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公開番号2025137793
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-22
出願番号2022132799
出願日2022-08-23
発明の名称フッ素イオン濃度測定用試薬、フッ素イオン濃度測定方法、フッ素イオン濃度測定装置
出願人国立大学法人信州大学
代理人SK弁理士法人,個人,個人
主分類G01N 21/78 20060101AFI20250912BHJP(測定;試験)
要約【課題】可視光を用いてフッ素イオン濃度を測定することを可能とする、フッ素イオン濃度測定用試薬を提供する。
【解決手段】本発明によれば、金属有機構造体と、可視光を吸収可能な色素分子を備える、フッ素イオン濃度測定用試薬であって、前記色素分子は、前記金属有機構造体に配位結合されており、前記試薬は、フッ素イオンを含み得る試料水と、前記試薬を混合したときに、前記フッ素イオンが前記金属有機構造体の金属に配位するとともに、前記色素分子が前記金属有機構造体から遊離するように構成される、試薬が提供される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
金属有機構造体と、可視光を吸収可能な色素分子を備える、フッ素イオン濃度測定用試薬であって、
前記色素分子は、前記金属有機構造体に配位結合されており、
前記試薬は、フッ素イオンを含み得る試料水と、前記試薬を混合したときに、前記フッ素イオンが前記金属有機構造体の金属に配位するとともに、前記色素分子が前記金属有機構造体から遊離するように構成される、試薬。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
請求項1に記載の試薬であって、
前記色素分子は、カルボキシル基を有する、試薬。
【請求項3】
請求項1に記載の試薬であって、
前記色素分子は、前記可視光で励起されて蛍光を放出可能である、試薬。
【請求項4】
請求項1に記載の試薬であって、
前記色素分子は、カルボキシル基を有する、キサンテン色素分子、アゾ系色素、又はフタレイン系色素である、試薬。
【請求項5】
請求項4に記載の試薬であって、
前記色素分子が、前記キサンテン色素分子であって、
前記キサンテン色素分子は、ローズベンガル、エリスロシン、エオシンY、フルオレセイン、ローダミン、又はカルセインである、試薬。
【請求項6】
請求項1に記載の試薬であって、
前記金属有機構造体の金属は、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、又はランタノイド系希土類金属元素を含む、試薬。
【請求項7】
請求項1に記載の試薬であって、
前記金属有機構造体は、金属多核クラスターで構成される二次構造単位同士が多座有機配位子で結合されて構成された周期構造を有する、試薬。
【請求項8】
請求項7に記載の試薬であって、
前記金属多核クラスターは、金属六核クラスターである、試薬。
【請求項9】
請求項1に記載の試薬であって、
前記金属有機構造体は、MOF76、MOF199、UiO-66、UiO-67、UiO-66の等網状系列(isoreticular series)、MIL-53、MIL-67、又はMIL-101である、試薬。
【請求項10】
請求項1に記載の試薬であって、
前記試薬は、粉体状である、試薬。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水中のフッ素イオン濃度を測定するための用いられる試薬、方法及び装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
アフリカ東部にはアルカリ火山活動によって、高濃度のフッ素を含む火山岩類が分布している。特にタンザニアでは、その高濃度のフッ素を含む地中を通過してきた地下水や河川水が淡水水資源として使われている。このような淡水資源には高濃度のフッ素が含まれる。
【0003】
フッ素を含む淡水資源が生活用水や農業用水に使用されると、人体にフッ素が蓄積していく。しかし、フッ素は急性影響又は慢性影響を示す毒物としての側面を持つ。フッ素の慢性毒性は強く、アフリカ諸外国をはじめ、飲料水のフッ素汚染によるフッ素中毒症が発生している。フッ素中毒症としては、斑状歯、骨硬化症等の症状があげられる。フッ素中毒症の治療は困難であり、重症の急性中毒例では死亡する場合もある。
【0004】
一方で、地理的又は経済的な水不足から、淡水資源を利用することが求められる。淡水資源を利用するにあたり、淡水資源に含まれるフッ素濃度を測定する方法が求められる。
【0005】
特許文献1には、試験溶液に紫外線を照射し、発生した蛍光強度を計測してフッ素イオン濃度を測定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第7033818号
【非特許文献】
【0007】
