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公開番号
2025119683
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-15
出願番号
2024014604
出願日
2024-02-02
発明の名称
焼入れ装置
出願人
レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
,
日本エア・リキード合同会社
代理人
園田・小林弁理士法人
主分類
C21D
1/62 20060101AFI20250807BHJP(鉄冶金)
要約
【課題】
水素ガスを用いたガス焼入れを効果的に実施することができる、焼入れ装置、焼入れ方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
水素ガスを用いて材料を衝風冷却する焼入れ室と、水素ガスを冷却する熱交換器と、前記焼入れ室から排出される水素ガスを前記熱交換器に供給する第1の配管と、前記熱交換器により冷却された水素ガスを前記焼入れ室に供給する第2の配管とを備える、焼入れ装置が開示される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水素ガスを用いて材料を衝風冷却する焼入れ室と、
水素ガスを冷却する熱交換器と、
前記焼入れ室から排出される水素ガスを前記熱交換器に供給する第1の配管と、
前記熱交換器により冷却された水素ガスを前記焼入れ室に供給する第2の配管と
を備える、焼入れ装置。
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【請求項2】
前記第2の配管から分岐する分岐配管と、
前記分岐配管を通して供給される水素ガスを貯蔵する低圧水素ガスタンクと、
前記低圧水素ガスタンクから供給される水素ガスを加圧する水素ガスコンプレッサと、
前記水素ガスコンプレッサにより加圧された水素ガスを貯蔵する高圧水素ガスタンクと、
前記高圧水素ガスタンク内の水素ガスを前記第2の配管に供給する供給配管と
をさらに備える、請求項1に記載の焼入れ装置。
【請求項3】
前記低圧水素ガスタンクと前記水素ガスコンプレッサとを接続する配管が、水素ガス中の不純物を除去する水素ガス再生ユニットを介装する、請求項2に記載の焼入れ装置。
【請求項4】
前記水素ガスコンプレッサが、メタルハイドライドを用いた水素ガスコンプレッサである、請求項2に記載の焼入れ装置。
【請求項5】
前記第1の配管に介装され、前記焼入れ室から供給される水素ガスを加圧する水素ガスコンプレッサと、
前記第2の配管から分岐する分岐配管を通して、前記第2の配管と連通する水素ガスタンクと
をさらに備え、
前記水素ガスコンプレッサが、メタルハイドライドを用いた水素ガスコンプレッサである、請求項1に記載の焼入れ装置。
【請求項6】
前記第1の配管から分岐する分岐配管を通して供給される水素ガスを加圧する水素ガスコンプレッサと、
前記水素ガスコンプレッサで加圧された水素ガスを貯蔵する水素ガスタンクと、
前記水素ガスタンク内の水素ガスを前記第2の配管に供給する供給配管と
をさらに備え、
前記水素ガスコンプレッサが、メタルハイドライドを用いた水素ガスコンプレッサである、請求項1に記載の焼入れ装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の焼入れ装置において水素ガスにより材料に焼入れをすることを含む、焼入れされた材料の製造方法。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の焼入れ装置において水素ガスにより材料に焼入れをすることを含む、焼入れされた材料を備える製品の製造方法。
【請求項9】
前記製品が、ギア、シャフト、又はベアリングである、請求項8に記載の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、水素ガスを冷却剤として材料に焼入れを行うための装置に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
焼入れ(quenching)は、高温状態にした材料を、静止空気中よりも迅速に冷却する操作である。焼入れは、例えば、鉄鋼材(例えば、鋼)の製造工程において、オーステナイト組織を有する加熱した金属組織を急速に冷却し、耐摩耗性、引張強さ、疲労強度等の点でより優れた特性を有するマルテンサイト組織を得るために、実施される。この操作は、とりわけ、表面にオーステナイト組織が残留しやすい、浸炭処理をした鉄鋼材の特性を向上させる上で、重要である。
