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公開番号2024039544
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-22
出願番号2022144168
出願日2022-09-09
発明の名称電動モータの駆動装置、電動ポンプ装置および電動アクチュエータ装置
出願人NTN株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H02P 27/06 20060101AFI20240314BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】通信における信号の基準電位に生じる電位差の影響が低減された電動モータの駆動装置を提供する。
【解決手段】 ブリッジ型のインバータ回路、インバータ回路を制御しかつ電圧値により複数の状態を表す信号を用いて上位コントローラと通信する制御回路を備え、インバータ回路は、上側アームにPチャネル型のMOSFET、下側アームにNチャネル型のMOSFETを有して、さらに電源入力の負極側にNチャネル型のMOSFETによる遮断回路を含む逆接続保護回路を有し、逆接続保護回路のNチャネル型のMOSFETのオン抵抗値が、複数の状態のうちの一の状態に対応している送信側の送信電圧と、送信電圧を受信側で受信した時の受信電圧が複数の状態のうちのどの状態に対応するかを判定するしきい値電圧とにより定まる電圧である電圧Emax(V)、および電動モータの最大消費電流Imax(A)により別式(1)で求められる抵抗値Rmax(Ω)より小さい値である、電動モータの駆動装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電動モータを駆動するブリッジ型のインバータ回路を備え、前記インバータ回路を制御しかつ電圧値により複数の状態を表す信号を用いて上位コントローラと通信する制御回路をさらに備えた、電動モータの駆動装置であって、
前記インバータ回路は、上側アームにPチャネル型のMOSFET、下側アームにNチャネル型のMOSFETを有して、さらに電源入力の負極側にNチャネル型のMOSFETによる遮断回路を含む逆接続保護回路を有し、
前記逆接続保護回路の前記Nチャネル型のMOSFETのオン抵抗値が、
前記複数の状態のうちの一の状態に対応している送信側の送信電圧と、前記送信電圧を受信側で受信した時の受信電圧が前記複数の状態のうちのどの状態に対応するかを判定するしきい値電圧とにより定まる電圧である電圧Emax(V)、および前記電動モータの最大消費電流Imax(A)により以下の式(1)で求められる抵抗値Rmax(Ω)より小さい値である、
電動モータの駆動装置。
Rmax = Emax / Imax ・・・(1)
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電動モータの駆動装置であって、
前記電圧Emaxは、
前記送信電圧と、前記しきい値電圧とにより定まる前記電圧から、さらに部品の精度および温度特性のうちの少なくとも一つを有する諸元における個体差に依存して生じる誤差を含むその他余裕電圧を引いた電圧である、
電動モータの駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電動モータの駆動装置であって、
前記上位コントローラが前記複数の状態を表す前記信号を送信して、前記制御回路が前記信号を受信し、
n個(nは2以上の整数)の前記信号の状態、および、それぞれの状態に対応した前記上位コントローラ側のn種類の前記送信電圧に対して、前記複数の状態のうちのどの状態に対応するかを判定する前記制御回路側の受信電圧の前記しきい値電圧が(n-1)種類あり、
前記一の状態を表す前記送信電圧と、前記一の状態に隣接する前記しきい値電圧であって前記送信電圧が前記状態の下側に隣接する別の状態であるか否かを判定する前記制御回路側のしきい値電圧との差である第1しきい値余裕に対して、前記電圧Emax(V)が、(n-1)種類の全ての前記第1しきい値余裕よりも小さな電圧値である、
電動モータの駆動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電動モータの駆動装置であって、
前記制御回路が前記複数の状態を表す前記信号を送信して、前記上位コントローラが前記信号を受信し、
n個(nは2以上の整数)の前記信号の状態、および、それぞれの状態に対応した前起制御回路側のn種類の前記送信電圧に対して、前記複数の状態のうちのどの状態に対応するかを判定する前記上位コントローラ側の受信電圧の前記しきい値電圧が(n-1)種類あり、
前記一の状態を表す前記送信電圧と、前記一の状態に隣接する前記しきい値電圧であって前記送信電圧が前記状態の上側に隣接する別の状態であるか否かを判定する前記上位コントローラ側のしきい値電圧との差である第2しきい値余裕に対して、前記電圧Emax(V)が、(n-1)種類の全ての前記第2しきい値余裕よりも小さな電圧値である、
電動モータの駆動装置。
【請求項5】
請求項3および4に記載の電動モータの駆動装置であって、
前記上位コントローラが前記複数の状態を表す前記信号を送信して、前記制御回路が前記信号を受信する一方で、前記制御回路が前記複数の状態を表す前記信号を送信して、前記上位コントローラが前記信号を受信し、
前記電圧Emax(V)が、(n-1)種類の全ての前記第1しきい値余裕および(n-1)種類の全ての第2しきい値余裕よりも小さな電圧値である、
電動モータの駆動装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一項に記載の電動モータの駆動装置であって、
前記電圧Emaxは、前記第1しきい値余裕および前記第2しきい値余裕のうちの少なくとも一つを加味した前記送信側の基準電位と前記受信側の基準電位との電位差の最大値である、
電動モータの駆動装置。
【請求項7】
請求項3から5のいずれか一項に記載の電動モータの駆動装置を使用し、前記電動モータがポンプを駆動する、
電動ポンプ装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電動ポンプ装置であって、
前記ポンプはオイルを吸入して、吐出する、
電動ポンプ装置。
【請求項9】
請求項8に記載の電動ポンプ装置であって、
前記オイルはトランスミッションフルードである、