Defect Engineering: Tuning the Porosity and Composition of the Metal-Organic Framework UiO-66 via Modulated Synthesis, Chem. Mater. 2016, 28, 11, 3749-3761
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、より安価かつ安全に、測定を行うために、紫外光よりも可視光を用いて、フッ素イオン濃度を測定することが望まれる。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、可視光を用いてフッ素イオン濃度を測定することを可能とする、フッ素イオン濃度測定用試薬を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]金属有機構造体と、可視光を吸収可能な色素分子を備える、フッ素イオン濃度測定用試薬であって、前記色素分子は、前記金属有機構造体に配位結合されており、前記試薬は、フッ素イオンを含み得る試料水と、前記試薬を混合したときに、前記フッ素イオンが前記金属有機構造体の金属に配位するとともに、前記色素分子が前記金属有機構造体から遊離するように構成される、試薬。
[2][1]に記載の試薬であって、前記色素分子は、カルボキシル基を有する、試薬。
[3][1]又は[2]に記載の試薬であって、前記色素分子は、前記可視光で励起されて蛍光を放出可能である、試薬。
[4][1]~[3]の何れか1つに記載の試薬であって、前記色素分子は、カルボキシル基を有する、キサンテン色素分子、アゾ系色素、又はフタレイン系色素である、試薬。
[5][4]に記載の試薬であって、前記色素分子が、前記キサンテン色素分子であって、前記キサンテン色素分子は、ローズベンガル、エリスロシン、エオシンY、フルオレセイン、ローダミン、又はカルセインである、試薬。
[6][1]~[4]の何れか1つに記載の試薬であって、前記金属有機構造体の金属は、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、又はランタノイド系希土類金属元素を含む、試薬。
[7][1]~[6]の何れか1つに記載の試薬であって、前記金属有機構造体は、金属多核クラスターで構成される二次構造単位同士が多座有機配位子で結合されて構成された周期構造を有する、試薬。
[8][7]に記載の試薬であって、前記金属多核クラスターは、金属六核クラスターである、試薬。
[9][1]~[8]の何れか1つに記載の試薬であって、前記金属有機構造体は、MOF76、MOF199、UiO-66、UiO-67、UiO-66の等網状系列(isoreticularseries)、MIL-53、MIL-67、又はMIL-101である、試薬。
[10][1]~[9]の何れか1つに記載の試薬であって、前記試薬は、粉体状である、試薬。
[11]サンプル作成工程と、測定工程と、濃度決定工程を備える、フッ素イオン濃度測定方法であって、前記サンプル作成では、[1]~[10]の何れか1つに記載の試薬と、フッ素イオンを含み得る試料水を混合して測定サンプルを作成し、前記測定工程では、前記測定サンプル中の前記色素分子の濃度と相関する物理量を、可視光を用いて測定し、前記濃度決定工程では、前記物理量に基づいて前記試料水のフッ素イオン濃度を決定する、方法。
[12][11]に記載の方法であって、前記試料水中のフッ素イオン濃度は、20ppm以下である、方法。
[13][11]又は[12]に記載の方法であって、前記測定サンプル中の前記試薬の濃度は、0.05~1mg/mLである、方法。
[14][11]~[13]の何れか1つに記載の方法であって、前記物理量は、前記可視光の吸光度、又は前記可視光によって前記色素分子が励起されて放出される蛍光の強度である、方法。
[15]サンプル保持部と、測定部と、濃度決定部を備える、フッ素イオン濃度測定装置であって、前記サンプル保持部は、[1]~[10]の何れか1つに記載の試薬と、フッ素イオンを含み得る試料水を混合して作製した測定サンプルを保持し、前記測定部は、前記測定サンプル中の前記色素分子の濃度と相関する物理量を、可視光を用いて測定し、前記濃度決定部は、前記物理量に基づいて前記試料水のフッ素イオン濃度を決定する、装置。
[16][15]に記載の装置であって、前記装置は、情報処理装置と、前記情報処理装置と通信可能に接続可能なアダプタを備え、前記情報処理装置は、前記濃度決定部を備え、前記アダプタは、前記サンプル保持部と、前記測定部を備える、装置。
[17][16]に記載の装置であって、前記アダプタの測定部は、前記情報処理装置から給電されて動作可能に構成される、装置。
[18][16]又は[17]に記載の装置であって、前記情報処理装置は、測位部と、記憶部と、重畳表示部を備え、前記測位部は、前記測定の時点での現在位置データを取得し、前記記憶部は、前記フッ素イオン濃度と前記現在位置データを関連付けて測定データとして記憶し、前記重畳表示部は、前記記憶部から呼び出した前記測定データを地図上に重ねて表示する、装置。
(【0011】以降は省略されています)

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