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公開番号2025145461
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024045648
出願日2024-03-21
発明の名称水中油型乳化化粧料及びその製造方法
出願人株式会社コーセー
代理人
主分類A61K 8/63 20060101AFI20250926BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】本発明は、IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤を、水中油型乳化化粧料へ安定配合し、使用感に優れた水中油型乳化化粧料を得ることを主な課題とする。
【解決手段】次の成分(A)~(D);
(A)IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤
(B)成分(A)とのHSP距離Raが7.0以下である、25℃で液状の油剤の少なくとも2種
(C)リン脂質
(D)IOB値が1.5~5.0である多価アルコール4質量%以上、35質量%未満
を含有し、前記成分(B)が少なくとも炭化水素油を含み、前記成分(A)及び前記成分(B)の総含有質量に対する成分(C)の含有質量割合(C)/{(A)+(B)}が、0.005~0.7である、水中油型乳化化粧料を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
次の成分(A)~(D);
(A)IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤
(B)成分(A)とのHSP距離Raが7.0以下である、25℃で液状の油剤の少なくとも2種
(C)リン脂質
(D)IOB値が1.5~5.0である多価アルコール 4質量%以上、35質量%未満
を含有し、前記成分(B)が少なくとも炭化水素油を含み、前記成分(A)及び前記成分(B)の総含有質量に対する成分(C)の含有質量割合(C)/{(A)+(B)}が、0.005~0.7である、水中油型乳化化粧料。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
さらに、成分(E)下記成分(E1)及び(E2)から選択される1種又は2種以上を含有し、
前記成分(E1)は、ポリグリセリン及びアルキレンオキシド誘導体からなる群から選択される1種又は2種以上であり、
前記成分(E2)は、セルロース系水溶性多糖類、アルギン酸塩及びシロキクラゲ多糖体からなる群から選択される1種又は2種以上である、
請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項3】
乳化滴の平均粒子径が1~15μmである、請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項4】
前記成分(E1)のアルキレンオキシド誘導体が、ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項5】
前記成分(B)が、25℃で液状のエステル油を含有し、前記エステル油の前記成分(A)とのHSP距離Raが5.0以下である、請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項6】
前記成分(A)が少なくともグリチルレチン酸ステアリルを含有する、請求項1又は2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項7】
前記成分(E1)が、ポリグリセリン及びアルキレンオキシド誘導体を含有する、請求項2又は4に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項8】
前記成分(E)が、成分(E1)及び成分(E2)を含有する、請求項2に記載の水中油型乳化化粧料。
【請求項9】
水中油型乳化化粧料の製造方法であって、
成分(C)リン脂質を成分(D)IOB値が1.5~5.0である多価アルコールに混合溶解する工程(1)、
そこに、成分(A)IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤及び成分(B)前記成分(A)とのHSP距離Raが7.0以下である、25℃で液状の油剤の少なくとも2種を加えて中間体組成物を調製する工程(2)、
及び、前記中間体組成物に水を加えて乳化する工程(3)
を含み、
前記成分(A)がコレステロール及び/又はフィトステロールである場合、コレステロール及び/又はフィトステロールを工程(1)に加える、水中油型乳化化粧料の製造方法。
【請求項10】
前記成分(B)が少なくとも炭化水素油を含む、請求項9に水中油型乳化化粧料の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化化粧料及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,600 文字)【背景技術】
【0002】
