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公開番号2024044883
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-04-02
出願番号2022150676
出願日2022-09-21
発明の名称燃料電池システム
出願人株式会社ジェイテクト,国立大学法人金沢大学
代理人弁理士法人あいち国際特許事務所
主分類H01M 8/1004 20160101AFI20240326BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】発電効率の低下防止と構成の簡素化との両立が図られた燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システム1における燃料電池10は、電解質膜11、アノード触媒層12、アノード側拡散層21、カソード触媒層13、カソード側拡散層22を備え、電解質膜11の面方向が鉛直方向Yに平行となるように配置される。通常運転時にはアノード側拡散層21に液体燃料が供給され且つカソード側拡散層22に酸化剤が供給されて電力を出力し、リフレッシュ運転時には液体燃料の供給を停止してアノード側拡散層21に水又は水溶液が供給されない状態を維持して放電を行う。アノード側拡散層21には、一方の端部41がリフレッシュ運転時に生じるガスが鉛直方向上方Y1に残存してなる気体領域211に位置し、他方の端部42が鉛直方向下方Y2に液体が残存してなる液体領域212に位置するように配置されたマイクロチューブ40が設けられている。
【選択図】図2

特許請求の範囲【請求項1】
液体燃料と酸化剤とを反応させることによって電極反応により電力を出力可能に構成された燃料電池と、
上記燃料電池への液体燃料の供給と供給停止とを切り替え可能に構成された制御装置と、
を備える燃料電池システムであって、
上記燃料電池は、電解質膜と、上記電解質膜の一方の面に順次積層されたアノード触媒層及びアノード側拡散層と、上記電解質膜の他方の面に順次積層されたカソード触媒層及びカソード側拡散層とを備え、上記電解質膜の面方向が鉛直方向に平行となるように配置され、
上記制御装置は、
通常運転時には、上記アノード側拡散層に上記液体燃料が供給され且つ上記カソード側拡散層に上記酸化剤が供給されて生じる電極反応により電力を出力するように構成されており、
出力回復のためのリフレッシュ運転時には、上記液体燃料の供給を停止して上記アノード側拡散層に水又は水溶液が供給されない状態を維持して放電を行うように構成されており、
上記アノード側拡散層には、一方の端部が上記リフレッシュ運転時に電極反応により生じるガスが鉛直方向上方に残存してなる気体領域に位置するとともに、他方の端部が鉛直方向下方に液体が残存してなる液体領域に位置するように配置されたマイクロチューブが設けられている、燃料電池システム。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
上記マイクロチューブは鉛直方向に平行に延在している、請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
上記アノード側拡散層は、水平断面において、上記マイクロチューブが配置された第1領域と上記マイクロチューブが配置されていない第2領域とを備える、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
上記アノード側拡散層の上記アノード触媒層と反対側には、上記液体燃料を上記アノード側拡散層に供給する流路を有するアノード側セパレータが積層されており、
上記アノード側セパレータは、上記アノード側拡散層に対向する面に上記流路を区画するリブを有しており、
上記アノード側拡散層の厚さ方向から見て、上記第1領域は上記リブと重なる位置に位置しており、上記第2領域は隣り合う上記リブ同士の間の上記流路と重なる位置に位置している、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
上記第1領域と上記第2領域とは、上記アノード側拡散層の厚さ方向に垂直な方向に交互に並んでいる、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
上記マイクロチューブは、上記アノード側拡散層の厚さ方向に中央位置よりも上記アノード触媒層と反対側の領域に設けられている、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
上記マイクロチューブは導電性を有する、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
上記マイクロチューブの他方の端部は、上記リフレッシュ運転の間、継続して上記液体領域に位置している、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
上記マイクロチューブの他方の端部は、鉛直方向において異なる位置に位置している、請求項1又は2に記載の燃料電池システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
