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公開番号2025173649
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-11-28
出願番号2024079286
出願日2024-05-15
発明の名称水性組成物
出願人株式会社コーセー
代理人弁理士法人井手・小野国際特許事務所
主分類A61K 8/73 20060101AFI20251120BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】オリゴ糖を1質量%以上含有する水性組成物において、オリゴ糖の析出抑制効果に優れる組成物を提供する。
【解決手段】次の成分(A)～(C);(A)オリゴ糖が1質量%以上、(B)IOB値が4.5～5.5の多価アルコール、(C)IOB値が1.5～3.5の多価アルコールを含有する、水性組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
次の成分（Ａ）～（Ｃ）；
（Ａ）オリゴ糖１質量％以上
（Ｂ）ＩＯＢ値が４．５～５．５の多価アルコール
（Ｃ）ＩＯＢ値が１．５～３．５の多価アルコール
を含有する、水性組成物。
続きを表示（約 980 文字）【請求項２】
前記成分（Ａ）がトレハロースである、請求項１に記載の水性組成物。
【請求項３】
前記成分（Ｂ）及び前記成分（Ｃ）の合計含有量に対する前記成分（Ａ）の含有質量割合（Ａ）／［（Ｂ）＋（Ｃ）］が、０．０１～１である、請求項１又は２に記載の水性組成物。
【請求項４】
前記成分（Ｂ）及び前記成分（Ｃ）の合計含有量（Ｂ）＋（Ｃ）が、３～３０質量％である、請求項１又は２に記載の水性組成物。
【請求項５】
前記成分（Ａ）の含有量が、３質量％以上である、請求項１又は２に記載の水性組成物。
【請求項６】
さらに、成分（Ｄ）非イオン性界面活性剤を含有する、請求項１又は２に記載の水性組成物。
【請求項７】
前記成分（Ｄ）がシリコーン系界面活性剤及びポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミドから選択される少なくとも１種である、請求項６に記載の水性組成物。
【請求項８】
さらに、成分（Ｅ）一般式（１）で表されるアルキレンオキシド誘導体を含有する、請求項１又は２に記載の水性組成物。
Ｚ－｛Ｏ－（ＥＯ）ａ－（ＰＯ）ｂ－（ＢＯ）ｃＨ｝ｎ（１）
（式（１）中、ｎは１～４の整数、Ｚは、水素原子又は水酸基を２～４個有する多価アルコールからｎ個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基であり、ＥＯはオキシエチレン基であり、ＰＯはオキシプロピレン基であり、ＢＯはオキシブチレン基である。ａ、ｂ及びｃはそれぞれＥＯ、ＰＯ、及びＢＯの平均付加モル数であって、０≦ａ≦５０、０≦ｂ≦５０、０≦ｃ≦５の値であり、ａ、ｂ及びｃが全て０になることはなく、ａ、ｂがいずれも０でないときの質量比（ＰＯ／ＥＯ）は１／５～５／１である。なお、ＥＯ及びＰＯはランダム状に付加しても、ブロック状に付加してもよく、ｎが２以上の場合は、複数のａ、ｂ及びｃはそれぞれ同一でも異なってもよく、Ｚが水素原子の場合は、ｎは１である。）
【請求項９】
請求項１又は２に記載の水性組成物を含有する、化粧料又は皮膚外用剤。
【請求項１０】
ふき取り使用である請求項９に記載の化粧料又は皮膚外用剤。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、水性組成物、これを利用したオリゴ糖の析出抑制方法及びオリゴ糖の析出抑制用組成物に関する。
続きを表示（約 3,100 文字）【背景技術】
【０００２】
皮膚は、加齢やストレスなどの内的要因や、紫外線や空気の乾燥などの外的要因により、しみやそばかす、シワやたるみ、さらには毛穴詰まりといった肌トラブルを生じる。特に毛穴詰まりは、毛穴の黒ずみ、毛穴開き、毛穴のざらつき、毛穴の赤み、ニキビ（ざ瘡）、脂漏性皮膚炎などが懸念されるため、改善を望む人が多く、様々な製品開発が検討されている。
毛穴詰まりに対しては、皮膚に薬剤を塗布し、角質を溶解又は剥離するケミカルピーリングや、スクラブ剤を用いた物理的作用による除去、ふき取り化粧料による角質除去等の方法が知られている。中でも、ふき取り化粧料は、化粧用コットンや不織布等に化粧水を湿潤させ、皮膚の表面を拭き取る様に使用するものであり、肌への負担が少ない方法として有用である。さらに、近年では、毛穴詰まりに対して有効な成分の検討が進んでおり、例えば、オリゴ糖を有効成分とした全分泌調節剤の技術が開示され、オリゴ糖の毛穴詰まりに対する効果が期待されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
しかしながら、トレハロース等のオリゴ糖は、結晶性が非常に高く、化粧料、皮膚外用剤等の製剤や組成物に高配合した際の結晶析出が問題となる。
これに対し、マルトオリゴ糖と、一定の平均付加モル数のポリオキシエチレン（ＰＯＥ）を有するアルキルエーテル、並びに、一定の平均付加モル数のポリオキシエチレン（ＰＯＥ）及びポリオキシプロピレン（ＰＯＰ）を有するアルキルエーテルの少なくともいずれかと、二塩基酸ジエステルと、一定の含有量のエタノールとを少なくとも含有する化粧料組成物において、マルトオリゴ糖の結晶析出を抑制する技術が開示されている（例えば、特許文献２参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
