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公開番号2024050319
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-10
出願番号2022157122
出願日2022-09-29
発明の名称粘着剤および粘着シート
出願人日東電工株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09J 133/16 20060101AFI20240403BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】屈折率が低く、かつ高温高湿条件に対する白化が抑制された粘着剤を提供する。
【解決手段】アクリル系ポリマー(F)を含有する粘着剤が提供される。上記粘着剤は、屈折率は1.450以下である。上記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分は、下記式(1):
CH2=CR1COO(CH2)n-Rf (1)
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、nは1または2であり、Rfは炭素原子数3~6の鎖状フッ化アルキル基である。);
で表されるフッ素含有アクリル系モノマー(Mf)と、酸フリーの親水性モノマー(Mh)と、を含む。上記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分における上記親水性モノマー(Mh)の含有量は5.0重量%超である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
アクリル系ポリマー(F)を含有する粘着剤であって、
前記粘着剤の屈折率は1.450以下であり、
前記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分は、下記式(1):
CH

=CR

COO(CH



-Rf (1)
(式中、R

は水素原子またはメチル基であり、nは1または2であり、Rfは炭素原子数3~6の鎖状フッ化アルキル基である。);で表されるフッ素含有アクリル系モノマー(Mf)と、酸フリーの親水性モノマー(Mh)と、を含み、
前記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分における前記親水性モノマー(Mh)の含有量は5.0重量%超である、粘着剤。
続きを表示(約 900 文字)【請求項2】
前記親水性モノマー(Mh)は、水酸基、アミド基および(ポリ)オキシC
1-2
アルキレン基、からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するモノマーである、請求項1に記載の粘着剤。
【請求項3】
前記フッ素含有アクリル系モノマー(Mf)は、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートである、請求項1または2に記載の粘着剤。
【請求項4】
前記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分における前記親水性モノマー(Mh)の含有量は、5.0重量%を超えて50重量%以下である、請求項1または2に記載の粘着剤。
【請求項5】
前記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分における前記フッ素含有アクリル系モノマー(Mf)の含有量は、20重量%以上95重量%未満である、請求項1または2に記載の粘着剤。
【請求項6】
前記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分は、下記式(2):
CH

=CR

COOR

(2)
(式中、R

は水素原子またはメチル基であり、R

は炭素原子数4~18の鎖状アルキル基である。);
で表されるモノマー(M1)をさらに含む、請求項1または2に記載の粘着剤。
【請求項7】
前記粘着剤は、活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物から形成された粘着剤である、請求項1または2に記載の粘着剤。
【請求項8】
請求項1または2に記載の粘着剤からなる粘着剤層を含む、粘着シート。
【請求項9】
前記粘着剤層は、85℃、85%RHの湿熱環境下に240時間保持する湿熱試験後におけるヘイズが3.0%未満である、請求項8に記載の粘着シート。
【請求項10】
ガラス板に対する剥離強度(引張速度300mm/分、剥離角度180度)が0.1N/25mm以上である、請求項8に記載の粘着シート。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤および該粘着剤を有する粘着シートに関し、詳しくは、フッ素含有アクリル系モノマーをモノマー単位として含むアクリル系ポリマーを含有する粘着剤および該粘着剤を有する粘着シートに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
一般に、粘着剤(感圧接着剤ともいう。以下同じ。)は、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により簡単に被着体に接着する性質を有する。このような性質を活かして、粘着剤は、家電製品から自動車、各種機械、電気機器、電子機器等の様々な産業分野において、接合や固定、保護等の目的で広く利用されている。粘着剤に関する技術文献として、特許文献1~4が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2019-210343号公報
特開2020-111740号公報
特許第6014781号公報
特開2018-193553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1~4では、フッ素含有アクリル系モノマーに由来する構成単位を含む(メタ)アクリレート共重合体を含む粘着剤が提案されている。これらは、いずれも耐皮脂性および/または耐薬品性に着目した粘着剤であり、屈折率については考慮されていない。低屈折率の粘着剤は、例えば、隣接する材料の屈折率の関係を利用して、光の挙動(反射、導波、回折)を制御する機能を発揮するために役立ち得る。
【0005】
本発明者は、フッ素含有アクリル系モノマーに由来する構成単位を含むポリマーを含む組成において所定以下の低屈折率を示すように構成された粘着剤は、高温高湿条件に曝されると白化しやすいという新たな課題を見出した。本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであって、屈折率が低く、かつ高温高湿条件に対する白化が抑制された(耐湿熱白化性のよい)粘着剤を提供することを目的とする。関連する他の目的は、かかる粘着剤から構成された粘着剤層を含む粘着シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この明細書によると、アクリル系ポリマー(F)を含有する粘着剤が提供される。上記粘着剤は、屈折率は1.450以下である。上記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分は、下記式(1):
CH

=CR

COO(CH



-Rf (1)
(式中、R

は水素原子またはメチル基であり、nは1または2であり、Rfは炭素原子数3~6の鎖状フッ化アルキル基である。);
で表されるフッ素含有アクリル系モノマー(Mf)と、酸フリーの親水性モノマー(Mh)と、を含む。上記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分における上記親水性モノマー(Mh)の含有量は5.0重量%超である。アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分に酸フリーの親水性モノマー(Mh)を上記含有量で含ませることにより、低屈折率の粘着剤に耐湿熱白化性を付与することができる。
【0007】
上記親水性モノマー(Mh)としては、例えば、水酸基、アミド基および(ポリ)オキシC
1-2
アルキレン基、からなる群から選択される少なくとも1つの基を有するモノマーを好ましく採用し得る。ここに開示される技術は、このような親水性モノマー(Mh)を用いる態様で好ましく実施され得る。
【0008】
なお、この明細書により開示される技術には、粘着剤およびその形成に用いられる粘着剤組成物、粘着剤を含む粘着シート(例えば、上記粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着シート)、該粘着シートの粘着面が剥離ライナーで保護された剥離ライナー付き粘着シート、上記粘着剤層を含む光学部材、等が含まれ得る。
【0009】
上記式(1)で表されるフッ素含有アクリル系モノマー(Mf)の一好適例として、2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートが挙げられる。ここに開示される技術は、フッ素含有アクリル系モノマー(Mf)として2-(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレートを用いる態様で好ましく実施され得る。
【0010】
いくつかの態様において、上記アクリル系ポリマー(F)を構成するモノマー成分における上記親水性モノマー(Mh)の含有量は、5.0重量%を超えて50重量%以下であり得る。上記含有量は、低屈折率の粘着剤において、該粘着剤の柔軟性に配慮しつつ耐湿熱白化性を付与する観点から好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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