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公開番号
2025127257
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-01
出願番号
2024023883
出願日
2024-02-20
発明の名称
味覚検査用キットおよび味覚検査法
出願人
国立大学法人鳥取大学
,
地方独立行政法人鳥取県産業技術センター
,
独立行政法人労働者健康安全機構
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
A61B
10/00 20060101AFI20250825BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】新規の味覚検査用キットおよび味覚検査法を提供する。
【解決手段】互いに異なる味質の複数の味覚検査用組成物のセットを含む、味覚検査用キットであって、味覚検査用組成物は、それぞれ、対応する味質成分を含む錠剤の形態であるキットが提供される。味覚検査用キットの製造方法も提供される。(a)互いに異なる味質の複数の味覚検査用組成物、(b)同じ味質成分を互いに異なる濃度で含む複数の味覚検査用組成物、または(c)aおよびbの両方を、順次、被検者の舌に接触させることを含み、味覚検査用組成物は、それぞれ、対応する味質成分を含む錠剤の形態である、味覚検査方法も提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
互いに異なる味質の複数の味覚検査用組成物のセットを含む、味覚検査用キットであって、前記味覚検査用組成物は、それぞれ、対応する味質成分を含む錠剤の形態である、キット。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記互いに異なる味質のうちの少なくとも1種類または全種類について、それぞれ、味質成分の濃度が互いに異なる複数の味覚検査用組成物を含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
少なくとも4種類の味質の味覚検査用組成物を含み、各味質の種類について、味質成分の濃度が互いに異なる少なくとも5つの味覚検査用組成物を含む、請求項2に記載のキット。
【請求項4】
複数の味覚検査用組成物のセットを含む、味覚検査用キットであって、前記複数の味覚検査用組成物は、同じ味質成分を互いに異なる濃度で含む錠剤の形態である、キット。
【請求項5】
前記錠剤は、セルロース、セルロースエーテル、またはそれらの組合せを賦形剤とする錠剤である、請求項1~4のいずれか一項に記載のキット。
【請求項6】
前記複数の味質は、甘味、塩味、酸味、苦味、およびうま味からなる群から選択される少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、またはそれら全種類を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のキット。
【請求項7】
前記味質成分は、甘味、塩味、酸味、苦味、およびうま味からなる群から選択される味質の成分である、請求項4に記載のキット。
【請求項8】
味覚検査用キットの製造方法であって、
第1の量の第1の味質成分と賦形剤との混合物を圧縮成形して錠剤を作製すること、ならびに、
(i)前記第1の量とは異なる少なくとも1つの別の量の前記第1の味質成分と賦形剤との混合物を圧縮形成して少なくとも1つの別の錠剤を作製すること、
(ii)前記第1の味質成分とは異なる少なくとも1つの別の種類の味質成分と賦形剤との混合物を圧縮形成して少なくとも1つの別の錠剤を作製すること、または
(iii)前記iとiiの両方
を含むことにより、複数の錠剤を含む味覚検査用キットを製造することを含む、方法。
【請求項9】
味覚検査方法であって、
(a)互いに異なる味質の複数の味覚検査用組成物、
(b)同じ味質成分を互いに異なる濃度で含む複数の味覚検査用組成物、または
(c)前記aおよびbの両方
を、順次、被検者の舌に接触させることを含み、前記味覚検査用組成物は、それぞれ、対応する味質成分を含む錠剤の形態である、味覚検査方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、味覚異常または味覚能力について被検者を検査する味覚検査の分野に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
2019年から数年間にわたり世界中で流行しパンデミックを引き起こした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を特徴付ける症状の一つが、味覚障害であり、かつてないほど多数の人々が同時期に味覚障害に苦しむという奇怪な状況が生まれた。多くの感染者は、発熱等の主症状が去った後も、味覚が戻らないという後遺症に苦しんだ。
【0003】
臨床的に使用される古典的な味覚検査として、電気味覚検査法がある。正常な被検者の舌の異なる部位を微弱な電流で刺激すると、被検者は金属味と酸味が混じったような独特の味を感じることができる。電気味覚検査法はこの現象を利用して味覚障害の有無、程度、部位等を調べることができる。しかし電気味覚検査法は特殊な機器の使用を要するし、例えば異なる味質に関する障害を見分ける定性試験には有用ではない。
【0004】
