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公開番号2025153036
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-10
出願番号2024055297
出願日2024-03-29
発明の名称層状複水酸化物、硝酸イオンの除去方法、及び、硝酸イオンの回収方法
出願人学校法人法政大学,第一稀元素化学工業株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類B01J 20/08 20060101AFI20251002BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】 硝酸イオン選択性が高く、且つ、吸着させた硝酸イオンを高効率で回収することが可能な層状複水酸化物を提供すること。
【解決手段】 下記式[1]で表され、硝酸イオンの吸着分配係数Kdが70以上である層状複水酸化物。
[Mg3(Al1-xZrx)(OH)8]・[An-・mH2O] [1]
ただし、式[1]において、xは、0.2≦x≦0.4を満たす数であり、mは、0以上4以下の数であり、nは、1以上4以下の自然数であり、An-はn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種である。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記式[1]で表され、
下記測定方法にて測定される硝酸イオンの吸着分配係数Kdが70以上であることを特徴とする層状複水酸化物。
[Mg

(Al
1-x
Zr

)(OH)

]・[A
n-
・mH

O] [1]
ただし、式[1]において、xは、0.2≦x≦0.4を満たす数であり、mは、0以上4以下の数であり、nは、1以上4以下の自然数であり、A
n-
はn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種である。
<測定方法>
1.層状複水酸化物1gを、硝酸イオン390ppm、塩化物イオン2300ppm、及び、硫酸イオン5800ppmを含む混合水溶液30mlに加え、27℃で1時間、攪拌する。
2.次に、上澄み液中の硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析する。
3.次に、下記式により、硝酸イオンの吸着分配係数Kdを求める。
(硝酸イオンの吸着分配係数Kd(mL/g))=[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(mol/g)]/[吸着後溶液1mL中の硝酸イオン量(mol/mL)]。
続きを表示(約 310 文字)【請求項2】
前記xは、0.2≦x≦0.3を満たす数であることを特徴とする請求項1に記載の層状複水酸化物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の層状複水酸化物を、硝酸イオンを含む陰イオン水溶液に接触させる工程を含むことを特徴とする硝酸イオンの除去方法。
【請求項4】
硝酸イオンを含む陰イオン水溶液を、請求項1又は2に記載の層状複水酸化物を充填したカラムに通水する工程を含む硝酸イオンの除去方法。
【請求項5】
硝酸イオンが吸着された請求項1又は2に記載の層状複水酸化物に、脱離液を接触させて硝酸イオンを回収する工程を含むことを特徴とする硝酸イオンの回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、層状複水酸化物、硝酸イオンの除去方法、及び、硝酸イオンの回収方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
排水中に含まれる硝酸態窒素などの窒素化合物が環境中へ流出すると、湖沼や河川、海洋の富栄養化、地下水の汚染など、自然環境に深刻な影響を与える。そのため、生活排水に含まれる窒素成分は、下水処理場において、数千種以上の微生物が混在する活性汚泥と呼ばれる水処理微生物群によって除去されている。
【0003】
製造業では、製品の製造過程において硝酸による製品の洗浄により、有機物に乏しい高濃度の硝酸態窒素を含んだ排水が発生するため、その処理が不可欠である。しかし、一般的な活性汚泥法では、除去可能な硝酸態窒素は低濃度(通常は100mg/L未満)に限られている。この方法を産業排水に直接適用することは困難であった。活性汚泥法では、高濃度排水を処理可能な濃度まで希釈し、栄養となる有機物を添加する必要がある。この排水処理の難しさが、製造工場では円滑な製品の製造を阻む要因になっていた。また、微生物処理以外の硝酸態窒素の除去法としては、エネルギーコストの高い電気透析などの物理・化学的手法しか選択肢がないため、より効率的な排水処理方法が求められていた。
【0004】
従来、硝酸イオン等の陰イオンを除去するその他の材料として、層状複水酸化物が検討されている。例えば、水溶液から硝酸イオンを吸着できる吸着剤として、特許文献1には、Ni-Fe系吸着剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第4000370号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、吸着した硝酸イオンの脱離方法として、アルカリ性の溶液、炭酸アルカリ溶液を用いる方法、加熱してNO

を除去する方法、1~2Mのアルカリ溶液を用いる方法が記載されている。
しかしながら、このような脱離方法は、簡便とは言い難い。
【0007】
本発明の目的は、硝酸イオン選択性が高く、且つ、吸着させた硝酸イオンを簡便に高効率で回収することが可能な層状複水酸化物を提供することにある。また、当該層状複水酸化物を用いた硝酸イオンの除去方法を提供することにある。また、当該層状複水酸化物を用いた硝酸イオンの回収方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った。その結果、下記構成を採用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、以下を提供する。
<1> 下記式[1]で表され、
下記測定方法にて測定される硝酸イオンの吸着分配係数Kdが70以上であることを特徴とする層状複水酸化物。
[Mg

(Al
1-x
Zr

)(OH)

]・[A
n-
・mH

O] [1]
ただし、式[1]において、xは、0.2≦x≦0.4を満たす数であり、mは、0以上4以下の数であり、nは、1以上4以下の自然数であり、A
n-
はn価のイオン交換性アニオンの少なくとも1種である。
<測定方法>
1.層状複水酸化物1gを、硝酸イオン390ppm、塩化物イオン2300ppm、及び、硫酸イオン5800ppmを含む混合水溶液30mlに加え、27℃で1時間、攪拌する。
2.次に、上澄み液中の硝酸イオン濃度をイオンクロマトグラフで分析する。
3.次に、下記式により、硝酸イオンの吸着分配係数Kdを求める。
(硝酸イオンの吸着分配係数Kd(mL/g))=[層状複水酸化物1g中の硝酸イオン吸着量(mol/g)]/[吸着後溶液1mL中の硝酸イオン量(mol/mL)]。
【0010】
前記層状複水酸化物は、2価の金属イオンとしてMg
2+
を有し、3価の金属イオンとしてAl
3+
を有する層状複水酸化物であり、層状複水酸化物のAlサイトの一部がZrに置換されている。具体的に、式[1]において、xが、0.2≦x≦0.4を満たす範囲でAlがZrに置換されている。xが0.2≦x≦0.4を満たす範囲で、AlがZrに置換されているため、層状複水酸化物の層間距離が、硝酸イオンを選択的に吸着するのに適した距離(具体的には、8.1Å以上8.2Å以下)となっている。すなわち、式[1]において、xが0.2≦x≦0.4を満たす前記層状複水酸化物は、硝酸イオンを選択的に吸着させることができる。また、塩基性の高いAl、Mgに対して、Alを、両性元素のZrで置換することで、塩基性を調整することができ、吸着させた硝酸イオンを容易に脱離させることができる。すなわち、吸着させた硝酸イオンを高効率で回収することができる。
以上、前記構成によれば、硝酸イオンを選択的に吸着することができ、且つ、吸着させた硝酸イオンを高効率で回収することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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