化粧料又は皮膚外用剤として、固形油状の有効成分として、またハリ感等を付与するために、様々な固形油剤を安定配合した化粧料に関する技術が開示されている。しかし、固形油剤を水中油型乳化化粧料や水性化粧料に配合すると、固形油剤の析出や、乳化物のクリーミング等が発生しやすく、安定化の面で課題がある。さらに、配合量によって固形油剤のべたつきも生じやすく、使用感の面でも課題がある。これに対し、炭素数10~18の脂肪酸エステルと水溶性界面活性剤等を組み合わせることで、グリチルレチン酸誘導体を乳化組成物中へ安定配合した技術(例えば、特許文献1参照。)や、コレステロールやフィトステロール、グリチルレチン酸ステアリル等の固形油剤をリポソームに含有させることで化粧料に安定配合した技術(例えば、特許文献2参照。)、さらには、特定のエステル油とアルキル変性カルボキシビニルポリマーを組み合わせることでグリチルレチン酸ステアリルを安定配合した、使用性に優れた乳化組成物に関する技術(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-224290号公報
特開2023―32103号公報
特開2013―173728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1における乳化組成物に関する技術では、高圧乳化による微細化が必要であり、平均粒子径がμmオーダーの乳化組成物における、経時安定性や使用感の観点、また製造方法による使用感への影響といった観点については着目されていなかった。
特許文献2における化粧料用組成物に関する技術では、リポソームを対象としており油性成分を多量に配合できないという点において課題があった。
特許文献3における乳化組成物に関する技術は、べたつきのなさやハリ感等の使用感には優れているものの、浸透感により優れる乳化組成物とする観点や製造方法による使用感への影響といった観点については着目されていなかった。
特に、グリチルレチン酸ステアリルやコレステロール、セラミド等の特定のIOB値を有する固形油剤の水中油型乳化組成物への配合において、固形油剤がエマルション界面に配向することによりゲル化等の安定性不良が生じやすく、安定配合がより困難であった
本発明は、IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤を、液状の水中油型乳化化粧料へ安定配合し、使用感に優れた水中油型乳化化粧料を得ることを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、ハンセン溶解度パラメーター(HSP)をもとに油剤を選定して乳化した水中油型乳化化粧料を調製することにより、特定のIOB値を有する固形油剤の安定配合に顕著に優れ、べたつきのなさや浸透感といった使用感が良好な化粧料が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の記載の通りである。
〔1〕 次の成分(A)~(D);
(A)IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤
(B)成分(A)とのHSP距離Raが7.0以下である、25℃で液状の油剤の少なくとも2種
(C)リン脂質
(D)IOB値が1.5~5.0である多価アルコール 4質量%以上、35質量%未満
を含有し、前記成分(B)が少なくとも炭化水素油を含み、前記成分(A)及び前記成分(B)の総含有質量に対する成分(C)の含有質量割合(C)/{(A)+(B)}が、0.005~0.7である、水中油型乳化化粧料を提供するものである。
〔2〕 さらに、成分(E)下記成分(E1)及び(E2)から選択される1種又は2種以上を含有し、
前記成分(E1)は、ポリグリセリン及びアルキレンオキシド誘導体からなる群から選択される1種又は2種以上であり、
前記成分(E2)は、セルロース系水溶性多糖類、アルギン酸塩及びシロキクラゲ多糖体からなる群から選択される1種又は2種以上である、
〔1〕に記載の水中油型乳化化粧料を提供するものである。
〔3〕 乳化滴の平均粒子径が1~15μmである、〔1〕又は〔2〕に記載の水中油型乳化化粧料を提供するものである。
〔4〕 前記成分(E1)のアルキレンオキシド誘導体が、ポリオキシエチレングリセリン、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルからなる群から選択される1種又は2種以上である、〔2〕に記載の水中油型乳化化粧料を提供するものである。
〔5〕 前記成分(B)が、25℃で液状のエステル油を含有し、前記エステル油の前記成分(A)とのHSP距離Raが5.0以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の水中油型乳化化粧料を提供するものである。
〔6〕 前記成分(A)が少なくともグリチルレチン酸ステアリルを含有する、〔1〕又は〔2〕に記載の水中油型乳化化粧料を提供するものである。
〔7〕 前記成分(E1)が、ポリグリセリン及びアルキレンオキシド誘導体を含有する、〔2〕又は〔4〕に記載の水中油型乳化化粧料を提供するものである。
〔8〕 前記成分(E)が、成分(E1)及び成分(E2)を含有する、〔2〕に記載の水中油型乳化化粧料を提供するものである。
〔9〕 水中油型乳化化粧料の製造方法であって、
