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公開番号2024029860
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-03-07
出願番号2022132287
出願日2022-08-23
発明の名称直巻式巻線機
出願人E-Tec株式会社
代理人個人,個人
主分類H02K 15/095 20060101AFI20240229BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】太径のコイル線をティースに直巻式で巻線する場合において、インシュレータに接する層だけでなく、先に巻線されたコイル層の上であっても、ティース基部側の最外径側のコイル線が設計位置に巻線でき、不測のコイル線交差によるコイル層厚の肥大化を防止できる直巻式巻線機を提供すること。
【解決手段】コイル線を案内する複数のニードルを、一体コアの複数の磁極ティースの周囲に同時に周回・進退させてコイル線を巻線させる直巻式巻線機に、コイル線のたるみ防止手段をなすニードル突出手段を備えさせた。少なくとも最外径側のコイル線の巻線工程において、ニードルを下流側スロットに入孔させるときに、ニードル突出手段によりニードルを外径方向に所定寸法を突出させて緊張させ、コイル線の位置保持溝に引っ掛けるようにした。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
コイル線を案内する複数のニードルを、一体コアをなす環状に配設されたティースの周囲に、同時に周回させてコイル線を巻線する直巻式巻線機において、
前記ニードルを、一体コアの内方から放射状に進退させる進退手段と、一体コアの周方向に揺動させる揺動手段と、一体コアのスロットに昇降させる昇降手段と、コイル線のたるみ防止手段とを含み、
前記進退手段が、前記複数のニードルをカム機構により同期させて進退させ、
前記たるみ防止手段が、ニードルが下流側スロット孔に入孔される際に、ニードルを外径方向に所定寸法を突出させるニードル突出手段を有し、
少なくとも各コイル線巻線層のうちの最外径側のコイル線の巻線工程において、
ニードルが、上流側スロットから出孔される際に、上流側スロットに面した位置保持溝にコイル線を引っ掛けてから、下流側スロットに入孔される前に、前記揺動手段によりニードルを揺動させつつ、ニードルから案内されたコイル線がたるまないように、前記ニードル突出手段によりコイル線を突出させて緊張させながら、ニードルから導出されるコイル線の曲率半径を小さくするようにして、下流側スロットに面した位置保持溝にコイル線を引っ掛ける、
ことを特徴とする直巻式巻線機。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記所定寸法が、前記コイル線の半径以上且つ前記コイル線の直径以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の直巻式巻線機。
【請求項3】
前記位置保持溝が、
前記ティースの軸方向端面を覆うインシュレータの端面に巻線する第1層目コイル層においては、前記端面の両肩部に形成されたコイル幅の溝であり、
既に巻線された下層コイル層の上に巻線する複層目のコイル層においては、下層コイル層をなす隣接したコイル線の接線部がなす筋状溝又はスロット孔の内壁と下層コイル層の最外径側のコイル線とがなす筋状溝のいずれかである、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の直巻式巻線機。
【請求項4】
前記ニードル突出手段が、ニードル軌道制御手段を備え、
前記ニードル軌道制御手段が、ニードルが上流側スロットから下流側スロットに移動する軌道が、側面視において、出孔側である上流側が大きな曲率半径とされ、入孔側である下流側が小さな曲率半径とされている、
ことを特徴とする請求項1に記載の直巻式巻線機。
【請求項5】
前記ティースを囲む4面のうち、前記ニードル突出手段が作用する対向した2面のうち1面のみにおいて、各層毎にコイル線が交差され、その他の3面においては、各層をなすコイル線が平行に配列される、
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項4のいずれか一項に記載の直巻式巻線機。
【請求項6】
前記たるみ防止手段が、速度調整手段を含み、
前記速度調整手段が、前記ニードル軌道制御手段により小さな曲率半径で巻線される下流側の角速度を、大きな曲率半径の軌道で巻線されている上流側の角速度よりも小さくさせる、
ことを特徴とする請求項4に記載の直巻式巻線機。
【請求項7】
前記コイル線の直径が、0.7mm以上1.3mm以下とされている、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項4又は請求項6のいずれか一項に記載の直巻式巻線機。
【請求項8】
請求項1、請求項2、請求項4又は請求項6のいずれか一項に記載の直巻式巻線機で巻線させる前記一体コアに装着されるインシュレータにおいて、
