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公開番号2024051765
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-11
出願番号2022158084
出願日2022-09-30
発明の名称焼結体の製造方法
出願人株式会社プロテリアル,株式会社プロテリアルプレシジョン
代理人
主分類B22F 1/052 20220101AFI20240404BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】この発明の目的は、簡易な手段で焼結体の歪な収縮や歪な変形の抑制を可能にし、MIMによる焼結体の量産性を確保しやすい、焼結体の製造方法の提供である。
【解決手段】この発明は、混合金属粉と有機成分を含む混錬物を作製し、混錬物を射出成形して成形体を作製し、成形体を構成する有機成分を除去して脱脂体を作製し、脱脂体を構成する金属粉を第1加熱により焼結させて焼結体を作製する、各工程を含み、標準金属粉、第1金属粉および第2金属粉の積算体積分布曲線のメジアン径をd50A、d50Pおよびd50Qとするとき、d50P/d50Aが2以上5以下の第1金属粉とd50Q/d50Aが0.1以上0.8以下の第2金属粉とを用いて、第1金属粉の混合比が20体積%以上80体積%以下となるように混合金属粉を作製し、混合金属粉の混合比が60体積%以上80体積%以下となるように混錬物を作製する、焼結体の製造方法である。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
混合金属粉を作製し、前記混合金属粉および有機成分を含む混錬物を作製する混錬物作製工程と、前記混錬物を射出成形して成形体を作製する成形体作製工程と、前記成形体を構成する有機成分を除去して脱脂体を作製する脱脂体作製工程と、前記脱脂体を構成する金属粉を第1加熱により焼結させて焼結体を作製する焼結体作製工程と、を含み、
前記混錬物作製工程では、標準金属粉、第1金属粉および第2金属粉の積算体積分布曲線におけるメジアン径をd50A、d50Pおよびd50Qとするとき、d50P/d50Aが2以上5以下の第1金属粉とd50Q/d50Aが0.1以上0.8以下の第2金属粉とを用いて、前記第1金属粉の混合比が20体積%以上80体積%以下となるように前記混合金属粉を作製し、前記混合金属粉の混合比が60体積%以上80体積%以下となるように前記混錬物を作製する、焼結体の製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記混錬物作製工程では、2つのピークを示す積算体積分布曲線をもち、2つのピークの間隔に対応する粒径の差が30μm以上70μm以下である、前記混合粉を作製する、請求項1に記載の焼結体の製造方法。
【請求項3】
前記混錬物作製工程では、2つのピークを示す積算体積分布曲線をもち、2つのピークの間の谷の深さに対応する体積頻度の差が2%以上10%以下である、前記混合粉を作製する、請求項1に記載の焼結体の製造方法。
【請求項4】
前記第1加熱よりも低温の第2加熱により、前記脱脂体を構成する金属粉を焼結させて仮焼体を作製する仮焼体作製工程を含み、
前記焼結体作製工程では、前記脱脂体に替えて前記仮焼体を用いる、請求項1に記載の焼結体の製造方法。
【請求項5】
前記第1金属粉および前記第2金属粉は、α+β型のチタン合金からなる、請求項1に記載の焼結体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、焼結体の製造方法に関し、詳しくは、金属粉および有機成分を含む混錬物を用いる金属粉末射出成形法による、焼結体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
焼結体の製造方法の一つとして、金属粉末射出成形法(MIM:Metal Injection Molding)が知られている。このMIMによれば、比較的小型の焼結体や複雑で微細な形状の焼結体を最終製品に近い形状で量産可能であり、多くの産業分野で普及している。一般的なMIMは、金属粉および有機成分を含む混錬物(コンパウンド)を作製する混錬物作製工程と、その混錬物を射出成形した成形体(グリーン体)を作製する成形体作製工程と、その成形体を構成する有機成分を除去して脱脂体(ブラウン体)を作製する脱脂体作製工程と、その脱脂体を構成する金属粉を加熱により焼結させて焼結体を作製する焼結体作製工程と、を含む。また、必要に応じて、脱脂体を構成する金属粉をハンドリングが可能な程度に焼結させて仮焼体を作製する仮焼体作製工程を含み、脱脂体に替えて、その仮焼体を構成する金属粉をさらに強固に焼結させて焼結体を作製する焼結体作製工程が採用される。