国際公開２０２２／０２４８８６号
特開２０１１－１５３１２２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかし、特許文献２の技術においては、エタノールを５０質量％以上と高配合する必要があることから、乾燥や刺激を感じる場合があり、全顔等の皮膚に適用するものとしては改良の余地があった。
また、毛穴詰まりに対する効果（角栓形成抑制効果等）をより発揮するために、オリゴ糖を高配合することが求められるが、高配合したオリゴ糖の結晶析出を抑制する知見については、ほとんど報告されていないのが現状であった。
【０００６】
そこで本発明は、オリゴ糖を１質量％以上、より好ましくは３質量％以上を含有する水性組成物において、ＩＯＢ値が４．５～５．５の多価アルコール及びＩＯＢ値が１．５～３．５の多価アルコールを用いることで、オリゴ糖の析出抑制効果に優れる組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、１質量％以上のオリゴ糖、ＩＯＢ値が４．５～５．５の多価アルコール及びＩＯＢ値が１．５～３．５の多価アルコールを含有する水性組成物において、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
【０００８】
すなわち、本発明は以下を提供する。
［１］
次の成分（Ａ）～（Ｃ）；
（Ａ）オリゴ糖１質量％以上
（Ｂ）ＩＯＢ値が４．５～５．５の多価アルコール
（Ｃ）ＩＯＢ値が１．５～３．５の多価アルコール
を含有する、水性組成物である。
［２］
前記成分（Ａ）がトレハロースである、前記［１］に記載の水性組成物である。
［３］
前記成分（Ｂ）及び前記成分（Ｃ）の合計含有量に対する前記成分（Ａ）の含有質量割合（Ａ）／［（Ｂ）＋（Ｃ）］が、０．０１～１である、前記［１］又は［２］に記載の水性組成物である。
［４］
前記成分（Ｂ）及び前記成分（Ｃ）の合計含有量（Ｂ）＋（Ｃ）が、３～３０質量％である、前記［１］又は［２］に記載の水性組成物である。
［５］
前記成分（Ａ）の含有量が、３質量％以上である、前記［１］又は［２］に記載の水性組成物である。
［６］
さらに、成分（Ｄ）非イオン性界面活性剤を含有する、前記［１］又は［２］に記載の水性組成物である。
［７］
前記成分（Ｄ）がシリコーン系界面活性剤及びポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミドから選択される少なくとも１種である、前記［６］に記載の水性組成物である。
［８］
さらに、成分（Ｅ）一般式（１）で表されるアルキレンオキシド誘導体を含有する、前記［１］又は［２］に記載の水性組成物である。
Ｚ－｛Ｏ－（ＥＯ）ａ－（ＰＯ）ｂ－（ＢＯ）ｃＨ｝ｎ（１）
（式（１）中、ｎは１～４の整数、Ｚは、水素原子又は水酸基を２～４個有する多価アルコールからｎ個のヒドロキシ基を除去することによって得られる残基であり、ＥＯはオキシエチレン基であり、ＰＯはオキシプロピレン基であり、ＢＯはオキシブチレン基である。ａ、ｂ及びｃはそれぞれＥＯ、ＰＯ、及びＢＯの平均付加モル数であって、０≦ａ≦５０、０≦ｂ≦５０、０≦ｃ≦５の値であり、ａ、ｂ及びｃが全て０になることはなく、ａ、ｂがいずれも０でないときの質量比（ＰＯ／ＥＯ）は１／５～５／１である。なお、ＥＯ及びＰＯはランダム状に付加しても、ブロック状に付加してもよく、ｎが２以上の場合は、複数のａ、ｂ及びｃはそれぞれ同一でも異なってもよく、Ｚが水素原子の場合は、ｎは１である。）
［９］
前記［１］又は［２］に記載の水性組成物を含有する、化粧料又は皮膚外用剤である。
［１０］
ふき取り使用である前記［９］に記載の化粧料又は皮膚外用剤である。
［１１］
成分（Ｂ）ＩＯＢ値が４．５～５．５の多価アルコール及び成分（Ｃ）ＩＯＢ値が１．５～３．５の多価アルコールを使用する、成分（Ａ）オリゴ糖の析出を抑制する方法である。
［１２］
成分（Ｂ）ＩＯＢ値が４．５～５．５の多価アルコール及び成分（Ｃ）ＩＯＢ値が１．５～３．５の多価アルコールを有効成分とする、成分（Ａ）オリゴ糖の析出抑制用組成物である。
【発明の効果】
【０００９】
本発明は、オリゴ糖を１質量％以上、より好ましくは３質量％以上を含有する水性組成物において、ＩＯＢ値が４．５～５．５の多価アルコール及びＩＯＢ値が１．５～３．５の多価アルコールを用いることで、オリゴ糖の析出抑制効果に優れるものである。
さらに、本発明の水性組成物によれば、後肌のべたつきのなさ及び後肌のつるっと感にも優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。本明細書において、範囲を示す「Ｘ～Ｙ」は、ＸおよびＹを含み、「Ｘ以上Ｙ以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温（２５℃）／相対湿度４０％ＲＨの条件で行う。
（【００１１】以降は省略されています）

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