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公開番号2025131221
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-09
出願番号2024028830
出願日2024-02-28
発明の名称物品搬送設備
出願人株式会社ダイフク
代理人弁理士法人R&C
主分類B60L 58/12 20190101AFI20250902BHJP(車両一般)
要約【課題】充電以外の目的で待機搬送車を移動させる場合に、待機搬送車の移動先を適切に設定することが可能な技術の実現が望まれる。
【解決手段】搬送車1の運行状態には、物品を受け取り又は物品を引き渡すために設定された目的地である搬送目的地へ向かって移動する第1状態と、搬送目的地が設定されていない第2状態と、が含まれる。第2状態の搬送車1を待機搬送車として、制御システム30は、待機搬送車の移動先を決定する場合に、待機搬送車が備える蓄電装置52の蓄電量を示す蓄電量情報を取得し、蓄電量が設定値以上である場合には、給電エリアか非給電エリアかに関係なく移動先を決定し、蓄電量が設定値未満である場合には、給電エリアに限定して移動先を決定する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
移動可能経路を移動して物品を搬送する複数の搬送車と、前記搬送車を制御する制御システムと、を備えた物品搬送設備であって、
前記移動可能経路には、前記搬送車に電力を供給する給電装置が設けられた給電エリアと、前記給電装置が設けられていない非給電エリアと、が含まれ、
前記搬送車は、蓄電装置と、前記給電装置から受電する受電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電力及び前記受電装置で受電した電力の少なくとも一方により駆動される駆動装置と、を備え、
前記搬送車の運行状態には、前記物品を受け取り又は前記物品を引き渡すために設定された目的地である搬送目的地へ向かって移動する第1状態と、前記搬送目的地が設定されていない第2状態と、が含まれ、
前記第2状態の前記搬送車を待機搬送車として、
前記制御システムは、前記待機搬送車の移動先を決定する場合に、
前記待機搬送車が備える前記蓄電装置の蓄電量を示す蓄電量情報を取得し、
前記蓄電量が設定値以上である場合には、前記給電エリアか前記非給電エリアかに関係なく前記移動先を決定し、
前記蓄電量が前記設定値未満である場合には、前記給電エリアに限定して前記移動先を決定する、物品搬送設備。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記制御システムは、前記搬送車の移動経路を決定する場合に、前記搬送車の移動時間に影響を及ぼす要因についての値であって前記移動時間が長くなるに従って大きくなるコストを用いて、複数の経路の中から前記コストが小さくなる経路を優先的に前記移動経路として決定するように構成され、
前記制御システムは、前記待機搬送車の前記移動経路を決定する場合に、前記待機搬送車の前記蓄電量が第2設定値未満である場合には、前記蓄電量が前記第2設定値以上である場合に比べて、前記非給電エリアを通る経路の前記コストを大きくする処理、及び、前記給電エリアを通る経路の前記コストを小さくする処理、の少なくとも一方を含むコスト調整処理を実行する、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記コストは、
前記搬送車の移動距離が長くなるに従って大きくなる距離コストと、
前記移動可能経路の構造に応じて前記搬送車の移動可能速度が低くなるに従って大きくなる構造コストと、
前記搬送車の前記移動経路に存在する渋滞の長さ及び当該渋滞に含まれる前記搬送車の台数の少なくとも一方が大きくなるに従って大きくなる渋滞コストと、
前記搬送車の前記移動経路に存在する他の前記搬送車の台数が多くなるに従って大きくなる他車コストと、の少なくとも1つを含む、請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記第1状態の前記搬送車を稼働搬送車として、
前記制御システムは、前記稼働搬送車の移動経路に存在する前記待機搬送車を対象として、前記待機搬送車の前記移動先の決定を行う、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記制御システムは、前記移動可能経路の全体を分割して設定された複数の制御エリアのそれぞれに存在する前記待機搬送車の台数が、それぞれの前記制御エリア毎に設定された範囲内となるように、前記待機搬送車の前記移動先の決定を行う、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記制御システムは、前記待機搬送車が前記非給電エリア内の前記移動先へ向けて移動中に、当該待機搬送車の前記蓄電量が前記設定値未満になった場合には、当該待機搬送車の前記移動先を前記給電エリア内の位置に変更する移動先変更処理を実行する、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、移動可能経路を移動して物品を搬送する複数の搬送車と、搬送車を制御する制御システムと、を備えた物品搬送設備に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
