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公開番号2025135806
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024033784
出願日2024-03-06
発明の名称制振装置
出願人株式会社フジタ,大和ハウス工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F16F 15/02 20060101AFI20250911BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】製造コストの高騰を抑制でき、制振対象である建物の構成部材の固有振動数の変化と外乱による構成部材の卓越周波数に応じて優れた振動低減効果を奏することのできる、制振装置を提供すること。
【解決手段】建物の構成部材Fの振動を減衰させる制振装置100であり、同調質量ダンパ10と制御ユニット80とを有し、同調質量ダンパ10はばねユニット30のばね剛性を調整する切替手段70を備え、制御ユニット80は、振動センサ60から取得した計測データに基づいて構成部材Fの振動の卓越周波数を特定し、マス50の質量と卓越周波数に基づいて制振に適したばねユニット30のばね剛性を特定して切替手段70を制御する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
建物の構成部材の振動を減衰させる、制振装置であって、
同調質量ダンパと、制御ユニットとを有し、
前記同調質量ダンパは、
前記構成部材に直接的もしくは間接的に設置される、架台と、
前記架台の上に設置されている、1つもしくは複数のメインばねと、複数のサブばねと、からなる、ばねユニットと、
前記ばねユニットに支持されている、マスと、
前記サブばねの下方と前記架台との固定と固定解除を切替える、切替手段とを備え、
前記架台の上には、振動センサが設置されており、
前記制御ユニットは、
前記振動センサから取得した計測データに基づいて、前記構成部材の振動の卓越周波数を特定し、前記マスの質量と該卓越周波数に基づいて、制振に適したばね剛性を特定し、該ばね剛性を備えた、1つもしくは複数の前記メインばねと、前記複数のサブばねの中の一部もしくは全部とからなる最適ばねユニットを特定し、該最適ばねユニットを形成するように前記切替手段を制御することを特徴とする、制振装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記切替手段は、
前記架台に搭載されて上下に昇降し、前記複数のサブばねの一部もしくは全部の下端に当接自在である、昇降台と、
前記昇降台を昇降させる、アクチュエータとを備え、
前記制御ユニットは、前記アクチュエータを作動させて前記昇降台を昇降させ、最適ばねユニットを形成する数の前記サブばねの下端に該昇降台を当接させることを特徴とする、請求項1に記載の制振装置。
【請求項3】
前記複数のサブばねは、長さが徐々に下方に向かって長くなる複数のサブばねであり、徐々に長さが変化するように順番に並んで前記ばねユニットを形成しており、
前記昇降台の上面が、水平な平坦面であることを特徴とする、請求項2に記載の制振装置。
【請求項4】
前記ばねユニットを形成する複数のサブばねの長さは全て同じであり、
前記昇降台の上面が、傾斜面もしくは階段状の面であることを特徴とする、請求項2に記載の制振装置。
【請求項5】
1つの前記メインばねの周囲に、複数の前記サブばねが周方向に間隔を置いて配設されることにより1つの前記ばねユニットが構成され、各サブばねに固有の前記昇降台が設けられている、もしくは、全てのサブばねに共通の1つの前記昇降台が設けられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の制振装置。
【請求項6】
複数の前記メインばねが間隔を置いて前記架台の上に搭載され、
複数の前記メインばねの間に、複数の前記サブばねが配設されることにより1つの前記ばねユニットが構成され、各サブばねに固有の前記昇降台が設けられている、もしくは、全てのサブばねに共通の1つの前記昇降台が設けられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の制振装置。
【請求項7】
前記制御ユニットは、前記卓越周波数と、前記同調質量ダンパの固有振動数とが一致するように、1つもしくは複数の前記メインばねと、前記複数のサブばねの中の一部もしくは全部からなる最適ばねユニットを特定し、該最適ばねユニットを形成するように前記切替手段を制御する、請求項3又は4に記載の制振装置。
【請求項8】
前記マスは連結部材に取り付けられ、該連結部材が前記ばねユニットに支持されており、
前記架台もしくは該架台から上方に立設する立設材に対して、前記連結部材の一端が回動自在もしくは回動不可に取り付けられ、該連結部材の他端側が前記ばねユニットに支持されており、
前記連結部材に対して前記マスが取り付けられている、キャンチレバー型の形態であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の制振装置。