液体燃料を用いた固体高分子型の燃料電池は、一般に、電解質膜の一方の面にアノード触媒層及びアノード側拡散層が積層され、他方の面にカソード触媒層及びカソード側拡散層が積層されており、アノード側拡散層を介してアノード触媒層に液体燃料が直接供給され且つカソード側拡散層を介してカソード触媒層に酸化剤が外部から供給されることにより電極反応が生じて発電される。このような固体高分子型の燃料電池では、電極反応によりガスと水とが発生することとなる。
【0003】
このような固体高分子型の燃料電池の例として特許文献1に開示された構成では、アノード側拡散層のアノード触媒層側の面に導電性多孔質層を設けて、アノード触媒層において上記ガスの拡散性と水の排出性を向上して発電効率の向上を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2012-199237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような固体高分子型の燃料電池においては、通常運転を連続して行うことで徐々に出力電力が低下する現象が生じる場合がある。このような出力電力の低下を抑制して出力電力を維持するためには、定期的に燃料電池への液体燃料の供給を停止した状態でアノード・カソード間をショートさせて強制放電を行うリフレッシュ運転を実行する必要がある。リフレッシュ運転終了後はアノード・カソード間のショートを解除し、燃料電池への液体燃料の供給を開始することで、出力電力が回復した状態で再度運転を行うことができる。
【0006】
リフレッシュ運転中は液体燃料が供給されないため、リフレッシュ運転開始時に既にアノード側拡散層内に存在していたガスや、リフレッシュ運転中の強制放電により、リフレッシュ運転開始時にアノード側拡散層に残存する液体燃料が消費されて発生したガスがアノード側拡散層の上方領域に残留することとなる。そして、リフレッシュ運転が長期間実施されたり、リフレッシュ運転後の再運転までに長期間が経過したりした場合には、アノード側拡散層の上方領域に残留したガスによりアノード触媒層及び電解質膜が乾燥して非可逆的な変化を起こし、当該燃料電池の内部抵抗の急激な上昇を招いて発電効率が低下することとなる。
【0007】
一方、リフレッシュ運転中にアノード側拡散層に液体燃料に替えて水等を供給することで、液体燃料の供給を停止しつつアノード側拡散層への水分の供給を継続することで、リフレッシュ運転中においてもガスを系外に排出して、アノード触媒層及び電解質膜の乾燥を防止することができる。しかしながら、この場合には、アノード側拡散層に当該水等を供給するための構成が必要となることから装置が複雑化することとなる。
【0008】
本発明は、発電効率の低下防止と構成の簡素化との両立が図られた燃料電池システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、液体燃料と酸化剤とを反応させることによって電極反応により電力を出力可能に構成された燃料電池と、
上記燃料電池への液体燃料の供給と供給停止とを切り替え可能に構成された制御装置と、
を備える燃料電池システムであって、
上記燃料電池は、電解質膜と、上記電解質膜の一方の面に順次積層されたアノード触媒層及びアノード側拡散層と、上記電解質膜の他方の面に順次積層されたカソード触媒層及びカソード側拡散層とを備え、上記電解質膜の面方向が鉛直方向に平行となるように配置され、
上記制御装置は、
通常運転時には、上記アノード側拡散層に上記液体燃料が供給され且つ上記カソード側拡散層に上記酸化剤が供給されて生じる電極反応により電力を出力するように構成されており、
出力回復のためのリフレッシュ運転時には、上記液体燃料の供給を停止して上記アノード側拡散層に水又は水溶液が供給されない状態を維持して放電を行うように構成されており、
上記アノード側拡散層には、一方の端部が上記リフレッシュ運転時に電極反応により生じるガスが鉛直方向上方に残存してなる気体領域に位置するとともに、他方の端部が鉛直方向下方に液体が残存してなる液体領域に位置するように配置されたマイクロチューブが設けられている、燃料電池システムにある。
【発明の効果】
【0010】
上記態様の燃料電池システムによれば、リフレッシュ運転時において、マイクロチューブを介した毛細管現象により、アノード側拡散層の鉛直方向下方領域に液体が残存してなる液体領域から吸い上げられて、アノード側拡散層の鉛直方向上方にガスが残存してなる気体領域に供給されることとなる。その結果、気体領域においてアノード触媒層及びアノード側拡散層が乾燥することが抑制されるため、リフレッシュ運転が長期間実施されたり、リフレッシュ運転後の通常運転再開までに長期間が経過したりした場合でも燃料電池の内部抵抗の上昇が抑制されて、発電効率の低下が防止されるとともに、当該燃料電池の耐久性向上を図ることができる。また、リフレッシュ運転時に外部からアノード側拡散層に水等を供給するための構成を要しないため、装置構成の簡素化を図ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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