前記ティースの軸方向端面を覆う前記インシュレータの巻線部に設けられた外径側の立設壁の内面部が、上流から下流にかけて前記所定寸法だけ削除されている、
ことを特徴とするインシュレータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動子をなすステータコアに、コイル線を巻線する直巻式巻線機に関する。具体的には、円筒状をなすステータコアの軸心から、外方に放射状に伸びる複数のニードルを、ステータコアの軸心に向かって延びている磁極ティース(以下、ティースという)の周囲に、同期させて周回させ、コイル線を巻線する直巻式巻線機およびインシュレータに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【0002】
詳細には、複数のニードルを側方に放射状に突出させた軸体を昇降動作させると共に、ニードルをティースの天面及び底面の外部で周方向に揺動動作させると共に径方向に進退動作させて、昇降動作と揺動動作と進退動作を合成しながら、ニードルを周回動作させる。そしてコイル線を、ニードルをなす軸体の軸線に沿ったコイル線案内部の中に送り出しながら、前記周回動作を一方向に繰り返して、一体のステータコア(以下、一体コアという)のティースに、整然と高い密度でコイル線を巻線させる直巻式巻線機およびインシュレータに関する。
【背景技術】
【0003】
ニードルをティースの周りに周回させてコイル線を巻線する方法として、ステータコアを軸方向に分割して平面的に並べた分割コアとしておき、ティースの周りに巻線する方法と、一体コアの中心軸の近くから放射状にニードルを進退させるように、一体コアのままでティースの周りに巻線する方法とがある。
【0004】
分割コアの場合には、ティースの軸線方向に平行にニードルを進退させると、スロット空間の外方のティース基部を挟んだ弓形領域に、ニードルが届かず巻線密度を高くすることができないという問題があった。そこで特許文献1には、ティース先端部から側方に突出しているコイル支承壁を避けるように、ニードルの先方を斜め内側に傾けるように動作させ、ティース基部を挟んだ弓形領域にも巻線する技術が開示されている。しかしニードルの先方を斜めに傾ける動作をさせるため、巻線機の機構が複雑になるという課題があった。
【0005】
そこで特許文献2においては、3軸方向に直線運動するニードルが、ティース基部を挟んだ弓形領域に巻線する際に、ニードル先端が凸状の軌道を描くように、ティース基端位置を超える位置まで突き出し、ティースの上部を横断させている。そして、ニードルがステータコアに干渉せず、下流側スロット孔を降下できるように、ティース先端部側に水平に戻してから、スロット側面に沿って垂直に降下させるとする技術が開示されている。これにより、ティースを横断した下流側のインシュレータ外端の溝の位置にも、コイル線を巻くことができるとされている。
【0006】
しかし、ニードルを突き出してから中心方向に戻すように水平に進退運動させて、更にティース側面に沿った方向に垂直に昇降運動させるように方向転換する際に、ニードル先端から突出されたコイル線にたるみが発生しやすかった。また、下層コイル層の上に、上層のコイル線を重ね巻く工程においてはコイル線が滑りやすいため、ティース基部の近くでコイル線が位置ずれしやすく、正確に設計位置に巻線することが困難であった。
【0007】
分割コアへの巻線に対して、一体コアに巻線する場合には、ニードルが円弧軌道を描くように揺動されるため、コイル線が巻線できない弓形領域が発生しにくく、ティース基部までコイル線を巻線しやすいという長所がある。特許文献3には、一体コアに巻線する集中巻巻線機において、コイル線を整列良く、高い占積率で巻線することを課題とした技術が開示されている。
【0008】
この技術によれば、冷媒循環用の切欠部が設けられたステータコアにおいて、ニードルが届かない前記切欠部に向いた傾斜面の位置に巻線するために、前記位置においては下層のコイル線の上に、上層のコイル線を重ね巻きして、テンションをかけて外側に落とし込むようにして巻線するとされている。
【0009】
テンションをかけることにより、ニードルが届かない、切欠部を設けたことによる傾斜面をなす最奥部にも、コイル線を落とし込んで巻線できるため占積率が向上できる反面、落とし込むコイル線の位置を正確に制御することができなかった。落とし込まれ、ゆるんだ状態で斜めに傾いたコイル線の上には、コイル線が交差した状態で重ねられて巻線されやすく、ティース側面においてもコイル線の層厚が不測に厚くなりやすいという課題があった。
【0010】
電動機の高出力化に対応して、コイル線に大きな電流を流せるように、従来よりも太径、例えば0.7mmから1.3mmの直径のコイル線を整列した状態で巻線するというニーズが高くなっている。太径のコイル線をティースに巻線する際には、ステータコアの開放面に被せられた樹脂製インシュレータに、ティースを横断する方向にコイル線案内溝を設けておき、一層目のコイル線は、そのコイル線案内溝に案内させて巻線する技術が公知となっている。
(【0011】以降は省略されています)

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