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公開番号
2025173393
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-27
出願番号
2024078961
出願日
2024-05-14
発明の名称
リン酸塩含有固形物
出願人
小野田化学工業株式会社
代理人
個人
主分類
C05F
7/00 20060101AFI20251119BHJP(肥料;肥料の製造)
要約
【課題】下水汚泥焼却灰を原料とし、全リン酸に対するク溶性リン酸の割合が高く、かつ遊離リン酸量が少なく、リン酸肥料として有効に利用することができるリン酸塩含有固形物とその製造方法を提供する。
【解決手段】下水汚泥焼却灰と硫酸を、非溶液下で、反応させて水溶性ないしク溶性のリン酸塩を生成させ、この生成工程において、上記下水汚泥焼却灰と上記硫酸の量を制御して、生成するリン酸塩の全リン酸に対するク溶性リン酸の割合を0.7質量比以上にし、また遊離リン酸の含有量を8質量%以下にし、生成したリン酸塩と残渣を回収することによって製造されるリン酸塩含有固形物とその製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
下水汚泥焼却灰と硫酸の反応生成物である水溶性ないしク溶性のリン酸塩および反応残渣を含み、全リン酸に対するク溶性リン酸の割合が0.7質量比以上であって、遊離リン酸の含有量が8質量%以下であることを特徴とするリン酸塩含有固形物。
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【請求項2】
リン酸肥料として用いられる請求項1に記載するリン酸塩含有固形物。
【請求項3】
下水汚泥焼却灰と硫酸を、非溶液下で、反応させて水溶性ないしク溶性のリン酸塩を生成させ、この生成工程において、上記下水汚泥焼却灰に対する上記硫酸の量を制御して、生成するリン酸塩の全リン酸に対するク溶性リン酸の割合を0.7質量比以上にし、また遊離リン酸の含有量を8質量%以下にし、生成したリン酸塩と残渣を回収することを特徴とするリン酸塩含有固形物の製造方法。
【請求項4】
リン酸含有量20~40質量%の下水汚泥焼却灰100重量部に対して、濃度98%以上の硫酸を25質量部~100質量部を加えることによって、生成するリン酸塩の全リン酸に対するク溶性リン酸の割合を0.7質量比以上および遊離リン酸を8質量%以下にし、生成したリン酸塩と残渣を回収する請求項3に記載するリン酸含有固形物の製造方法。
【請求項5】
粉状の下水汚泥焼却灰に硫酸溶液を散布しながら転造することによって粒状にする請求項3または請求項4に記載するリン酸塩含有固形物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水汚泥焼却灰と硫酸の反応生成物であるリン酸塩を含み、全リン酸に対するク溶性リン酸の比率が高く、リン酸肥料として有効に利用することができるリン酸塩含有固形物とその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
リン酸肥料の原料であるリン鉱石は産地が限られており、世界的な人口増加や地政学的な課題などの要因で価格の変動が激しい。一方、汚泥中のリン濃度は下水の高度処理化が進むに連れてしだいに高くなっており、特に焼却灰中のリン濃度はリン鉱石に匹敵する程度に増加していると云われている。また、最近は下水中の重金属量が減少しているので、下水汚泥焼却灰中の重金属含有量が「菌体リン酸肥料」の規格値をクリアできるものも多くなっている。このため、下水汚泥焼却灰をリン酸肥料原料として用いる試みがなされている。
【0003】
下水処理時に発生する廃棄物からリンを回収し、またはリン酸肥料を製造する技術として、従来から以下の技術が知られている。
(イ) 下水汚泥の脱水ろ液にリン吸着剤を加えてリン成分を回収し、このリン回収物をリン酸肥料や肥料原料として利用する方法(特開2019-155353号)。
(ロ) 下水汚泥に硫酸を加えてリンやアルミニウムを溶出させた溶液を濾過してリン酸溶液を回収して利用する技術(特開2015-199614号)。
(ハ) 下水汚泥焼却灰に硫酸または塩酸等を加えてリン分を溶出させ、溶出液を分離してリンを回収して利用する方法(特開平7-2511417号、特開平11-278814号など)。
【0004】
