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公開番号2025124330
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-26
出願番号2024020303
出願日2024-02-14
発明の名称段差通過を容易にする車輪構造
出願人個人
代理人
主分類B60B 33/00 20060101AFI20250819BHJP(車両一般)
要約【課題】運搬物などを載せた本体構造や車椅子を、前進および後退させる際、路面の突起や段差を乗り越えるために要する力を低減し、衝撃力を低減できる、簡易な構造で、日常のメインテナンスの必要が無い車輪構造を提供する。
【解決手段】車輪20の自由な回転をガイドする複数個のローラーを、一対の円板形側板50の間に固定取り付けし、前記一対の円板形側板50に穿孔した多角形の穴と、運搬物などを載せる本体構造や車椅子に取り付けるための支持部材40の支持部材脚部40aに穿孔した多角形の穴の位置を合わせ、多角形支持軸41を挿通して固定し、相対的に動かないように構成した車輪構造10とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一対の円板形側板50に固定取り付けした複数のローラーに案内されて、車輪20を相対的に回転可能に支持する車輪構造10であって、支持部材脚部40aに多角形の穴50aを穿孔し、一対の円板形側板50の車輪回転中心Qの鉛直上方に前記多角形の穴50aと同じ大きさの多角形の穴50aを穿孔し、前記支持部材脚部40aの間に配置し、前記支持部材脚部40aに穿孔した多角形の穴50aと位置を合わせて多角形支持軸41を挿通し、支持部材40と円板形側板50が相対的に動かないように固定取り付けしたことを特徴とする車輪構造10。
続きを表示(約 220 文字)【請求項2】
一対の円板形側板50の間に、車輪穿孔部内壁20aに当接する複数のローラーを配置し、ローラーB31を車輪回転中心Qの鉛直最下端に配置し、ローラーA30を車輪回転中心Qを通る水平線から所定角度θ

