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公開番号
2025132582
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-10
出願番号
2024030248
出願日
2024-02-29
発明の名称
含フッ素化合物の製造方法
出願人
国立大学法人北海道大学
,
株式会社メカノクロス
代理人
弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類
C07C
201/12 20060101AFI20250903BHJP(有機化学)
要約
【課題】実質的に有機溶媒を使用することなく、反応を高速化することができ、多種多様な基質に対しても適用可能であり、高収率で反応を進行させることが可能な、求核置換フッ素化反応を用いた含フッ素化合物の製造方法を提供すること。実質的に有機溶媒を使用することなく、反応を高速化することができ、多種多様な基質に対しても適用可能であり、取扱いが困難な試薬や高価な試薬を使用することなく、高収率で反応を進行させることが可能な、求核置換フッ素化反応を用いた含フッ素化合物の製造方法を提供すること。実質的に有機溶媒を使用することなく、出発原料の少なくとも1種、好ましくは2種以上が固体であっても反応を進めることができ、反応を高速化することができ、多種多様な基質に対しても適用可能であり、高収率で反応を進行させることが可能な、求核置換フッ素化反応を用いた含フッ素化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】式(I);A
1
-X
m
(I) で表され、式(I)中、A
1
は、置換基を有していてもよいm価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいm価の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいm価の複素環基、置換基を有していてもよいm価の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよいm価の不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかを表し、Xは、求核置換反応における脱離基を表し、Xが複数の場合互いに同じであっても異なっていてもよく、mは、1以上の整数である化合物を含む基質と、フッ素化剤を、溶媒の使用量が基質及びフッ素化剤の合計1mmol当たり0.8mL以下となる条件で、メカノケミカル法により反応させる、含フッ素化合物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式(I);
A
1
-X
m
(I)
で表され、式(I)中、A
1
は、置換基を有していてもよいm価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいm価の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいm価の複素環基、置換基を有していてもよいm価の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよいm価の不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかを表し、Xは、求核置換反応における脱離基を表し、Xが複数の場合互いに同じであっても異なっていてもよく、mは、1以上の整数である化合物を含む基質と、フッ素化剤を、溶媒の使用量が基質及びフッ素化剤の合計1mmol当たり0.8mL以下となる条件で、メカノケミカル法により反応させる、含フッ素化合物の製造方法。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
四級アンモニウム塩の存在下で反応させる、請求項1に記載の含フッ素化合物の製造方法。
【請求項3】
前記フッ素化剤が、1以上のアルカリ金属フッ化物及び/又は1以上のアルカリ土類金属フッ化物を含む、請求項1又は2に記載の含フッ素化合物の製造方法。
【請求項4】
前記含フッ素化合物が、式(II);
X
m-n
-A
1
-F
n
(II)
で表され、式(II)中、A
1
は、置換基を有していてもよいm価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいm価の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいm価の複素環基、置換基を有していてもよいn価の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよいm価の不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかを表し、Xは、求核置換反応における脱離基を表し、Xが複数の場合互いに同じであっても異なっていてもよく、mは、1以上の整数であり、nは、Fの数で1以上の整数であり、m-nは0又は1以上の数である化合物を含む、請求項1又は2に記載の含フッ素化合物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、含フッ素化合物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
含フッ素化合物、特に、芳香族フッ素化合物は、医薬品、農薬、液晶化合物、有機エレクトロルミネッセンス化合物、有機薄膜太陽電池、高分子化合物、オリゴマー、電解質、着色材料、エネルギー線吸収材料、情報記録材料、波長変換材料、インジケーター材料、センサー材料、有機発光ダイオード(OLED)、有機半導体材料等の機能性材料の開発において重要な役割を担っている。
【0003】
含フッ素化合物の製造方法としては、これまで、各種の有機化合物を原料とし、フッ素化剤として、フッ化水素等を用いる方法が用いられてきた。また、近年、求核置換反応、例えば、芳香族求核置換反応を利用して、有機化合物にフッ素原子を導入する方法が知られている。その中でも、フッ素アニオンを求核剤とした芳香族求核置換フッ素化反応は、電子不足な芳香族化合物のフッ素化法として重要な合成反応である。一般に、芳香族求核置換フッ素化反応としては、フッ素アニオンを有する試薬(フッ素化剤)を用い、高極性で高沸点な有機溶媒に反応物を溶かして反応をさせる方法がとられている。
【0004】
非特許文献1には、フッ化カリウムとテトラメチルアンモニウムクロライドを反応させて得られる無水フッ化テトラメチルアンモニウムをフッ素化剤として、芳香族求核置換フッ素化反応を行うことが開示されている。
非特許文献2には、フッ化カリウムと、トリブチルメチルアンモニウムやテトラフェニルホスホニウムクロライド等の添加促進剤を併用し、加熱下、ジメチルスルホキシド中で、3置換及び5置換ピコリン酸エステル基質の求核置換フッ素化反応を行うことが開示されている。
非特許文献3には、無水フッ化テトラメチルアンモニウムをフッ素化剤として、室温下、ジメチルホルムアミド中で、芳香族求核置換フッ素化反応を行うことが記載されている。
特許文献1には、芳香族ハロゲン化物の塩素又は臭素をフッ素で置換する方法として、高温・高圧条件下、ジメチルアセトアミドを溶媒として用い、フッ化アルカリを作用させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Y.Y.See, et al, Acc. Chem. Res.,2020,Vol.53,No.10, 2372-2383.
