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公開番号2024023091
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-02-21
出願番号2022126678
出願日2022-08-08
発明の名称固相担体及び対象物の測定用キット
出願人株式会社JVCケンウッド,国立大学法人徳島大学,シスメックス株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G01N 21/65 20060101AFI20240214BHJP(測定;試験)
要約【課題】ホットスポット以外の領域への対象物の捕捉量を低減可能な、固相担体、及び対象物の測定用キットの提供。
【解決手段】対象物の測定に用いられる固相担体であって、基板と、前記基板の一方の面に配置されたナノ構造体と、を含み、前記ナノ構造体は、表面プラズモン共鳴を励起可能な物質により形成され、光の照射により局在表面プラズモン共鳴が励起されるナノ構造を有するプラズモン励起層と、表面プラズモン共鳴を励起しない物質により形成される被覆層と、を含み、前記プラズモン励起層は、前記被覆層により被覆される被覆領域と、前記被覆層により被覆されない非被覆領域と、を有し、前記非被覆領域は、局在表面プラズモン共鳴が生じるホットスポットを含み、前記被覆層の表面は、前記プラズモン励起層の表面よりも、前記対象物の特異的結合物質に対する結合親和性が低い、固相担体。
【選択図】図2B
特許請求の範囲【請求項1】
対象物の測定に用いられる固相担体であって、
基板と、
前記基板の一方の面に配置されたナノ構造体と、を含み、
前記ナノ構造体は、
表面プラズモン共鳴を励起可能な物質により形成され、光の照射により局在表面プラズモン共鳴が励起されるナノ構造を有するプラズモン励起層と、
表面プラズモン共鳴を励起しない物質により形成される被覆層と、を含み、
前記プラズモン励起層は、前記被覆層により被覆された被覆領域と、前記被覆層により被覆されていない非被覆領域と、を有し、
前記非被覆領域は、局在表面プラズモン共鳴が生じるホットスポットを含み、
前記被覆層の表面は、前記プラズモン励起層の表面よりも、前記対象物の特異的結合物質に対する結合親和性が低い、
固相担体。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
前記対象物の第1の特異的結合物質が、前記非被覆領域に結合されている、
請求項1に記載の固相担体。
【請求項3】
前記基板が光を透過する基板である、請求項1に記載の固相担体。
【請求項4】
対象物の測定用キットであって、
請求項1~3のいずれか一項に記載の固相担体と、
標識物質が結合された、前記対象物の第2の特異的結合物質と、
を含む、対象物の測定用キット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、固相担体及び対象物の測定用キットに関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
生体試料の分析又は分子間相互作用の解析等に、表面プラズモン共鳴(SPR)の現象を利用した測定技術が普及している。市販されている代表的な装置としては、Biacore等が挙げられる。これらの装置では、ガラス表面に50nm程度の金薄膜を形成した測定用基板が用いられている。これらの装置における、タンパク質等の生体分子の検出下限濃度は、数百pM~数nMである。
【0003】
プラズモン現象を応用した、より高感度な測定を可能とする手法として、ナノフォトニクスを用いた技術が研究されている。ナノフォトニクスでは、ナノスケールの構造を用いることで、特有の光学現象を生じさせ、その光学現象の効果によりセンサーの検出性能を向上させることが可能になる。例えば、局在プラズモン共鳴(LSPR)現象を利用した測定技術が利用され始めている。LSPRは、光がナノ構造に閉じ込められることで特定のエネルギー(波長)がナノ構造近傍で増強する現象であり、ナノ構造の形状や材質によって閉じ込められるエネルギーが異なる。
【0004】
これらのナノ構造は、電子線描画やレーザー描画等の微細加工技術を利用して、基板表面に形成することができる。ナノ粒子を塗布等の方法を用いて、基板表面にナノ構造を作製する場合もある。
微細加工技術を利用してLSPR用のナノホール構造を作製する方法は、例えば、特許文献1に記載されている。ナノ構造として、ピラー形状又は剣山形状のナノ構造を形成する場合もある。微細加工技術でモールドを作製し、ナノインプリント等の成型技術で基板表面にナノ構造を作製した後、真空成膜等の方法で金又は銀などのプラズモン特性を有する物質を成膜して、LSPR用ナノ構造を作製する場合もある。アルミ等の表面に陽極酸化法でナノ構造を作製する方法もある。
【0005】
LSPR現象を利用した測定技術では、ナノ構造の表面に、対象物を捕捉又は吸着させる。これにより、共鳴波長のスペクトルシフトが生じる。このスペクトルシフトを検出することで、対象物を定量することができる。LSPRの共鳴波長のスペクトルは、例えば、ナノ構造を透過する透過光を検出することで、確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2009-222401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
LSPRはナノ構造の特有の部分でのみ生じる。この部分をホットスポットと呼ぶ。例えば、ナノホール形状の場合は、ホールのエッジ部がホットスポットとなる。剣山形状の場合は、剣山の頂点部がホットスポットとなる。
LSPRを利用して対象物を測定する場合、ホットスポット以外の領域に対象物が捕捉されたとしても、スペクトルシフトは生じない。むしろ、ホットスポット以外の領域に対象物が捕捉されることで、ホットスポットに捕捉される対象物が減少する。その結果、スペクトルシフト量が小さくなる(S/Nが悪くなる)。対象物の濃度が低い場合、ホットスポット以外の領域に対象物が捕捉されることで、スペクトルシフト量が小さくなり、対象物の定量を正確に行えない場合がある。
【0008】
そこで、本発明は、ホットスポット以外の領域への対象物の捕捉量を低減可能な、固相担体、及び対象物の測定用キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の態様を含む。
[1]対象物の測定に用いられる固相担体であって、基板と、前記基板の一方の面に配置されたナノ構造体と、を含み、前記ナノ構造体は、表面プラズモン共鳴を励起可能な物質により形成され、光の照射により局在表面プラズモン共鳴が励起されるナノ構造を有するプラズモン励起層と、表面プラズモン共鳴を励起しない物質により形成される被覆層と、を含み、前記プラズモン励起層は、前記被覆層により被覆された被覆領域と、前記被覆層により被覆されていない非被覆領域と、を有し、前記非被覆領域は、局在表面プラズモン共鳴が生じるホットスポットを含み、前記被覆層の表面は、前記プラズモン励起層の表面よりも、前記対象物の特異的結合物質に対する結合親和性が低い、固相担体。
[2]前記対象物の第1の特異的結合物質が、前記非被覆領域に結合されている、[1]に記載の固相担体。
[3]前記基板が光を透過する基板である、[1]に記載の固相担体。
[4]対象物の測定用キットであって、[1]~[3]のいずれか一つに記載の固相担体と、標識物質が結合された、前記対象物の第2の特異的結合物質と、を含む、対象物の測定用キット。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ホットスポット以外の領域への対象物の捕捉量を低減可能な、固相担体、及び対象物の測定用キットが提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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