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公開番号
2025151649
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024053186
出願日
2024-03-28
発明の名称
複合材料の製造方法及び複合材料
出願人
国立大学法人信州大学
,
興和ゴム工業株式会社
,
日本製紙株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
21/02 20060101AFI20251002BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、セルロースナノファイバーを疎水化することなく、吸水性を低減させることができる複合材料の製造方法及び複合材料を提供する。
【解決手段】複合材料の製造方法は、ゴム成分を含むゴムラテックスと、水系溶媒にカルボキシ基を含有するセルロースナノファイバーを含有するセルロースナノファイバー水分散液と、少なくともアルミニウムイオン、亜鉛イオン及び鉄イオンのいずれかを含む不飽和カルボン酸塩と、を混合して混合液を得る工程と、混合液を加熱して水分を減少させて第1混合物を得る工程と、第1混合物を洗浄して第1混合物中のナトリウムイオンを減少させて第2混合物を得る工程(S40)と、第2混合物を加熱して水分を減少させて第3混合物を得る工程(S50)と、第3混合物を混練して複合材料を得る工程(S60)と、を含む。セルロースナノファイバーは、N-オキシル化合物を用いて酸化された酸化セルロースに由来するものを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ゴム成分を含むゴムラテックスと、水系溶媒にカルボキシ基を含有するセルロースナノファイバーを含有するセルロースナノファイバー水分散液と、少なくともアルミニウムイオン、亜鉛イオン及び鉄イオンのいずれかを含む不飽和カルボン酸塩と、を混合して混合液を得る工程と、
前記混合液を加熱して水分を減少させて第1混合物を得る工程と、
前記第1混合物を洗浄して前記第1混合物中のナトリウムイオンを減少させて第2混合物を得る工程と、
前記第2混合物を加熱して水分を減少させて第3混合物を得る工程と、
前記第3混合物を混練して複合材料を得る工程と、
を含み、
前記セルロースナノファイバーは、N-オキシル化合物を用いて酸化された酸化セルロースに由来するものを含む、複合材料の製造方法。
続きを表示(約 820 文字)
【請求項2】
前記ゴムラテックスは、アンモニアを0.01%以上含む天然ゴムラテックスである、請求項1に記載の複合材料の製造方法。
【請求項3】
前記混合液を得る工程において、ゴム成分100質量部に対し、前記セルロースナノファイバーが10質量部以上30質量部以下であり、
前記セルロースナノファイバーは、平均繊維径が2nm以上8nm以下であり、かつ、平均繊維長が200nm以上800nm以下であり、かつ、カルボキシ基の含有量が1.2mmol/g~1.7mmol/gであり、
前記混合液は、前記セルロースナノファイバーが含有するカルボキシ基に対して0.6倍当量以上7.0倍当量以下の前記不飽和カルボン酸塩を含む、請求項1または請求項2に記載の複合材料の製造方法。
【請求項4】
前記第3混合物を得る工程において、前記第3混合物の水分率が3%以下となるように前記第2混合物を加熱する、請求項1または請求項2に記載の複合材料の製造方法。
【請求項5】
前記複合材料は、70℃の水に前記複合材料を48時間浸漬する吸水試験における吸水率が10%以下である、請求項1または請求項2に記載の複合材料の製造方法。
【請求項6】
前記複合材料は、前記吸水試験前のJIS K6251に基づく引張試験の20%モジュラスの値に対する前記吸水試験後の前記引張試験の20%モジュラスの値の変化率が、-25%~+30%である、請求項5に記載の複合材料の製造方法。
【請求項7】
ゴム成分と、水系溶媒にカルボキシ基を含有するセルロースナノファイバーと、アルミニウムイオン、亜鉛イオン及び鉄イオンのいずれかを含む不飽和カルボン酸塩と、を含む複合材料であって、
前記複合材料を70℃の水に48時間浸漬する吸水試験における吸水率が10%以下である、複合材料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロースナノファイバーを含む複合材料の製造方法及び複合材料に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、SDGs(持続可能な開発目標)における環境負荷の少ない植物由来のセルロースナノファイバーが注目されている。こうした中、セルロースナノファイバーを繊維補強材として利用したゴム複合材料も提案されている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、セルロースナノファイバーは一般に水分散液として市場に提供されるため、ゴム成分の分散液(ラテックス)と混合した後に乾燥して固形物のゴム複合材料を得なければならない。そして、この乾燥工程の間にセルロースナノファイバー同士が結合して凝集しまうため、ゴム複合材料には多数の凝集塊が残りやすい。これらの凝集塊は、ゴム製品における引張強さや切断時伸びといった基礎物性に影響を及ぼすことがわかっている。
【0004】
そこで、セルロースナノファイバーの凝集塊を減少させ、ゴム製品に適用しやすいセルロースナノファイバーを含む複合材料の製造方法が提案されている(特許文献2)。
【0005】
特許文献2の複合材料の製造方法によれば、セルロースナノファイバーの凝集塊が少ない複合材料を製造することができ、かつ、複合材料をゴム製品のマスターバッチとして用いることでセルロースナノファイバーをゴム製品に適用しやすい。
【0006】
しかしながら、セルロースナノファイバーの凝集塊が少ない複合材料であっても吸水時に物性が低下する傾向があった。これは、水分によってセルロースナノファイバーの親水性基とゴム分子との相互作用が解除されることに起因すると考えられる。
【0007】
一方で、親水基である水酸基を疎水基に変換して疎水化したセルロースナノファイバーを用いることにより合成樹脂等のマトリクスとの相溶性を向上させて複合化する複合材料の製造方法も提案されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2017-95611号公報
国際公開2023/218814号
【非特許文献】
【0009】
黒木大輔著、「変性セルロースナノファイバーの開発状況」日本画像学会誌2016年第55巻第3号:369-374
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、セルロースナノファイバーを疎水化させてしまうと、セルロースナノファイバー同士が凝集しやすく解繊が困難となり、複合材料における物性が低下する。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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