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公開番号
2025116306
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-08-08
出願番号
2024010641
出願日
2024-01-29
発明の名称
接着剤組成物、ボンディングシート、カバーレイフィルム、積層体及びプリント配線板
出願人
株式会社クラレ
代理人
主分類
C09J
153/02 20060101AFI20250801BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】低誘電特性を有するフィルムに対する接着性、はんだ耐熱性、及び低誘電特性に優れる接着剤組成物を提供する。
【解決手段】以下接着剤組成物を提供する。
ビニル芳香族系エラストマー(A)及びエポキシ樹脂(B)を含み、下記条件(1)から(3)をすべて満たす接着剤組成物。
(1)ビニル芳香族系エラストマー(A)が、ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を主として含有するブロック(X)と、共役ジエン化合物に由来する構造単位を主として含有するブロック(Y)とを含むブロック共重合体である
(2)ビニル芳香族系エラストマー(A)のtanδの主分散ピーク温度が-45℃以上である
(3)ビニル芳香族系エラストマー(A)が反応性官能基を含む
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ビニル芳香族系エラストマー(A)及びエポキシ樹脂(B)を含み、下記条件(1)から(3)をすべて満たす接着剤組成物。
(1)ビニル芳香族系エラストマー(A)が、ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を主として含有するブロック(X)と、共役ジエン化合物に由来する構造単位を主として含有するブロック(Y)とを含むブロック共重合体である
(2)ビニル芳香族系エラストマー(A)のtanδの主分散ピーク温度が-45℃以上である
(3)ビニル芳香族系エラストマー(A)が反応性官能基を含む
続きを表示(約 730 文字)
【請求項2】
前記ブロック(X)がスチレン系モノマーに由来する構造単位を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記ブロック(Y)がイソプレン及びブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種に由来する構造単位を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記ビニル芳香族系エラストマー(A)のブロックの結合形態がX-(Y-X)n、または(X-Y)n(nは1以上の整数)で表される、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
前記ブロック(Y)中の炭素-炭素二重結合の少なくとも一部が水素添加されている、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
前記ブロック(Y)中の炭素-炭素二重結合の水素添加率が80モル%以上である、請求項5に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
前記ブロック(Y)のビニル結合量が45モル%以上である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
前記ビニル芳香族系エラストマー(A)に含まれる反応性官能基が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、及び酸無水物由来の基からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項9】
前記ビニル芳香族系エラストマー(A)に含まれる反応性官能基量が、ビニル芳香族系エラストマー(A)100重量部に対して、0.01~10重量部である、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項10】
硬化促進剤(C)をさらに含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物、ボンディングシート、カバーレイフィルム、積層体及びプリント配線板に関する。
続きを表示(約 3,800 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、プリント配線板における伝送信号の高速化に伴い、信号の高周波化が進んでいる。これに伴い、フレキシブル回路板(FPC)には、高周波領域での低誘電特性(低比誘電率、低誘電正接)の要求が高まっている。このような要求に対して、FPCに用いられる基材フィルムとして、従来のポリイミド(PI)フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、低誘電特性を有する液晶ポリマー(LCP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などの基材フィルムが提案されている。
【0003】
しかしながら、低誘電特性を有する基材フィルムは、低極性のため、従来のエポキシ系接着剤やアクリル系接着剤を用いた場合、接着力が弱く、カバーレイフィルム、積層板等FPC用部材の作製が困難であった。また、エポキシ系接着剤やアクリル系接着剤は、低誘電特性に優れず、FPCの誘電特性を損なう。一方、ポリオレフィン樹脂は、低誘電特性を有することが知られている。そこで、ポリオレフィン樹脂を用いたFPC用接着剤組成物が提案されている。たとえば、特許文献1では、カルボキシル基を含有するポリオレフィン系共重合体、芳香族ビニル化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体、エポキシ樹脂を用いた熱反応性接着剤組成物が提案されている。また、特許文献2では、カルボキシル基含有スチレンエラストマーとエポキシ樹脂を用いた接着剤組成物、さらに特許文献3では、無水マレイン酸変性スチレン系エラストマーとエポキシ樹脂を用いた接着剤組成物が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許3621351
WO2014/147903A1公報
特許6237944
