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公開番号
2025166315
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-11-06
出願番号
2024070242
出願日
2024-04-24
発明の名称
高分子分散剤及びその製造方法、水性顔料分散液、並びに水性インクジェットインク
出願人
大日精化工業株式会社
代理人
個人
主分類
C09B
67/20 20060101AFI20251029BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】顔料の分散性に優れた顔料分散液や、画質、基材への密着性、及び耐久性に優れた画像を記録しうる、吐出性に優れた水性インクジェットインクを調製することが可能な、バイオマス材料であるイタコン酸類に由来する構成単位を有効に含む高分子分散剤、並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】顔料を分散させるための高分子分散剤である。イタコン酸等に由来する構成単位(i)5~20質量%と、アクリル酸イソボルニルに由来する構成単位(ii)15~45質量%と、アクリル酸テトラヒドロフルフリル等に由来する構成単位(iii)10~40質量%と、スチレン等に由来する構成単位(iv)15~45質量%と、を含み、数平均分子量が10,000~30,000である、カルボキシ基を有するポリマーであり、カルボキシ基の少なくとも一部がアルカリで中和されて水に溶解する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
水性インクジェットインクを調製するために用いられる水性顔料分散液に配合される、顔料を分散させるための高分子分散剤であって、
イタコン酸及びイタコン酸モノエステルからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(i)5~20質量%と、
アクリル酸イソボルニルに由来する構成単位(ii)15~45質量%と、
アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸エチル、イタコン酸ジメチル、及びイタコン酸ジエチルからなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(iii)10~40質量%と、
スチレン、4-ビニルグアイアコール、4-ビニルグアイアコールアセチル化物、及び4-ビニルグアイアコールメチル化物からなる群より選択される少なくとも一種に由来する構成単位(iv)15~45質量%と、を含み、
前記構成単位(i)~(iv)の合計の含有量が90質量%以上であり、
数平均分子量が10,000~30,000であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.7~2.7である、カルボキシ基を有するポリマーであり、
前記カルボキシ基の少なくとも一部がアルカリで中和されて水に溶解する高分子分散剤。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の高分子分散剤の製造方法であって、
前記構成単位(i)~(iv)を構成するすべてのモノマー及び水溶性有機溶剤を混合して40℃以上に加温した後、10時間半減期温度が50~80℃の重合開始剤を添加し、60~80℃で溶液重合する工程を有する高分子分散剤の製造方法。
【請求項3】
前記モノマーの合計100質量部に対する、前記重合開始剤の使用量が、2.0~5.0質量部である請求項2に記載の高分子分散剤の製造方法。
【請求項4】
水性インクジェットインクを調製するために用いられる水性顔料分散液であって、
顔料、水、水溶性有機溶媒、及び前記顔料を分散させるための高分子分散剤を含有し、
前記高分子分散剤が、請求項1に記載の高分子分散剤である水性顔料分散液。
【請求項5】
前記顔料の含有量が5~60質量%であり、
前記水の含有量が20~80質量%であり、
前記水溶性有機溶媒の含有量が30質量%以下であり、
前記高分子分散剤の含有量が0.5~20質量%である請求項4に記載の水性顔料分散液。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の水性顔料分散液を含有する水性インクジェットインク。
【請求項7】
プラスチックメディア印刷用又は捺染用である請求項6に記載の水性インクジェットインク。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子分散剤及びその製造方法、水性顔料分散液、並びに水性インクジェットインクに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
