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公開番号
2025135668
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-19
出願番号
2024033545
出願日
2024-03-06
発明の名称
肌焼鋼及び肌焼鋼の製造方法
出願人
山陽特殊製鋼株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250911BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】冷間鍛造の際における変形抵抗のばらつきを十分に抑制した冷間鍛造性に優れる肌焼鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.14%以上0.35%以下、Si:0.05%以上1.00%以下、Mn:0.10%以上0.90%以下、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Cr:1.30%以上3.50%以下、Al:0.020%以上0.200%以下、Nb:0.02%以上0.10%以下、および、N:0.0040%以上0.0300%以下を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、球状化焼なましされた、フェライトと球状化炭化物の組織を有し、球状化炭化物の分散性を表す分散指数V
θ
が、V
θ
≦0.80を満たし、鋼材の圧延方向における任意の10か所で採取した試験片の、前記圧延方向に垂直な断面におけるロックウェル硬さの変動係数CVが、CV×100≦0.65を満たすことを特徴とする肌焼鋼。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、
C:0.14%以上0.35%以下、
Si:0.05%以上1.00%以下、
Mn:0.10%以上0.90%以下、
P:0.030%以下、
S:0.030%以下、
Cr:1.30%以上3.50%以下、
Al:0.020%以上0.200%以下、
Nb:0.02%以上0.10%以下、および、
N:0.0040%以上0.0300%以下
を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、
球状化焼なましされた、フェライトと球状化炭化物の組織を有し、
球状化炭化物の分散性を表す分散指数V
θ
が、V
θ
≦0.80を満たし、
鋼材の圧延方向における任意の10か所で採取した試験片の、前記圧延方向に垂直な断面におけるロックウェル硬さの変動係数CVが、CV×100≦0.65を満たすことを特徴とする肌焼鋼。
続きを表示(約 1,400 文字)
【請求項2】
前記Feの一部に代えて、
Ni:0.05%以上2.00%以下、
Mo:0.05%以上2.00%以下、
B:0.0010%以上0.0050%以下、
V:0.010%以上0.500%以下、および
Ti:0.020%以上0.200%以下
からなる群から選択される1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の肌焼鋼。
【請求項3】
前記分散指数V
θ
は、鋼材の前記圧延方向に平行な断面を50μm四方で5視野撮影し、前記5視野の画像ごとに求められる分散指数の算術平均値であり、
前記画像ごとに求められる前記分散指数は、
前記画像に含まれる球状化炭化物の数nと、前記画像の左上角を原点とするxy座標系における各球状化炭化物の重心位置の実座標と、を求め、
n個の球状化炭化物を前記画像内に等間隔に格子状に配置した場合の理想座標をそれぞれ求め、
前記理想座標と最も近い前記実座標との距離を、前記理想座標ごとに求め、
求めた前記距離の算術平均値を、隣接する理想座標間の距離である単位格子一辺の長さで除して求められる値であることを特徴とする請求項1または2に記載の肌焼鋼。
【請求項4】
前記理想座標はxj=j/(N+1)×50、yj=j/(N+1)×50で求められる(xj,yj)で表され、jは1からNの整数であって、Nは√nの小数点以下を切り上げた値であり、
前記画像の原点に最も近い座標から順番に設定されることを特徴とする請求項3に記載の肌焼鋼。
【請求項5】
前記単位格子一辺の長さ(L)は、L=50/(N+1)[μm]で求められることを特徴とする請求項4に記載の肌焼鋼。
【請求項6】
前記圧延方向に垂直な断面のロックウェル硬さが85HRB以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の肌焼鋼。
