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公開番号2024054513
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-17
出願番号2022160770
出願日2022-10-05
発明の名称量子ドット含有組成物とその製造方法
出願人信越化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類G02B 5/20 20060101AFI20240410BHJP(光学)
要約【課題】量子ドットの特性を維持しつつ、安定性を向上させ、かつ極性の高い溶剤や感光性樹脂組成物との相溶性を改善させた量子ドット含有組成物とその製造方法を提供する。
【解決手段】励起光により蛍光を発する量子ドットを樹脂組成物に分散させた量子ドット含有組成物であって、前記量子ドットはその表面に配位する配位子と、前記配位子と結合しシロキサン結合を含有する表面被覆層とを有し、前記表面被覆層は前記樹脂組成物に含まれる高分子が有する置換基、前記樹脂組成物に含まれる高分子と重合可能な置換基、または前記高分子と同一な骨格構造を持つ化合物を少なくとも一種以上含有するものであることを特徴とする量子ドット含有組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
励起光により蛍光を発する量子ドットを樹脂組成物に分散させた量子ドット含有組成物であって、前記量子ドットはその表面に配位する配位子と、前記配位子と結合しシロキサン結合を含有する表面被覆層とを有し、前記表面被覆層は前記樹脂組成物に含まれる高分子が有する置換基、前記樹脂組成物に含まれる高分子と重合可能な置換基、または前記高分子と同一な骨格構造を持つ化合物を少なくとも一種以上含有するものであることを特徴とする量子ドット含有組成物。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記量子ドットはII-VI族、III-V族、IV族、IV-VI族、I-III-VI族、II-IV-V族およびこれらの混晶や合金、またはペロブスカイト構造をもつ化合物からなる群より選択される量子ドットコアを含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の量子ドット含有組成物。
【請求項3】
前記量子ドットは、前記量子ドットコアよりもバンドギャップの大きいシェルにより前記量子ドットコアを被覆したコアシェル型量子ドットを含有するものであることを特徴とする請求項2に記載の量子ドット含有組成物。
【請求項4】
前記配位子は、アミノ基、チオール基、カルボキシ基、ホスフィノ基、ホスフィンオキシド基、及びアンモニウムイオンのいずれか1種以上を有するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の量子ドット含有組成物。
【請求項5】
前記樹脂組成物に含まれる高分子が有する置換基は、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、水酸基、フェノール性水酸基、及びエポキシ基のいずれか1種以上のものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の量子ドット含有組成物。
【請求項6】
前記樹脂組成物に含まれる高分子と重合可能な置換基は、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、水酸基、フェノール性水酸基、及びエポキシ基のいずれか1種以上のものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の量子ドット含有組成物。
【請求項7】
前記高分子と同一な骨格構造は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルから誘導される骨格構造または、シルフェニレン骨格、ノルボルネン骨格、フルオレン骨格、イソシアヌレート骨格であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の量子ドット含有組成物。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の量子ドット含有組成物の硬化物であることを特徴とする波長変換部材。
【請求項9】
励起光により蛍光を発する量子ドットを含有する請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の量子ドット含有組成物の製造方法であって、
前記量子ドットが分散した溶液と、シロキサン結合を形成する置換基を有する配位子とを混合し、前記量子ドットの最表面に前記配位子を配位する配位子交換工程と、
前記配位子交換工程の後、前記シロキサン結合を形成する置換基と、前記シロキサン結合を形成する置換基と反応してポリシロキサンを生成する化合物とを反応させ表面被覆層を形成する表面被覆層形成工程と、
前記表面被覆層形成工程の後、前記表面被覆層により被覆された前記量子ドットを前記樹脂組成物と混合する樹脂組成物混合工程とを含むことを特徴とする量子ドット含有組成物の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、量子ドット含有組成物とその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
