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公開番号2025130241
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-08
出願番号2024027271
出願日2024-02-27
発明の名称熱硬化性組成物、熱硬化性シート、熱伝導性シート、複合成形体、放熱積層体、放熱性回路基板、半導体装置及びパワーモジュール
出願人三菱ケミカル株式会社
代理人弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
主分類C08L 101/00 20060101AFI20250901BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】無機フィラー及び熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性組成物に関し、硬化前の状態の熱硬化性組成物の脆さを改善し、カットしても欠けたり、割れたりするのを抑えることができ、それでいて熱伝導性の低下を抑制することができる、新たな熱硬化性組成物を提供する。
【解決手段】無機フィラー及び熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性組成物であり、無機フィラーは2種類以上含有しており、そのうちの一種の無機フィラー(「第1無機フィラー」と称する)の含有量が、熱硬化性組成物中の固形分の60質量%以上85質量%以下であり、別の一種の無機フィラー(「第2無機フィラー」と称する)は、一次粒子径が1nm以上100nm未満であるアルミナ粒子であり、その含有量が、熱硬化性組成物中の固形分の0.01質量%以上10質量%以下である、熱硬化性組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
無機フィラー及び熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性組成物であり、
前記無機フィラーとして2種類以上の無機フィラーを含有しており、そのうちの一種の無機フィラー(「第1無機フィラー」と称する)の含有量が、熱硬化性組成物中の固形分の60質量%以上85質量%以下であり、別の一種の無機フィラー(「第2無機フィラー」と称する)は、一次粒子径が1nm以上100nm未満であるアルミナ粒子であり、その含有量が、熱硬化性組成物中の固形分の0.01質量%以上10質量%以下である、熱硬化性組成物。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記第2無機フィラーのBET比表面積が20m

/g以上500m

/g以下である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項3】
前記第2無機フィラーの含有量が、熱硬化性組成物中の固形分の0.1質量%以上5質量%以下である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項4】
前記第1無機フィラーが窒化ホウ素凝集粒子である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項5】
前記第1無機フィラーの平均粒子径が10μm以上100μm以下である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項6】
前記第1無機フィラーのBET比表面積に対する、前記第2無機フィラーのBET比表面積の比率が6以上150以下である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項7】
前記第1無機フィラーの一次粒子長径に対する、前記第2無機フィラーの一次粒子径の比率が0.001以上0.01以下である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項8】
前記第1無機フィラーの平均粒子径に対する、前記第2無機フィラーの一次粒子径の比率が0.0001以上0.001以下である、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項9】
前記熱硬化性樹脂として、25℃で液状のエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
【請求項10】
前記液状のエポキシ樹脂の含有量が、熱硬化性組成物の固形分から無機フィラーを除いた樹脂成分中の8質量%以上60質量%以下である、請求項9に記載の熱硬化性組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化後に熱伝導性を発揮する熱硬化性組成物、熱硬化性シート、当該熱硬化性シートの硬化物からなる熱伝導性シート、当該熱硬化性シートや当該熱伝導性シートを備えた複合成形体、並びに、当該熱伝導性シートを備えた放熱積層体、放熱性回路基板、半導体装置及びパワーモジュールに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、鉄道・自動車・産業用、一般家電用等の様々な分野で使用されているパワー半導体デバイスは、更なる小型化・低コスト化・高効率化等の為に、従来のSiパワー半導体から、SiC、AlN、GaN等を使用したパワー半導体へ移行しつつある。
パワー半導体デバイスは、一般的には、複数の半導体デバイスを共通のヒートシンク上に配してパッケージングしたパワー半導体モジュールとして利用される。
【0003】
このようなパワー半導体デバイスの実用化に向けて、種々の課題が指摘されているが、そのうちの一つにデバイスからの発熱の問題がある。パワー半導体デバイスは、高温で作動させることにより高出力・高密度化が可能となる一方、デバイスのスイッチングなどに伴う発熱は、パワー半導体デバイスの信頼性を低下させることが懸念されている。
【0004】
また、近年、電気・電子分野において、集積回路の高密度化に伴う発熱が大きな問題となっており、これらの分野でも、いかに熱を放散するかが緊急の課題となっている。例えば、パソコンの中央演算装置、電気自動車のモーター等の制御に用いられる半導体装置の安定動作を行う際、放熱のためにヒートシンク、放熱フィン等が不可欠になっており、半導体装置とヒートシンク等とを結合する部材として、熱伝導性及び絶縁性を両立可能な部材が求められている。
【0005】
熱伝導性及び絶縁性を両立可能な部材として、従来から、アルミナ基板や窒化アルミニウム基板などの熱伝導性の高いセラミック基板が使用されてきた。しかし、セラミックス基板では、衝撃で割れやすい、薄膜化が困難で小型化が難しい、といった課題を抱えていた。
そこで、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と無機フィラーを用いた熱伝導性シート(「放熱シート」とも称される)が提案されている。
【0006】
熱硬化性樹脂と無機フィラーを用いた熱伝導性シートに関しては、例えば特許文献1において、Tgが60℃以下のエポキシ樹脂と窒化ホウ素を含有する放熱樹脂シートであって、窒化ホウ素の含有量が30体積%以上、60体積%以下である放熱樹脂シートが提案されている。
【0007】
窒化ホウ素(以下「BN」とも称する。)は、絶縁性のセラミックであり、熱伝導性、固体潤滑性、化学的安定性、耐熱性に優れるという特徴を有することから、近年、電気・電子材料分野で特に着目されている材料である。
【0008】
特許文献2には、熱硬化性樹脂と、窒化ホウ素の二次焼結粒子とを含む熱伝導性シート用樹脂組成物であって、熱伝導性シートの121℃でのプレッシャークッカーテストにおける72時間後の抽出水のpHが6.5以上8.5以下となるように両性酸化物のナノ粒子を配合することを特徴とする熱伝導性シート用樹脂組成物が開示されている。
【0009】
特許文献3には、信頼性に優れた半導体装置を安定的に製造でき、保存安定性に優れた熱硬化性組成物として、エポキシ樹脂、熱伝導性フィラー、動的光散乱法による平均粒子径D50が1~100nmのシリカナノ粒子を含み、上記シリカナノ粒子の含有量が、当該熱硬化性組成物の全固形分100質量%に対し、0.3~2.5質量%であり、上記熱伝導性フィラーは、鱗片状窒化ホウ素の一次粒子により構成されている二次凝集粒子を含む熱硬化性組成物が開示されている。
【0010】
特許文献4には、熱伝導性をさらに高めるために、窒化ホウ素の凝集粒子の含有量をある程度増やしても、塗布面すなわち樹脂シート表面の凸凹を抑制することができる熱硬化性組成物として、熱硬化性樹脂、熱伝導性フィラー及びシリカナノ粒子を含む熱硬化性組成物であって、シリカナノ粒子の平均粒子径が1nm以上100nm以下であり、シリカナノ粒子の含有量が、当該熱硬化性組成物の全固形分100質量%に対し、2.5質量%より多く10質量%以下であり、前記熱伝導性フィラーは、窒化ホウ素の凝集粒子を含み、前記凝集粒子の平均粒子径は5μm以上100μm以下であり、前記熱伝導性フィラーの含有量は、当該熱硬化性組成物の全固形分100質量%に対し、60質量%以上85質量%以下である、熱硬化性組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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