TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025154844
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024058071
出願日2024-03-29
発明の名称ハニカム構造体、成形原料組成物及び多孔質体の製造方法
出願人日本碍子株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C04B 38/00 20060101AFI20251002BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】熱膨張を抑制可能な珪素-炭化珪素複合材を含有するハニカム構造体を提供する。
【解決手段】一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム構造体であって、前記隔壁は炭化珪素、珪素、及び焼成助剤を含有し、前記焼成助剤は、酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化ストロンチウムを含有しており、前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化ストロンチウムの合計質量部をT1とし、前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化アルミニウムの質量部をA1とすると、0.045≦A1/T1を満たす、ハニカム構造体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム構造体であって、
前記隔壁は炭化珪素、珪素、及び焼成助剤を含有し、
前記焼成助剤は、酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化ストロンチウムを含有しており、前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化ストロンチウムの合計質量部をT
1
とし、前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化アルミニウムの質量部をA
1
とすると、0.045≦A
1
/T
1
を満たす、
ハニカム構造体。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
0.045≦A
1
/T
1
≦0.200を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項3】
前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化珪素の質量部をB
1
とすると、0.70≦B
1
/T
1
≦0.90を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項4】
前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化ストロンチウムの質量部をC
1
とすると、0.050≦C
1
/T
1
≦0.200を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項5】
10≦T
1
≦40を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項6】
前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する炭化珪素の質量部をD
1
とすると、70≦D
1
≦95を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項7】
前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計質量濃度をE
1
質量%とすると、60≦E
1
≦95を満たす請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項8】
前記隔壁がセピオライトを含有する請求項1に記載のハニカム構造体。
【請求項9】
炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対するセピオライトの質量部をF
1
とすると、0.5≦F
1
≦5.0を満たす請求項8に記載のハニカム構造体。
【請求項10】
前記隔壁の気孔率が40%以上である請求項1に記載のハニカム構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はハニカム構造体に関する。また、本発明は成形原料組成物及びそれを用いた多孔質体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
炭化珪素(SiC)は、高耐熱性、高硬度、優れた耐薬品性、優れた耐摩耗性といった特性を活かして、ヒートシンク、排ガスフィルタ、触媒担体、摺動部品、ノズル、熱交換器、及び半導体製造装置用部品といった種々のセラミックス製品に利用されている。中でも、珪素-炭化珪素複合材は、耐熱性、耐熱衝撃性、耐酸化性に優れた特性を持ち、内燃機関、ボイラー等の排ガス中の微粒子を捕集するフィルタ(例:DPF)や、排ガス浄化用触媒の触媒担体等に用いられるハニカム構造体の代表的な構成材料として知られている。
【0003】
珪素-炭化珪素複合材を含有するハニカム構造体は、例えば、炭化珪素粉末に、珪素(Si)、造孔材、及び焼成助剤を添加し、混練して得られた坏土を、所定の口金を用いてハニカム成形体に押出成形し、得られたハニカム成形体を焼成することにより製造される。焼成助剤としては、酸化アルミニウム(Al
2

3
)、酸化珪素(SiO
2
)、及びアルカリ土類金属酸化物(Mg、Ca、Sr、及びBaの酸化物)が知られており、これらの焼成助剤を添加することで珪素(Si)溶融時の炭化珪素への濡れを良くし、結合力を高めることができる(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6043340号公報
国際公開第2012/132837号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、DPF及び触媒担体は、サイズが大型化し、更にセル構造が複雑化してきている。また、DPF及び触媒担体の使用環境が過酷になってきている。そのため、これらの用途に用いられるハニカム構造体は、さらなる耐熱衝撃性の向上が求められている。耐熱衝撃性を向上するための有効な手段の一つとしては、ハニカム構造体の熱膨張を抑制することが知られており、ハニカム構造体の熱膨張を抑制することのできる新規技術が開発されることが望ましい。
【0006】
上記事情に鑑み、本発明は一実施形態において、熱膨張を抑制可能な珪素-炭化珪素複合材を含有するハニカム構造体を提供することを課題とする。また、本発明は別の一実施形態において、そのようなハニカム構造体を製造するのに好適な成形原料組成物及び多孔質体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、焼成助剤としての酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化ストロンチウムを所定の条件下で添加すると、熱膨張が有意に抑制された珪素-炭化珪素複合材を含有するハニカム構造体が得られることを見出した。熱膨張が抑制されることで熱応力が低減されるので、ハニカム構造体の耐熱衝撃性を向上させることが可能となる。当該知見に基づき完成した本発明は以下に例示される。