水性インク等の着色剤として用いられる水性顔料分散液に対しては、水性媒体中に顔料が微分散されていること、長期間にわたって顔料が凝集せず安定的に分散した状態が保持されることが要求される。水性顔料分散液に含まれる顔料分散剤としては、顔料の微分散性と分散長期安定性を保つために重要な要素であり、これまでに様々なものが開発されている。また、水性顔料分散液を用いて調製した水性インクで作製した画像については、基材への密着性、耐擦過性、耐水性、及び耐溶剤性等の耐久性が要求される。画像の耐久性を向上すべく、一般的には被膜形成成分であるバインダー成分が水性顔料分散液や水性インクに配合されている。しかし、顔料分散剤はバインダー成分の性能を低下させる場合がある。このため、顔料分散剤についても、記録する画像の耐久性等の特性向上を意識して設計する必要がある。
【0003】
水性顔料分散液の用途の一つとして、水性インクジェットインクがある。水性インクジェットインクについては、顔料の微分散性や安定性の他、記録される画像の耐久性などの特性が特に高いレベルで要求される。水性インクジェットインクを搭載したプリンタや印刷機は、その高機能化により、個人用、事務用、業務用、記録用、カラー表示用、及びカラー写真用等、用途が多岐にわたってきており、近年では、産業用の高速印刷機としての検討が進んでいる。そして、高速化及び高画質化に対応すべく、顔料の微分散性及び画像の耐久性などの性能のさらなる向上が求められている。このような要求を満たすべく、配合する樹脂や界面活性剤の構成を工夫した、様々な顔料分散液がこれまでに提案されている(特許文献1~5)。
【0004】
さらに、近年、カーボンニュートラルの観点から、石油由来の有機材料をバイオマス由来の材料へと置き換える動きが活発になっている。そして、インクジェット用の水性インクについても、バイオマス由来の材料を使用したいとの要求が高まっている。
【0005】
アクリル樹脂を合成するために使用可能なバイオマス由来のアクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、及び(メタ)アクリル酸ステアリル等を挙げることができる。これらのアクリルモノマーは、植物由来のアルコール成分を用いて得られる化合物であり、工業的に広く生産されている材料である。
【0006】
また、バイオマス由来スチレン系モノマーとしては、4-ビニルグアイアコールが知られている。4-ビニルグアイアコールは、フェルラ酸を脱炭酸することで得られる化合物である。そして、フェルラ酸は、米ぬかより得られる米ぬか油を生成する過程で生ずる米ぬか残渣を原料として製造されている。4-ビニルグアイアコールは、ラジカル消去活性を示すフェノール性水酸基をその分子中に有する。このため、ラジカル重合時には、重合阻害を回避すべく、アセチル化物等のフェノール性水酸基保護体を用いる場合がある(非特許文献1)。
【0007】
また、カーボンニュートラルの観点から注目されている材料として、イタコン酸がある。イタコン酸は、植物由来のグルコースを原料として、発酵法によって工業的に生産されているバイオマス由来の材料である。イタコン酸は、ラジカル重合性を示し、高いポリマーTgを有し、かつ、一分子中に二つのカルボキシ基を有する化合物である。イタコン酸をモノマーとして用いることで、得られる顔料分散剤(高分子分散剤)のバイオマス由来の材料の含有率を向上することができる。さらに、成膜性、カルボキシ基の水素結合性による基材密着性、及びアルカリ中和した親水性のカルボキシ基による顔料の分散性向上が期待される。
【0008】
しかし、イタコン酸を用いてラジカル重合する場合には様々な課題がある。イタコン酸のビニル基のα位にはサイズの大きな二つの官能基が結合している。このため、イタコン酸の重合速度、ポリマー転化率、及び他のモノマーとの共重合性は、(メタ)アクリレートやスチレン等の工業的に頻繁に用いられるモノマーと比較して低い。また、カルボキシ基の脂溶性が低いため、イタコン酸は疎水性モノマーと混和しにくい。このため、イタコン酸と疎水性モノマーを共重合する場合には、溶剤よってモノマーを均一化する必要がある。しかし、イタコン酸は水やエタノール等の極性が高い溶剤に溶解するが、疎水性モノマーやポリマーは極性の高い溶剤に溶解しにくい。以上のような理由により、イタコン酸を疎水性モノマーと共重合するのは一般的に困難である。しかし、疎水性モノマーは、顔料粒子に対する親和性を発揮した高分子分散剤を分子設計する上で重要である。
【0009】
イタコン酸を用いてラジカル重合する場合の課題を解決すべく、様々な方策が提案されている。例えば、イタコン酸は、スチレンやアクリレートとの共重合性が、他のモノマーに比して高いことが知られている(非特許文献2)。
【0010】
アクリレートは反応性が非常に高いため、大スケールでフリーラジカル重合する場合には、すべてのモノマーを反応系に一括して投入せず、重合進行と並行してモノマーを反応系に滴下し、急激な反応による熱暴走を抑制する必要がある。しかし、イタコン酸は疎水性のアクリレートと相溶しにくく、イタコン酸とアクリレートを均一な溶液の状態で滴下することは困難である。このため、モノマーを反応液に滴下しながら重合すると、得られる各ポリマー分子中のイタコン酸に由来する構成単位の含有量を均一に揃えることが困難である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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