半導体ナノ粒子単結晶において、結晶のサイズが励起子のボーア半径以下になると強い量子閉じ込め効果が生じ、エネルギー準位が離散的になる。エネルギー準位は結晶のサイズに依存することになり、光吸収波長や発光波長は結晶サイズで調整が可能となる。また、半導体ナノ粒子単結晶の励起子再結合による発光が量子閉じ込め効果により高効率となり、またその発光は基本的に輝線であることから、大きさの揃った粒度分布が実現できれば、高輝度狭帯域な発光が可能となることから注目を集めている。このようなナノ粒子における強い量子閉じ込め効果による現象を量子サイズ効果と呼び、その性質を利用した半導体ナノ粒子単結晶を量子ドットとして広く応用展開に向けて検討が行われている。
【0003】
量子ドットの応用として、ディスプレイ用蛍光体材料への利用が検討されてきている。狭帯域高効率な発光を実現できれば既存技術で再現できなかった色を表現できることになることから、次世代のディスプレイ材料として注目されてきている。
【0004】
現在量子ドットの利用が進められてきているディスプレイとして、量子ドット液晶ディスプレイがあり、すでに製品化が進行している。白色光または青色LEDバックライトから照射された光を量子ドット含有波長変換部材に通すことにより緑色、赤色へと色を変換する試みがなされている。量子ドットの表面は活性であり、大気中の水分や酸素により徐々に量子収率が低下していってしまうため、量子ドット含有波長変換部材については安定性向上が必須の検討項目となっている。
【0005】
量子ドット含有の波長変換部材の安定化について、様々な検討が行われている。一例としてガスバリア封止があげられる。量子ドットが両親媒性高分子または相溶性ポリマー内に分散された内層を形成し、さらに別のガス透過性の低い樹脂層に分散させることで安定性が向上している。特許文献1において、疎水性の樹脂層の中に量子ドット(QD:Quantum Dot)を分散させることでポリマービーズを形成し、そのポリマービーズに親水性ポリマーに分散するように表面改質し、親水性ポリマーに分散する方法が公開されている。親水性のポリマーのほうが疎水性ポリマーよりもガスバリア性が高い傾向にあるため、このような二層や多層の構造でQDを分散させている。しかしながら、液晶ディスプレイユニットに使用されているような高温高湿環境になりうる用途での使用にはガスバリア性が不十分のため、QDフィルムをガスバリアフィルムで挟み込むことで酸素や水蒸気の影響を除去する方法がとられている。
【0006】
ポリマービーズの作製方法に関しても様々検討が行われている。特許文献2において、アミノ基と重合性官能基を有するポリシロキサンでQD含有ポリマービーズを作製し、さらにもう一つ別の重合性官能基を有するポリマーを混合し、エマルジョン化してさらに硬化させる方法が開示されている。この方法では、QD表面に配位するリガンドを導入したポリマーによりQDとの密着性を上げて、ポリマービーズ内に含まれるQDの濃度を上げることが可能であり、安定性を向上させることができる。しかし、この方法でも安定性は不十分であり、バリアフィルムで挟み込むことで実装化されている。
【0007】
バリアフィルムを使用せず、耐熱性、耐湿性を向上させた検討として、特許文献3が公開されている。この方法では、上記の特許文献1のポリマービーズ構造を用いた多層の樹脂組成物にさらにシラザンコーティング処理を行うというもので、安定性が向上している。
【0008】
また、別の試みとして特許文献4が公開されている。この方法は、量子ドットにリガンドを配位させ、リガンドにはビニル基やメタクリル基などの反応性の置換基を導入し、次いでSi-H含有のシリコーンレジンと硬化剤とを混ぜ合わせ、そのままスピンコートして加熱することにより硬化させて耐熱性、耐湿性が向上したフィルムを作製している。
【0009】
また、カラーフィルターへの応用の際には、そのパターニング方法に適した量子ドット表面状態を形成することが重要になる。現在、カラーフィルターは顔料を含有する感光性樹脂組成物をガラス基板上に塗布し、溶媒を乾燥させた後、UV照射でマスク露光し、アルカリ現像により未硬化部分を除去することにより色のパターンを形成し、この工程を繰り返すことで、青、赤、緑のパターンを形成するフォトリソグラフィー法が実用化されている。フォトリソグラフィー法には未硬化部分が無駄になってしまうことから、原料のロスが大きく、工程も煩雑で高価な装置を使用するなど、問題も多い。そのため、近年ではインクジェット方式の検討も行われている。インクジェット方式であれば、原料のロスはなく、大型化や大面積化についても高価な装置を導入することなく作製が可能など、コストの面で競争力がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
米国特許第9708532号公報
特開2016-111292号公報
特表2019-536653号公報
米国特許公表第20190322926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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