【請求項9】
前記架台に対して、複数の前記ばねユニットが取り付けられ、前記マスが複数の該ばねユニットに支持されている、平型の形態であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の制振装置。
【請求項10】
制振対象の前記構成部材が床であり、
前記床に対して直接的もしくは間接的に、少なくとも前記同調質量ダンパが設置されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の制振装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、制振装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
建物(もしくは建築物)を構成する床等の構成部材には、環境振動等の外乱に起因する振動(上下方向の振動や水平方向の振動)が生じる。より具体的には、常時において、鉄道を含む車両の走行による交通振動や工場設備等の稼働時の振動、風荷重による振動、さらには室内の歩行による振動などの、所謂環境振動に起因する常時微動が生じ、このような床における常時の微動レベルの揺れ(加速度)を低減するべく、床や床を支持する梁等に対して制振装置を構成する同調質量ダンパ(TMD:Tuned Mass Damper、チューンド・マス・ダンパ)が設置される場合がある。
【0003】
同調質量ダンパは一般に、制振対象である建物の構成部材の質量と固有振動数に合わせてその固有振動数と減衰が設定され、設定された固有振動数となるようにその構成要素であるマスの質量とマスを支持するばねのばね剛性が設定される。通常、建物の構成部材に同調質量ダンパが設置された後は、同調質量ダンパの固有振動数は当初の設定値(一定値)に維持される。
【0004】
しかしながら、制振対象の構成部材の剛性の経年変化や、積載荷重等による構成部材の質量の変化等によって構成部材の固有振動数が変化することにより、同調質量ダンパによる振動減衰効果が低減し得る。そのため、同調質量ダンパの固有振動数は、上記するように一定値に維持される形態ではなく、構成部材の固有振動数の変化に応じて可変にできる形態が好ましい。また、同調質量ダンパの固有振動数が外乱による構成部材の卓越周波数に近くない場合においても、同調質量ダンパによる振動減衰効果が低減し得ることから、外乱による構成部材の卓越周波数に応じて同調質量ダンパの固有振動数を可変にできることが好ましい。
【0005】
以上のことから、固有振動数を可変にできる同調質量ダンパが望まれる。ここで、同調質量ダンパの固有振動数は、上記するようにマスの質量とばねのばね剛性によって設定されることから、マスの質量を変えること、もしくはばねのばね剛性を変えることによりその固有振動数の切替えが実現する。
【0006】
ここで、特許文献1には、主振動系たる住宅に対する副振動系として、複数の分割マスをそれぞれ弾性支持した分割マス型ダイナミックダンパを設置する住宅用制振装置の設置システムが提案されている。この設置システムは、住宅の固有振動数について予め2~8Hzの範囲内で分画設定した複数の住宅振動数領域ごとに、分割マスの数が2~8個で、固有振動数が0.1~0.8Hzの範囲内のピッチ幅で順に増加又は減少するように設定された分割マス型ダイナミックダンパを規格化しておき、個々の住宅に分割マス型ダイナミックダンパを設置する際に、当該住宅の住宅固有振動数が含まれる住宅振動数領域内の規格化された分割マス型ダイナミックダンパを選択して、住宅に設置するものである。
【0007】
また、特許文献2には、アクティブ床制振装置が提案されている。このアクティブ床制振装置は、制振対象床の振動を検知するためのセンサと、センサによる検知信号と制振対象の動特性モデルとから振動及び固体伝搬音を低減し得るアクチュエータ操作量を求めてアクチュエータを制御する制御器と、制御器により駆動制御されて加振力を生じるアクチュエータとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2003-120069号公報
特開2005-276118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載される住宅用制振装置の設置システムは、広範な住宅固有振動数に対応するべく、対応する振動数範囲が相互に異なる複数の分割マスを必須としており、様々な固有振動数に対応するためにマスの数が必然的に増加せざるを得ないといった課題がある。
【0010】
一方、特許文献2に記載されるアクティブ床制振装置は、センサにて振動を検知し、アクチュエータにてマスを動的に動かすアクティブマスダンパ(AMD:Active Mass Damper)であることから、作用する加振力を打ち消すようにアクチュエータを精緻に制御する必要が生じ、製造コストが高騰するといった課題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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