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公開番号2025177340
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-05
出願番号2024084073
出願日2024-05-23
発明の名称タイトフレームの固定構造及び固定治具
出願人株式会社東亜産業
代理人個人,個人,個人
主分類E04D 13/00 20060101AFI20251128BHJP(建築物)
要約【課題】溶接作業を必要とせず固定治具を用いた簡単な作業によってタイトフレームを受梁に固定可能なタイトフレームの固定構造及び固定治具を提供する。
【解決手段】本発明のタイトフレームの固定構造1は、受梁10と、タイトフレーム20と、コの字クリップ構造の固定治具30と、を備え、固定治具30が、差込口33を受梁10の幅方向内側に向け、一対の挟持片31で、タイトフレーム20の下辺21と受梁10の上部フランジ11とを上下から弾性的に挟持していることを特徴とする。本発明のタイトフレームの固定治具30は、厚さ方向に並列した一対の挟持片31と、一対の挟持片31における一方の端部同士を接続する接続部32と、一対の挟持片31における他方の端部間に設けた差込口33と、を備えたコの字クリップ構造からなり、一対の挟持片31によって、タイトフレーム20の下辺21と受梁10の上部フランジ11とを上下から弾性的に挟持可能に構成したことを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
建築物の屋根構造において、屋根材を支持するタイトフレームを受梁上に固定するための、タイトフレームの固定構造であって、
上部フランジを有する受梁と、
帯状の板材によって、上辺と、前記上辺の下方両側に位置する2つの下辺と、前記上辺と前記2つの下辺を接続する2つの接続辺と、からなる略ハット形状を前記板材の長手方向に連続形成してなるタイトフレームと、
厚さ方向に並列した一対の挟持片と、前記一対の挟持片における一方の端部同士を接続する接続部と、前記一対の挟持片における他方の端部間に設けた差込口と、を有するコの字クリップ構造の固定治具と、を備え、
前記タイトフレームが、前記受梁の長手方向に沿って前記上部フランジ上に位置し、前記下辺の下面が前記上部フランジの上面と接面し、
前記固定治具が、前記差込口を前記受梁の幅方向内側に向け、前記一対の挟持片で、前記タイトフレームの下辺と前記受梁の上部フランジとを上下から弾性的に挟持していることを特徴とする、
タイトフレームの固定構造。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
1本の前記受梁において、複数の前記固定治具を、前記受梁の幅方向における、前記屋根材の流れ方向下流側に配置したことを特徴とする、
請求項1に記載のタイトフレームの固定構造。
【請求項3】
前記固定治具と、前記上部フランジの幅方向における、前記固定治具と反対側の側辺とを、外側から拘束する拘束材を備えることを特徴とする、
請求項1に記載のタイトフレームの固定構造。
【請求項4】
前記拘束材が、前記固定治具ごと前記受梁に巻回して緊結した、帯状体又は線状体であることを特徴とする、
請求項3に記載のタイトフレームの固定構造。
【請求項5】
前記拘束材が、前記固定治具ごと上方から前記上部フランジに嵌合した、鎹状の板状体又は棒状体であることを特徴とする、
請求項3に記載のタイトフレームの固定構造。
【請求項6】
建築物の屋根構造において、屋根材を支持するタイトフレームを受梁上に固定するための、タイトフレームの固定治具であって、
厚さ方向に並列した一対の挟持片と、
前記一対の挟持片における一方の端部同士を接続した接続部と、
前記一対の挟持片における他方の端部間に設けた差込口と、を備えたコの字クリップ構造からなり、
前記一対の挟持片によって、前記タイトフレームの下辺と前記受梁の上部フランジとを上下から弾性的に挟持可能に構成したことを特徴とする、
固定治具。
【請求項7】
前記一対の挟持片の少なくとも一方において、前記差込口の内側に突起した係止突起を設けたことを特徴とする、
請求項6に記載の固定治具。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、タイトフレームの固定構造及び固定治具に関し、溶接作業を必要とせず固定治具を用いた簡単な作業によってタイトフレームを受梁に固定可能なタイトフレームの固定構造及び固定治具に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