L.J.Allen, et al, Org. Process.Res. Dev. 2014, Vol.18, No.8,1045-1054.
S.D.Schimler, et al, J. Org. Chem.2015, Vol.80, No.24, 12137-12145.
【特許文献】
【0006】
特公昭55-10573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
含フッ素化合物の製造方法において、フッ素化剤としてフッ化水素等の毒性、腐食性等を有するものを用いる場合、特殊な装置や技術が必要であり、取扱性が悪いという問題があった。
また、含フッ素化合物の製造方法において、フッ素化剤としてフッ化アンモニウム塩を用いる場合には、高極性高沸点有機溶媒を用いた溶液反応条件において高温・長時間での反応を行う必要があることから、製造効率・製造コスト、作業環境への負荷、地球環境への負荷、使用後の有機溶媒の処理、高極性高沸点有機溶媒の分離、反応生成物の純度低下、精製効率等の点で改善の余地があった。さらに、フッ素化剤の使用に際して、厳密な脱水条件が必要である等の取扱性や実用性の点で改善の余地があった。
【0008】
有機溶媒を使用しないで、反応原料同士を直接接触させる有機合成方法は、有機溶媒を使用しない低環境負荷な合成方法として注目されており、学術的にも工業的にも興味深い。しかしながら、これまでに有機溶媒を実質的に使用することなく、求核置換フッ素化反応により含フッ素化合物を製造する方法についての報告はなされていない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題の1つは、実質的に有機溶媒を使用することなく、反応を高速化することができ、多種多様な基質に対しても適用可能であり、高収率で反応を進行させることが可能な、求核置換フッ素化反応を用いた含フッ素化合物の製造方法を提供することである。
本発明が解決しようとする課題の1つは、実質的に有機溶媒を使用することなく、反応を高速化することができ、多種多様な基質に対しても適用可能であり、取扱いが困難な試薬や高価な試薬を使用することなく、高収率で反応を進行させることが可能な、求核置換フッ素化反応を用いた含フッ素化合物の製造方法を提供することである。
本発明が解決しようとする課題の1つは、実質的に有機溶媒を使用することなく、出発原料の少なくとも1種、好ましくは2種以上が固体であっても反応を進めることができ、反応を高速化することができ、多種多様な基質に対しても適用可能であり、高収率で反応を進行させることが可能な、求核置換フッ素化反応を用いた含フッ素化合物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、特定の条件の下でメカノケミカル法により芳香族求核置換フッ素化反応を行うことで、上記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の含フッ素化合物の製造方法に係るものである。
[項1]式(I);
A
1
-X
m
(I)
で表され、式(I)中、A
1
は、置換基を有していてもよいm価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいm価の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいm価の複素環基、置換基を有していてもよいm価の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよいm価の不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかを表し、Xは、求核置換反応における脱離基を表し、Xが複数の場合互いに同じであっても異なっていてもよく、mは、1以上の整数である化合物を含む基質と、フッ素化剤を、溶媒の使用量が基質及びフッ素化剤の合計1mmol当たり0.8mL以下となる条件で、メカノケミカル法により反応させる、含フッ素化合物の製造方法。
[項2]四級アンモニウム塩の存在下で反応させる、項1に記載の含フッ素化合物の製造方法。
[項3]前記フッ素化剤が、1以上のアルカリ金属フッ化物及び/又は1以上のアルカリ土類金属フッ化物を含む、項1又は2に記載の含フッ素化合物の製造方法。
[項4]前記含フッ素化合物が、式(II);
X
m-n
-A
1
-F
n
(II)
で表され、式(II)中、A
1
は、置換基を有していてもよいm価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいm価の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいm価の複素環基、置換基を有していてもよいn価の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよいm価の不飽和脂肪族炭化水素基のいずれかを表し、Xは、求核置換反応における脱離基を表し、Xが複数の場合互いに同じであっても異なっていてもよく、mは、1以上の整数であり、nは、Fの数で1以上の整数であり、m-nは0又は1以上の数である化合物を含む、項1~3のいずれか1項に記載の含フッ素化合物の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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