素繊維の含有率を5質量%以上30質量%以下とし、体積抵抗率を1×10

Ω・cm以上1×10
12
Ω・cm以下とすることで、後述する実施例に示すように、26.5GHz以上90GHz以下の範囲内における所定周波数領域、特に、第5世代移動通信システム(以下、5Gと略称する場合がある)に用いられる27GHz以上28GHz以下程度の周波数帯域、及び車載レーダーに用いられる76GHz以上80GHz以下程度の周波数帯域において、-20dB以下程度の高い吸収性能(最大時)を発揮できることを実験的に確認している。
以上より、完成品を後から加工した場合であっても安定した吸収層を維持しつつも、高い電波吸収性能を発揮し得る電波吸収体を実現できる。
【0009】
電波吸収体の更なる特徴構成は、
前記ピッチ系炭素繊維の炭素含有率が90質量%以上である点にある。
【0010】
上記特徴構成の如く、ピッチ系炭素繊維の炭素含有率を90質量%以上とすることで、吸収層に適度な導電性を与えることでき、吸収層にて、電波エネルギを微小な電流に変換した後に熱エネルギへ変換し、効果的に電波を吸収できる。
(【0011】以降は省略されています)

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