より簡便でありかつ定性試験も可能な味覚検査法として日本の臨床の場で多用されてきたのが、濾紙ディスク法である(非特許文献1)。濾紙ディスク法では、小さな濾紙ディスク(例えば直径5mm)に、典型的には甘味、塩味、酸味、苦味の4種類のセットから選択されるいずれかの標準試液を滴下して湿らせ、その湿らせた濾紙ディスクを被検者の舌の被検部位に置く。被検者は、どの種類の味を感じるか、あるいは感じないかを答える。通常はその際、被検者は口を開けたままであるが、印刷された味質指示表を指差すこと等によって答えることができる。ある味質について、通常ならば感じられるはずの味を感じることができない場合は、その味質についての味覚障害が示唆される。各味質について、味質成分の濃度が異なる複数の標準試液が用意されており、濃度を次第に上げていきながら上記試験を繰り返して、どこまで濃度を上げればその味を感じることができるか、すなわち認知閾値を見ることによって、各味質についての味覚障害または味覚能力の程度の定量を行うこともできる。また、舌上のどの部位に濾紙ディスクを置くかによって、味覚障害の部位を特定することもできる。
【0005】
COVID-19の流行中、濾紙ディスク法による味覚検査用の試薬が品薄になって入手しにくくなるという問題が日本全国で起こった。濾紙ディスク法の試薬である標準試液は、異なる濃度の糖(甘味の場合)等に見合った量の保存剤や防腐剤を加えると雑味を生じる可能性もあって典型的には安定化剤や防腐剤を伴わず純粋な味質成分物質を純水に溶解したものであるため、長期保存や大量保存には不向きであり、いったん供給が途切れると急速に品不足が広がったと見られる。多数の味覚障害患者が来院し続けるなか、薬事承認されている味覚検査用試薬が供給停止となる状況は思いがけず深刻な問題となり、暫定措置として令和4年12月8日には、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会がとりまとめた「濾紙ディスク法による味覚定量検査における味質液の標準的な調製方法」の詳細な説明が厚生労働省から各都道府県に連絡されたほどである。
【0006】
濾紙ディスク法はまた、標準試液を収容し保存するための容器およびフタ、個々の濾紙片を衛生的に扱うためのピンセット、試験液滴下のためのピペット等を含む器具を要し、そしてこれらの器具は、一般的汚染、人体からの/人体への汚染、および試験液同士の相互混入を防ぐために慎重な扱いを必要とする。
【0007】
濾紙ディスク法および電気味覚検査法の他の味覚検査としては、濾紙ディスクではなく綿棒を使う方法、濾紙片を舌上に置くのではなく被検者に舐めさせる方法、ピペットで試験液を直接舌に滴下する点滴法、比較的多量の試験液を口全体に含ませる全口腔法、試験液を収容して還流させるための一定面積の容器を舌に載せる方法などが知られており、これらの方法も非特許文献1に記載されている。これらの方法もそれぞれ、試薬の保存性の低さ、コンタミネーションの可能性、操作の煩雑さ、精度もしくは再現性の低さ等の短所を有し得、それらの短所のいくつかは濾紙ディスク法と共通し得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
日本耳鼻咽喉科学会会報 83 (9), 1071-1082, 1980
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の実施形態は、新規の味覚検査用キットおよび味覚検査法を提供することを課題とする。本開示の実施形態は特に、従来の味覚検査法の欠点を補完する、および/または少なくとも部分的に克服する、代替的な味覚検査用キットおよび味覚検査法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は以下の実施形態を含む。
[1]
互いに異なる味質の複数の味覚検査用組成物のセットを含む、味覚検査用キットであって、前記味覚検査用組成物は、それぞれ、対応する味質成分を含む錠剤の形態である、キット。
[2]
前記互いに異なる味質のうちの少なくとも1種類または全種類について、それぞれ、味質成分の濃度が互いに異なる複数の味覚検査用組成物を含む、[1]に記載のキット。
[3]
少なくとも4種類の味質の味覚検査用組成物を含み、各味質の種類について、味質成分の濃度が互いに異なる少なくとも5つの味覚検査用組成物を含む、[2]に記載のキット。
[4]
複数の味覚検査用組成物のセットを含む、味覚検査用キットであって、前記複数の味覚検査用組成物は、同じ味質成分を互いに異なる濃度で含む錠剤の形態である、キット。
[5]
前記錠剤は、セルロース、セルロースエーテル、またはそれらの組合せを賦形剤とする錠剤である、[1]~[4]のいずれか一項に記載のキット。
[6]
前記複数の味質は、甘味、塩味、酸味、苦味、およびうま味からなる群から選択される少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、またはそれら全種類を含む、[1]~[3]、[5]のいずれか一項に記載のキット。
[7]
前記味質成分は、甘味、塩味、酸味、苦味、およびうま味からなる群から選択される味質の成分である、[4]または[5]に記載のキット。
[8]
味覚検査用キットの製造方法であって、
第1の量の第1の味質成分と賦形剤との混合物を圧縮成形して錠剤を作製すること、ならびに、
(i)前記第1の量とは異なる少なくとも1つの別の量の前記第1の味質成分と賦形剤との混合物を圧縮形成して少なくとも1つの別の錠剤を作製すること、
(ii)前記第1の味質成分とは異なる少なくとも1つの別の種類の味質成分と賦形剤との混合物を圧縮形成して少なくとも1つの別の錠剤を作製すること、または
(iii)前記iとiiの両方
を含むことにより、複数の錠剤を含む味覚検査用キットを製造することを含む、方法。
[9]
味覚検査方法であって、
(a)互いに異なる味質の複数の味覚検査用組成物、
(b)同じ味質成分を互いに異なる濃度で含む複数の味覚検査用組成物、または
(c)前記aおよびbの両方
を、順次、被検者の舌に接触させることを含み、前記味覚検査用組成物は、それぞれ、対応する味質成分を含む錠剤の形態である、味覚検査方法。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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