【0008】
[態様1]
一方の端面から他方の端面まで延びる複数のセルを区画形成する隔壁を備えるハニカム構造体であって、
前記隔壁は炭化珪素、珪素、及び焼成助剤を含有し、
前記焼成助剤は、酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化ストロンチウムを含有しており、前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化アルミニウム、酸化珪素及び酸化ストロンチウムの合計質量部をT
1
とし、前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化アルミニウムの質量部をA
1
とすると、0.045≦A
1
/T
1
を満たす、
ハニカム構造体。
[態様2]
0.045≦A
1
/T
1
≦0.200を満たす態様1に記載のハニカム構造体。
[態様3]
前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化珪素の質量部をB
1
とすると、0.70≦B
1
/T
1
≦0.90を満たす態様1又は2に記載のハニカム構造体。
[態様4]
前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する酸化ストロンチウムの質量部をC
1
とすると、0.050≦C
1
/T
1
≦0.200を満たす態様1~3の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様5]
10≦T
1
≦40を満たす態様1~4の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様6]
前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対する炭化珪素の質量部をD
1
とすると、70≦D
1
≦95を満たす態様1~5の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様7]
前記隔壁における炭化珪素及び珪素の合計質量濃度をE
1
質量%とすると、60≦E
1
≦95を満たす態様1~6の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様8]
前記隔壁がセピオライトを含有する態様1~7の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様9]
炭化珪素及び珪素の合計100質量部に対するセピオライトの質量部をF
1
とすると、0.5≦F
1
≦5.0を満たす態様1~8の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様10]
前記隔壁の気孔率が40%以上である態様1~8の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様11]
前記一方の端面における所定の前記セルの開口部及び前記他方の端面における残余の前記セルの開口部に配設された目封止部を備える態様1~10の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様12]
40℃から800℃まで変化させたときのJISR1618:2002に従って測定される平均線膨張率が5.5×10
-6
/K以下である態様1~11の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様13]
ASTM E1530の方法に従って50℃で測定される熱伝導率が3.0W/(m・K)以上である態様1~12の何れかに記載のハニカム構造体。
[態様14]
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態によれば、熱膨張を抑制可能な珪素-炭化珪素複合材を含有するハニカム構造体を提供することが可能である。市場では珪素-炭化珪素複合材を含有するハニカム構造体の更なる耐熱衝撃性の向上に対するニーズが高まっているところ、当該ハニカム構造体はそのような市場のニーズに応えることができる。また、本発明は別の一実施形態によれば、そのようなハニカム構造体を製造するのに好適な成形原料組成物及び多孔質体の製造方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ウォールスルー型のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。
ウォールスルー型のハニカム構造体をセルの延びる方向に平行な断面で観察したときの模式的な断面図である。
ウォールフロー型の柱体状のハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。
ウォールフロー型の柱体状のハニカム構造体をセルの延びる方向に平行な断面から観察したときの模式的な断面図である。
セグメント接合体として提供されるハニカム構造体の模式的な端面図(a)及び側面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

日本碍子株式会社
電池
1か月前
日本碍子株式会社
熱交換器
4日前
日本碍子株式会社
把持方法
8日前
日本碍子株式会社
熱交換器
12日前
日本碍子株式会社
ガスセンサ
2か月前
日本碍子株式会社
ガスセンサ
1か月前
日本碍子株式会社
亜鉛二次電池
3日前
日本碍子株式会社
空調システム
1か月前
日本碍子株式会社
熱ダイオード
3か月前
日本碍子株式会社
焼成システム
3か月前
日本碍子株式会社
冷却システム
4か月前
日本碍子株式会社
ハニカム構造体
2か月前
日本碍子株式会社
ハニカム構造体
1か月前
日本碍子株式会社
ハニカム構造体
23日前
日本碍子株式会社
熱処理システム
4か月前
日本碍子株式会社
ハニカム構造体
8日前
日本碍子株式会社
ハニカム構造体
1日前
日本碍子株式会社
ハニカム構造体
12日前
日本碍子株式会社
ハニカム構造体
1日前
日本碍子株式会社
電気加熱式担体
1日前
日本碍子株式会社
電気加熱式担体
2日前
日本碍子株式会社
ハニカム構造体
2日前
日本碍子株式会社
吸引回収システム
4か月前
日本碍子株式会社
アルカリ二次電池
12日前
日本碍子株式会社
金属溶湯濾過部材
2か月前
日本碍子株式会社
ハニカムフィルタ
1日前
日本碍子株式会社
メタン製造反応器
1日前
日本碍子株式会社
導波素子の製造方法
15日前
日本碍子株式会社
半導体製造装置用部材
1か月前
日本碍子株式会社
三相型ハニカムヒータ
1日前
日本碍子株式会社
半導体製造装置用部材
2か月前
日本碍子株式会社
ウォーキングビーム炉
3日前
日本碍子株式会社
センサ素子およびガスセンサ
1か月前
日本碍子株式会社
センサ素子およびガスセンサ
10日前
日本碍子株式会社
セラミックス部材の製造方法
3日前
日本碍子株式会社
ロボットハンドおよびロボット
8日前
続きを見る