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公開番号
2025178060
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-12-05
出願番号
2024182594
出願日
2024-10-18
発明の名称
被覆肥料の使用方法、及び殻の破片の製造方法
出願人
セントラル硝子株式会社
代理人
弁理士法人航栄事務所
主分類
C05G
5/30 20200101AFI20251128BHJP(肥料;肥料の製造)
要約
【課題】機械施肥に耐えうる強度を有し、肥効成分が溶出した後の殻が低荷重で容易に崩壊し、崩壊後の殻が水田などの水において沈降しやすい被膜を含む被覆肥料の使用方法、及び殻の破片の製造方法を提供する。
【解決手段】水溶性粒状肥料と、前記水溶性粒状肥料を覆う被膜とを含む被覆肥料の使用方法であって、前記被覆肥料を機械施肥する、施肥工程、前記施肥工程後の被覆肥料から水溶性肥料成分が溶出する、溶出工程、前記溶出工程後に得られる前記被膜由来の殻に荷重をかけて、当該殻の破片を生成する、崩壊工程、を有し、前記被覆肥料は、前記被膜中の、重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~10%であり、かつ、前記被膜中の、元素の周期律表の原子番号9(フッ素)から92(ウラン)までの原子の含有量の総量に対する硫黄原子の含有量が0~11質量%である、被覆肥料の使用方法、及び上記殻の破片の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水溶性粒状肥料と、前記水溶性粒状肥料を覆う被膜とを含む被覆肥料の使用方法であって、
前記被覆肥料を機械施肥する、施肥工程、
前記施肥工程後の被覆肥料から水溶性肥料成分が溶出する、溶出工程、
前記溶出工程後に得られる前記被膜由来の殻に荷重をかけて、当該殻の破片を生成する、崩壊工程、
を有し、
前記被覆肥料は、前記被膜中の、重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~10%であり、かつ、
前記被膜中の、元素の周期律表の原子番号9(フッ素)から92(ウラン)までの原子の含有量の総量に対する硫黄原子の含有量が0~11質量%である、被覆肥料の使用方法。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
前記被覆肥料は、前記被覆肥料に含まれる前記水溶性粒状肥料を水に置き換えてなる粒子の平均圧壊時荷重が0.5N以下である、請求項1に記載の被覆肥料の使用方法。
【請求項3】
前記被覆肥料100個に対して、下記条件で機械施肥を施した後に、前記被覆肥料の表面にクラックが発生した被覆肥料が15個以下である、請求項1に記載の被覆肥料の使用方法。
(機械施肥の条件)
5kg/10aの施肥量に調整した側条施肥田植機を用い、ホッパーに被覆肥料100gを投入し、落下口から被覆肥料を回収する。
【請求項4】
前記崩壊工程で前記被膜由来の殻に0.5N以上の荷重をかける、請求項1に記載の被覆肥料の使用方法。
【請求項5】
前記被膜中の、前記重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~7%である、請求項1に記載の被覆肥料の使用方法。
【請求項6】
前記被膜中の、前記重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~3%である、請求項1に記載の被覆肥料の使用方法。
【請求項7】
前記被膜中の、前記重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~1%である、請求項1に記載の被覆肥料の使用方法。
【請求項8】
前記被膜が、前記重量平均分子量が10000以上である物質を実質的に含まない、請求項1に記載の被覆肥料の使用方法。
【請求項9】
前記被膜中の、元素の周期律表の原子番号9(フッ素)から92(ウラン)までの原子の含有量の総量に対する硫黄原子の含有量が0~9質量%である、請求項1又は5に記載の被覆肥料の使用方法。
【請求項10】
前記被膜中の、元素の周期律表の原子番号9(フッ素)から92(ウラン)までの原子の含有量の総量に対する硫黄原子の含有量が0~5質量%である、請求項1又は5に記載の被覆肥料の使用方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、被覆肥料の使用方法、及び殻の破片の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
被覆肥料は、水溶性肥料の表面を有機系又は無機系の被覆材料を積層した膜(被膜)で被覆することにより、内部の肥効成分の溶出時期を調整した肥料である。
被覆肥料を用いると、被覆肥料中の水溶性肥料が溶出した後に、被膜からなる粒子(殻)が残り、環境中に流出する可能性があるため、崩壊しやすい被膜を用いることが検討されている。
特許文献1には、硫黄と脂環族不飽和炭化水素化合物からなる硫黄変性剤とを、硫黄100重量部に対して硫黄変性剤1~35重量部の割合で溶融反応させて形成した変性硫黄を被覆材料とした被覆肥料が記載されている。
特許文献2には、結晶化温度が特定の範囲内であるα-オレフィン(共)重合体と、ワックスと、フィラーとを含有し、α-オレフィン(共)重合体とワックスが相分離し、ワックスが微分散した構造となっている被膜を用いた被覆肥料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
日本国特開2007-84414号公報
国際公開第2012/147668号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で用いている被覆材料中に硫黄を多く含む被覆肥料は、被膜の強度が低すぎて、機械施肥に耐えることができないという問題がある。また、肥効成分が溶出した後の特許文献2の被膜(殻)は圧縮強度が高すぎて、崩壊しにくいという問題がある。
本開示は、機械施肥に耐えうる強度を有すること、肥効成分が溶出した後の殻が低荷重で容易に崩壊すること、及び、崩壊後の殻が水田などの水において沈降しやすいこと、をバランスよく発揮できる被膜を含む被覆肥料の使用方法、及び殻の破片の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の構成により上記課題を解決することができる。
【0006】
<1>
水溶性粒状肥料と、前記水溶性粒状肥料を覆う被膜とを含む被覆肥料の使用方法であって、
前記被覆肥料を機械施肥する、施肥工程、