成分(C)リン脂質を成分(D)IOB値が1.5~5.0である多価アルコールに混合溶解する工程(1)、
そこに、成分(A)IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤及び成分(B)前記成分(A)とのHSP距離Raが7.0以下である、25℃で液状の油剤の少なくとも2種を加えて中間体組成物を調製する工程(2)、
及び、前記中間体組成物に水を加えて乳化する工程(3)
を含み、
前記成分(A)がコレステロール及び/又はフィトステロールである場合、コレステロール及び/又はフィトステロールを工程(1)に加える、水中油型乳化化粧料の製造方法を提供するものである。
〔10〕 前記成分(B)が少なくとも炭化水素油を含む、〔9〕に記載の水中油型乳化化粧料の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の水中油型乳化化粧料は、特定のIOB値を有する固形油剤を安定に含有することが可能であるため経時安定性に優れ、また、浸透感やべたつきのなさといった使用感にも優れたものである。
さらに、本発明の水中油型乳化化粧料によれば、伸び広げた際の滑らかさや後肌のふっくら感にも優れたものである。なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に限定されず、本明細書内に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。また、本明細書においては、「~」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値を含むものとする。
【0009】
本発明に用いられる成分(A)は、IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤である。IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤とは、例えば、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(IOB=0.43)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(IOB=0.68)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(IOB=0.47)等の紫外線吸収剤、グリチルレチン酸ステアリル(IOB=0.33)、セラミドNG(IOB=0.46)、セラミドNP(IOB=0.70)、コレステロール(IOB=0.35)、フィトステロール(IOB=0.30~0.35)等が挙げられる。市販品としては、TINOSORB S(BASF社製)、フィトステロールQI(タマ生化学社製)、ニッスイマリンコレステロール(日本水産社製)等が挙げられる。なお、IOB値とは、有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、すなわち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。これら25℃で固形の油剤は1種または2種以上を用いることができる。本発明において成分(A)は、両親媒性を有する、IOB値が0.2~0.8である、25℃で固形の油剤が好ましい。ここで、固形とは、1気圧25℃において応力の存在しない環境で変形せず流動性を示さないものをいう。
【0010】
本発明に用いられる成分(A)は、IOB値が0.2~0.8である25℃で固形の油剤であれば特に限定されないが、コレステロール、フィトステロール、グリチルレチン酸ステアリル等の多環式化合物が好ましく、フィトステロール、グリチルレチン酸ステアリルがより好ましい。また、経時安定性や使用感の観点から、成分(A)は、少なくともグリチルレチン酸ステアリルを含有することがより好ましい。さらに少なくとも2種以上の多環式化合物であることがより好ましく、多環式化合物としては、4つの環又は5つの環を有するものがさらに好ましく、中でも、フィトステロール及びグリチルリチン酸ステアリルであることが特に好ましい。フィトステロールは、大豆やナタネ等の植物に微量含まれているステロール類の一種であり、βシトステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール等の複数のステロールの混合物である。グリチルレチン酸ステアリル(Stearyl glycyrrhetinate)は、甘草などに含まれるグリチルレチン酸の加水分解によって得られるグリチルレチン酸のヒドロキシル基にステアリン酸をエステル結合させることにより得られる化合物である。体系名は、(20S)-3β-ヒドロキシ-11-オキソ-5α-オレアナ-12-エン-29-酸オクタデシルである。分子式は、C48H82O4である。グリチルレチン酸の分子構造は平面性を有し、3位及び11位がコルチゾン類似であることから抗炎症作用を有する。グリチルレチン酸ステアリルは、ステアリン酸を付加したものであり、安全性が要求される皮膚外用剤や化粧料などの技術分野において、抗炎症成分として広く使用されている。
(【0011】以降は省略されています)

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