【0003】
たとえば、特許文献1には、金属粉およびバインダーを含む混錬物を射出成形して成形体を作製し、その成形体を構成するバインダーを加熱により除去して脱脂体を作製し、その脱脂体を加熱により焼結させて焼結体を作製する、MIMによる焼結体の製造方法が開示されている。この焼結体の製造方法では、混錬物に占める金属粉の割合(混合比)を約60体積%にしており、これにより脱脂体の変形が抑制されている。その後、その脱脂体を構成する金属粉を加熱により焼結させて焼結体を作製することになるが、その際に発生しやすい焼結体の歪な収縮や歪な変形の抑制に係る教示はなされていない。
【0004】
焼結体に生じやすい歪な収縮や歪な変形の抑制に関し、たとえば、特許文献2には、第1金属粉およびバインダーを含む第1混錬物を作製する第1混錬物作製工程と、その第1混錬物を造粒して比較的大径の造粒粉を作製する造粒粉作製工程と、その造粒粉と第2金属粒およびバインダーを含む第2混錬物を作製する第2混錬物作製工程と、を含み、その第2混錬物を射出成形して焼結体を作製する、焼結体の製造方法が開示されている。この焼結体の製造方法では、骨格を構成する造粒粉を取り囲むように第2金属粉とバインダーとがバランスよく配置された第2混錬物を作製している。そして、その第2混錬物を用いることにより、成形体の保形性が高まり、均質で変形の少ない成形体の作製が可能になるとされ、最終的には寸法精度が高い焼結体の作製が可能になるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-152205号公報
特開2018-145481号公報
【非特許文献】
【0006】
三浦秀士、増田剛紀、小笠原忠司、寒川喜光 共著、Ti射出成形体の高性能化、粉体粉末冶金協会誌「粉体および粉末冶金」2002年49巻9号、p.825-828
三浦秀士、竹増光家、▲桑▼野友紀、伊藤芳典、佐藤憲治 共著、Ti-6Al-4V射出成形材の焼結挙動と機械的特性、粉体粉末冶金協会誌「粉体および粉末冶金」2006年53巻10号、p.815-820
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に開示される焼結体の製造方法では、一般的なMIMで実施する上記した工程以外に、少なくとも造粒粉製造工程と第2混錬物作製工程とを実施することになる。そのため、一般的なMIMにより焼結体を量産する場合と比べて、上記した工程の増加に起因して、リードタイムの増長や製造コストの増大といった焼結体の量産に不都合な問題が危惧される。また、この焼結体の製造方法では、第2混錬物を作製する際に造粒粉が損壊する問題が危惧される。この造粒粉の損壊対策として、特許文献2には、造粒粉の形状的な等方性を高めることや、造粒粉と第1金属粉とのバランスを最適化することが教示されている。具体的には、所定のアスペクト比を有する造粒粉を作製することや、第1金属粉に対して所定の粒径比を有する造粒粉を作製することが教示されている。そうした特定の造粒粉を作製することに関しても、上記した焼結体の量産に不都合な問題が危惧される。
【0008】
この発明の目的は、簡易な手段で焼結体の歪な収縮や歪な変形の抑制を可能にし、MIMによる焼結体の量産性を確保しやすい、焼結体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者は、金属粉、有機成分、混錬物、成形体、脱脂体、仮焼体および焼結体の構成や作製時の挙動を多様な視点で検討し、焼結体の焼結組織を構成する結晶粒が特定の粒径バランスになるときに焼結体の変形量が低減しやすいことを突き止めた。そして、その後の具体的な検討および工夫によって上記課題が解決できることを見出し、この発明に想到することができた。
【0010】
この発明に係る焼結体の製造方法は、混合金属粉を作製し、前記混合金属粉および有機成分を含む混錬物を作製する混錬物作製工程と、前記混錬物を射出成形して成形体を作製する成形体作製工程と、前記成形体を構成する有機成分を除去して脱脂体を作製する脱脂体作製工程と、前記脱脂体を構成する金属粉を第1加熱により焼結させて焼結体を作製する焼結体作製工程と、を含み、前記混錬物作製工程では、標準金属粉、第1金属粉および第2金属粉の積算体積分布曲線におけるメジアン径をd50A、d50Pおよびd50Qとするとき、d50P/d50Aが2以上5以下の第1金属粉とd50Q/d50Aが0.1以上0.8以下の第2金属粉とを用いて、前記第1金属粉の混合比が20体積%以上80体積%以下となるように前記混合金属粉を作製し、前記混合金属粉の混合比が60体積%以上80体積%以下となるように前記混錬物を作製する。
(【0011】以降は省略されています)

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