【0003】
焼入れに用いる冷却剤として、油、水、水溶液(例えば、ポリマー水溶液)、ガス等が使用される。
油を冷却剤として使用する焼入れは、油の熱伝導係数が高いことから、材料を迅速に冷却することができる。一方、油を冷却剤として使用する焼入れは、高温状態の材料を最初に処理する際に油が沸騰することを防ぐため、油を適切な温度に予熱する必要があり、そのための追加の設備を要する。また、材料に油が付着するため、焼入れ後に洗浄する工程や、油を含む洗浄液を廃棄処理する工程を必要とする。
【0004】
水や水溶液(例えば、ポリマー水溶液)を冷却剤として使用する焼入れもまた、水や水溶液の熱伝導係数が高いことから、材料を迅速に冷却することができる。一方、水を冷却剤として使用する焼入れでは、鋼等の材料にクラックが生じることが、しばしば問題となる。また、水や水溶液(例えば、ポリマー水溶液)を冷却剤として使用する焼入れは、焼入れ後に、材料に付着した冷却剤を洗浄除去する工程や、錆が生じることを防ぐために材料を乾燥させる工程を必要とする。
【0005】
ガスを冷却剤として使用する焼入れ(ガス焼入れ)は、ガスの熱伝導係数が、油、水、水溶液等と比較して、一般に低いことから、材料を迅速に冷却する上では、油を冷却剤として使用する焼入れや、水や水溶液(例えば、ポリマー水溶液)を冷却剤として使用する焼入れよりも、不利である。また、一方、ガス焼入れは、冷却剤の温度や圧力等のパラメータを精密に調整できること、焼入れ後の材料の後処理(例えば、洗浄、乾燥)を必要としないこと、廃棄物が少なく環境負荷が小さいこと、必要な設備が少なく済み、製造ラインに組込みやすいこと等の、優れた特徴を有する。ガス焼入れによる材料の冷却は、冷却効率を向上させるため、通常、高圧に加圧したガスを用い、ファンを用いて衝風空冷することにより実施される。
【0006】
焼入れを効果的に行う装置、方法が必要とされている。例えば、特表2007-502913号公報では、とりわけヘリウムを含む高圧ガスを効率的に加圧することにより、ガス焼入れを効率的に実施することができる装置、方法が、報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特表2007-502913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のガス焼入れでは、冷却剤として、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、これらの組み合わせを含む混合ガス等が主に用いられてきた。一方、より効果的にガス焼入れを実施するには、より熱伝導係数が高いガスを使用することが望ましい。
この点、水素ガスを冷却剤として使用することは、水素ガスの熱伝導係数が、窒素ガスの熱伝導係数の約2倍であり、ヘリウムガスの熱伝導係数の約1.3倍であることに鑑みると、冷却効率の観点からは好ましいと考えられる。しかしながら、水素ガスは、例えば、安価なことから多用される窒素ガス等と比較して高価であることから、産業規模の焼入れに用いることは、費用の点で容易ではなかった。また、不活性ガスである窒素ガス等と異なり、水素ガスは可燃性、引火性であり、取扱いに注意を要する。とりわけ、高圧に加圧した水素ガスを産業規模で用いることは、容易ではなかった。
したがって、本開示は、熱伝導係数が高い水素ガスを用いたガス焼入れを効果的に実施することができる、焼入れ装置、焼入れ方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示では、以下の焼入れ装置が使用される。
水素ガスを用いて材料を衝風冷却する焼入れ室と、
前記焼入れ室に前記水素ガスを供給するファン部と、
前記水素ガスを冷却する熱交換器と、
前記焼入れ室内の水素ガスを前記熱交換器に供給する第1の配管と、
前記熱交換器により冷却された水素ガスを前記ファン部に供給する第2の配管と、
を備える焼入れ装置。
【0010】
本開示の焼入れ装置は、優れた熱伝導係数を有する水素ガスを用いた焼入れを効果的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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