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公開番号
2025121305
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-19
出願番号
2024016675
出願日
2024-02-06
発明の名称
樹脂組成物及び合成樹脂製歯車
出願人
バンドー化学株式会社
代理人
弁理士法人お茶の水内外特許事務所
主分類
C08L
81/02 20060101AFI20250812BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】歯車等の成形体を良好な寸法精度で成形可能な樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ポリフェニレンスルフィドを主成分とするベース樹脂と、無機フィラーとを含有する樹脂組成物であって、MD収縮率S
MD
に対するTD収縮率S
TD
の収縮率比(S
TD
/S
MD
)は、3.0以下であり、3D収縮率S
3D
からMD収縮率S
MD
を減算した収縮率差(S
3D
-S
MD
)は、3.0%以下である樹脂組成物、及び、その樹脂組成物により形成される合成樹脂製歯車。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリフェニレンスルフィドを主成分とするベース樹脂と、無機フィラーとを含有する樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物をJIS K7152-3に準拠して金型で射出成形することにより得られる試験片に関し、前記射出成形時の溶融樹脂の流動方向に平行なM方向における前記金型のキャビティ空間に対する前記試験片の収縮率をMD収縮率S
MD
と規定し、前記流動方向に直角なT方向における前記キャビティ空間に対する前記試験片の収縮率をTD収縮率S
TD
と規定する場合、前記MD収縮率S
MD
に対する前記TD収縮率S
TD
の収縮率比(S
TD
/S
MD
)は、3.0以下であり、
前記M方向、前記T方向、及び前記試験片の厚さ方向であるZ方向の3次元方向における前記キャビティ空間に対する前記試験片の3D収縮率S
3D
から、前記MD収縮率S
MD
を減算した収縮率差(S
3D
-S
MD
)は、3.0%以下である
ことを特徴とする樹脂組成物。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
前記樹脂組成物を成形して得られる成形体の引張強度は、100MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記無機フィラーは、アスペクト比が5未満となる等方性フィラーと、繊維状フィラーとを含むことを特徴とする請求項2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記繊維状フィラーの平均繊維長は、100μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記無機フィラーにおける前記繊維状フィラーの体積比率は、0.1%以上45%以下であることを特徴とする請求項3に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記無機フィラーの含有量は、5体積%以上65体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載の樹脂組成物により形成されることを特徴する合成樹脂製歯車。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物及び合成樹脂製歯車に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
例えば特開2021-98367号公報(特許文献1)には、ベース樹脂としての熱可塑性樹脂と、粒状無機物と、繊維状無機物とを含む樹脂組成物を射出成形して得られる樹脂成形体が記載されている。同公報の樹脂成形体は、粒状無機物及び繊維状無機物の合計体積が、樹脂組成物全体積の30体積%~70体積%であり、射出成形時において溶融した樹脂組成物の流れ方向をMDと定め、そのMDに直交する方向をTDと定めた場合、樹脂成形体の線膨張係数の比(A
MD
/A
TD
)又は成形収縮率の比(B
MD
/B
TD
)が0.5~1である。
【0003】
また同公報には、上記樹脂組成物の成形体として、冷暖房設備機等に使用されるスクロール型冷媒圧縮機のスクロールロータが記載されている。更に同公報には、スクロールロータが上記樹脂組成物の成形体であることにより、スクロールロータの製造を生産性よく効率的にできること、スクロールロータの低価格化に寄与できること、及び、寸法精度に優れるとともに機械的強度が確保されることが記載されている。