上方に配置し、ローラーC32を車輪回転中心Qを通る水平線から所定角度θ

上方に配置して前記一対の円板形側板50に固定取り付けしたことを特徴とする請求項1に記載した車輪構造10。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、運搬物などを載せる本体構造の下に取り付け、前後方向への移動を可能にするために用いるもので、移動に際しての障害となる、路面の突起や段差を乗り越える時に要する力を低減する車輪構造に関するものである。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
人力で移動させる運搬台車や車椅子などでは、走行路面上の突起や段差を乗り越える際に大きな力が必要となり困難を伴う場合がある。更に、突起や段差を乗り越えるために勢いをつけて走行させると、突起や段差に当たった瞬間に衝撃力が発生し、この衝撃力によって運搬台車に積載した物品の荷崩れを起こしたり、車椅子の搭乗者に不快感を与えたりするという問題がある。
【0003】
この改善策として、幾つかの提案がなされており、例えば特許文献1には、車輪構造体を外輪と内輪の組み合わせで構成し、前記外輪が段差端面に当接した後、前記内輪を前記外輪に対して相対的に回転させ、車軸を前記外輪の回転中心に対して進行方向前方・上方に偏心させ、段差の乗り越えに要する力を低減することが可能となるとした車輪構造体が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、移動体用車輪を外輪となるタイヤ部材と、内輪となる支持部材の組み合わせで構成し、前記タイヤ部材と前記支持部材の間に軸受けを嵌装し、前記タイヤ部材と前記支持部材が相対的に回転可能とし、前記支持部材に径中心から鉛直下方に離れた位置に車軸を配置し、前記タイヤが段差に当接すると車軸が進行方向へ押され、前記支持部材が進行方向に向かって回動し、前記車軸が進行方向上方へ移動し、段差を容易に乗り越えることができるとした移動体用車輪が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、車輪装置を外輪となるタイヤと、内輪となるホイールの組み合わせで構成し、前記タイヤと前記ホイールの間にコロまたは転がり軸受を嵌装し、前記タイヤと前記ホイールが相対的に回転可能とし、前記ホイールには径中心から進行方向へ向かって斜め上向きの円弧状の穴が穿孔され、車軸が前記円弧状の穴に沿って移動可能な構造とし、前記タイヤが段差に当接すると、前記円弧状の穴に沿って前記車軸が進行方向に向かって移動し、段差を乗り越える為の回動中心に前記車軸が近付くようにしているので、段差乗り越えに要する力を小さくできるとした車輪装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献4には、キャスターを外輪と内輪の組み合わせで構成し、前記外輪の内径を前記内輪の外径より大きくし、前記外輪の内側に前記内輪を偏心して配置し、前記内輪の中心に車軸を通し、前記外輪が段差に当接すると前記内輪が前記車軸に押され、前記外輪の内径に沿って上昇移動することにより、前記外輪が段差に当接した際の衝撃や騒音発生を有効に防止できるとしたキャスターが開示されている。
【0007】
また、特許文献5には、キャスターを外輪となるタイヤ部材と、内輪となる支持板の組み合わせで構成し、前記タイヤ部材と前記支持板の間に環状ベアリングを嵌装し、前記タイヤ部材と前記支持板が相対的に回転可能とし、前記支持部材には径中心から進行方向へ向かって略斜め上向きの長孔が穿孔され、車軸が前記長孔に沿って移動可能な構造とし、前記タイヤ部材が段差に当接すると、前記長孔に沿って前記車軸が進行方向に向かって上昇し、段差を軽い力で容易に乗り越えることができるとしたキャスターが開示されている。
【0008】
また、特許文献6には、キャスターを外輪となる車輪と、内輪となるホイールハブの組み合わせで構成し、前記車輪と前記ホイールハブの間に環状ベアリングを嵌装し、前記車輪と前記ホイールハブが相対的に回転可能とし、ホイールハブの下方には円弧形状の長孔が穿孔され、ボルトを挿通したカラーが前記長孔に沿って移動可能な構造とし、前記車輪が段差に当接すると、前記長孔に沿って前記ホイールハブが進行方向反対側に向かって回動し、タイヤが進行方向斜め後ろ上方に揺動、変位し、円滑に段差を乗り越えることができるとしたキャスターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2017-13632号公報
特開2005-247297号公報
特開2016-40148号公報
特開2008-13074号公報
特開2001-334804号公報
実開平06-32108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では次のような問題がある。即ち、外輪の内周面と内輪の外周面が面で当接する組み合わせで車輪を構成しているため、前記外輪が前記内輪と相対的に回転する際、前記外輪に対する回転摩擦抵抗が大きく、平たん路での移動操作力が大きくなるという問題がある。また、ゴミ噛みにより作動不良を招く可能性がある。そして、段差通過後に前記内輪を当初位置に戻すために板バネを用いた復元機構を前記内輪に具備した、相対的に摺動する部品の組み合わせで構成しているため、構造が複雑で製造コストを低く抑えることができないといった問題がある。
また、上記特許文献2に記載の技術では、外輪となるタイヤ部材と内輪となる支持部材の間に軸受けを嵌装しているが、大径の軸受けが必要となり前記軸受けの質量が大きくなり、製造コストが高くなると共に、車輪全体の質量が大きくなる。そして、移動体を押す力の作用点となる車軸が、タイヤ部材の回転中心を通る水平線より下方で、前記支持部材の下方位置にあり、段差上面から前記車軸の中心を通る水平線上に作用する移動体を押す力までの鉛直線上の距離が短く、移動体を押す力に作用するモーメントレバーが短いので、段差通過時に移動体を押す力を低減できないといった問題がある。
また、上記特許文献3に記載の技術では、外輪となるタイヤと内輪となるホイールの間にコロまたは転がり軸受を嵌装するとしているが、前記コロの場合、転動するための案内用円環状レールが必要となり質量が増加し、コストが増加する。また前記転がり軸受けの場合、大径の転がり軸受けが必要なので質量が大きくなり、製造コストが高くなると共に、車輪全体の質量が大きくなる。そして、ホイールに車軸移動用の円弧状の穴が穿設され、前記円弧状の穴に沿って前記車軸が摺動するため、前記円弧状の穴または前記車軸に摩耗が生じるといった問題がある。更に、摺動部分は油などで潤滑する必要があるので、日常のメインテナンスが必要になるといった問題もある。
また、上記特許文献4に記載の技術では、外輪が段差端面に当接後の車軸の上昇量が少なく、段差上面から車軸の中心を通る水平線上に作用する移動体を押す力までの鉛直線上の距離が短く、移動体を押す力に作用するモーメントレバーが短く、段差通過に要する力を殆ど低減できないといった問題がある。
また、上記特許文献5に記載の技術では、外輪であるタイヤ部材と内輪である支持板の間にベアリングを嵌装しているので、大径のベアリングが必要となり、前記ベアリングの質量が大きくなり、製造コストが高くなると共に、車輪全体の質量が大きくなる。そして、ホイールに車輪軸移動用の長孔が穿設され、前記長孔に沿って前記車輪軸が摺動するため、前記長孔または前記車輪軸に摩耗が生じるといった問題がある。更に、摺動部分は油などで潤滑する必要があるので、日常のメインテナンスが必要になるといった問題もある。
また、上記特許文献6に記載の技術では、外輪となる車輪と内輪となるホイールハブの間に軸受けを嵌装しているが、大径の軸受けが必要となり、前記軸受けの質量が大きくなり、製造コストが高くなると共に、車輪全体の質量が大きくなる。そして、ホイールハブには揺動中心軸周りに揺動するための円弧状の穴が穿設され、カラーが前記円弧状の穴を摺動するため、前記カラーまたは前記円弧状の穴に摩耗が生じるといった問題がある。更に、摺動部分は油などで潤滑する必要があるので、日常のメインテナンスが必要になるといった問題もある。
(【0011】以降は省略されています)

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