TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025148254
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-07
出願番号
2025024768
出願日
2025-02-19
発明の名称
二軸配向ポリエステルフィルムロールおよび二軸配向ポリエステルフィルムロールの製造方法
出願人
東レ株式会社
代理人
主分類
B29C
55/12 20060101AFI20250930BHJP(プラスチックの加工;可塑状態の物質の加工一般)
要約
【課題】本発明によれば、フィルムの製造加工時において加熱加工を行う際のカール発生を抑制し、フィルム原反加工時に安定加工が可能な二軸配向ポリエステルフィルムロールを得ることができる。
【解決手段】二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法であって、二軸延伸工程と、前記二軸延伸工程の後にフィルム長手方向(MD)にリラックス処理を行うリラックス工程を有し、前記リラックス処理が、フィルムの幅方向端部をクリップで把持し、該クリップの間隔を制御することで実施するものであり、前記リラックス工程でのフィルム走行距離1mあたりのリラックス率が0%を超えて1.5%以下、かつリラックス速度を0.02%/sec以上0.20%/sec以下とする、二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法であって、二軸延伸工程と、前記二軸延伸工程の後にフィルム長手方向(MD)にリラックス処理を行うリラックス工程を有し、前記リラックス処理が、フィルムの幅方向端部をクリップで把持し、該クリップの間隔を制御することで実施するものであり、前記リラックス工程でのフィルム走行距離1mあたりのリラックス率が0%を超えて1.5%以下、かつリラックス速度を0.02%/sec以上0.20%/sec以下とする、二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
前記リラックス工程における総リラックス率が0.5%以上3.0%以下である、請求項1に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項3】
前記リラックス工程におけるリラックス工程温度が130℃以上220℃以下である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項4】
二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向(TD)中央および幅方向両端部から250mm内側の計3点において、フィルム長手方向(MD)に対して反時計回りに45°をなす方向の熱収縮率L(%)を測定した際の最大値と最小値の差(R)が0.40%以下である、二軸配向ポリエステルフィルムロール。
【請求項5】
二軸配向ポリエステルフィルムの幅方向(TD)中央および幅方向両端部から250mm内側の計3点において、フィルム長手方向(MD)および幅方向(TD)の熱収縮率L(%)を測定した際の最大値と最小値の差(R)が共に0.2%以下である、請求項4に記載の二軸配向ポリエステルフィルムロール。
【請求項6】
厚みが38μm以上250μm以下である、請求項4または5に記載の二軸配向ポリエステルフィルムロール。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸配向ポリエステルフィルムロールおよび二軸配向ポリエステルフィルムロールの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
フィルムの長手方向(以下MD(Machine Direction)と称することがある)およびフィルム面内で長手方向に直交する幅方向(以下TD(Transverse Direction)と称することがある)の二軸方向に延伸されたポリエステルフィルムは、機械的特性に優れているため、さまざまな分野に利用されている。ポリエステルフィルムを構成するポリエステルの中でも、特に、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称することがある)やポリエチレン2、6-ナフタレート(以下、PENと称することがある)は、その機械的特性と熱的特性に優れており、特にPETは低価格であることなどから、これらはより広い分野で用いられている。
【0003】
特に近年では、タッチパネルや電子ペーパー等に使用されている透明導電性積層体の基材として、ガラスの代わりに使用されることが増えてきている。かかる透明導電性積層体としては、ポリエステルフィルムを基材とし、その上に直接、あるいはアンカー層を介して、ITO(酸化インジウムスズ)膜がスパッタリングによって形成されているものがあり、ここで用いられるポリエステルフィルムは、加熱加工されることが一般的である。また、タッチパネル用の透明電極の製造工程では、ITOからなる透明導電膜が形成された透明導電性フィルムは、アニール処理、ITOの結晶化工程、レジストの印刷工程、エッチング処理工程など、多くの加熱工程を経るため、透明導電性積層体の基材には耐熱変形性が求められる。
【0004】