倉庫や工場等の大型建築物において、強度や耐久性に優れた屋根構造として、鋼板を曲折してなる凹凸構造の折板屋根が採用されている。
折板屋根には、重ね型、はぜ締め型、嵌合型の構造があり、建築物の設計や要求される耐久性に応じて選択される(非特許文献1)。
重ね型は、タイトフレームの上に取り付けたボルトに2枚の屋根材を重ねて取り付け、ナットで締め付ける工法であり、断面強度に優れ、耐久性が高い。はぜ締め型は、タイトフレーム上に取り付けた緊定金具を2枚の屋根材の端部で挟み、電動シーマーで巻き込んで締める工法であり、防水性に優れるほか、施工が容易でかつボルトを使用しないため経済的である。嵌合型は、屋根材2枚を固定金具でタイトフレームに止め、継ぎ目の上からキャップをはめ込む工法であり、屋根材上にボルトが突出しないため、意匠性に優れる。
重ね型、はぜ締め型、嵌合型の構造も、屋根材を受梁に固定するために、帯状の板材を曲折して正面視略ハット形状を連続形成してなるタイトフレームを利用する。タイトフレームは、屋根材に加わる雪荷重や風荷重等を分散しつつ支持する機能を担うため、タイトフレームの固定は建築物の耐久性や安全性に大きく影響する。
従来技術の折板屋根では、タイトフレームの下辺を形鋼からなる受梁の上面に溶接して接合している(特許文献1)。詳細には、タイトフレームを受梁上に設置し、タイトフレームの下辺を受梁の上面にアーク溶接し、溶接後、スラグを除去し、アーク熱により焼失した防錆皮膜を再塗装する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-71039号公報
【非特許文献】
【0004】
JIS(日本産業規格)A6514「金属製折板屋根構成材」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術には、以下の問題点がある。
<1>タイトフレームの溶接、スラグ除去、防錆皮膜の再塗装等の作業を、受梁や仮設足場上の狭隘なスペースで移動しながら行うため、作業効率が非常に悪い。
<2>溶接には高い技術力と経験が必要であり、溶接の品質が低いと溶接不良や材料破断によって、屋根構造の強度不足を招くおそれがある。
<3>溶接の品質が作業員の技術に依存するため、少子高齢化による熟練工の不足により、施工品質の維持が困難になるおそれがある。
<4>溶接は雨や強風などの荒天時に作業できないため、作業が天候に左右され、工程の遅延を招くおそれがある。
<5>受梁上などの高所で、手持ち面とアーク溶接機を両手に持っての作業となるため、作業の安全性に改善の余地がある。
<6>台風や地震等の影響により、屋根材やタイトフレームが変形した場合、タイトフレームを溶断しないと受梁から取り外せず、かつ既設のタイトフレームを再利用することができない。
【0006】
本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決するための、タイトフレームの固定構造及び固定治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタイトフレームの固定構造は、上部フランジを有する受梁と、帯状の板材によって、上辺と、上辺の下方両側に位置する2つの下辺と、上辺と2つの下辺を接続する2つの接続辺と、からなる略ハット形状を板材の長手方向に連続形成してなるタイトフレームと、厚さ方向に並列した一対の挟持片と、一対の挟持片における一方の端部同士を接続する接続部と、一対の挟持片における他方の端部間に設けた差込口と、を有するコの字クリップ構造の固定治具と、を備え、タイトフレームが、受梁の長手方向に沿って上部フランジ上に位置し、下辺の下面が上部フランジの上面と接面し、固定治具が、差込口を受梁の幅方向内側に向け、一対の挟持片で、タイトフレームの下辺と受梁の上部フランジとを上下から弾性的に挟持していることを特徴とする。
【0008】
本発明のタイトフレームの固定構造は、1本の受梁において、複数の固定治具を、受梁の幅方向における、屋根材の流れ方向下流側に配置してもよい。
【0009】
本発明のタイトフレームの固定構造は、固定治具と、上部フランジの幅方向における、固定治具と反対側の側辺とを、外側から拘束する拘束材を備えていてもよい。
【0010】
本発明のタイトフレームの固定構造は、拘束材が、固定治具ごと受梁に巻回して緊結した、帯状体又は線状体であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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