【請求項7】
請求項1または2に記載の肌焼鋼の製造方法であって、
圧延加工を行った鋼材に対して、A1変態点≦T1≦(A1変態点+40℃)を満たす保持温度T1[℃]に加熱して、1時間≦t≦6時間を満たす保持時間t[h]の間保持し、
(A1変態点-100℃)≦T2≦(A1変態点-40℃)を満たす温度T2[℃]まで、5℃/h以上40℃/h以下の冷却速度で冷却する球状化焼なまし工程を行うことを特徴とする肌焼鋼の製造方法。
【請求項8】
前記球状化焼なまし工程前の鋼材の組織におけるフェライトの結晶粒度番号が、8.0以上であることを特徴とする請求項7に記載の肌焼鋼の製造方法。
【請求項9】
請求項1または2に記載の肌焼鋼の製造方法であって、
圧延加工を行った鋼材に対して、(A1変態点-30℃)≦T≦A1変態点を満たす保持温度T[℃]に加熱して、t≧120/(T-A1変態点+50)を満たす保持時間t[h]の間保持する球状化焼なまし工程を行うことを特徴とする肌焼鋼の製造方法。
【請求項10】
前記球状化焼なまし工程前の鋼材の組織におけるフェライトの結晶粒度番号が、8.0以上であることを特徴とする請求項9に記載の肌焼鋼の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷間鍛造性に優れる肌焼鋼に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ギヤ、シャフト等の駆動系部品の製造工程には、製造コスト削減の観点から冷間鍛造が選択される場合がある。冷間鍛造用の肌焼鋼については、工具への負荷や形状を確保するために、変形抵抗の低さや割れにくさ等の材料特性(冷間鍛造性)が要求される。
【0003】
変形抵抗を低減するために、一般的には球状化焼なまし処理が実施される。しかし、変形抵抗が十分に低減できても、球状化焼なまし後の組織中において炭化物分布が不均一であると、冷間鍛造割れを十分に抑制できない場合がある。
【0004】
さらに、肌焼鋼を冷間鍛造して製造される部品に要求される特性としては、耐摩耗性や耐疲労特性がある。これらの特性を確保するため、冷間鍛造後に適宜浸炭処理が施されることがある。この浸炭処理として冷間鍛造後に直接浸炭処理を施す場合には、結晶粒の粗大化を引き起こす可能性がある。これは冷間鍛造の影響によって、浸炭昇温時にフェライトが一旦微細に再結晶する段階を経て微細なオーステナイト粒が形成されるためである。結晶粒粗大化は部品強度の低下や焼曲り発生の原因となるため、浸炭後に結晶粒が粗大化しにくい鋼であることも要求される。
【0005】
従来、このような冷間鍛造性の向上および結晶粒の粗大化抑制という課題に対して、種々の提案がなされてきた。たとえば、特許文献1では優れた冷間鍛造性を志向して、球状化焼なまし前組織におけるフェライトとパーライトの組織分率(面積分率)を85%以上とし、かつフェライト平均粒径を25μm以下とすることが提案されている。さらに、結晶粒粗大化抑制を志向して、AlNの第2相粒子を微細分散させることが提案されている。
【0006】
特許文献2では、化学成分の限定および熱処理方法の限定により、球状化焼なまし組織中のラメラーパーライトの面積率を3%以下とすることにより、結晶粒の粗大化を抑制することが提案されている。
【0007】
しかし、上記のような方法では球状化焼なまし組織中の炭化物分布の影響が考慮されておらず、炭化物分布の不均一を抑制できなかった。そのため、冷間鍛造割れや結晶粒粗大化を十分に抑制できない課題があった。この課題に対して、例えば特許文献3では、短径50nm以上かつアスペクト比3以下の炭化物が粒内析出しているフェライト粒の面積率が組織全体中の90%以上である機械構造用鋼が提案されている。これにより冷間加工時の割れが生じにくく、結晶粒粗大化が生じにくい機械構造用鋼を提供できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2013-082988号公報
特開2010-242209号公報
特許第7149131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の通り、特許文献3の機械構造用鋼により、冷間加工時の割れが抑制され、結晶粒粗大化を抑制できるが、冷間鍛造時の変形抵抗のばらつきを十分に抑制することはできなかった。
【0010】
本願は、冷間鍛造の際における変形抵抗のばらつきを十分に抑制した冷間鍛造性に優れる肌焼鋼を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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