ポリエステルが二軸方向に延伸されたポリエステルフィルムにおいては、フィルムを延伸して分子配向させることにより、強度などの機械特性を向上させている。一方で、二軸延伸されたフィルムは歪みが分子鎖に残留するため、熱をかけることにより分子鎖の歪みが開放され、収縮するという性質を持っている。一般に、この収縮特性は障害になることが多い。特にITO用途をはじめとする後処理工程に加熱工程が含まれる場合、ポリエステルフィルムにはできるだけ熱収縮量を小さくすることが求められる。
【0005】
そこで、二軸延伸後に、テンターの中で熱処理(熱固定とも呼ばれる。)を行うことにより、この分子鎖の歪みを開放することが行われている。一般に、この熱処理温度に応じて熱収縮率は低下していくが、この熱処理だけでは完全に分子鎖の歪みを除去することはできない。この残留歪みを除去する方法として、ポリエステルフィルム製膜後にオフラインで熱処理を施すことにより除去する方法があるが、設備費の増加や後加工費用が発生することに加え、フィルムの平面性が低下する。そこでインラインで残留歪みを除去するための方法として、テンターのレール幅を先細りになるようにして、TDにわずかに収縮させる方法が採用されている。しかしながら、この方法ではMDの残留歪みは除去できないため、MDの残留歪みを除去する方法について、従来から各種方法が検討されてきた。たとえば特許文献1では、ポリエステルフィルムの熱収縮率自体を下げる手段として、クリップ間隔を狭くする方法による長手方向のリラックス処理について言及されている。
【0006】
またポリエステルフィルムには、熱収縮率の絶対値だけでなくバラツキ(R)を抑制することも求められる。熱収縮率が一定であれば、変化率を加味した加工を施すことが可能であるが、MDおよびTDの熱収縮率にバラツキ(R)が生じた場合には、安定加工が困難であるという問題点があった。そのため、フィルムのMDおよびTDのバラツキ(R)抑制が求められる。特許文献2では、物性のバラツキ抑制を目的とし、延伸倍率および延伸時の温度を特定の範囲内に調整することで、フィルム面における任意の方向を0°とし、その方向に対して時計回りに45°、90°、135°の4方向それぞれにおける伸長応力の最大値と最小値の差、弾性率、厚みの平均値および標準偏差が特定の範囲内にあるフィルムが得られるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2007-276190号公報
特開2017-226841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1において、長手方向へのリラックスにより熱収縮率の絶対値を下げる方法は有効であるが、前記リラックス処理におけるリラックス区間が短い場合や製膜速度が速すぎる場合、最終製品の熱収縮率にバラツキ(R)が生じるという問題があることが分かった。また特許文献2では、積層した金属箔の延展性、および耐熱性の向上を目的とした冷間成形用途フィルムであるため、主に伸長時の応力に着目しており、加熱による熱収縮率の範囲は広く設定されている。光学用途フィルムにあたっては、加熱時の熱収縮率をより厳密に管理する必要がある。
【0009】
以上を踏まえ、本発明の目的は、フィルムの製造加工時において加熱加工を行う際のカール発生を抑制し、フィルム原反加工時に安定加工が可能な二軸配向ポリエステルフィルムロールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本発明は次の構成を有する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
関連特許
東レ株式会社
防護服
4日前
東レ株式会社
浄水器
22日前
東レ株式会社
複合半透膜
1か月前
東レ株式会社
風車ブレード
1か月前
東レ株式会社
積層フィルム
3日前
東レ株式会社
積層フィルム
1か月前
東レ株式会社
黒色樹脂組成物
8日前
東レ株式会社
加飾用フィルム
8日前
東レ株式会社
光透過性表皮材
3日前
東レ株式会社
多層積層フィルム
24日前
東レ株式会社
不織布の製造装置
2日前
東レ株式会社
多孔質炭素シート
1か月前
東レ株式会社
繊維断面の検査方法
9日前
東レ株式会社
溶融紡糸口金パック
9日前
東レ株式会社
遮熱性アクリル繊維
9日前
東レ株式会社
中空糸膜モジュール
8日前
東レ株式会社
太陽電池モジュール
3日前
東レ株式会社
サンドイッチ構造体
1か月前
東レ株式会社
テーパ付き円筒部材
3日前
東レ株式会社
複合成形体の製造方法
22日前
東レ株式会社
ポリエステルフィルム
16日前
東レ株式会社
ガス拡散層の製造方法
1か月前
東レ株式会社
プラスチック光ファイバ
1か月前
東レ株式会社
織物およびシート表皮材
1か月前
東レ株式会社
霧化状活性液体供給装置
1か月前
東レ株式会社
ポリプロピレンフィルム
8日前
東レ株式会社
ゴム補強用合成繊維コード
16日前
東レ株式会社
織物および織物プリプレグ
1か月前
東レ株式会社
ゴム補強用合成繊維コード
16日前
東レ株式会社
着色樹脂組成物および着色膜
8日前
東レ株式会社
糸送り装置および糸送り方法
4日前
東レ株式会社
一体化成形品及びその製造方法
1か月前
東レ株式会社
多孔繊維および液体処理カラム
1か月前
東レ株式会社
ポリエステル組成物の製造方法
15日前
東レ株式会社
先端に凸面を有する光ファイバ
22日前
東レ株式会社
扁平多様断面繊維を含有した中綿
12日前
続きを見る
他の特許を見る