上記のような物品搬送設備の一例が、特開2012-38134号公報(特許文献1)に開示されている。以下、この背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。特許文献1に記載の物品搬送設備は、移動可能経路を移動して物品を搬送する搬送車としての天井走行車(16)と、搬送車を制御する制御システムとしての地上側コントローラ(20)と、を備えている。天井走行車(16)は2次電池(28)を備えており、天井走行車(16)が備える走行モータ(60)及び移載系モータ(61)は、2次電池(28)に蓄えられた電力により駆動されると共に、非接触給電線(14)のある区間では非接触給電線(14)からの電力により駆動される(段落0024)。そして、地上側コントローラ(20)は、2次電池(28)の残容量が低下した天井走行車(16)に対して、充電ベイルート(8)へ走行し充電することや、ルート(4,6)における非接触給電線(14)が設けられた直線区間で充電することを指示するように構成されている(段落0020)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-38134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品を受け取り又は物品を引き渡すために設定された目的地である搬送目的地へ向かって移動する運行状態の搬送車を「稼働搬送車」とし、搬送目的地が設定されていない運行状態の搬送車を「待機搬送車」として、待機搬送車を、当該搬送車が備える蓄電装置の充電以外の目的で移動させる場合がある。このように充電以外の目的で待機搬送車を移動させる場合、移動先へ移動した待機搬送車がその後稼働搬送車となった際に当該搬送車による物品の搬送を適切に行えるように、待機搬送車の移動先を適切に設定することが望まれる。しかしながら、特許文献1には、蓄電量が低下した搬送車を充電可能な場所で充電することが記載されているのみで、充電以外の目的で待機搬送車を移動させることについての記載はない。
【0005】
そこで、充電以外の目的で待機搬送車を移動させる場合に、待機搬送車の移動先を適切に設定することが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る物品搬送設備は、移動可能経路を移動して物品を搬送する複数の搬送車と、前記搬送車を制御する制御システムと、を備えた物品搬送設備であって、前記移動可能経路には、前記搬送車に電力を供給する給電装置が設けられた給電エリアと、前記給電装置が設けられていない非給電エリアと、が含まれ、前記搬送車は、蓄電装置と、前記給電装置から受電する受電装置と、前記蓄電装置に蓄えられた電力及び前記受電装置で受電した電力の少なくとも一方により駆動される駆動装置と、を備え、前記搬送車の運行状態には、前記物品を受け取り又は前記物品を引き渡すために設定された目的地である搬送目的地へ向かって移動する第1状態と、前記搬送目的地が設定されていない第2状態と、が含まれ、前記第2状態の前記搬送車を待機搬送車として、前記制御システムは、前記待機搬送車の移動先を決定する場合に、前記待機搬送車が備える前記蓄電装置の蓄電量を示す蓄電量情報を取得し、前記蓄電量が設定値以上である場合には、前記給電エリアか前記非給電エリアかに関係なく前記移動先を決定し、前記蓄電量が前記設定値未満である場合には、前記給電エリアに限定して前記移動先を決定する。
【0007】
例えば、稼働搬送車(第1状態の搬送車)の移動を円滑にするためや、新たな物品の搬送のために複数の待機搬送車(第2状態の搬送車)を分散させて配置するため等の、充電以外の目的で、待機搬送車を移動させる場合がある。本構成によれば、このように充電以外の目的で待機搬送車を移動させる場合に、当該待機搬送車の蓄電量に応じて適切な移動先を決定することができる。具体的には、待機搬送車の蓄電量が多い場合には、待機搬送車が移動先で蓄電量が不足する状態となり難いため、給電エリアに限定せずに移動先を決定し、待機搬送車の蓄電量が少ない場合には、待機搬送車が移動先で蓄電量が不足する状態となり難くするために、蓄電装置を充電可能な給電エリアに限定して移動先を決定することができる。従って、待機搬送車の蓄電量の大小によらず、移動先へ移動した待機搬送車の蓄電量が不足する状態を生じ難くすることができ、移動先へ移動した待機搬送車がその後稼働搬送車となった際に当該搬送車による物品の搬送を適切に行うことが可能となる。以上のように、本構成によれば、充電以外の目的で待機搬送車を移動させる場合に、待機搬送車の移動先を適切に設定することが可能となる。
【0008】
物品搬送設備の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
物品搬送設備のレイアウトの一例を示す図
搬送車の一例を示す側面図
搬送車の一例を示す正面図
実施形態に係る制御ブロック図
追い出し処理の説明図
バランス処理の説明図
移動可能経路をノード及びリンクで表した図
コスト調整処理の非実行時における移動経路の探索結果を示す図
コスト調整処理の実行時における移動経路の探索結果を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
物品搬送設備の実施形態について、図面を参照して説明する。図1及び図4に示すように、物品搬送設備100は、移動可能経路40を移動して物品2(図2参照)を搬送する複数の搬送車1と、搬送車1を制御する制御システム30と、を備えている。本明細書で開示する制御システム30の種々の技術的特徴は、搬送車1を制御する方法や、搬送車1を制御するためのプログラム(コンピュータを制御システム30として機能させるためのプログラム)にも適用可能であり、そのような方法やプログラム、更には、そのようなプログラムが記憶された記憶媒体(例えば、光ディスクのフラッシュメモリ等の、コンピュータが読み取り可能な記録媒体)も、本明細書によって開示される。物品2(図2参照)は、例えば、半導体ウエハを収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)とされる。
(【0011】以降は省略されています)

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