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、ポリイミドフィルムとSUSとの接着性、はんだ耐熱性は述べられているが、誘電特性について言及されておらず、LCPなどの低誘電特性を有する基材フィルムとの接着性についても記載されていない。また、特許文献2では、誘電特性、ポリイミドフィルムと銅箔との接着性は述べられているが、LCPなどの低誘電特性を有する基材フィルムとの接着性については言及されておらず、10GHz以上の高周波数領域での電気特性についても言及されていない。さらに、特許文献3では、ポリイミド同士における接着性は述べられているが、LCPなどの低誘電特性を有する基材フィルムとの接着性については言及されておらず、10GHz以上の高周波数領域での電気特性についても言及されていない。一般的にLCPのような低極性の基材フィルムとの接着性を高めるには、接着剤組成物の極性を高める必要があるが、極性を高めると接着剤自身の低誘電特性が得られにくくなることが知られていた。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、低誘電特性を有するフィルムに対する接着性、はんだ耐熱性、及び低誘電特性に優れる接着剤組成物、ボンディングシート、カバーレイ、積層体及びプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らが鋭意検討した結果、特定のビニル芳香族系エラストマーを用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち前記目的は、
[1]ビニル芳香族系エラストマー(A)及びエポキシ樹脂(B)を含み、下記条件(1)から(3)をすべて満たす接着剤組成物;
(1)ビニル芳香族系エラストマー(A)が、ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を主として含有するブロック(X)と、共役ジエン化合物に由来する構造単位を主として含有するブロック(Y)とを含むブロック共重合体である
(2)ビニル芳香族系エラストマー(A)のtanδの主分散ピーク温度が-45℃以上である
(3)ビニル芳香族系エラストマー(A)が反応性官能基を含む
[2]前記ブロック(X)がスチレン系モノマーに由来する構造単位を含む、[1]の接着剤組成物;
[3]前記ブロック(Y)がイソプレン及びブタジエンからなる群から選択される少なくとも1種に由来する構造単位を含む、[1]又は[2]の接着剤組成物;
[4]前記ビニル芳香族系エラストマー(A)のブロックの結合形態がX-(Y-X)n、または(X-Y)n(nは1以上の整数)で表される、[1]~[3]のいずれかの接着剤組成物;
[5]前記ブロック(Y)中の炭素-炭素二重結合の少なくとも一部が水素添加されている、[1]~[4]のいずれかの接着剤組成物;
[6]前記ブロック(Y)中の炭素-炭素二重結合の水素添加率が80モル%以上である、[5]の接着剤組成物;
[7]前記ブロック(Y)のビニル結合量が45モル%以上である、[1]~[6]のいずれかの接着剤組成物;
[8]前記ビニル芳香族系エラストマー(A)に含まれる反応性官能基が、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、及び酸無水物由来の基からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]~[7]のいずれかの接着剤組成物;
[9]前記ビニル芳香族系エラストマー(A)に含まれる反応性官能基量が、ビニル芳香族系エラストマー(A)100重量部に対して、0.01~10重量部である、[1]~[8]のいずれかの接着剤組成物;
[10]硬化促進剤(C)をさらに含む、[1]~[9]のいずれかの接着剤組成物;
[11]硬化促進剤(C)がイミダゾール化合物である、[10]の接着剤組成物;
[12]難燃剤(D)をさらに含む、[1]~[11]のいずれかの接着剤組成物;
[13]難燃剤(D)が有機ホスフィン酸金属塩である、[12]の接着剤組成物;
[14]周波数28GHzで測定した比誘電率、誘電正接がそれぞれ2.5未満、0.005未満である、[1]~[13]のいずれかの接着剤組成物;
[15]液晶ポリマーフィルム同士を前記接着剤組成物により接着してなる試験片の25℃における90°剥離強度が0.5N/mm以上である、[1]~[14]のいずれかの接着剤組成物;
[16]液晶ポリマーフィルム同士を前記接着剤組成物により接着してなる試験片を288℃のはんだ浴に浮かべた時に20秒経過時点で発泡が見られない、[1]~[15]のいずれかの接着剤組成物;
[17][1]~[16]のいずれかの接着剤組成物を含むボンディングシート;
[18][1]~[16]のいずれかの接着剤組成物を含むカバーレイフィルム;
[19][1]~[16]のいずれかの接着剤組成物を含有する接着剤層を含む積層体;
[20]さらに基材層を含み、該基材層が液晶ポリマー及びポリイミドからなる群から選択される少なくとも1種を含む、[19]の積層体;
[21][19]又は[20]の積層体を含むプリント配線板
のいずれかを提供することにより達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、低誘電特性を有するフィルムに対する接着性、はんだ耐熱性、及び低誘電特性に優れる接着剤組成物、ボンディングシート、カバーレイ、積層体及びプリント配線板を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<接着剤組成物>
本発明の接着剤組成物は、芳香族系エラストマー(A)及びエポキシ樹脂(B)を含む接着剤組成物であって、ビニル芳香族系エラストマー(A)は、ビニル芳香族化合物に由来する構造単位を主として含有するブロック(X)と共役ジエン化合物に由来する構造単位を主として含有するブロック(Y)とを含むブロック共重合体であって、tanδの主分散ピーク温度が-45℃以上であり、反応性官能基を含むものである。かかる接着剤組成物では、ビニル芳香族系エラストマー(A)中の反応性官能基とエポキシ樹脂(B)中のエポキシ基とが反応することにより硬化物を形成し、被着体(例えばLCPフィルム)に対する高い接着性を得ることができる。またビニル芳香族系エラストマー(A)のtanδの主分散ピーク温度が上記範囲であることにより、周波数応答による分子運動が抑制され、反応性官能基を有するにもかかわらず、低誘電特性に優れる。また、好ましい一実施態様として、ビニル芳香族系エラストマー(A)中の反応性官能基及び/又はエポキシ樹脂(B)中のエポキシ基が、LCPフィルムなどの被着体の表面官能基と反応することにより、接着剤組成物と被着体との接着性をより高めることができる。接着剤組成物中のビニル芳香族系エラストマー(A)とエポキシ樹脂(B)とが反応してなる硬化物も本発明の接着剤組成物の一実施態様である。
(【0011】以降は省略されています)
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