従来の上記技術は下水汚泥焼却灰等に多量の硫酸等を加えてリン成分を溶出させ、このリン酸液を分離回収して利用する溶液処理の方法である。このような従来の溶液処理は、溶液量が多く、しかも遊離リン酸量が多いため、これをそのまま乾燥すると粒子どうしが固着してしまう問題がある。さらに、従来の上記溶液処理では、硫酸等による溶出工程の後に、溶出させたリン酸液を固液分離して回収し、これに石灰等を加えてリン酸肥料を製造している。このため肥料化に手間がかかる。さらに濾過設備などの負担が大きく、ランニングコストが嵩むと云う問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2019-155353号公報
特開2015-199614号公報
特開平7-251141号公報
特開平11-278814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リン酸肥料として十分な効果を得るには、肥料中に含まれるリン酸のク溶性リン酸の割合が十分高いことが求められる。ところが、一般に下水汚泥中のク溶性リン酸は全リン酸の約40~50%程度であるので、このままでは肥料効率が低く、下水汚泥焼却灰をそのままリン酸肥料として利用するのは難しく、リンの循環利用を図るうえで課題がある。また、従来のような下水汚泥等からリン成分を溶出させる溶液処理の方法では、リン成分を含む溶液を分離する必要があり、肥料化までの負担が大きい。
【0007】
本発明は、従来技術の上記課題を克服したものであり、下水汚泥焼却灰を原料とし、全リン酸に対するク溶性リン酸の割合が高く、かつ遊離リン酸量が少ないので粒子どうしが固着することがなく、施肥作業が容易であり、さらに、その製造において、溶液を形成せずに下水汚泥焼却灰と硫酸を反応させるので固液分離を必要とせず、容易に製造することができるリン酸塩含有固形物とその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の構成からなるリン酸塩含有固形物とその製造方法に関する。
〔1〕下水汚泥焼却灰と硫酸の反応生成物である水溶性ないしク溶性のリン酸塩および反応残渣を含み、全リン酸に対するク溶性リン酸の割合が0.7質量比以上であって、遊離リン酸の含有量が8質量%以下であることを特徴とするリン酸塩含有固形物。
〔2〕リン酸肥料として用いられる上記[1]に記載するリン酸塩含有固形物。
〔3〕下水汚泥焼却灰と硫酸を、非溶液下で、反応させて水溶性ないしク溶性のリン酸塩を生成させ、この生成工程において、上記下水汚泥焼却灰に対する上記硫酸の量を制御して、生成するリン酸塩の全リン酸に対するク溶性リン酸の割合を0.7質量比以上にし、また遊離リン酸の含有量を8質量%以下にし、生成したリン酸塩と残渣を回収することを特徴とするリン酸塩含有固形物の製造方法。
〔4〕リン酸含有量20~40質量%の下水汚泥焼却灰100重量部に対して、濃度98%以上の硫酸を25質量部~100質量部を加えることによって、生成するリン酸塩の全リン酸に対するク溶性リン酸の割合を0.7質量比以上および遊離リン酸を8質量%以下にし、生成したリン酸塩と残渣を回収する請求項3に記載するリン酸含有固形物の製造方法。
〔5〕粉状の下水汚泥焼却灰に硫酸溶液を散布しながら転造することによって粒状にする上記[3]または上記[4]に記載するリン酸塩含有固形物の製造方法。
【0009】
〔リン酸塩含有固形物〕
本発明のリン酸塩含有固形物は、下水汚泥焼却灰と硫酸の反応生成物である水溶性ないしク溶性のリン酸塩と反応残渣を含み、全リン酸に対するク溶性リン酸の割合が0.7質量比以上であって、遊離リン酸の含有量が8質量%以下であり、リン酸肥料として有効に利用することができるリン酸塩含有固形物である。
【0010】
本発明のリン酸塩含有固形物は下水汚泥焼却灰を原料とする。この下水汚泥焼却灰は、下水や排水などの汚泥を脱水して焼却した灰であり、一般的な下水汚泥の焼却灰を用いることができる。本発明のリン酸塩含有固形物の原料である下水汚泥焼却灰は、重金属の含有量が菌体リン酸肥料の基準値(Cd:0.0005%、Pb:0.01%、Ni:0.03%、Hg:0.0002%、As:0.005%、Cr:0.05%)以下であるものが好ましい。最近の下水汚泥焼却灰は重金属量が基準値以下であるものが多いので、概ね一般の下水汚泥焼却灰を用いることができる。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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