電動ポンプ装置。
【請求項10】
請求項3から5のいずれか一項に記載の電動モータの駆動装置を使用し、前記電動モータが車両に含まれる可動部を駆動する、
電動アクチュエータ装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータの駆動装置、これを用いた電動ポンプ装置および電動アクチュエータ装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
環境負荷低減の要求の高まりにより、車両においては、環境負荷物質の排出低減のため、アイドリング停止のみならず、走行中においても適宜エンジンを停止する場面が増加している。この際、例えばエンジンにより液圧を発生させるメカポンプは、エンジンが停止すると動作が止まる。そこで、エンジン停止時に液圧を発生させるために、電動で液圧を発生させる電動ポンプ装置を使用することが考えられている。エンジン方式による油圧の発生に代えて、電動方式により油圧を発生させる電動オイルポンプ装置は、従来よりも高出力が求められる傾向にある。また、車載機器は常に低コストであることが求められるが、その機構や搭載する回路の構成が簡易であることは、コスト低減のみならず、環境負荷低減の観点においても大きな効果をもたらす。
【0003】
電動ポンプ装置に使用される交流同期モータを駆動する回路には、MOSFETを使用してブリッジ回路を構成したインバータ回路が一般的に用いられる。MOSFETはその極性によりPチャネル型(以下、単にPチャネルとも呼ぶ)とNチャネル型(以下、単にNチャネルとも呼ぶ)に分けられる。同クラスでの比較ではNチャネル型の方がオン抵抗が小さく損失が小さいため、Nチャネル型のMOSFETの方が使用されうる。しかし、ブリッジ回路の上側アーム(高電位側アームまたはHi側アームとも呼ばれる)にNチャネルのMOSFETを用いるには、MOSFETを通じて導通したい電流における電圧、すなわち電源から印加される電圧よりも高いゲート駆動電圧が必要になるために一般的に昇圧回路が用いられる。
【0004】
これに対して、上側アームにPチャネルのMOSFETを用いる場合、昇圧回路が必要なく回路構成が簡易になる。しかしPチャネル型MOSFETは、Nチャネル型よりも損失が増大する。そこでこれを回避する場合には、損失がNチャネル型と同等となる上位クラスのPチャネル型MOSFETを用いることになり、コストアップとなる。このようなNチャネル型とPチャネル型は、その相反する特性が必ずしもどちらが優れているとは言えず、コストのみならず、環境負荷の大小も含めた条件によって選択される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平06-348350号公報
特許4003255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、車載の電装機器(車載機器)では、ユーザのミスなどにより車両バッテリーの正極、負極が逆接続され、電源ラインに正常とは逆の電圧が印加されることがある。このとき、機器内部の回路が破損しないように上記逆電圧の印加を遮断する逆接続保護回路(または遮断回路)の実装が求められることがある。この保護回路は、電源の正極側すなわち上記上側アームにて使用され、MOSFETによって遮断することが一般的である。
【0007】
こうした保護回路に、損失が比較的小さいNチャネル型のMOSFETを用いる場合、上側アームにて使用されるため、上で述べたインバータ回路の場合と同様に昇圧回路が必要になる。上述のようにインバータ回路の上側アームにNチャネル型のMOSFETを用いている場合は、昇圧回路を共用することでさらなるコストアップや構成回路の増大を回避できる。他方、上側アームにPチャネル型のMOSFETを用いる場合は昇圧回路が使用されないため、この保護回路でも昇圧回路を設けないためには必然としてPチャネル型のMOSFETを用いることになる。よってこの場合、インバータ回路と保護回路のPチャネル型MOSFETで、二重の損失増加およびコストアップとなる。
【0008】
しかし、逆接続保護回路を電源の負極側すなわちブリッジ回路の下側アーム(低電位側アームまたはLo側アームとも呼ばれる)に設けることで、昇圧回路を増設することなくNチャネル型のMOSFETを用いることができる。しかし、この構成では、車両側の電源から車載機器に電流が流れた場合に保護回路部分で電圧降下が発生し、保護回路を挟んで機器側と車両側(典型的には電源の負極側)との間で下側アームの電位に電位差が発生することとなる。これにより、機器内における制御信号等の信号の基準電位に、車両側に対して電位差が発生することとなり、好ましくない場合がある。
【0009】
車載機器において一般的に用いられるCANバスによる通信(以下、単にCAN通信ともいう)のように、信号が二線間の差動電圧により伝送される通信では、上記のような電位差による影響はない。しかし、例えば電動ポンプ装置のように簡易な車載機器の場合、CAN通信などの通信を採用せず、車両側の上位コントローラに信号線等を直接接続して使用されることがある。このとき、車両のGND電位を基準電位としたパルス信号等の電圧信号により、機器と車両の間で指令、通知などの通信を行われうる。よって、前述のように信号の基準電位に電位差が発生した場合に、パルス信号のオン/オフ(またはHi/Lo、状態値'1'/状態値'0')の状態が受信側で正しく認識できず、機器が誤作動する可能性がある。
【0010】
特許文献1、特許文献2では、いずれも、上記逆電圧が供給されたときに該逆電圧を遮断する逆接続保護回路が負極側に設けられた構成が示されている。これらの文献では、主に車両用前照灯に用いる技術が開示されており、上記の電動ポンプで用いられるような上位コントローラとの通信は考慮されていない。よって、これらの文献では、上記のような信号の基準電位に電位差が発生した場合における上記機器の誤作動等も可能性は考慮されていない。すなわち両文献には、ゲート駆動の昇圧回路を用いない簡易な回路構成とするために、Nチャンネル型のMOSFETを用いた逆接続保護回路を負極側(下側アーム側)に設けた場合、例えば機器の消費電流が比較的大きいと、上位コントローラと機器側との間で通信が行われた際の上述の通信信号の基準電位に生じる電位差の影響について何ら開示等されていない。
(【0011】以降は省略されています)

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