【0004】
ところで、従来から、プリンター及びコピー機等のOA機器においては、合成樹脂製の歯車(以下、樹脂製歯車と略記する)が、動力伝達部品として多く使用されている。また、このような歯車の材質となる樹脂組成物の1つとして、成形性、耐熱性が優れており、コストの面でも有利なポリフェニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成物が知られている。
【0005】
OA機器に用いられる樹脂製歯車には、引張強度及び曲げ強度等の機械的性質を適切に備えていることが求められるとともに、例えば寸法精度を高めて歯車の噛み合い誤差(日本歯車工業会規格JGMA 116-02)を小さくすること、及び摺動性を備えていること等のように、歯車特有の性質を適切に備えていることが求められている。
【0006】
一方、樹脂組成物の材料の面においては、成形体の機械的強度の性質と、寸法精度の性質とは互いにトレードオフの関係にあることが知られており、例えば機械的強度を高める場合、寸法精度の低下を招くという問題があった。このため、従来では、強度と寸法精度とを兼ね備える合成樹脂製歯車を得るために、射出成形の技術及び金型設計の技術等を改良することによって対応することが多かった。
しかしながら、近年のOA機器の品質向上に伴い、また、OA機器の高性能化又は高機能化に伴い、樹脂製歯車に対しても、より高い品質が求められるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2021-98367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、歯車等の成形体を良好な寸法精度で成形可能な樹脂組成物及びその樹脂組成物により形成される歯車を提供すること、又は、良好な寸法精度と高い強度とをバランス良く兼ね備える歯車等の成形体を成形可能な樹脂組成物及びその樹脂組成物により形成される歯車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための、本発明の構成は以下のとおりである。
1.ポリフェニレンスルフィドを主成分とするベース樹脂と、無機フィラーとを含有する樹脂組成物であって、
前記樹脂組成物をJIS K7152-3に準拠して金型で射出成形することにより得られる試験片に関し、前記射出成形時の溶融樹脂の流動方向に平行なM方向における前記金型のキャビティ空間に対する前記試験片の収縮率をMD収縮率S
MD
と規定し、前記流動方向に直角なT方向における前記キャビティ空間に対する前記試験片の収縮率をTD収縮率S
TD
と規定する場合、前記MD収縮率S
MD
に対する前記TD収縮率S
TD
の収縮率比(S
TD
/S
MD
)は、3.0以下であり、
前記M方向、前記T方向、及び前記試験片の厚さ方向であるZ方向の3次元方向における前記キャビティ空間に対する前記試験片の3D収縮率S
3D
から、前記MD収縮率S
MD
を減算した収縮率差(S
3D
-S
MD
)は、3.0%以下である
ことを特徴とする樹脂組成物。
2.前記樹脂組成物を成形して得られる成形体の引張強度は、100MPa以上であることを特徴とする1.に記載の樹脂組成物。
3.前記無機フィラーは、アスペクト比が5未満となる等方性フィラーと、繊維状フィラーとを含むことを特徴とする2.に記載の樹脂組成物。
4.前記繊維状フィラーの平均繊維長は、100μm以上500μm以下であることを特徴とする3.に記載の樹脂組成物。
5.前記無機フィラーにおける前記繊維状フィラーの体積比率は、0.1%以上45%以下であることを特徴とする3.に記載の樹脂組成物。
6.前記無機フィラーの含有量は、5体積%以上65体積%以下であることを特徴とする1.に記載の樹脂組成物。
7.1.~6.の何れかに記載の樹脂組成物により形成されることを特徴する合成樹脂製歯車。
【発明の効果】
【0010】
本発明の樹脂組成物は、当該樹脂組成物を用いて歯車を成形するときに、ポリフェニレンスルフィド特有の性質を備えるとともに、例えば日本歯車工業会規格JGMA 116-02に規定される1ピッチ噛み合い等級で3級以上の噛み合い誤差を確保できる高い寸法精度で樹脂製歯車を成形することができる。又は、本発明の樹脂組成物は、当該樹脂組成物を用いて歯車を成形するときに、ポリフェニレンスルフィド特有の性質を備えるとともに、前記1ピッチ噛み合い等級で3級以上の噛み合い誤差を確保できる高い寸法精度と、例えば引張強度が100MPa以上となる高い機械的強度とを兼ね備えた樹脂製歯車を成形することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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