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公開番号2025117848
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-13
出願番号2024012797
出願日2024-01-31
発明の名称杭施工方法、管杭及び杭構造
出願人積水ハウス株式会社
代理人弁理士法人あーく事務所
主分類E02D 7/26 20060101AFI20250805BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】周壁にスリットを形成した管杭を地盤に圧入して内側から拡径する、従来よりも簡便で安価な杭施工方法と、該方法に利用し得る管杭を提供する。
【解決手段】中空の直管からなる管杭1の周壁に、材長方向に延びるスリット12を複数本、形成して易拡径部11とし、その先端を閉塞した管杭1を準備する。その管杭1を圧入又は打込みによって地盤内の所定深さまで埋設し、その頭部に鍔状の沈降防止具3を取り付けて地盤表面に当接させる。管杭1の内部に砕石4を投入して、管杭1の上方から加圧することにより、易拡径部11を径外方向に膨出変形させて、地盤内での周面摩擦力を増大させる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
下記[工程1]~[工程6]を含む杭施工方法。
[工程1]中空の直管の周壁に、前記直管の材長方向に延びて前記周壁を内外方向に貫通する複数本のスリットを形成することにより、当該部分の周壁を易拡径部とし、前記直管の先端を閉塞した管杭を準備する。
[工程2]前記管杭を、圧入又は打込みによって地盤の所定深さまで埋設する。
[工程3]前記管杭の頭部に沈降防止具を取り付けて、前記沈降防止具を地盤表面に当接させる。
[工程4]前記管杭の内部に砕石を投入して、少なくとも前記易拡径部の高さまで充填する。
[工程5]前記管杭の上方から加圧装置を用いて前記砕石に加圧することにより、前記易拡径部を径外方向に膨出変形させる。
[工程6]前記砕石への加圧を停止し、前記加圧装置を除去して、前記沈降防止具を取り外す。
続きを表示(約 880 文字)【請求項2】
請求項1に記載された杭施工方法の[工程2]において、
前記管杭を一定方向に回転圧入しながら埋設する
ことを特徴とする杭施工方法。
【請求項3】
請求項2に記載された杭施工方法において、
[工程1]で準備される前記管杭は、前記易拡径部の材軸直交断面に表れる前記スリットの貫通方向が、前記管杭の径方向に対して所定角度、傾斜するように形成されており、
[工程2]では、前記スリットの貫通方向における内側が前記管杭の回転方向において先行する向きに前記管杭を回転させる
ことを特徴とする杭施工方法。
【請求項4】
中空の直管からなる管杭であって、
先端が閉塞された前記直管の周壁に、前記直管の材長方向に延びて前記周壁を内外方向に貫通する複数本のスリットが形成されてなる易拡径部が設けられ、
前記易拡径部は、その材軸直交断面に表れる前記スリットの貫通方向が、前記直管の径方向に対して所定角度、傾斜するように形成されている
ことを特徴とする管杭。
【請求項5】
請求項4に記載された管杭において、
前記易拡径部が、材軸方向に所定の間隔を設けて複数箇所に設けられている
ことを特徴とする管杭。
【請求項6】
先端が閉塞された中空の直管からなる管杭の周壁に、前記管杭の材長方向に延びて前記周壁を内外方向に貫通する複数本のスリットが形成されてなる易拡径部が設けられ、
前記管杭が地盤内に埋設され、
前記管杭の内部に砕石が充填され、
前記砕石が加圧されることにより、前記易拡径部が前記地盤内で径外方向に膨出変形している
ことを特徴とする杭構造。
【請求項7】
請求項6に記載された杭構造において、
前記易拡径部は、その材軸直交断面に表れる前記スリットの貫通方向が、前記直管の径方向に対して所定角度、傾斜するように形成されている
ことを特徴とする杭構造。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願が開示する発明は、鋼管その他の中空直管からなる管杭を地盤に埋設して支持力を得るための杭施工方法と、該方法に利用する管杭、さらに該方法によって施工される杭構造に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
住宅その他の中小規模建物の建築工事に際しては、十分な地盤支持力を得るために、小口径(φ100mm~200mm程度)の鋼管杭による杭施工方法がよく採用される。小口径鋼管杭による杭施工方法としては、
(1)杭先端に螺旋状の撹拌翼を取り付けた鋼管杭を回転させて地盤を掘削しながら貫入し、杭先端を硬質層へ到達させることで支持力を得る杭施工方法
(2)撹拌翼のない直管を回転させずに、又は回転させながら地盤に圧入して、その周面の摩擦抵抗により支持力を得る杭施工方法
が代表的である。
【0003】
前記(1)の杭施工方法は、鋼管杭の回転貫入に大型の施工機械を要し、地盤によっては杭先端を深部の硬質層まで到達させる必要があるので、杭長が大きくなって施工費が高額になることが多い。また、撹拌翼の回転によって地盤内の土壌が乱れるため、周面摩擦力が得られない。
【0004】
一方、前記(2)の杭施工方法は、前記(1)の杭施工方法に比べると簡便かつ安価に施工できるが、地盤が軟弱な場合は十分な周面摩擦力が得られず、また、地盤の浅部に岩等の障害物あると施工が困難になることもある。
【0005】
そこで、直管状の鋼管杭を地盤に圧入した後、その内部から鋼管杭の周面を径外方向に押し拡げて周面摩擦力を増大させる施工方法が提案されている。例えば特許文献1~4等には、予め先端部分又は中間部分の周壁にスリットを形成した鋼管杭を地盤に圧入した後、その鋼管杭の内部に機械的な拡径装置を挿入したり、膨張性材料を充填したりして、スリットが形成された部分を拡径させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭55-009953号公報
特開昭57-108314号公報
特開昭63-233117号公報
特開2014-070478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願が開示する発明は、前述のような、周壁にスリットを形成した鋼管杭等を地盤に圧入して内側から拡径する杭施工方法に関して、従来よりも簡便で安価に施工し得る拡径手段を採用した杭施工方法と、該方法に好適に利用し得る管杭、さらに該方法によって施工される杭構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために本願が採用した杭施工方法は、下記[工程1]~[工程6]を含むものとして特徴付けられる。
[工程1]中空の直管の周壁に、前記直管の材長方向に延びて前記周壁を内外方向に貫通する複数本のスリットを形成することにより、当該部分の周壁を易拡径部とし、前記直管の先端を閉塞した管杭を準備する。
[工程2]前記管杭を、圧入又は打込みによって地盤の所定深さまで埋設する。
[工程3]前記管杭の頭部に沈降防止具を取り付けて、前記沈降防止具を地盤表面に当接させる。
[工程4]前記管杭の内部に砕石を投入して、少なくとも前記易拡径部の高さまで充填する。
[工程5]前記管杭の上方から加圧装置を用いて前記砕石に加圧することにより、前記易拡径部を径外方向に膨出変形させる。
[工程6]前記砕石への加圧を停止し、前記加圧装置を除去して、前記沈降防止具を取り外す。
【0009】
なお、本杭施工方法では、前記[工程1]~[工程6]に続けて、以下の[工程7]及び[工程8]を実施してもよい。
[工程7]前記管杭の頭部を所定の高さに調整する。
[工程8]前記調整後の管杭の上に建物の基礎を施工する。
【0010】
さらに、本願が採用した杭施工方法は、前述の[工程2]において、前記管杭を一定方向に回転圧入しながら埋設する、ものとして特徴付けられる。
(【0011】以降は省略されています)

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