前記施肥工程後の被覆肥料から水溶性肥料成分が溶出する、溶出工程、
前記溶出工程後に得られる前記被膜由来の殻に荷重をかけて、当該殻の破片を生成する、崩壊工程、
を有し、
前記被覆肥料は、前記被膜中の、重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~10%であり、かつ、
前記被膜中の、元素の周期律表の原子番号9(フッ素)から92(ウラン)までの原子の含有量の総量に対する硫黄原子の含有量が0~11質量%である、被覆肥料の使用方法。
<2>
前記被覆肥料は、前記被覆肥料に含まれる前記水溶性粒状肥料を水に置き換えてなる粒子の平均圧壊時荷重が0.5N以下である、<1>に記載の被覆肥料の使用方法。
<3>
前記被覆肥料100個に対して、下記条件で機械施肥を施した後に、前記被覆肥料の表面にクラックが発生した被覆肥料が15個以下である、<1>又は<2>に記載の被覆肥料の使用方法。
(機械施肥の条件)
5kg/10aの施肥量に調整した側条施肥田植機を用い、ホッパーに被覆肥料100gを投入し、落下口から被覆肥料を回収する。
<4>
前記崩壊工程で前記被膜由来の殻に0.5N以上の荷重をかける、<1>~<3>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<5>
前記被膜中の、前記重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~7%である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<6>
前記被膜中の、前記重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~3%である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<7>
前記被膜中の、前記重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~1%である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<8>
前記被膜が、前記重量平均分子量が10000以上である物質を実質的に含まない、<1>~<7>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<9>
前記被膜中の、元素の周期律表の原子番号9(フッ素)から92(ウラン)までの原子の含有量の総量に対する硫黄原子の含有量が0~9質量%である、<1>~<8>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<10>
前記被膜中の、元素の周期律表の原子番号9(フッ素)から92(ウラン)までの原子の含有量の総量に対する硫黄原子の含有量が0~5質量%である、<1>~<9>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<11>
前記被膜中の、元素の周期律表の原子番号9(フッ素)から92(ウラン)までの原子の含有量の総量に対する硫黄原子の含有量が0~2質量%である、<1>~<10>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<12>
前記被膜が、硫黄原子を実質的に含まない、<1>~<11>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<13>
水溶性粒状肥料と、前記水溶性粒状肥料を覆う被膜とを含む被覆肥料であって、前記被膜中の、重量平均分子量が10000以上である物質の含有率が0~10%であり、かつ、前記被膜中の、元素の周期律表の原子番号9(フッ素)から92(ウラン)までの原子の含有量の総量に対する硫黄原子の含有量が0~11質量%である被覆肥料を準備する工程と、
水溶性粒状肥料が前記被覆肥料から溶出し、被膜由来の殻を形成する工程と、
前記殻を崩壊させ、殻の破片を形成する工程と、
を有する、前記被覆肥料に由来の、殻の破片の製造方法。
<14>
前記殻の破片を形成する工程が、土壌圧縮、土壌鎮圧、及び土壌耕起のうちの少なくとも1つによって生じる、<13>に記載の殻の破片の製造方法。
<15>
前記崩壊工程で生成した前記破片のうち最大の破片の質量が、前記荷重をかける前の前記殻の質量の50%以下である、<1>~<12>のいずれか1つに記載の被覆肥料の使用方法。
<16>
前記殻の破片を形成する工程で形成した前記破片のうち最大の破片の質量が、崩壊させる前の前記殻の質量の50%以下である、<13>又は<14>に記載の殻の破片の製造方法。
<17>
前記殻の破片が水中で沈降性を有する、<13>、<14>又は<16>に記載の殻の破片の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、機械施肥に耐えうる強度を有すること、肥効成分が溶出した後の殻が低荷重で容易に崩壊すること、及び、崩壊後の殻が水田などの水において沈降しやすいこと、をバランスよく発揮できる被膜を含む被覆肥料の使用方法、及び殻の破片の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
被覆肥料の一例の断面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は本開示の実施形態の一例であり、これらの具体的内容に限定はされない。その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本明細書において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
【0010】
(層)
本明細書において、「層」とは被覆のために供給された原料が、被被覆粒子(水溶性粒状肥料や被覆された水溶性粒状肥料)を覆って硬化又は固化した状態のものを指すものとする。当該層の上にさらなる原料の供給を行い硬化又は固化した状態のものを「積層」と記載することもある。また、積層は層と層との境界を有していても、有していなくてもよい。本明細書で「1層目」、「2層目」等と記載する場合、例えば1層目とは、1回目に供給された原料に由来する被覆材料の硬化又は固化によって得た層を指すものとし、当該層内に境界を有していても、境界を有していなくてもよく、層を構成する成分の成分比や分布が均一でも不均一でもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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